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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130627-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 6月27日(木)6時51分配信
5月に私はあらゆるメディアで「アベバブルに気をつけよ。そろそろ危ない」と警鐘を鳴らしました。その直後に1000円超の株暴落が起きました。私の予測が当たったことで、「なぜわかったのですか」という質問を多く受けるようになりました。
私の予測が当たるのは、確固たる根拠があるからです。私はプロとして26年間金融市場を見てきましたが、現在のような相場は見たことがありません。異常といえる状態が続いているのです。しかし、世間はアベノミクスで浮かれていて、マスコミもそれを煽るかのようにアベノミスクを持ち上げていました。今でもそうかもしれません。
株暴落後の乱高下を目の当たりにして、ようやく世間もマスコミも「何かがおかしい」と思うようになったはずです。しかし、本当に危険なのはこれからなのです。その理由を述べます。
現在、株式市場ではこれまでにない異常事態が起きています。アベノミクスで浮かれて株価が上昇し最高値をつけた時も、出来高が全然増えていないのです。銀行や生命保険会社、個人もどんどん株を売っていて、外債も売り越しです。これまで塩漬けになった株や外債・外貨を売り払っているだけで、買い手が全然出てこない。それなのに株高が進んでいる。こんな相場は見たことありません。
この状況は、一部のファンドが小口の買いを多くの銘柄に入れており、売り手がいないのに買いが入った分だけ株価が上がるという要因が考えられます。つまり異常なマネーゲームの様相を呈しているのです。
未来に対して思惑を持った人たちの欲望が渦巻くのが市場です。人のエネルギーが波のようにぶつかるのが相場です。売り手と買い手が出会うと加速度的に相場が上がるのが普通です。現在は、投資家が死んでいるのに株価が上がっていたという異常な状況なのです。それはまるで、死体に輸血をして血圧を無理やり上げているようなものです。ゾンビ相場ともいえるでしょう。
●世界で進む異常事態
この異常事態は日本だけではありません。世界同時に起こっています。アメリカやドイツも最高値を更新しましたが、日本以上に出来高が増えていないのです。景気の良い数字の裏側で、市場はすでに死んでいると言っていいでしょう。
アメリカも猛烈な金融緩和を行っています。中央銀行による国債の直接引き受けをさせていて、その額は1カ月に5兆円という莫大な金額に及びます。今後アメリカの景気が良くなり金融緩和をやめるといえば、その瞬間に株は大暴落するでしょう。アメリカは非常に危うい舵取りをしているのです。この状況はヨーロッパも同じです。政府がお金を刷って市場に入れる。そして体は弱っていく。これが実情です。
お金を刷り過ぎれば物価が上がり、通貨は下がります。そして無秩序な国債の増発になり、需給バランスが崩れ、国債は大きく値下がりし、金利が跳ね上がります。そうなると、いよいよどこかで金融緩和をやめなければならなくなる局面になり、その瞬間にブレーカーを落としたように株が大暴落するのです。
●中国という不安要素
また、中国の不安要素も忘れてはいけません。中国はいよいよ不景気となります。今年は経済だけでなく、政治にも大きな問題が起こる可能性があります。
中国のGDPは正しい値かどうかわかりません。しかし、ある指標を追っていくと、本当の中国の経済状況がわかります。
それは発電量です。ある専門家が中国の発電量を観察しているのですが、この春から昨年同月比でマイナスになったのです。つまり、工業生産が急激に落ちているのです。
中国の不景気と物価高は、中国国内の政治の破綻を引き起こす可能性があります。すでに中国共産党は一枚岩ではありません。尖閣やサイバーテロの問題は、習近平の言うことを聞かない軍部の暴走の可能性があるのです。
中国の経済失速は、すぐに世界に波及していきます。現在の市場は、まだ中国のリスクを織り込んでいるとはいえないでしょう。日本だけでなく、世界的にも尋常ならざることが市場で起きていると考えてください。
●アベノミクス以前に戻る日本
中東で戦争があれば別ですが、夏までは物価は上昇し、その後は下がる可能性があります。世界的には不景気でデフレです。金物や石油など資源関係が値下がり、ゴールドも大暴落しました。世界的にはモノの値段は下がっているのです。金利は中長期的に上がっていきます。株が暴落したら金利は下がりますが、国債の供給が多すぎるので金利は上がっていきます。
世間はまだまだアベノミクスに期待しているようですが、日本はまだまだ不景気です。先日、内閣府から機械受注統計が発表されましたが、4月の受注額は前の月を8.8%下回りました。この減少幅は調査を始めた平成17年4月以降3番目の大きさでした。日本はアベノミクス以前に戻りつつあるのです。
ロケットスタートを見せたアベノミクスも、そろそろメッキが剥がれてきました。安倍首相が発表した第三の矢「成長戦略」も期待はずれに終わりました。アメリカとの関係も改善されておらず、まだまだ市場は注意が必要です。
実態を伴わない「空気」や「風」に乗ることなく、現実を直視していくことが、ますます重要な時期に差し掛かっているのです。
藤原直哉/経済アナリスト、シンクタンク藤原事務所会長
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