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http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2013/06/0628.html
阿部
「貸しオフィスや倉庫として届けていながら、実際には多くの人が住まいとして使っている建物、いわゆる『違法ハウス』の問題です。」
鈴木
「東京・千代田区では、防火対策が不十分だとして自治体から指導を受けた会社が、入居している120人に、今月(6月)いっぱいでの退去を求めていました。
違法ハウスに暮らしてきた人の多くは、そこにしか住むことのできない事情がありました。」
“違法ハウス”から抜け出せない…
東京・千代田区のオフィス街。
大きなビルに囲まれた白い7階建てのビル。
このビルには、高齢者や若者など様々な人が出入りしています。
中に入ってみると、廊下の両脇にはいくつもの部屋が並んでいます。
家賃は5万7,000円。
3畳ほどの部屋にはテレビや冷蔵庫など最小限の日用品があり、隣の部屋とはベニヤ板で仕切られているだけです。
住人
「爪を切る音も全部聞こえる。
プライバシーも何もない。」
さらに、窓はありますが…。
住人
「(窓は)開きません。
全然開かない、ただ貼ってあるみたいな。」
開かない窓、耐火性がない壁、防火対策が不十分な違法な建物です。
ここに120人が暮らしていました。
5年前、ここにやってきた丸井さん(仮名)、56歳です。
この部屋は2人部屋。
丸井さんは毎月2万8,000円支払っています。
丸井さんは、山形県でメーカーの派遣社員として働いていましたが、5年前に仕事を失いました。
仕事を求めて東京にやってきましたが、保証人のいない丸井さんがようやく見つけたのが、この部屋でした。
丸井さん(仮名)
「敷金・礼金・仲介料なし、その日から住める。」
しかし、契約書を見せてもらうと、そこには「レンタルオフィス」と書かれています。
さらに、「宿泊施設ではない」という記載も…。
丸井さん(仮名)
「レンタルオフィスではない。
私は居住しているので、住宅という認識。」
「不思議だと思ったか?」
丸井さん(仮名)
「ただ名目上だけと、担当者が言っていた。」
先月(5月)、1枚の紙が貼り出されました。
「6月30日閉館」という突然の知らせです。
丸井さん(仮名)
「間違いじゃないかと。
他では入れてもらえないからここに来ている。」
この建物、建築基準法に違反しているとして、千代田区から改善を求められていたのです。
こうした違法な建物の多くは、一軒家を何人かで共有するシェアハウスとして広告が出されています。
日本シェアハウス協会の山本さんです。
違法ハウスがシェアハウスとして貸し出されていることに憤りを感じていました。
山本さんが相談を受け、調査した建物です。
建築基準法や消防法などの基準が共同住宅に比べて厳しくない「事務所」として届け、行政の審査が終わったあと、ベットを入れるなど改装し、「シェアハウス」として運営していました。
一般社団法人日本シェアハウス協会 山本久雄代表理事
「(事務所は)住宅に比べて法律的に緩い。
都市部に関しては(シェアハウスの)2割くらい事務所を転用しているケース、倉庫を転用している、住宅以外を転用しているものがある。」
突然の退去を求められた人の多くは、移り住む場所を見けられずにいました。
丸井さんは、去年から清掃の仕事をしています。
週4回、2か所のマンションを掛け持ち、朝7時から正午過ぎまで働いています。
年齢を理由になかなか仕事に就くことができませんでしたが、ようやく見つけた仕事です。
しかし、月収は9万6,000円。
2万8,000円の家賃と食事でほとんどなくなってしまう、ギリギリの生活です。
丸井さん(仮名)
「収入は得ているが、これでは(新しい住まいが)見つかりそうもない。
どうしようかと悩んでいる。」
丸井さんは、千代田区に住まいの支援を求めに行きました。
丸井さん(仮名)
「他に行けと言われても行くところがない。」
区では、住まいの支援を受けるには仕事がないことが条件となるため、生活保護などの制度を利用することを勧めました。
相談員
「生活保護を申請して、収入・資産・援助の調査を行い、該当すれば生活保護を受けられる。
そうしたら今のところを出て、次に住むところを必ず確保します。」
丸井さん(仮名)
「生活保護は受ける人もいると思うが、普通、仕事をして、自分の食いぶちは自分で…。」
丸井さんは、生活保護には頼らず、ようやく見つけた清掃の仕事を続けていくことを選びました。
今月末で、違法ハウスからの退去を求められていた丸井さん。
昨日(27日)、経営している会社と住民側で、退去期限を9月いっぱいまで延期する和解が成立しました。
しかし、その後住む場所は見つかっていません。
鈴木
「仕事を続けようという人の住宅への支援がないというのは、制度としてこれでいいのかなという気がしますね。」
阿部
「そうですね。
今回、丸井さんが相談した千代田区など多くの自治体では、生活保護や、職業訓練のプログラムを受ける、『仕事がない人』を対象にした住まいの支援はあるということなんです。
しかし丸井さんのように、今の仕事を続けながら『住宅支援』だけを求める支援策はないということです。」
鈴木
「違法ハウスへの対策を進めるとともに、生活保護を受けずに頑張っていこうという人を支える『住宅支援策』、一刻も早く作ってほしいですね。」
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