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株式日記と経済展望
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ニッケイ上げ要因が参院選まで市場でもてはやされるのでニッケイは
選挙までに15,000円に接近し安倍政権は大勝利となるだろう。増田俊男
2013年7月6日 土曜日
◆「富士山相場」花々しくスタート! 7月3日 増田俊男
http://www.chokugen.com/opinion/backnumber/h25/jiji130703_843.html
夏相場(7月)、別名「富士山相場」(私が命名)はニッケイ平均株価で6月27日のスタート時の13,000円から昨日7月2日の14,098円まで約1,000円の上げとなった。
「小冊子」(Vol.47)で、「金融相場が終わってからの相場はファンダメンタルズ、企業実績相場になり、世界マネーは安定(NY)と成長(ニッケイ)を求めて動く」と述べ、日本の債権市場が安定してきたので「待っていましたとばかり日本市場に押し寄せてくる」と述べたが、その様相となって来た。
ニッケイ(日本株)がNY(米国株)より有利なのは、FRBが金融緩和出口模索なのに日銀は今後2年間異次元(異常)金融緩和を続行すること。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や公務員共済組合(三業態)など合わせると200兆円規模の10%、年約20兆円の公的資金という支えがあること。
外資が最も懸念していた日本の債権市場が安定してきたので今後継続して日本株買いに入ること。さらにアメリカ経済が低速とは言え堅調に推移していることからFRBの緩和縮小期待は衰えないのでドル高・円安傾向が維持される。
上記のニッケイ上げ要因が参院選まで市場でもてはやされるのでニッケイは選挙までに15,000円に接近し安倍政権は大勝利となるだろう。
バーナンキFRB議長のアメリカは安倍自民参院選大勝の為のリップサービスを決して惜しまない。その理由は「小冊子」(Vol.47)で詳しく解説したが、要は小泉政権が「鶴の一声」でブッシュ大統領の「日米投資イニシアティブ」と言う名の対日要望事項(郵政民営化と聖域である農業、教育、医療の自由化)を立法化したのが忘れられないのである。アメリカの国益の為の対日要望事項を安倍内閣にも即刻実行してもらいたいのである。
「アメリカへの隷属を断ち切る」などと公言した鳩山由紀夫氏が「即刻首!」になったのは当然のこと。
黒田日銀の仕事が終わっていないのでまだ日本の債権市場はアメリカの自由になっていないが、株式市場は「アメリカが思うがまま」なので、「間違いなく」ニッケイが参院選直前まで上げ続けることは私では無く「アメリカが保証する」ところである!
◆アメリカに支配さるべきか否か
こうして日本の株式市場、やがては債権市場まですべてアメリカの支配下になるのは何故だろうか。日本の安全がアメリカの手の内にあるのは日米安保と憲法第9条のため仕方がないにしても、何故経済までアメリカから自立出来ないのだろうか。
それは、国民主権者と経済界はもとよりあらゆる国民の階層に真実が伝わらないから。国の債務が1,000兆円を超えたと言って、国民の借金が一人当たり800万円になったとか(真実は借金どころか国民が国に対して貸付けた債権額)、財政健全化が急務(真実は下記を読めば分かる通り、財政健全化など不要)などと日本のマスコミは本気で言っているのだから話の外!「総負債」と「純負債」の違いを一生懸命隠してきたのが、明治以来の「民は依らしむべし、知らしむべからず」を貫いている日本官僚の頂点立つ大蔵官僚(今の財務官僚中枢)!
巧みに名を変え、品を変えた事実上の国債引当金は500兆円にも及ぶ。
財務省5月発表の海外「純」資産は前年比12%増の296.3兆円で22年連続世界一。さらに外貨準備の100兆円まで加えたら日本の国の純負債は消えて無くなる。日本財政赤字無し、超健全財政等を財務省の財務諸表で証明したら世界中から経済援助や金融支援が殺到するのは必至。だから財政超赤字の恰好をしているだけ。アメリカの支配から逃れて独立すると責任が発生するので、このまま「落穂拾い」に徹した方がいいというのが日本に責任を持つ大蔵官僚(今財務)の魂胆と伝統。さあ、どうしたものでしょうか。
(私のコメント)
いつの間にか円が1ドル=100円を超える円安になっています。今回の参議院選挙はアベノミクスを評価するかどうかが選挙の争点になっています。サラリーマンは給料が上がらずに物価だけが上がっていると言う不満が聞かれますが、株や不動産を買っておけば資産インフレで価値が上がって含み利益が出ます。
資産インフレになれば資産家が金を使い出して高級品が売れるようになりました。株式市場では半年あまりで株価が倍増した株がゴロゴロあるから株を持っていた投資家が利食いして金を使います。株を持っていなかった人も早めに買っていれば儲ける事が出来た。しかし5月に入ってくればアメリカの投資ファンドも配当のために一部を売らなければなりません。それが済めばアメリカのファンドはまた買い始めます。
黒田日銀総裁はあと二年は金融緩和を続けるということですから、株が下がったところは買っていくのが投資法になります。当面は参議院選挙の前までは株式は堅調でしょう。国会のねじれ状態を解消する予想が出ています。それほど民主党政権は酷い政権でしたが、東日本大震災の失策が大きく響いている。
安倍総理はアベノミクスの成果を訴えるだけで選挙に勝つだろう。しかし実際に行なわれたのは金融緩和だけであり、資金が市場に出回ってはまだいない。株を買ったのは外人であり売ったのは日本の投資家であり、リーマンショックの損を取り返して一息ついたところだろう。
問題の根本は日銀の円高政策にあったのですが、白川総裁を事実上更迭して財務省出身の黒田氏に金融緩和を実行させた。それだけで80円前後だった円が100円を超えるまで円安になったのだから、輸出企業は手取りが二割も増えた事になる。この円安で日本に輸出していた中国や韓国の輸出企業は2割も手取りが減ってしまった事になる。
8000円台から15000円台までの株高は、年金資金などの資金運用にもプラスになり、銀行などの持ち株も資産価値が上がった事で銀行の財務内容にもプラスになります。長い間円高を放置してきたから株安と不動産の下落が続いてきましたが、不動産の下落も反転した兆候が見られます。だから韓国や中国の経済は株の下落などで変調が見られますが、投資資金も中韓から日本にシフトして来ているのでしょう。
だから中国や韓国は、日本のマスコミを含めてアベノミクスの批判をしていますが、最近の流れとしては明らかに世界の投機資金は中国から逃げ始めてます。先日もゴールドマンサックスが中国の銀行株を手放した事を書きましたが、中国はアメリカの言う事を聞かなくなり周辺諸国への勢力拡大に乗り出してきている。
まだアベノミクスは始まったばかりであり、株式も金融相場から業績相場へと変わっていくだろう。ただ政策に具体性に乏しく政権の安定がないと海外からの投資も集まりにくい。一番最初にしなければならないのは公務員制度改革ですが、「維新の会」が一時支持を集めたのは公務員制度改革を訴えたからだ。みんなの党とも連携してきたのですが、橋本代表は地方分権という錦の御旗を忘れてしまったようだ。
結果的に民主党への批判票が自民党に流れて「維新の会」は失速してしまった。消費税やTPPなどの問題も争点になるはずですが、安倍政権ではその辺の政策がはっきりとしていない。その辺は触れずにアベノミクスへの支持票を集める作戦なのだろう。その為には株価も上げる必要がありますが、円安株高で選挙間近まで株高は続くかもしれない。
アメリカもEUも経済実態はよくなく、中国なども経済発展の歪が現れて外資などが逃げ始めている。アメリカが金融を引き締めに転換すれば新興国への投資が引き上げられるから、中国や韓国などは金融危機の兆候が出てきた。日本の円安は中国や韓国の経済に大きなダメージとなる。だから中国や韓国は安倍首相とは会談しない方針を取っていますが、中韓政府はプライドだけが高い。
参議院選挙では自公が過半数を取る勢いですが、株価の動きが安倍政権の追い風になっている。民主党政権では経済政策に通じた議員がおらず官僚に丸投げしてしまった。自民党は麻生副総理をはじめとして経済に通じているから円安株高になっているのでしょうが、消費税とTPPで判断を誤ると命取りになる。とりあえずは参議院選挙で過半数を取る事が目標になる。
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