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シャープの株主総会、経営陣に痛烈な批判 「液晶事業は大失敗」、経営不安を問う声相次ぐ
http://toyokeizai.net/articles/-/14487
2013年06月25日 許斐 健太 :東洋経済 記者
6月25日に大阪市内で開催されたシャープの株主総会では、株主から経営陣に対し、業績悪化の責任を問う声が相次いだ。
議長を務めた奥田隆司社長は、冒頭で役員に起立を促し、「最終赤字という厳しい業績で、ご期待に沿えず、誠に申し訳ない」と陳謝。続いて次期社長に就任予定の高橋興三副社長が挨拶し、「業容が順調に拡大するにあたり、我が社は創業の精神を忘れ、おごり、高ぶり、チャレンジ精神の低下、顧客志向の欠如と言った、いわゆる大企業病に陥った」と言及。「改めて原点に立ち返り、経営理念、経営信条以外はすべてを変えるつもりで、全力でシャープの再生に取り組んでいく」と決意を述べた。なお、「取締役9人選任の件」など三つの議案はいずれも承認された。
株主との主な質疑応答は以下のとおり。
■「名誉職なら辞めてほしい」
――人事について伺いたい。町田相談役は特別顧問、奥田社長は取締役でない会長になるが、その真意は何か。町田相談役は大阪商工会議所の副会頭で、肩書きがいるということだが、倒産の危機に陥れた責任者だ。名誉のために費用を使うのはおかしい。また奥田氏も取締役でない会長というのは、上場企業では異常だ。名誉職なら辞めてほしい。
高橋 町田の特別顧問、大商の副会頭については、社内でもいろいろ議論がありました。シャープは大阪の企業で、大阪の皆さんに支えていただいています。一刻も早く再生し、成長軌道に乗せ、地域経済に貢献したい、ということで、こういう決断を下しました。
なぜ奥田が取締役でない会長になるのかについては、取締役、役職の数が減っているからです。関西の財界だけでなく、業界、団体に少しでも恩返しをしたい。そのため、奥田が会長という立場でとどまることで、財界活動の多くを引き受けてもらうという意味合いがあります。
――片山会長をはじめ、経営陣は液晶事業で大失敗した。それなのに役員報酬は約3億円と記載されている。われわれの株は配当金がゼロになっただけでなく、元金も減っている。その中で、経営陣はのうのうと報酬をもらっている。これは株主を馬鹿にしている。役員報酬は全額返上してもらいたい。
大西徹夫専務 役員報酬については、すでに70%まで削減しています。役員は役員報酬以外、何も受け取っておりません。それを返上すると、給与がなくなりますので、決められた範囲内で支給させていただきたい。
――奥田社長に、社長就任後の1年間の感想を聞きたい。
奥田 当期利益が巨額赤字になって、皆さんにご迷惑をかけたことは、経営者として本当に申し訳なく思っています。改めてお詫び申し上げます。社長になって、亀山工場で受注がとれず苦戦しました。
堺工場についても、景気、海外の液晶テレビのマーケットの大きな変動で、調整せざるをえませんでした。2012年度の第1四半期に通期の下方修正をしました。私どもとしては何としても、12年度下期の営業黒字化、13年度最終黒字化をしたいという強い気持ちのもとで、構造改革に踏み込んできました。この過程で、なぜ大きく下方修正せざるをえなかったのかについては、外的要因と内的要因の二つがありました。
外的要因としては、デジタル商品がコモディティとなったことです。単価が下がり、粗利が下がりました。またデフレと円高基調の中で、交易環境が悪くなり、競争力を失いました。国内のエコポイントの終了もございました。
これだけ液晶テレビの市場が変化することは想定外。そのあたりは見方が甘かった。液晶事業に投資を集中しながら、2000年から大きくなったのは間違いではありませんでしたが、自前主義でやりながら、環境変化とリスクへの対応が不十分でした。また液晶におんぶにだっこで、ヒット商品も出ませんでした。
その後、大きく固定費を圧縮し、構造改革費用として踏み込んだ結果、12年度下期には営業黒字化を果たしました。13年度にやっとボトムの利益が出せるところまで計画を叩いてつくり、発射台をつくれたということは、社長として最低限の役割は果たせたと考えています。中期計画を確実に実行する中で、業績と信頼回復を図っていきたい。
――韓国サムスン電子と米クアルコムから資金をもらっているが、雀の涙だ。他の会社から出資してもらうような可能性はあるのか。
高橋 クアルコム、サムソン、ホンハイでもそうだが、出資ありきの提携は志向していません。企業のコラボレーションの効果がないかぎり、言い方は変かもしれないが、一時金みたいな話です。両社がウィン−ウィン(Win-Win)になる事業を模索していくのが、第一。そういう意味で、クアルコムとは、MEMSのディスプレイが主眼。サムスンは堺も含めた液晶事業の長期計画を進めています。その他は、決まったものはございません。業務提携を含めて、海外、日本の企業と話をしていくつもりです。
――有機ELという話を他社からよく聞くが、シャープのIGZO(液晶)は有機ELに勝てるのか。
水島繁光副社長 有機ELはスマートフォンに一部搭載され、徐々に広がっています。テレビ用途の大型の投入も始まりました。シャープもかなり以前から研究開発を進めていて、業界の先端レベルのメーカーに負けないレベルにある、と考えています。
ただ、有機ELには、解決すべき技術、事業課題が数多くあります。たとえば中小型のモバイル分野では、高精細の面で課題があり、消費電力、あるいは寿命、コストの問題も抱えています。事業化には非常に多額の設備投資が必要で、大型テレビ向けについても、長期課題は共通しています。
これらの解決に向け、シャープは一つのコア技術になるであろう、IGZO技術を他社に先行して、実用化を図っています。IGZOについてはまだ精力的に開発を続けています。今後、有機ELについては、技術課題、事業課題の克服、市場動向を見極め、参入時期、方法を検討していきたい。
また、IGZOに関しては、世界中のディスプレイメーカーが、次世代のコア技術として開発に取り組み、韓国、台湾メーカーは量産の計画を発表しています。当社のIGZO技術も進化を遂げています。今後ともIGZOの技術革新を継続して、他社と差別化を図り、IGZOの普及に向けた取り組みを強化していきたい。
――台湾ホンハイのシャープ本体への出資について、関係当局の許可等が得られなかったために実施されなかったとある。ホンハイとは今後どのように交渉するのか。
高橋 ホンハイとの資本提携に合意してから、今年3月で1年の期日が過ぎました。(出資交渉が進まない)理由としては、通知に記載させていただいたように、台湾当局の認可がなかったからです。私自身は5月に(社長交代の)会見を開いて以降、テリー・ゴウ会長とは二度会っています。一度は台北、一度は東京です。先週も台湾に行ってきました。
その中で、堺のディスプレイの収益をどう上げるかは話し合っています。ただし現在、シャープへの出資の提案は来ていませんし、私どもからもしていません。当然、出資の依頼がくれば協議は開始するが、現時点では来ていません。
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