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金利上昇で騒ぐ「頭の悪い」人たち (東洋経済オンライン)
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/735.html
投稿者 ミスター第二分類 日時 2013 年 7 月 04 日 10:14:33: syFUAx3Wc1pTw
 

出典 http://toyokeizai.net/articles/-/14544

金利上昇で騒ぐ「頭の悪い」人たち (東洋経済オンライン)
橋洋一が語る バーナンキの言葉

「頭のキャパが小さい人たち」が金利上昇で騒いでいる]

――5月末からは、日本国債などの長期金利の上昇が大きく騒がれていました。バーナンキはこれについても6月19日の記者会見で「(長期金利の)変動があることは、まったく驚くにあたらない」と答えていますね。

まさにバーナンキが答えているとおりです。まず何よりも、「金利上昇」を騒いでいる人たちは、決定的なことを見落としていますね。それは、実質金利と名目金利の違いです。目に見える金利、額面どおりの金利が名目金利ですね。「長期金利」という場合、彼らが議論しているのは、その見かけの数字が「上がった」「下がった」ということです。

この記事などはその典型ですね。

「アホノミクス」が5つの悲劇を引き起こす!

一方、金利上昇の懸念に対しては、こんな反論もあります。「いや、今までの日本の長期金利は低すぎたんだから、多少は上がってもいいんだ」と。ですが、これも私に言わせれば、ちょっと論点がずれている。

はっきり言ってしまうと、名目金利というのは実体経済には大して影響がないんですよ。じゃあ何が重要かというと、実質金利のほうです。これをわかっていない人が非常に多い。あるいは、本当は知っているはずなのに、国民たちが知らないのをいいことに、いたずらに危機をあおっている「有識者」もいますね。

まず定義を先に言うと、「実質金利=名目金利−予想インフレ率」です。これは講演集『リフレが正しい。』の中で、バーナンキもはっきり言及しています。

[なぜ実質金利をみるべきか]
――「名目金利」から「予想インフレ率」を差し引いた「実質金利」がなぜ重要なのでしょうか?

企業などの設備投資が最も典型的ですから、それを例にお話しましょう。

何かの投資活動をしようとするとき、私たちは名目金利だけでは判断しないはずです。額面の金額が高いか低いかだけでなく、自分が設備投資することで売り上げがどうなりそうかも一緒に考えるわけですね。投資するときに、利払いよりも売り上げのほうを考えるというのは、極めて当たり前です。そして、どれくらい売り上げが上がるかに影響してくるのが「予想インフレ率」です。インフレになっていけば、売り上げも増えていきますから。

もちろん、名目金利が高ければ高いほど、利払いは多くなります。ですから、名目金利から予想インフレ率を差し引いた数字、つまり「実質金利」が上がるか下がるかが、設備投資のやりやすさに影響します。

名目金利が上がっても予想インフレ率がそれより上がっていれば、売り上げも伸びていくと考えますよね。それなら、名目金利の利払いは大したはことないと、そう判断されるわけです。

ですから、名目金利の上昇というのは実体経済にとってはなんともない。それより実質金利が下がればいいのです。となると、見ておかなければいけないのは、名目金利と予想インフレ率の上がるスピードです。

インフレ目標を設定したうえで、マネーを増やしていく「リフレ政策」をやると、必ずすぐに予想インフレ率が上がります。しかも不況のときには、名目金利よりも予想インフレ率のほうが早く上昇します。結果として、実質金利が下がる。これだけのことです。

――バーナンキが6月19日のインタビューで、「低すぎる物価上昇率は、デフレの危険性を強め実質金利が高くなることなどから問題だ」と言っているのも、そういうことですね。なぜ日本の識者やメディアは「実質金利」に目を向けないのでしょうか?

私がプリンストン大学にいた頃、経済学部長だったバーナンキはいつもそういう説明をしていました。私自身もそれが理論として正しいと思っていましたし、その正しさをバーナンキはFRB議長として実践し証明してみせたわけです。

名目金利の上昇ばかりを騒いで、実質金利の低下を取り上げない人たちの議論については、正直に言ってしまうと……、「頭のキャパシティが小さいだけ」ではないかと思っています(笑)。2つのことを同時に理解するというのは意外に難しいですから、名目金利までしか頭に入らないのではないでしょうか。

それ以外の理由としては、これまでのデフレ時代には金融機関の稼ぎ頭が、「債券部署」だったということがあるかもしれませんね。彼らは貸出業務をしていませんから、名目金利しか見ていません。そして名目金利が下がると大騒ぎです。これまでのデフレ時代には、そういう人たちが金融機関に「飯を食わせてきた」というのは事実です。

そして、そこのお得意様であるシンクタンクのエコノミストというのも、そういう債券部署の意向に合わせて、経済見通しを語ってきたのではないでしょうか。ですから、「金利=名目金利」という頭になってしまっていて、それが少し上がるだけで「大変だー!」となる。「長期金利の上昇」を騒ぐ人に、金融機関のひも付きエコノミストという経歴の方が多いのも、そういう事情があるのではないかと思っています。こんな話ばかりで、うんざりしますね。

実質金利が下がって名目金利が少し上がるというのは、ある意味で理想的です。債券から貸し出しへのシフトを加速しますから。貸し出しが増えなければダメと言っている人が、「名目金利上昇は問題だ」と主張するのは矛盾していますが、そういう人が多すぎます。

[バーナンキも理解に苦しむ日銀関係者の質問]

――そういう日本の状況について、バーナンキはどう思っているのでしょうか?

それについては面白いエピソードがありますよ。以前、バーナンキが日本に来て講演したことがあります。その講演も『リフレが正しい。』に入れておきました。そのときにも日銀関係者が「もしも長期金利が上昇したら……うんぬん」という質問を彼にぶつけたんです。

名目金利と実質金利の違いを踏まえないで、そんなことを聞くものだから、バーナンキもきっと理解に苦しんだでしょうね。「え? なんでそんなこと聞くの?」と、そんな感じだと思います。

でも、バーナンキという人は本当にやさしいんですよ。そうした「愚問」にすごくわかりやすく丁寧に答えていました。

講演中で「債務の転換(bond conversion)」に言及したりしているのも、そういう背景があったからです。これは要するに、日銀と政府を合体した「統合政府」で考えれば、日銀が保有する国債(資産)は、それに相当する政府が発行した国債(負債)で相殺され、統合政府のバランスシート上には存在しないことになるため、リスクを減らせるというロジックです。

プリンストン大で彼の講義を聞いていた私からしたら、本当にすごーく親切にしゃべっているなと感じました。「なんて『いい人』なんだろう……」とため息が出る思いでしたね。


これと対照的だったのが、ローレンス・サマーズ(元アメリカ財務長官、元ハーバード大学学長、経済学者)ですね。彼なんかは、日本で同じような質問を受けたときに、馬鹿にしくさった感じで「So what?(だから何?)」と答えていましたよ。

名目金利と実質金利の違いがちゃんとわかっていない人からしたら、「なんで?」という感じでしょうけど、世界の標準的な経済学からすれば、こういう区別は極めて当たり前なのです。

経済学者であるバーナンキも、「どうしてこんな馬鹿な質問をするのだろう」というのが本音だと思いますが、本当に人柄がいいので、丁寧に答えてしまうんですよね。

[株価のためにアベノミクスをやってるわけじゃない]

――一方で日本のアベノミクスについては、バーナンキ議長は非常に高く評価しています。5月末から日本が株価急落や金利上昇に見舞われたことについては、バーナンキはどう思っているのでしょうか?

一言で言うと、「まったく気にしていない」と思います。もちろん市場では「このまま落ちていくんじゃないか」という心理が広がりますし、それをあおって喜ぶ連中もいますから、多くの人がちょっと不安になる気持ちはわからないわけではありません。

しかし、金融政策をやる側は、現実面の多少のブレというのをいちいち気にしたりはしません。政策当局からすれば、これくらいのボラティリティ(価格変動率)というのは想定の範囲内です。

なにより、「アベノミクス第1の矢」も含めて、金融政策というのは別に株価を上げるためのものではありません。あくまでも狙いは実体経済をよくすること。そういう原理・原則がわかっていない人は、怪しいエコノミストやマスコミの報道にコロっとダマされてしまうということはあるでしょうね。

バーナンキなんて2008年のリーマンショック以降から緩和策に着手して、まだやり終えていないような状況なんですよ。それでもなんとかここまでアメリカ経済を立て直してきた。アメリカですらこんなに時間がかかっているのに、20年以上にわたって何もしないできた日本は、今やっと重い腰を上げたところです。

本格的に動き始めてまだ数カ月で、日本がいきなり奇跡的に回復するなんていくらなんでも考えられませんし、株価が下がっただけで「頓挫した」と評価を下すのは、あまりに安易です。

――株価で金融政策の成功・失敗を語ること自体がおかしいということですね。

経済成長と株価の関係を見た場合、一般に株価は約1年後の経済成長を先取りします。ただし、それで100%も説明できるわけではなく、だいたい5割程度しか説明できません。株価を動かす要因は経済成長以外にもたくさんあるので、株価と経済成長が完全に連動しているわけではないのです。

もちろん経済成長していれば、株価もだいたいよくなるとは言えますが、それは確実ではない。

一方、経済成長は目標を明確にして、しかるべきオペレーションをやっていけば、ある程度実現できます。政策をやる側は、そのときにしかるべき「基準」があるわけですね。私が金融政策を語るときには、横軸に時間、縦軸にさまざまな数値をとったグラフがいつも頭の中に浮かんでいます。

ですが、株価を見ている投資家にはそういう「基準」がありません。彼らは目の前のチャートを見ているわけですね。チャートで考えていると、上がっているときは青天井に思えますし、下がっているときは奈落の底に落ちていくように思えるのです。

おそらく一般の人もそういう基準や原則がないから、どんな話にも飛びつくし、どんな話にも振り回される。チャートというのはそういうものです。

もちろん日経平均1万5000円台など、高値でつかまされた人は大変だとは思いますが、それはごく一部の人でしょう。政策をやる側からすれば、急に7000〜8000円上がって一時的に3000〜4000円下がったというだけの話であり、水準としては半年前、1年前と比較して上昇しているわけですし、これ自体に大きな問題があるとは見ていないはずです。

日本の金融政策はシンプル
――とはいえ、タイミングがいつになるにしろ、FRBが出口戦略を取り始めたら、アメリカの景気はある程度は落ち着きますよね。そのときに日本経済が引っ張られるというような可能性は、ないのでしょうか?

それでも、日本の景気回復が優先されるということに変わりはありませんよ。アメリカの属国じゃないんですから、いちいちアメリカの動きを見て、日本の動きを決めたりはしません。

日本の金融政策は極めてシンプル。インフレ率だけを見ていて、それが「2%±1」に収まっているかどうかです。アメリカはインフレ率だけでなく失業率も長期目標に入れていますから、両方を見て判断する。その意味では、失業率を目標に入れていない日本のほうが簡単なんですよ。インフレ率が上がってきて、そのレンジに収まっていたらやめるというだけのことです。

だいたい、考えてもみてください。アメリカの金融緩和が出口に入るということは、「アメリカ経済が十分によくなった」ということを意味していますよね。アメリカ経済がよくなっているときに、日本の外需が悪くなるということはあまり考えられません。日本にとっても何ら悪いことではないのです。そういう観点が抜けているという意味でも、マスコミの見方は歪んでいると思いますね。


-----------------------------------------------------------
[コメント]
旧日銀の首脳部は「タワケ」ではないかと、常々疑っていましたが、以下の文言を見て、私の中の疑問は確信に限りなく近いレベルにまで変化した。

>・・・・・日銀関係者が「もしも長期金利が上昇したら……うんぬん」
>という質問を彼にぶつけたんです。
>名目金利と実質金利の違いを踏まえないで、そんなことを聞くものだから、
>バーナンキもきっと理解に苦しんだでしょうね。
>「え? なんでそんなこと聞くの?」と、そんな感じだと思います。

まさかと思っていましたが、本当にこんな質問をぶつけたとしたら、日銀に通貨の番人をさせておくのはヤバイ。

こんな質問がでるなんて、信じられない。大学生レベルの話です。

こんな人たちに通貨の番人をさせていたのですから、日本がおかしくなるのはある意味で必然です。


 

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コメント
 
01. 2013年7月04日 10:57:28 : MiM6XUQRrU
本当にFRBに出口戦略なるものがあるとお考えですか?

02. 2013年7月04日 11:08:24 : L3oWjvNiyM

経済に一喜一憂する奴は馬鹿だ

たとぃGDPが半減しようとも、日本の文化文明を守らなきゃいかん

TPP とか、日本の固有の文明文化を滅ぼすものだ。絶対にいかん。


03. 2013年7月04日 12:48:27 : nJF6kGWndY

>金利上昇で騒ぐ「頭の悪い」人たち

浜みたいなアホたちは、間違いが明らかになっても、認めないから
淘汰されるまで放置しておくしかないだろう

あと高橋自身も、MBとMSの相関などを統計捏造によって強調しすぎる傾向がある


>実質金利をみるべき

原理的にはそうだが、

算定の基礎となるBEIが日本の場合、流動性の問題があって、あまり信頼性が高くない上に、5月の上昇や下落は投機的な要因を含む

そして企業経営者は単純に実質金利に従って、すぐ動くのではなく、他の税制や海外との比較により、遅延や相関の低下がある

またQEによる不安定性の増加やインフレは投資にとってマイナス要因

つまりQEだけで日本経済の問題が解決できるほど甘くはないということだ

 

>名目金利と実質金利の違いを踏まえないで、そんなことを聞くものだから、
>日銀に通貨の番人をさせておくのはヤバイ

そのくらいのことは、彼らもわかっている

財政赤字は増大するほど、金利上昇は投機的な要因も効いてくるから心配するのは当然だろう


例えば外的要因でインフレ率が2%を超え、金利が急上昇した場合、日銀も簡単には動けなくなるので、
産業にとってはマイナスの影響は避けられない

つまり金融危機の途上国でよくあるスタグになるということだ


それを避けるためには、財政支出の絶えざる見直しや、成長戦略、構造改革を進めていくしかない

>>02

GDPが半減すれば、日本の文化どころか、日本人の今の生活自体が崩壊する

それにTPPで自由化されたら誰も見向きもしなくなって潰れるということは、
所詮、その程度の企業だったということだ


04. 2013年7月04日 13:07:05 : mdQlNPQilo
クルクルパーに「頭が悪い」と言われても別に悔しくないな。

05. 2013年7月04日 13:36:31 : KO4C9oEhYU
アメリカ経済はそんなに良いんですか。それなら日本は不況で困っているのだから今のうちにアメリカ国債全部処分させていただきましょう。それで国の借金を減らすのも良いし、国民に配って需要を喚起するのもいいと思います。いやそれでアメリカの農地を買うのもいい手かもしれません。日本がアメリカ国債を売っても高橋さんの理論ではFRBが買い入れるのですから全く問題はないと思います。すぐやりましょう。アメリカもバランスシート上存在しない事になり何の問題もないと思います。安倍は何をしているのだ。消費税を上げる前にアメリカ国債を売れ。

06. 2013年7月04日 14:47:33 : 3UbpBymSjg
『アメリカの金融緩和が出口に入るということは、「アメリカ経済が十分によくなった」ということを意味していますよね。』という発言は、「経済」の専門家としての見識を疑うべき理由としては十分であろう。こういう人達は、中央銀行による大規模な市場介入で、民間(市場)経済を自在に統制できるという極めて歪んだ経済理論を信奉しているに過ぎない。所謂「物価上昇率」の数値がどうであれ、現に原材料・エネルギーという経済の根幹をなすコストが上昇し始めているのである。この重大な事実を無視して「2%になったらすぐに止める」などと誇らしげに説いても、自らの愚かしさを誇るような物である。

07. 2013年7月04日 15:37:48 : DqxPT76sIk
おかしい。高橋もわざと重要なことを言わない。
なぜ、預金金利が上がらないのだ?
金利を払う側から見た側面を全く無視して、名目と実質を話しても、ざるで水を運ぶようなもので、そこが抜けている。
予想インフレ率?銀行金利が0.05%なのに、数パーセント?
給与上昇もないのに?名目金利だけが上がって、利払いが増えるの?
金利の利ザヤをだれが持っていくんだごるぁ!

銀行の金利をインフレターゲットの2%まで上げろ!


08. 2013年7月04日 18:49:51 : 5JYTFPsPzU
 頭が良いも悪いも評価しようがない。誰もかれも正確に予想できた人もいないのだから。また、経済関係の人たちの処方箋も当てにならない。やはり誰も正確に処方した人はいないのだから。しいて言えば可能性としては、今まで完全に無視された経済学者の論に正解がある可能性無くはないという程度か?(ということで、この記事の投稿者も頭が悪い人だろう。それも相当に悪いかアクドイかどちらかだな。)

09. 2013年7月04日 19:28:07 : hViZKmZ9hk
めちゃわかりやすい。現状分析も納得できる。
わけのわからない記事がたくさんある中で、阿修羅の中では秀逸な投稿記事だと思いました。
投稿者様、これからも宜しくお願いします。

10. 2013年7月04日 20:59:15 : uPQKynh7AA
頭の悪いのは、橋洋一の方だろう。

予想インフレ率2%ならば、長期金利=長期国債金利は、3%位だろう。
金利支払うだけで、30兆円 財政破綻だね。


11. 2013年7月05日 08:37:50 : BDDFeQHT6I
名目金利と実質金利と言うが、家計から見ればインフレ率はインフレに見合った額の所得増加が見込まれる場合にのみ「名目金利ーインフレ率=実質金利」が成り立つ。
物価上昇が先行する悪いインフレの場合は実質金利は「名目金利+インフレ率=実質金利」が家計の実態となる、金利負担の上昇と物価高のダブルパンチだ。

12. 2013年12月03日 16:32:47 : rO8wqQuURE
実質金利・・・か。
うーん、給料上がって、経済成長した上での金利上昇なら、そうなんだけど。
金利急騰、でも、給料は、我慢してね。おまけに、リストラよ。
なんてことなら、実質金利なんて言ってらんない。あくまで、金利を払うときは、名目です。金利支払い時に、給料上がってたら、いいのに。

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