04. 2013年7月05日 19:17:49
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焦点:日銀は15年度に物価2%の見通し維持へ、中国リスクを点検 2013年 07月 5日 18:57 JST [東京 5日 ロイター] - 日銀は10、11日に開く金融政策決定会合で、4月に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)について、2015年度に物価が目標の2%程度に達するとの見通しを維持する公算が大きい。景気判断の上方修正も検討する。中国経済の先行きに対する懸念が強まる中、今後の世界・日本経済への影響を入念に点検する。 次回会合では、4月末に公表した13年度から15年度までの経済・物価見通し「展望リポート」の中間評価を行う。 同リポートでは、経済・物価の先行きについて「見通し期間の後半にかけて、日本経済は2%程度の物価上昇率が実現し、持続的成長経路に復する可能性が高い」との判断を示している。 現状では、足元の景気が日銀の見通しに沿って推移し、先行きのリスク要因にも大きな変化はないとの見方が大勢。15年度にも2%の物価目標が実現するとの展望を維持する公算が大きい。15年度までの実質経済成長率(GDP)や消費者物価指数(CPI)上昇率についても、現行数値から大きな変更はない見通しだ。 ただ、最大のリスク要因と位置づけている海外経済の動向では、減速する中国経済を中心に議論する。背後にあるシャドーバンキングや理財商品の問題を含め、過剰供給など構造問題について、幅広い議論が展開される可能性が大きい。 現段階では、最近発生した短期金融市場の混乱や株価急落などの市場変動が落ち着き、日本経済を本格的に下押しする要素にはなっていないとの見方が支配的だ。 ただ、世界第2の規模である中国経済で、生産や設備の過剰が深刻化し、仮に成長率の低下が明らかになれば、今年後半の世界経済や日本経済に与える影響が予想外に大きくなるリスクもある。その点を中心に本格的な議論を展開するとみられる。 また、相次ぐ良好な国内経済指標を踏まえ、景気判断の引き上げを検討する。前回6月会合でも判断を「持ち直している」に上方修正しており、引き上げれば7カ月連続となる。 日銀は4月の展望リポートで、景気が「年央ごろには緩やかな回復経路に復していく」との見通しを示している。足元で5月の鉱工業生産指数が4カ月連続で改善、有効求人倍率が3カ月連続で上昇するなど景気は日銀の見通しに沿って改善している。 6月短観では製造業を中心に企業マインドの改善が確認できたほか、設備投資も高めの上方修正となり、日銀内では景気回復に向け、確実に前進しているとの認識が共有されている。 黒田東彦総裁も4日の支店長会議の冒頭で「日本経済は順調に回復への道筋をたどっている」と指摘しており、景気判断に「回復」との文言を復活させる案も浮上している。 期待が先行する経済情勢から、実体経済に回復の動きが広がる途上であることに加え、中国経済の減速リスクが高まる中、「回復」との表現は時期尚早との意見も日銀内にはある。回復の表現が盛り込まれれば、2011年1月以来2年半ぶりとなる。 (竹本能文、伊藤純夫)
景気動向の基調判断を上方修正、景気拡張局面入りの可能性=内閣府 2013年 07月 5日 16:02 JST [東京 5日 ロイター] - 内閣府が5日に発表した5月の景気動向指数速報によると、景気の現状を示すCI(コンポジット・インデックス)一致指数は前月比0.8ポイント上昇の105.9となり、6カ月連続で上昇した。これを踏まえた基調判断を「上方への局面変化を示している」に上方修正した。 内閣府では景気は暫定的に「景気拡張局面に入った可能性が高い」としている。 基調判断の上方修正は3カ月ぶり。4月までは「下げ止まりを示している」だった。「下げ止まり」から「局面変化」に移行した時点で、内閣府では、「既に景気拡張局面に入った可能性が高いことを暫定的に示す」と定義しており、景気回復局面入りを示唆した。景気の「山・谷」の認定はさらに事後的に検討委員会で判定することになる。 一致指数は9系列がプラスで、生産指数や鉱工業生産財出荷指数の生産関連指標、有効求人倍率や所定外労働時間指数などの雇用関連指標がプラスに寄与した。マイナスは耐久消費財出荷指数の1系列だけだった。 <先行指数はリーマンショック前の水準に戻る> 景気の先行きを示す先行指数は前月比2.8ポイント上昇の110.5となり、6カ月連続で上昇した。水準はリーマンショック前の2007年6月(110.7)以来の高さで、全ての系列がプラスに寄与した。特に、新設住宅着工床面積、東証株価指数、消費者態度指数が寄与した。 先行きについて内閣府では「先行指数のレベルが高くなっているのは明るい材料。鉱工業生産予測指数も6月はマイナスだが7月はプラスで、ならしてみれば生産は緩やかな持ち直しとの判断に沿っている」(内閣府幹部)とし、「景気は基本的に良い動きが続いている」(同幹部)とした。 (吉川裕子
ドル/円は底堅い、日米欧金融政策の方向性の違いがサポートへ 2013年 07月 5日 17:41 JST [東京 5日 ロイター] - 来週の外為市場で、ドル/円は底堅く推移しそうだ。6月米雇用統計がよほど悪い数字でない限り、日米欧の金融政策スタンスの違いが鮮明になる中で、ドル買いの流れが続くとの見方が多い。
ドル100円回復の過程では、中長期的な視点にたった資金の流入も観測された。下げる場面では、押し目買いの動きが相場をサポートする公算が大きい。 予想レンジはドル/円が99.00―102.00円、ユーロ/ドルが1.2750―1.3050ドル。 ドル/円は今週、約1カ月ぶりに100円を回復した。ポルトガルの政局不安で調整する場面もあったが、下値では押し目買いに支えられるなど、全般的には底堅い動きをみせた。 この背景にあるのが、日米欧の金融政策のスタンスの違いだ。欧州中央銀行(ECB)は4日、金融政策に予断は持たないとしてきたこれまでの慣例を破る形で、将来の政策指針(フォワードガイダンス)を表明。ドラギ総裁は会見で「理事会は、ECBの主要金利が長期間にわたり、現行水準もしくはそれを下回る水準になると予想する」と明言した。 市場では「米国が出口に向かおうとしているなか、欧州はまだ無理、日本は異次元緩和の真っ最中となると、結局はドル買いとなる。米雇用統計が多少悪かったとしても想定の範囲内として買いたい向きが多いのではないか」(大手邦銀)といった見方が目立つ。 ドル/円が100円を回復した過程では、こうした中長期的な視点による「そう簡単には投げない息の長い資金」(同)が相場を押し上げる原動力となった。 一方、米雇用統計が強かった場合の反応はどうか。IG証券マーケットアナリスト、石川順一氏はカギを握るのは米株式市場の動向で、ファンダメンタルズ改善期待とQE縮小懸念のどちらが大きいかによって反応は違ってくると指摘する。 前回の米雇用統計では、QE縮小懸念で株価が下落基調をたどるなか、発表前には「強すぎる結果は株安につながってドル/円の上値は抑えられる」との見方が出ていた。 しかし、それから1カ月が過ぎ、市場参加者の目線は変わりつつある。別の大手邦銀関係者は、6月末までのリスクオフの過程でドル/円、株ともに「コストの悪いロングは整理された」と指摘。予想より良ければ、素直にドル高で反応しやすいとの見方を示した。 ロイター調査では、非農業部門雇用者数は前月比16万5000人増、失業率は0.1%ポイント低下の7.5%が予想されている。 非農業雇用者数の16万5000人増は、5月の17万5000人増には届かないものの、過去3カ月の平均の15万5800万人増を上回る。 テクニカル上では節目が集中する101円前半を突破できるかどうかが注目される。 101円前半には、日足・一目均衡表の雲の上限(5日現在101.17円付近)があるほか、直近安値93.75円からの76.4%戻しの水準(101.38円付近)も控えている。 ただ、仮に99円後半から100円前半で推移したとしても、雲の上限は来週以降、急激に低下する形になっており、遅行線の動きも合わせ、「来週には3役好転を形成する可能性が高く、上昇サインとなる。押し目があれば買っておいてもいいのではないか」(大手信託銀)との声も聞かれた。 10─11日には日銀金融政策決定会合を控えているが、黒田東彦総裁が「戦力の逐次投入はしない」と明言する中で、政策の現状維持が見込まれており、現時点で材料視はされていない。 (ロイターニュース 志田義寧)
「消費増税」明言避ける首相、政府内にくすぶる疑心暗鬼 2013年 07月 5日 18:51 JST [東京 5日 ロイター] - 8%への消費税引き上げ判断を3カ月後に控えているにも関わらず、安倍晋三首相は増税を明言せず、踏み込んだ発言を控え続けている。 参院選での争点化を避けるためとの見方が大勢だが、デフレ脱却への意欲や景気回復の必要性を強調する首相の「フリーハンド」ぶりが際立つにつれ、政府内では景気動向によっては、10月の判断が実際に「増税見送り」になりかねないとの疑心暗鬼もくすぶっている。 <参院選での争点化を回避> 参院選が公示された4日、昨年の衆院選と同じ福島県で第一声を上げた首相は、景気浮揚の必要性を重ねて強調。その夜のテレビ番組で消費増税に関する質問を受けると、財政再建の必要性を認めながらも「15年間できなかったデフレ脱却が、できるかもしれない最大のチャンスをつかんだ。最初で最後のチャンスを絶対に逃したくない」と訴えた。引き上げについては「適切に経済指標を見ながら判断していきたい」と、これまで通りの表現を繰り返しただけだった。 政府関係者らによると、足元景気の回復機運が高まってきたにも関わらず、首相が消費増税を明言しない最大の狙いは、参院選での争点化を回避することにある。昨年の3党合意の決定事項とはいえ、過去に自身の退陣につながった参院選を前に増税を明言すれば、「現政権は増税に前のめり」として野党が攻勢に出かねないとの政治的な理由だ。 首相は昨年の就任後「すべての政策は参院選のためにやってきたと言っても過言ではない」(官邸筋)と言われるほど、今回の参院選に強い執念を燃やす。高い内閣支持率で臨む選挙とはいえ、足元をすくわれそうな材料は除外しておきたい狙いがあるという。 <自律的な景気回復まだ、周辺に根強い慎重論> もうひとつの理由は、景気に与える影響だ。足元景気が回復軌道にあるのは、アベノミクスで掲げた大規模緩和と財政出動による押し上げ効果が大きいのが実情。自律的な景気回復に踏み出せていない段階から増税を明言すると、増税そのものが今後、市場や消費者心理などに影響し、景気回復の足かせ要因と位置付けられかねない。8月に発表される4─6月国内総生産(GDP)などで、景気回復が明示できるようになってからでも遅くないとの判断もある。 政府内では、経済指標などで景気の回復基調は明らかになってきたとして、8%への引き上げはほぼ確実視する声が大勢。だが、肝心の首相が煮え切らない姿勢を取り続けることで「まさか(の見送り)が絶対ないとも言いきれない」(財務省幹部)と、今後の決断に警戒心が渦巻いている。 その一因は、首相周辺の一部で増税への慎重論が依然として根強いことにもある。首相のブレーンで内閣官房参与を務める浜田宏一・米エール大名誉教授は、6月上旬に行ったロイターとのインタビューで「やむを得ず消費税を上げなければならない方向にあると思うが、(増税を)急ぎ過ぎると経済成長そのものが止まってしまう」と指摘。その後も同様の主張を続けている。 ある政府筋は「(秋に導入予定の)投資減税は、消費増税を延期させないためのカードでもある。見送りはあり得ない」と警戒感をあらわにしている。 (基太村真司;編集 石田仁志)
序盤の欧州株式市場は小幅高、米雇用統計待ち 2013年 07月 5日 17:35 JST [ロンドン 5日 ロイター] - 5日序盤の欧州株式相場は小動き。1230GMT(日本時間午後9時30分)に米雇用統計の発表を控えて買いを入れづらい状況となっている。 0747GMT(日本時間午後4時47分)現在、FTSEユーロファースト300種指数.FTEU3は0.1%高の1180.64。前日は欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(英中銀)が景気刺激策の解除を急がない方針を示したことを好感して2.4%上昇し、11カ月ぶりの上昇率を記録した。 雇用統計の発表を控え、マーケットは神経質な展開が見込まれている。新規雇用者数が予想の16万5000人を超えるか、失業率が市場予想の7.5%を下回った場合、売りが優勢となる可能性がある。 |