0.9％　−「長期金利」なぜ、黒田総裁の思惑が外れたか
http://president.jp/articles/-/9829
PRESIDENT 2013年7月1日号

今年4月4日に日銀が行った量的・質的金融緩和後、長期金利が上昇している。緩和前には0.5％台だった10年物国債の利回りが、5月中旬には0.9％台へと跳ねた。一般に大規模な緩和をすれば、金利は下がる。すると、銀行の貸し出し増などで市中に資金が回り、景気を押し上げていくという日銀の思惑とは逆だ。

この理由を、大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長は「日銀は毎月、長期国債を大量に買い込んでいる。そのため、債券市場が窮屈になり、国債の流動性が低下し、価格の変動性も拡大するというリスクが高まった。結果として、機関投資家が国債を買い控える動きに出たことで長期金利は上がっている」と説明する。

もともと日本国債は、1999年に“ゼロ金利政策”が導入されて以来、ずっと低金利が続いてきたことから、安全で安心な投資先とされてきた。しかし、この乱高下で投資家の認識が180度変わったといっていい。こうした状況に加えて、5月22日に黒田東彦総裁が「中央銀行が完全にコントロールできるものではない」と発言したことも、先行きの不透明感を増した。

そこで気になるのは、個人の住宅ローンや企業の資金調達金利への影響だ。伊藤氏は「10年物国債でいえば、金利が年内2％に達するかどうかが分水嶺。そこまで上がると変動金利で住宅ローンを借りていれば、上昇分が上乗せされる。また、利息支払いが増える企業の投資マインドも冷え込む」としており、当面は日銀のオペレーションを見守るしかない。

コメント
01. 2013年7月04日 14:59:54 : Fbi0jqrPLY 日本経済は順調に回復へ、緩和効果働いている＝日銀総裁 2013年 07月 4日 10:30 ［東京　４日　ロイター］ - 日銀の黒田東彦総裁は４日、日銀本店で開かれた全国支店長会議であいさつし、４月の異次元緩和導入後、「日本経済は順調に回復への道筋をたどっており、予想物価上昇率について上昇を示唆する指標が見られるなど、効果はしっかり働いている」と強調した。 景況感の改善を示す指標が相次いでおり、物価連動国債から算出されるブレーク・イーブン・インフレ率（ＢＥＩ）や企業・消費者の物価観に上昇の兆しが出ていることを反映した。 消費者物価指数（ＣＰＩ）の前年比が５月にマイナス圏を脱したことを受け、「先行き次第にプラスに転じていく」との見通しを示し、物価上昇率２％を安定的に持続させるために、必要な時点まで現在の金融緩和を継続する姿勢を示した。 景気の現状については「持ち直している」とし、先行き「海外経済の成長率が次第に高まり、緩やかな回復経路に復していく」との従来の見解を繰り返した。国内金融システムは「全体として安定性を維持している」としている。 (竹本　能文；編集　宮崎亜巳) http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE96301020130704
02. 2013年7月04日 15:35:54 : 3UbpBymSjg １さん、引用の記事、まさに戦時の大本営発表そのものですね。こうやって庶民は騙されて行く訳だ。
03. 2013年7月06日 12:27:36 : TWCoGCh7zU どこが戦時の大本営発表なんだ？ 金利が短期的に3%とか4%になっているのに、１さんの記事の発表をしたらそう言えるかもしれんが。

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