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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130629-00014536-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 6月29日(土)8時0分配信
世界の株式市場は変調をきたしている。第一の表出が、米国で実体経済にプラスの材料が現れると、株価が大きく下落することだ。つまり、実体経済の見通しと株価が逆方向に動くということである。
■ 金融政策の動向だけで決まる株式市場
これは、本来であればおかしいが、バブルであれば普通であるし、昨今ではバブルでなくとも、日常的にこれがみられるようになっている。だから、変調というのは、もう10年以上も続いている日常なのであるが、ここに来て、それが激しくなった。それは、相場が大きく動くことを示唆している可能性があるから、やはり注目する必要があるだろう。
逆行する理由はただ一つで、米国FRBの金融政策の方向と実体経済の方向とが逆であり、株式市場は金融政策の動向だけで決まっているからである。
これはもはや誰でも知っていることで、FRBが量的緩和をやめ、そして金融引き締め、ゼロ金利から脱却し、金利を上げていくプロセスに入ること、いわゆる「出口戦略」の動向の見通しに、投資家は一喜一憂しているということだ。
金融緩和が終わるのであれば、カネがあふれることによって支えられていた株式(と投資家みんなが信じているから、実際にも金融緩和で株が上がる)は、暴落すると思ってみんなが売るから、やはり暴落する。バーナンキの発言は、単なる合図のようなもので、量的緩和の実際の効果は関係ない。バブルからどのタイミングで逃げるか、と誰もが間合いを計っているときに鳴らされた号砲のようなものだからだ。
しかし、問題は、今後だ。
バブルがいったん崩壊するのはわかった。投資家がいったん利食い、売り浴びせるのはわかった。しかし、いったん下がった後、彼らはどちらに動くのか。
■ 気になる、金投資意欲の喪失理由
バブルが崩れたら、一気に奈落の底まで暴落するかと言うと、そうでもない。直近までバブルであったということは、投資家の投資意欲は強いということだからだ。その相場が一山終わった後、もう一山目指すかどうか。それは、いったん崩れた後の投資家の意欲、それをサポートする環境にかかっている。今回はどうか。
量的緩和の出口ということで、今後も、米国株式は乱高下していくだろう。しかし、景気が良くなっていることもあり、また今回のバブル崩壊からうまく抜け出す機会は十分にあったので、投資家は意欲も財力も残っているだろう。いや、むしろ増加している。だから、次の山もあるはずである。
このとき、注目すべきは「金」の市場だ。株価とは比べ物にならないくらい、暴落している。2011年8月の1オンス1900ドル台から、ついに一時1200ドルを割り込むほどの勢いで下がっている。中国の景気減速、金融の混乱が大きな理由だが、資源国、ブラジルなど新興国が全体として弱くなっていることも影響している。
しかし、ここで重要なのは、金暴落を説明するストーリーでなく、金暴落をもたらしている投資家の、金への意欲の変化だ。投資意欲があるときは、どんな理由をつけてでも資産価格は上昇する。暴落していることは、意欲の喪失を表している。問題は、意欲の喪失の理由だ。
2つの可能性がある。株式へ浮気したこと。いや、株式から金へ浮気していたが、浮気には飽きたこと。もう一方は、資産バブルへの恋愛の意欲全体が喪失した可能性だ。株式市場を見ると、後者はありえず、前者に間違いがない、ということになる。米国株式市場という「本命中の本命」が盛り上がるのであれば、金などというハジパイの市場で遊んでいる暇はない。メインストリームのバブルに乗れ、ということだ。そして、日本と言うエキゾチックな浮気も、少し本気になりかけたが、あまりに一気に燃えすぎて飽きてしまった。やはり、「本命」へと、投資家たちは戻ってきたのである。
今後、中国の金融市場の混乱は材料になるだろうか、本命への恋愛意欲は衰えようがない。今後は、量的緩和終了、金融緩和終了による、資金の引き上げストーリーの乱高下の中、米国企業の収益の大幅な改善を材料に、本命へ投資資金が集中していく可能性が高い。
となると、一直線に米国株式上昇になるのか。今度は、米国企業の国内での収益の改善、マクロ経済の改善、さらには米国企業の世界での収益も改善し、大幅に伸びると言うことを理由に挙がるのであれば、ファンダメンタルズを伴ったバブルだから、これは長く続くのではないか。そういう予感の始まりである。
ただし、金融政策との綱引きが続く中で、異変が起きないとも限らない。今後は、金がどこまで下がるかではなく、金の下落と米国株式市場の上昇、この逆相関が続くようなら、米国株式市場のバブルの膨張となる。逆に、ともに下落するような展開となれば、危険信号だろう。
ハジパイである金市場に注目だ。
小幡 績
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