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2013/6/28 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
日本人が働いて築き営々と稼いできたこの国の富の大半はアメリカ資本に盗まれてしまい、日本国民は未だ貧民として耐乏させられ「日本文化だ」「世界遺産だ」という幻想を与えられゴマカされバカにされている
西武ホールディングスと筆頭株主・サーベラスの「攻防」を西武の幹部は「戦争だ」と語っていた。
あながち大げさとは思えないのは、西武が鉄道という公共事業を担っていて、広大な敷地を有する企業だからだ。
サーベラスの狙いはなるべく高値で再上場させて、一瞬にして巨額の利益を得ること。そのために、山口線の廃止など不採算路線の切り捨てやライオンズの売却を“迫った”のは、報じられている通りである。
サーベラスの理屈で「一時的な利益」に走れば、地域は大きな打撃を受けてしまう。だから、西武が拒否すると、サーベラスはまず、TOB(株式公開買い付け)で経営への関与を強めようとし、それが失敗に終わると、株主総会で8人の役員を送り込もうとした。
なりふり構っていられなくなった西武側はコールセンターを設置、1万3000人の個人株主全員に電話をかけて、支持を訴えるドブ板作戦に出た。それでも、今月25日の総会当日は延々5時間のロングランとなり、文字通り、死に物狂いで外資の株主提案を潰したのである。
こんなドタバタを見せつけられると、つくづく、日本の企業はこれからどうなってしまうのだろう、と思ってしまう。
◆いつのまにか日本中の企業が外資に
外資の攻撃にさらされているのは西武だけではない。ソニーは「物言う株主」として知られる投資ファンド、サード・ポイントに7%の株を握られ、グループ解体とエンタメ部門切り離しを迫られた。そのトップのダニエル・ローブは来日すると菅官房長官に面会、経産省、財務省、日銀などを回って、行動力と影響力を見せつけた。ソニーは慌てふためいているのだが、気が付けば、日本の大企業のほとんどが、こんなふうに外資に資本を握られてしまっている。
2012年度の株式分布状況調査によると、外国人投資家の日本株保有率は過去最高で28%になった。
日産自動車は72%、中外製薬は75%、新生銀行は55%、花王は49%、三井不動産は48%、スズキは48・5%……と、外資に握られている企業を挙げていけばきりがないのだが、その結果、どんなことが起こるのか。企業社会では、いつの間にか、外資の論理が当たり前になりつつある。グローバル化、合理化、効率化、スリム化といえば聞こえはいいが、要は「稼ぐが勝ち」の拝金主義だ。無駄なコストは極力切られ、工場は閉鎖され、人も切られ、雇用が消える。町全体がゴーストタウン化してしまうが、大メディアはそれをただすどころか、「物言う株主」になびいている。これじゃあ、サラリーマンはどうなるのか。日本の社会はどうなるのか。
◆自分勝手な大企業に優遇策は必要か
青い目の株主に利益をさらわれ、干からびてしまうのではないか。こんな懸念が浮かぶのだが、そうした危険性、大企業の無責任をズバリ、指摘したのが、大阪経済大客員教授の岩本沙弓氏が書いた「バブルの死角」だ。
〈輸出企業の儲けを自国民に還元してくれるのであれば別だが、ひたすら自社の利益だけを追求すれば、そういった企業や、そこで働く数少ない従業員にはメリットがあるとしても、圧倒的多数を占めるその他多くの世界中の中間層や低所得者層はひたすらその煽りを受けるだけである〉
こう書く岩本氏はいわゆるグローバル企業の専横な振る舞いを各国政府が認めてきたことこそが「世界経済の混乱と不公平の起因ではないか」と切り込んでいる。改めて、岩本氏に聞いてみた。
「戦後の日本は、大企業中心で経済が回ってきました。大企業が人を雇い、その下請けである国内の中小零細に注文を出すことで、日本経済が成り立っていたわけです。経済の血流であるお金を流していく重要な役割を担っていたからこそ、輸出企業などの大企業に対する優遇策が取られてきた。そういう側面が多分にあるはずです。優遇策はやがて国内の雇用や発注に結びつく。国内経済の循環に役立っていました。ところがここ十数年は大企業優遇の部分だけが残り、雇用の拡大や賃金の支払い、あるいは下請け会社への利益配分がないがしろになってしまった。優遇策だけが形骸化しているような状況ではないでしょうか」
そうなのだ。〈稼ぐが勝ち〉で、従業員の賃下げ、首切りしか考えないような大企業になぜ、法人減税や投資減税などの優遇が必要なのか。外資に食い荒らされ、日本の大企業はすっかり様変わりしてしまった現実を直視すると、アベノミクスとやらが「誰のためのものなのか」も見えてくるというものだ。
◆外資の理屈で日本の文化、自然が守れるのか
安倍は「クールジャパン」とか言って、日本の文化の輸出も景気対策の一環に挙げている。前の政権のときは「美しい国」と言い、今回も日本の美しいふるさと、自然などをやたらと強調しているが、どこまで本気か怪しいものだ。
成長戦略の核になっているのは、グローバル企業優遇、規制緩和大歓迎、つまり、外資のためのメニューがズラリだからだ。外資の席巻を奨励すれば、日本の文化や歴史、美しい自然なんて、吹っ飛んでしまう。
実は西武の幹部が「戦争」という言葉を使ったのも、自然が絡む。
「西武鉄道など鉄道3社とプリンスホテルで、西武ホールディングスは1億3600万平方メートルの土地を持っています。山手線の内側2つ分です。そのうち5000万平方メートルは山林や原野で軽井沢、富良野、雫石などです。こうした土地には美しい自然はもちろん、豊富な水源もある。外資に壊されてはたまらない。彼らが奮い立った裏にはこうした事情もあったようです」(事情通)
外資に言わせりゃ、そんな広大な遊休地があるのはもったいない、となるのだろう。売るか、ゴルフ場か、債券化か。そんな理屈を持ち出されたら、あっと言う間に自然は壊されてしまう。
TPPだって同じことだ。日本の農家が潰れてしまえば、田舎の田園風景そのものがなくなる。地域社会が崩れ、地方が過疎化してしまう。そうなりゃ、伝統文化も何もかもが壊されてしまう。
地方のシャッター通りをつくったA級戦犯は小泉構造改革だが、そこにTPPが重なれば、地方は完膚なきまでに叩きのめされてしまう。そのTPPで一番、得をするのは米国系グローバル資本の大企業なのである。
◆目先の利益を求めてもツケが来る
東大教授の鈴木宣弘氏(農政)はこう言った。
「グローバル化の本質は1%の人に99%の富が集中してしまうことです。そうしたグローバル企業は今だけ、金だけ、自分だけという論理で、短期的な利益を追求する。一部の人の目先の利益のために、99%の人が犠牲になるのです。その結果、地域は疲弊し、社会や文化は壊れてしまう。そんなふうにして、目先の利益を追ってどうなるのでしょうか。社会が崩れてしまえば、そのツケは自分たちに返ってくる。短期的には利益向上につながるかもしれないが、長期的には大きな損失になってしまう。そのことになぜ、日本の大企業や政治家は気づかないのでしょうか。こうしたグローバル化を推し進める最終仕上げがTPPなのです。安倍首相は口では日本の文化を守るみたいなことを言っていますが、デマカセです。本気でそう思っているのであれば、TPPを阻止しなければ矛盾する。いい加減な政権に高支持率を与えている国民もそろそろ気づくべきです」
国民が「富士山が世界遺産」で浮かれている間に、どんどん、日本は外資に食い荒らされている。それに気づかない日本人はホント、お人よしだ。もちろん、米国は安倍なんかどうでもよくて、外資が儲かる仕組みさえ作り上げておけばいい。その仕上げがTPPで、まんまと安倍は米国の罠にはまっている。
このままでは日本の企業は全部、米資本のグローバル企業の下請けになる。
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