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「中国が米国を追い抜く日は来ない」(EJ第3578号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/367627017.html
2013年06月28日 Electronic Journal
昨年11月にOECDが発表した2060年までの長期予測に
おいて、早ければ2016年に中国が米国を抜いて、GDP世界
第1位になると予測しています。本当にそうなるでしょうか。
これに関して興味深い話があるのです。中国当局の統計による
と、2013年1〜4月の輸出は前年同月比17.4 %増、輸入
は10.6 %増となかなか好調だったのです。
ところが、この輸出の好調は偽装輸出による水増しの疑惑が指
摘され、中国国家外為管理局は、5月から偽装輸出を取り締まる
と発表したのです。そういう前提で、ブルームバーク・ニュース
が34人のエコノミストの予測の集計をしたところ、5月の中国
の輸出については次の予測値が出たのです。
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輸出前年同月比 7.1 %増
輸入前年同月比 6.9 %増
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ところがエコノミストたちの予想は大きく外れ、5月の輸出は
前年同月比1%増であったのです。どうしてそんなに外れたので
しょうか。
エコノミストの予測のべースになるのは、過去のデータであり
それに最新の経済情報を加味して予測するのです。ところが中国
の場合、過去のデータがデタラメなのです。デタラメのデータを
ベースに予測しても正しい予測値が得られるはずがないのです。
これについて、勝又寿良氏──『東洋経済』の経済記者として
30年の経験を持ち、大学教授を16年勤めた経済の専門家は、
自身のブログで次のように述べています。
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さらに遡れば中国の過去の輸出統計も同じ手口で改ざんされて
いたという驚くべき事実に突き当たる。中国のこれまでのGD
P統計すべてが、誤魔化しの「ゲタを履いていた」ことになる
のだ。はっきり言えば、嘘で塗り固められた「中国経済統計」
である。こうした嘘のGDP統計で、日本を追い抜いたとか、
米国を将来追い抜けるなどと豪語してきたのである。そのこと
が、いかに虚しいことであったか。中国社会特有の「メンツ」
「見栄」が、こうした「嘘統計」の背後に存在する事実が、浮
かび上がってくる。いくら「厚顔」の中国政府といえども、何
らかの釈明があって当然であろう。「嘘」が露見した以上、こ
れを糺さなければならないが、すでに中国の金融市場で短期資
金の逼迫化をもたらしている。短期金利の急騰を招き、中国経
済に予想外の混乱を招いているのだ。
──「勝又寿良の経済時評」/2013年6月24日
http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/page-1.html#main
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中国の経済データ──とくにGDPデータがデタラメなのは事
実です。それについて、李克強首相自身が遼寧省書記をしていた
2007年に「中国のGDPデータは参考程度」と明言している
のだから、これほど確かなことはないのです。
それなのにIMFなどの国際機関をはじめ、米国をはじめとす
る先進諸国も、中国の発表するデータを額面通りに受け取ってい
ます。データを精査すれば、多くの矛盾が容易に発見できるのに
誰も疑問を投げかけていないのです。
日本は2010年のGDP統計で中国に経済大国世界第2位の
座を奪われましたが、その3年ほど前から、GDP統計には人為
的な操作が疑われるのです。明らかに2010年に日本を抜くと
いう意図の下に、統計を操作していたものと思われます。
問題なのは、そうして膨らませたGDPのかなりの割合を軍事
費に投入していることです。したがって、中国の軍備は最近近代
化され、他国に大きな脅威を与えつつあります。米国の軍備増強
は歓迎されるのに、中国のそれは脅威を感じる──中国の指導者
は考えるべきです。
今回のテーマを調べるに当って、中国について書かれた多くの
本を読みましたが、中国の将来予測については、次の2つの結論
があります。意見が2極分化しているのです。
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1.中国は今後ますます発展し、世界最大の経済大国になる
2.中国の前途は厳しく、20年以内に世界の最貧国になる
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上記2つの意見では、「1」の意見が圧倒的に多いのですが、
最近になって「2」の立場に立って発言する人も増えてきていま
す。実際に中国は抜本的な政治改革をやらないと、「2」になる
可能性が十分あります。「2」については、クリントン米前国務
長官が明言しています。本当に最貧国になるかどうかは別として
「中国がGDPで米国を追い抜く日は来ない」ということはいえ
ると思います。
これについて、現代中国研究家の津上俊哉氏は、自著で中国の
現体制や経済の情勢を分析し、結論づけていますが、米国の優位
性についても、次のようにその判断に加えています。
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他の国と比べて米国には少なくとも以下のような強みがある。
第一は、何といっても「市場経済本位」の国であり、労働、資
本移動など、他の国なら時間のかかる構造調整が速いことだ。
第二は、少子高齢化の影響を受けない唯一の先進国であること
だ。米国自身は「今後は人口ボーナスがなくなる」と不安を訴
えているが、東アジアからみれば、人口オーナスで急ブレーキ
がかからないだけでも「御の字」だろう。第三は、基軸通貨国
の強みを持つことだ。いまは世界中が量的緩和で足並みを揃え
ているようなものだが、これも米国の先行があってこそ。基軸
通貨国でない国は、ひとり金融緩和をすることに大きな不安を
感ずるものだろう。
──津上俊哉著「中国台頭の終焉」/日経プレミアシリーズ
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――─ [新中国論/76/最終回]
≪画像および関連情報≫
●「人口ボーナス」/「人口オーナス」とは何か
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人口ボーナス・オーナスという考え方は、従属人口指数とい
う概念を使って説明するのが便利です。人口は「生産年齢人
口」と「従属人口」に分かれます。生産年齢人口は、15歳
から64歳であり、この年齢層の人々が働いて経済社会を支
えると考えます。「従属人口」は15歳以下の「年少人口」
と65歳以上の「老年人口」の合計です。いわば生産年齢人
口の人々に「支えられている」人口に当たります。この従属
人口を生産年齢人口で割ったものが「従属人口指数」です。
さて、「人口ボーナス」というのは、人口の動きが経済にプ
ラスに作用する状態を示す言葉であり、従属人口指数が低下
している局面がこれに当たります。従属人口指数が低下する
と、人口全体の中で働く人の割合が高くなり、経済には追い
風の状態になります。逆に、従属人口指数が上昇するのが、
「人口オーナス」です。オーナスというのは「重荷」という
意味です。従属人口指数が上昇すると、人口の中で働く人の
割合が小さくなり、経済には逆風になります。4人家族で4
人働いていたのが、親世代が引退して、働き手が、3人、2
人と減っていくと、家計が苦しくなる(一人当たり所得が減
る)のと同じです。この人口ボーナスと人口オーナスは「人
口ボーナス状態がやがて人口オーナス状態になる」という具
合に連続して現れることになります。
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