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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130701-00014533-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 7月1日(月)8時0分配信
先日の東京都議会議員選挙、自民党の圧勝っぷりにはすさまじいものがありました。その背景に感じられるのは、アベノミクスによる景気回復、そして給与アップへの国民の強烈な期待です。はたして、本当にアベノミクス効果で給与は上がるのか? すでに期待感が先行する形で、消費が上向きに推移しています。
内閣府の消費動向調査によると、自己啓発、スポーツ活動費、コンサート、遊園地等娯楽費、レストラン等の外食費、耐久消費財の買い替え、旅行といった大半の消費志向がプラスに転じています。確かに最近、休日の行楽地や夜の繁華街をウォッチすると、昨年と比較して活気が出てきているように感じます。ちなみに、当方が外食産業の経営者に取材したところ、客単価が上昇しているうえ、深夜営業時間帯の利用者が増えているとのこと。ただ、こうした消費を支えているのは、
《実際に収入がアップしたのではなく、気分的な消費意欲の向上》
にすぎません。
「きっと収入が上がるに違いない。日本の将来も明るくなってきた」
という希望的観測を基にした消費には限界があります。そろそろ、収入が増える手応え、実感がほしいタイミングになってきました。取材していても、
「株価が上がるだけでなく、懐が潤う道筋を知りたい」
と、自分の収入アップに対する関心が高まっています。では、普通に仕事をしていれば、まもなく収入は増えるのでしょうか? もし増えないとしたら自分だけでも収入を上げる方法があるのでしょうか? 今回は収入アップの可能性をテーマに書いてみたいと思います。
■ ボーナス増に素直に喜んでいいのか?
さて最近、日本政府が経団連(つまり、大企業)に賃上げを要求しました。これは、かなり異例なことではないでしょうか? 2013年2月、安倍晋三首相がデフレ脱却に向けた経済界との意見交換会で、
「業績が改善している企業においては、報酬の引き上げを行うなどの取り組みをご検討いただきたい」
と発言。デフレ傾向の収入に歯止めをかけるべく、政府が動いたのです。すると呼応するように円安の恩恵を受ける自動車大手をはじめ、電気、流通業界と年間一時金(ボーナス)を増額。期待が高まる回答が相次ぎました。ただ、この回答にはわなが隠れています。
《あくまで一時金=ボーナスのアップだけ》
という回答ばかりなのです。賃金のベースアップを実施する企業はごくごくわずか。経団連が発表した2013年春闘の第1回収入回答集計によると、大企業の定期昇給を含む賃上げ率は2年連続で低下しています。安倍首相の要求は話題になったものの、それほどの効果はなかったのです。
一時金ではなく月給が上がらないと、収入アップは実感できません。一方で、日本企業の業績が徐々に回復してきました。製造業、輸出関連企業を中心に?字回復を示す増収・増益のニュースばかり。にもかかわらず、社員の給与は上がらないまま……。会社が潤ってきたのに社員には恩恵がないのか、あるいは
《自分だけ収入が上がっていないのではないか? 》
と不安を感じる人も出てきたようです。転職支援をしている会社に問い合わせて、キャリアカウンセリングを受けるビジネスパーソンも増えているようです。実際、
「今の仕事に不満はないが、もう少し給与を上げる方法はないのでしょうか? 」
という相談がカウンセラーに舞い込んでいるようです。ついでに転職相談してキャリアアップを考える人もいることでしょう。つい最近までデフレ社会で、転職しても給与は下がるのは目に見えているからと、現状維持を望む人が大半でした。それを考えると、大きな変化とも言えます。ただ、カウンセラーに聞いてみると、以下のような回答が返ってきます。
「収入を上げることは不可能ではありません。ただ、大事なことは、どうしたら収入が上がるか? 会社の意向を理解することが大事です」
実にごもっとなアドバイスです。では、参考にさせていただき、転職よりも、現在の職場で収入を上げる方法について考えていきましょう(転職をテーマにした題材は次回以降で紹介させていただきます)。
■ 努力なしにもう給与は上がらない?
まず、前提として、収入を上げる方法を挙げてみましょう。
・残業をする
・休日出勤する
・ボーナスが増える
・役職手当が上がる
・定期昇給で上がる
・等級が上がる
・副業する
考えてみればいくつもあります。この中で、自分の努力と関係なく得られる恩恵が、定期昇給。これに関しては、今後はもう期待してもムダかもしれません。
《正社員こそ、右肩上がりの収入を会社から搾り取る温床》
と考える会社が増えてきたからです。そこで、この定期昇給を見直す、廃止する企業が増えています。ちなみに日本経団連「2012 年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」によると、」定期昇給制度をもっていない企業がすでに全体の5分の1に及んでおり、
「年功的な昇給割合を減らしたい」
と考える企業が過半数を超えています。同じ会社に長く勤務していれば収入が上がる時代ではなくなったことが、ここから再確認できます。
■ 進むのは成果主義ではなく、”選抜”
次に考えなければならないのは、収入アップにつながる基準を知ること。企業は経営上のコスト(費用)として最大規模を占める人件費をどのように分配していくか、を深く考えるようになってきました。本来であればドラスチックに成果主義に移行したいというのが企業の本音ですが、勤務時間単位での支払いが大前提とされる日本の雇用体系で
「成果の出ない社員には給与は払わない」
などと叫んだら、ブラック企業として総スカンをくらうリスクが極めて高いでしょう。ゆえに大胆な成果主義を導入し、賃下げを敢行しようとする会社はありません。ただ、人件費をむやみに増やさないため
《昇進・昇給する人を誰にするか? 》
を明確に基準化して絞り込んでいきたいと考えています。これまでは
・30歳のモデル賃金は750万円
・35歳が課長になる平均的な時期
などと、平準化していた昇進・昇給の道を「狭き門」とするのです。結果として若くして、収入が変わらない人と毎年のように収入が上がっていく人と、社内で「2極化」が起きます。その差が5年もすれば数百万円になっていくのは間違いありません。
ちなみに「若くして」大きく収入で差がつく賃金体系をすでに導入している企業は、いくつも存在しています。取材したネット系企業では、30歳の同期社員で年収1000万を超える管理職と400万円台の一般社員がいました。かなり収入で大きな差が出ています。人事部に背景を尋ねたところ、
「成果によって給与で大きく差が出るのは当たり前。入社して3年目あたりから大きく変わらないと、モチベーション維持が難しいのではないでしょうか? 」
むしろ若い頃から差がつかないことがおかしいとさえ思えるような回答をくれました。それだけ社員が戦力として貢献できるのが早いのかもしれません。一人前になるのは40歳過ぎてから……と考えている大企業とは大きな違いを感じました。この会社だけでなく、創業から社歴が浅いベンチャー企業では、収入の2極化は当たり前なのかもしれません。
年功序列が崩壊したと言われる日本企業でも、これまで30代あたりまでは似たような処遇になりがちでしたが、そんな聖域さえもなくなる時代になりつつあるのです。ちなみに
昇給とは:高い業績を上げたのでベースの給与をアップすること
昇進とは:レベルの高い役割を任せたいので役職手当を支給
ということを意味しています。この基準が緩かったから、これまでは右肩上がりの給与を手にすることができたのです。ただ、今後は狭き門になるからとあきらめてはいけません。対策を講じて昇給・昇進を勝ち取りましょう。では、どうしたらいいのか? 続いてお読みください。対策のヒントが登場いたします。
■ 狭き門をクリアするには
この「狭き門」をクリアするために、まず把握してほしいのが、会社の人事評価制度。学生を採用するときの採用基準のように、評価・昇進基準などが定められています。まさに自分の処遇を決めるルールブック。取材したアパレル企業では年収が大幅に上がる主任になるための昇進基準として、
《過去2回の人事評価がB以上で、上司から推薦があること。主任に期待されるのはメンバーを引っ張る統率力》
と記載。確かに主任に昇進させる人事会議では
《360度評価で統率力が低いと出ています。主任への昇進は見送るべきです》
と、基準に照らし合わせた討議がされていました(もちろん、中には基準があいまいな会社、開示されていない会社もあります)。
ところが、そんな自分の将来を決める重要な基準である人事評価制度を理解していない人が意外に多いのです。就活であれば募集要項を見ないで面接に臨むようなもの。それで昇給するのは難しいものがあります。就活ではなく「収活」も戦略的に取り組むべきです。
大抵の会社では人事評価制度を解説したガイドブックのようなものを社員に配布しています。その配布資料には
・顧客満足度
・問題解決力
と重要視している項目が書かれているはず。この重要視している項目を忠実に守り、邁進することが収入アップの近道になります。
■ 時代とともに評価基準は変わる
たとえば、私が取材したネットベンチャーでは、以前は「売り上げと利益」を創出した大きさがいちばん重要な項目でした。評価表には細かく「業務改善目標」なども記載するようにはなっているものの、人事評価会議では
「あいつがいちばん売っていたから、マネジャーに昇進させよう。ボーナスもいちばん払うべき」
といったように決まっていました。ところが、売り上げと利益を追い求めすぎたことで不祥事が続発。その反動で
《売り上げをいくら上げても、社内規定を破ったら高い評価はしない》
と基準が変わりました。それが5年前。現在では、業績のよる評価とコンプライアンス評価が同等。ところが、その変化に気づかずに売り上げはいちばん高いが、社内規定に違反して、頻繁に懲罰を受けるため、同期で昇進が遅れて、給与も上がらないという社員が出てきました。その社員に取材すると、
「売り上げも利益も社内でナンバーワン。それだけ会社に貢献しているのに評価が低いことが理解できない」
と不満を漏らしていました。ただ、おそらく、このままでいれば、昇給・昇進とも自己評価とはまったく違う状態が続くことでしょう。時代と共に基準が変わること、変われば、意固地になるのではなく、柔軟に、会社が期待することを順守していきましょう。
ただ、会社によっては人事評価制度のガイドブックにない、あるいは開示があいまいな場合があります。ある意味で上司や経営陣が鉛筆をなめて、主観で評価をしている会社だからかもしれません。そんな職場は透明でないから辞めたほうがいい……とは言いません。それなりの基準があるはずです。上司や人事部に
「当社の人事評価基準で、大事にしていることを教えてください」
と尋ねてください。真剣に尋ねれば、それなりの回答が返ってくるはずです。このようにして勝ち取った、「会社が大事にしている基準」をベースに、自分の行動と成果を意識すれば、収入は2年以内に上がっていくはずです。
高城 幸司
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