06. 2013年7月03日 11:58:54
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米FRB、景気回復大きく減速すれば緩和拡大の可能性=NY連銀総裁 2013年 07月 3日 04:11 JST トップニュース エジプト、カイロ大学近くの衝突で死者16人=報道 中国HSBCサービス部門PMI、6月は51.3に若干上昇 米ヤフー、iPhone向けビデオ作成アプリのQwikiを買収へ ドル一時100.86円に上昇、日経は高値警戒でマイナスに [スタンフォード(米コネティカット州) 2日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のダドリー総裁は2日、米景気回復のペースが大きく減速し始めた場合、連邦準備理事会(FRB)は資産買い入れを拡大せざるを得なくなる可能性もあるとの見解を示した。 総裁は講演で「決定的な下向きのサプライズがあり、状況が実にぜい弱な場合、資産買い入れを現在の月額850億ドルから拡大させる可能性を当然、排除したくない」と指摘。現在の資産買い入れペースが固定されているわけでないとの認識を示した。 バーナンキ議長は6月19日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、FRBが現在月額850億ドルの規模で実施している資産買い入れについて、経済の改善が続けば年内に規模縮小に着手し、2014年央あたりに終了させることが適切となるとの見解を表明している。 総裁はまた、FRBが当面、景気刺激策を継続する公算が大きいとの見方をあらためて示した。 先週の講演とほぼ同じ内容で、労働市場と経済成長が予想を下回れば、FRBの資産買い入れはバーナンキ議長が先月示した見通しよりも積極的なペースで行われる可能性があると述べた。 同時に、資産買い入れペースの縮小は「今後数カ月で入手する経済ニュース次第」と語った。 関連ニュース 米FRB、9月FOMCで緩和縮小検討する可能性=スタイン理事 2013年6月29日 米資産買い入れ、経済が予想下回れば積極的になる公算=NY連銀総裁 2013年6月28日 米FRB当局者が緩和縮小観測けん制、「FOMC見通しからかい離」 2013年6月28日 ドル上昇、強い米経済指標でFRBの緩和縮小観測高まる=NY市場 2013年6月26日 【第10回】 2013年7月3日 野地 慎 [SMBC日興証券為替ストラテジスト] QE3終了の道筋を示すも 長期金利抑制が本音のFRB 6月18〜19日のFOMC(米連邦公開市場委員会)には、大きなサプライズが用意されていた。バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長によってQE3(量的緩和第3弾)の縮小および終了時期が明示されたのだ。 米国債市場参加者の多くは、経済情勢次第である点を重視し、世界経済の伸び鈍化の中、QE3の縮小も早くて2014年以降とのコンセンサスを形成していた。バーナンキ議長が「年内」という早い縮小時期を明示したのは、いくつかの要因が重なったためだろう。 一つは、米国の財政赤字が予想外に減少した点だ。住宅市場の好調を背景にGSE(政府支援企業)から政府への配当が増加したことが主因だが、米国の財政改善は、米国債の利回り曲線の傾きがきつくなるリスクを軽減させ、FRBの出口議論を活発にした。 かねてQE3による資産インフレが懸念されていた点も重要だ。特に、住宅市場では低金利を背景とした「投資案件」の伸びが著しく、むしろ住宅価格の過度な上昇が家計の住宅投資意欲を削ぐことで、米国景気の抑制要因となることが懸念されていた。 また、この状態で市場との対話が不足したままQE3を終了させれば、住宅投資の急減を招きかねず、FRBは住宅市場を「冷却」する必要があったとみられる。 14年1月に任期満了を迎えるバーナンキ議長がQE3の出口へのロードマップを描きたがっていたことも想像される。そこでQE3を年内に縮小させ、「失業率7%」という条件付きながら、14年央に終了させるとの見通しの発表に至ったのだろう。 以上の複数の要因が重なったことで、FRBによるQE3縮小(終了)議論は結果として相当に早く進展したが、雇用改善が大前提である点を見逃してはいけない。 失業率が低下し、それに連動する形で賃金が上昇すれば家計の購買力は高まり、消費や投資も活発化する。また、賃金上昇で家計の信用力が高まれば、銀行の家計への貸し出し態度も緩和され、「投資案件」中心であった住宅市場も、「マイホーム取得」を中心とした健全な市場へと変質するだろう。 バーナンキ議長は、QE3終了後失業率が6.5%まで低下しても、即座に利上げするわけではない点を強調した。インフレ率なども考慮して利上げを遠のかせる可能性も示唆している。住宅やリスク資産の市場の過熱は抑えつつも、雇用改善と家計の信用力向上が確認できるまでは「長期金利に上がってほしくない」とのメッセージだろう。 拡大画像表示 今回のFOMCなどから、米国5年債利回りは急上昇し、同利回りから算出される米国債の2年後3年金利は2%近くまで上昇した。これは、2年後より利上げが始まり、以後3カ月に1度0.25%の利上げが続くことを完全に織り込んでいることを示す。
QE3終了の必要性を感じつつも、「長期金利に上がってほしくない」のが本音なのであれば、今後も「利上げの先送り」示唆によりFRBは長期金利上昇抑制を図るだろう。つまり、米国5年債はそろそろ買ってもいい利回り水準にあるといえる。 (SMBC日興証券為替ストラテジスト 野地 慎) http://diamond.jp/articles/print/38272
JBpress>海外>The Economist [The Economist] シェール革命の亡霊に怯えるロシア 2013年07月03日(Wed) The Economist (英エコノミスト誌 2013年6月29日号) シェールガス革命がロシアの国家資本主義を脅かしている。 ウラジーミル・プーチン大統領は実質的にロシア・エネルギー社CEO〔AFPBB News〕
ロシアに亡霊が出没している。シェールガスという亡霊だ。この亡霊は、権力者の客間に入り込み、ロシアの指導者たちと実業界の取り巻き連中を困惑させている。 エネルギー企業は、ロシアの株式市場の時価総額の半分を占めており、政府系企業のガスプロム1社でロシアの輸出の10%を生み出している。 ロシアの政治も、在来型の石油とガスの上に築かれている。ウラジーミル・プーチン大統領は実質的に、ロシア・エネルギー社のCEO(最高経営責任者)だ。 米国で始まり、今世界中に広がっている、シェール層からガスを取り出す非在来型ガス生産の革命は、ロシアの国家資本主義を根底から揺さぶっている。 大きく揺らぐ国家資本主義、シェールへの態度に微妙な変化 プーチン大統領が率いるロシアの権力者は全員、この亡霊を追い払うために神聖な同盟を結んでいる。大統領と首相、オリガルヒ(新興財閥)と官僚、流行の環境保護主義者、クレムリンの警察・諜報員などだ。 プーチン大統領はシェールのことを、コストがかかりすぎ、環境を破壊すると非難してきた。ガスプロムのCEO、アレクセイ・ミラー氏は、シェール革命を「虚構」、そして「近く弾けるバブル」と評してきた。「我々はシェールガスに懐疑的だ」とミラー氏。「(我々にとって)リスクは全く見当たらない」 だが、最近になって、支配者層の立場は少し微妙になってきた。プーチン大統領は今、やはり「本当のシェール革命」があるかもしれないと認めている。大統領は、この革命を注意深く監視すると宣言しており、ロシアのエネルギー企業に対し、シェールの「挑戦に立ち向かう」よう要請している。 これと同じ相反する感情は、6月20〜22日に開催されたサンクトペテルブルク国際経済フォーラムの年次会合でも見られた。フォーラムは、孤立状態から抜け出し、グローバルな実業界に加わった国というロシアのお決まりのイメージを演出した。 3700人近くの企業関係者と政府関係者が集まり、汚職の削減、成長の回復、貿易の自由化など、こうした人々が集まる時にいつも議論されるようなことを議論していた。 フォーラムでは、シェールに関する公開会議は1つもなかった。だが、バンクォーの亡霊のように、シェールは宴会場に出没していた。ペプシ・コーラのカフェやメルセデス・ベンツのスターバーでは、絶えずシェールが話題に上り、「ゲームチェンジャー(局面を一変させる出来事)」や「破壊的イノベーション」といった言葉が飛び交っていた。 また、米国のエネルギーコンサルタント、ダニエル・ヤーギン氏が司会を務め、世界最大手のエネルギー企業十数社のトップが参加した非公開会議の議題もシェールだった。 ロシアのエネルギー相、アレクサンドル・ノヴァク氏はパネル討論で、非在来型石油・ガスを促進するための税制改革が行われるだろうと話した。だが、プーチン大統領はフォーラムで反シェールモードに戻り、シェールは競争力がなく、飲料水の「黒さ」の原因になり、多くの「爆発」を起こすと述べた。 シェール革命は、ロシアの熊とその欧州の顧客との間で勢力バランスを変えている。かつてロシアは生産者としての力に非常に自信を持っていたため、顧客を脅せると感じていた。ロシアは2006年と2009年に、契約交渉中にウクライナへのガス供給を停止した。 だが、シェールが主導する形で米国が衰退するエネルギー大国から世界最大のガス生産国、かつ潜在的な輸出大国へと姿を変えたことで、世界市場ではガス価格が下落している。 米国がもう欲しがらなくなった中東産液化ガスは今、欧州諸国に供給されている。6月末には、アゼルバイジャンから西欧にパイプラインでガスを運ぶコンソーシアムが選定された。これでロシアのガス供給への依存度がさらに下がることになる。 ロシア市内のガスプロム本社〔AFPBB News〕
欧州諸国は、自分たちに交渉力があることに気付いている。ブルガリアは最近、ロシアとの新規10年契約の交渉で20%の値下げを勝ち取った。 他国も、エネルギーを外交政策の武器として使ってきた国への依存から脱する決意を固めている。ポーランドとウクライナは、戦略的および経済的理由からシェールの独自供給を増やすことに余念がない。 最近では、ガスプロムは傷ついた巨人であり、シェールは同社に最も大きな打撃を与えた要因の1つだ。ガスプロムの時価総額は2008年には3670億ドルに達しており、ミラー氏は、同社が時価総額ベースで世界初の1兆ドル企業になることに思いを馳せていた。 ところが現在、ガスプロムの時価総額はわずか780億ドルで、同社のビジネスモデル――競争から保護される見返りとしてクレムリンに資金を提供する――は破綻したように見える。 窮地に立たされるガスプロム ノルウェーのスタトイルのように機敏な会社は、石油価格に連動した価格の代わりに「スポット」価格を顧客に提供することで、ガスの供給過剰に適応している。欧州委員会は、ガスプロムにパイプライン売却を迫り、独禁法違反で最大140億ドルの罰金を払わせることを検討している。 また、ロシア国内でもノヴァテクのような競合企業は、「ずっと眠っていた」企業がなぜまだガス輸出で独占を享受しているのかと疑問を呈している。 2008年以降、ガスプロムの株価が4分の1に下落したのに対し、ノヴァテクの株価は60%上昇している。ノヴァテクは大きな野心を抱いており、例えばフランスのトタルと提携し、アジアと欧州にガスを輸送するために、シベリア北西でガス液化工場を建設する計画だ。 ノヴァテクは、ソビエト時代の残り物ではなく、一から作られた新しいタイプの企業だが、全く清廉潔白というわけではない。プーチン大統領の仲間の1人、ゲンナジー・ティムチェンコ氏は2009年にノヴァテクの持ち株を23%まで増やした。 同社はまた、ロスネフチのような他の大手エネルギー企業の支持も得ている。ロスネフチはロシア最大の石油生産会社で、部分的にシェールを活用することで、2020年までに国内ガス市場でのシェアを倍増することを計画している。だが、それでも、ガスプロムのガス輸出独占を廃止することは、正しい方向へ一歩踏み出すことになる。 アナリストの中には、ロシアはエネルギー激変期を十分乗り切れると指摘する向きもある。プーチン大統領がシェール支持モードに入った時に自慢したがるように、ロシアにも潜在的に巨大なシェールガス・シェールオイル埋蔵量がある。またロシアは、西方だけでなく東方を向いて、中国のようなエネルギー不足の市場に目を向けられる。 シェールの亡霊が鳴らす警鐘 もしかしたら、非常に多くの架空の亡霊と同じように、シェールの亡霊もタイムリーな警告を発するために現れたのかもしれない。イノベーションを推進するのではなく、独占企業を太らせることに利益を投資すると、屈辱的な立場に立たされる可能性が高い、という警告だ。 プーチン大統領とその取り巻きは、シェールの亡霊を追い払おうとする無駄な試みをやめ、亡霊が彼らに伝えようとしていることに耳を傾ける必要がある。つまり、ガスプロムにとって良いことがロシアにとって良いこととは限らない、ということだ。
社説:中国、経済モデル転換までの長い道のり 2013.07.03(水) Financial Times: 市場は7月1日、中国から伝わってきた暗い経済指標に安堵のため息をついた。確かに、HSBCが発表した6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.2まで低下し、9カ月ぶりの低水準となった。ただ、銀行間取引金利が2ケタに跳ね上がった先月の資金逼迫の後だけに、投資家はもっと暗いニュースを覚悟していた。このため上海株式相場は動じず、0.8%上昇してこの日の取引を終えた。
だが、中国の成長鈍化は今後、悪化する一方だ。中国人民銀行の介入のおかげで銀行間取引市場は再び機能しているものの、当局は、今年に入って極端に伸びた信用を抑制する決意を変えていない。企業の借り入れコストの指標はまだ、1カ月前の水準を上回っている。 一部のアナリストは、中国が自ら定めた2013年の国内総生産(GDP)成長率目標(現在は7.5%)を達成できないかもしれないと懸念している。 新たな景気刺激策は講じるべきではない 成長の減速は、中国の過剰な信用に終止符を打つためには、支払う価値のある代償だ。2008〜09年の金融刺激策に続く新たな刺激策は、経済に一時的な安心感を与えるだろう。だが、新たな不動産ブームを生むことにもなる。地方政府と次第に多くの個人投資家は、建設部門に多額の投資を行っている。再びバブルを膨らませると、破滅的な結果を招く恐れがある。 だが、20年にわたる高度成長の後、指導部は成長減速をうまく操ることに苦労するだろう。中国経済の純然たる規模が、この仕事を一段と難しくする。不動産価格があまりに急速に下落し、投資需要が緩やかに減るのではなく急減すれば、中国は激しい好不況のサイクルに見舞われる。地方政府・自治体の支払い能力に影響が及び、中央政府が救済を余儀なくされるかもしれない。 中国政府は経済のリバランスを進め、輸出・投資主導から消費主導へ転換したいと考えている。これは賢明な計画だ。だが、大手国有企業より個人に大きな役割を与えることは政治的に難しい。民主主義の拡大を求める声は確実に大きくなっていく。 荒っぽい動きになる中国の減速は、他国にも影響を及ぼす。中国のコモディティー(商品)需要のおかげで長年好況を謳歌してきた資源国は、これまでとは異なる経済モデルを見つけなければならない。また、中国の力強い需要に頼って欧米の低成長を埋め合わせてきた西側企業も苦しむことになる。 しかし、指導部が経済モデルの転換に乗り出すのが遅くなればなるほど、転換をうまくマネージすることが難しくなる。中国が新たなモデルに向けて前進し始めることは正しい。世界は中国の幸運を祈るべきだ。 |