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2013/7/2 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
ANAホールディングスの伊東信一郎社長がJALについて、「再生(の方法)はやり過ぎだったと言わざるを得ない」と述べた。先週27日の株主総会。同じ土俵で戦っているかとの質問に、「(JALの)法人税の免除は400億〜500億円」「競争が平等な状況にない」と答えたのだとか。
確かにJALの再生ぶりはすさまじい。経営破綻からわずか2年半あまりで再上場を果たしたのが昨年9月。前3月期決算では1716億円もの純利益を計上した。対するANAも431億円で過去2番目の数字を残したものの、JALはその4倍をいったのだから、伊東社長の苛立ちも理解できるというものだ。
JALの再生物語には不透明な影がつきまとう。そもそも企業再生支援機構によるスキームそのものが奇妙キテレツだった。
地方の中小企業を守る趣旨で設立された官営ファンドがJALに適用された理由は、今なお不明だ。旧株主は保有株式の全額放棄を求められ、代わりに同機構が3500億円を出資したのだが、この間の2011年3月には127億円の第三者割当増資も行われていた。
うち100億円を京セラと、同社の主幹事である大和証券グループが半額ずつ引き受けた。当時の民主党政権にJALの会長職を委嘱されていた稲盛和夫・京セラ名誉会長の関係である。
JALの再建軌道が一般に伝えられ始めたのは、それ以降の流れ。はたして彼らは再上場で莫大な上場益を享受した??
インサイダー取引の疑いは、自民党議員によって国会でも取り上げられた。もっとも筆者は、参院選の直前でもあり、今ここで政治的な思惑に乗るつもりはない。利益第一で安全性が軽視された可能性や、不当解雇を主張する元パイロットや元客室乗務員らがその撤回を求めている裁判にも触れたかったが、紙数が尽きた。
本稿がとりあえず問題にしたいのは、またしても英雄視されている稲盛氏という人物の本質だ。マスコミは彼の「利他の心」「動機善なりや、私心なかりしか」「人間として何が正しいかで判断する」といった教祖然としたセリフと、結果としてのJAL再生をストレートにつないでみせることにばかり熱心だが、そんなことでよいのだろうか。
インサイダーや安全の軽視が事実だったと証明された場合、どうやって責任を取るのか。それらもまた善なる動機の産物で、正しい人間の行いだとでも開き直るつもりなら、どうかしている。
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