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株式日記と経済展望
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上海で短期金利の目安になる「SHIBOR」の翌日物金利は20日、前日
の7・660%から一挙に13・444%まではね上がり、過去最高に達した。
2013年6月25日 火曜日
◆中国の短期金利が急上昇 NY株は一時240ドル超下落 6月25日 朝日新聞
http://www.asahi.com/business/update/0625/TKY201306240573.html
【北京=斎藤徳彦】中国の金融市場が荒れている。金融機関の資金繰りへの不安から短期金利が過去最高水準にはね上がり、24日には株価も急落した。中国に世界の投資マネーが流れ込む「バブル」への懸念から一転、市場では銀行などの「カネ不足」への不安が高まっている。
中国の国内ニュースでは連日、「銭荒(お金が足りない)」と見出しが躍る。銀行などが日々の業務に必要なお金を貸し借りする「短期金融市場」で、金利が急騰したからだ。
上海で短期金利の目安になる「SHIBOR(上海銀行間取引金利)」の翌日物金利は20日、前日の7・660%から一挙に13・444%まではね上がり、過去最高に達した。
短期金利は、金融機関が借りたお金を返せなくなることへの不安が高まったときなどに急上昇する。今回の場合は、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和政策の終了に言及したことなどを受け、中国への投機マネーの流入が止まったことがきっかけとされる。さらに、中央銀行の中国人民銀行が市場からお金を吸い上げる手形を発行し続けていることで、銀行などの「カネ不足」が深刻になるという観測が強まった。
人民銀が市場からお金を吸い上げているのは、社会全体の貸し出しが急に膨らんでいることを問題視しているからだ。特に、銀行や信託会社が「理財商品」と呼ばれる高利回りの財テク商品を売り、集めたお金を不動産市場などに投じているため、バブルが起きるおそれがあるとみている。
短期金利は24日には6%台まで下落した。市場では、「人民銀が一部の国有銀行に銀行間市場に資金を出すように命じた」とささやかれている。
それでも、金融機関の資金繰り不安から、株式市場では銀行などの株式が売られている。24日の上海総合株価指数は前週末から5・3%下落し、今年最安値の1963・23ポイントをつけた。
銀行が売り出した理財商品は6月末にかけて投資家へ償還する時期が集中するとされ、「銀行のカネ不足への不安はまだ続く」(大手証券アナリスト)との声が上がる。人民銀は24日、「銀行は上半期末(6月末)の流動性の手配に注意するべきだ」と異例の声明を出した。
◆中国の不良債権爆発は、もはや時間の問題ではないのか 5月8日 宮崎正弘
http://blog.kajika.net/?eid=1003571
利払いが滞り、地方政府は返すアテもなく中央政府にツケ回し。
2013年5月2日、中国人民銀行(中央銀行)の劉士余・副総裁は「国有の五大銀行がいまのペースで資産拡大を続ければ、2014年に5行合わせて405億元(約6400億円)の資本不足が生じるだろう」と警告は発した。
この場合の「資産拡大」とは「不良債権」を含むという意味である。
劉副総裁の警告は雑誌『中国経済週刊』のなかで述べられているもので、「内部金融への依存度が現状のままで在り続けるなら2017年までに五大銀行の資本不足は1兆6600億元に達する」と予測した。
しかし、これらの数字は楽天的にすぎないか?
すでに国務院参加のシンクタンク「発展研究センター」のL教授の部内報告によれば、7月に危機が表面化する危険性が高いとしている。L教授は人民日報に百本以上の論文を書いたことでも知られる経済通の論客。
曰く。「中国が直面する危機はバブル崩壊と地方政府の債務危機で、両者は緊密にリンクしている。利払いと歳入減に陥った地方政府は土地に切り売りを続けるが、もはや残った農地は少なく、土地担保の借金は鰻登りで、北京市の12年度だけの負債増が2500億元。朝暘区だけでも利払いが毎月1000万元に及んだ。他方で政府支出が増大し、国防と治安対策への増額は、いよいよ裏付けを失うだろう」。
まして年内からリーマンショックの直後に発動した財政出動4兆円の利払いが開始される。2年後までに4兆6000億元の償還がある(74兆円弱)。だから中国は香港とロンドンに国債市場を必要とするわけだ。つまり米国や日本のように「借り換え借り換え借り換え」の悪性スパイラルに突入するのだが、日米の国債のような信用度が希薄である上、デフォルトの危機がつねに伴う。
そうなるとブームだった海外からの投資が急減し、さらに中国の新世代は意識が変貌しており、なんと中国の若者が公務員に憧れ、国有企業に就職を希望し、そのためには大嫌いな共産党に便宜的に入党している。国有企業も行政も予算不足となって危機に立つという状況だから公務員は増やせない。また大都市では不動産熱治まらず、投機も通常的であり、最後の手段が移民熱である。
しかしL教授は「経済危機は中国にとっての吉事である。つまり短期的な膿を出せば、本格的改革が加速するからだ」と強がってみせるのである。
▼ついに習近平も事態の異様さに気がついたようだ
習近平国家主席は、4月25日、政治局常務委員会で「わが国の経済運営は困難に直面している。世界的な(通貨)流動性の急増で国際金融危機が頻発しており、金融分野のリスク対策を強化せねばならない」と発言している。
これは上記ふたりの発言を濃厚に反映したものだが、すでに3月末に中国銀行業監督管理委員会が、「一部の銀行は融資管理を怠り、投資リスク対策がおろそかになっている」と指摘している。
これはシャドー・バンキング(影の銀行)が発行する低い格付けの、しかし利息がやけに高い投資信託など高利回りの「理財商品」を指し、銀行の透明性向上を求めたものである。
中国のシャドー・バンキングとは(1)既存銀行の貸借対照表に記載されない商業手形や信託融資(2)銀行以外の高利貸金融(3)ノンバンク等を意味する。推計の総融資額は約24兆元(約384兆円)にのぼっているというが、もしこの数字が正しければ、中国GDPの49%である。
リーマンショック以後、中国は公共事業を急拡大した。このため地方政府の債務は2010年末時点で10兆7千億元(約171兆円)。
それからも三年を閲して、M3(通貨供給量)は100兆元を突破(1600兆円)、つまり隠れてきた不良債権が顕在化するのは時間の問題である。
有力会計法人「信永中和会計士事務所」の張克会長は「地方政府の債券発行をいくつか検査したが、非常に危険なため、業務を全面停止した」とした。
格付け会社のフィッチ・レーティングスは4月、「企業や家計部門を加えた中国全体の債務規模が対GDP比で198%に達すると試算し、同国の国債格付けを引き下げた』(産経5月3日)。
かくして中国の債務爆発は時間の問題だろう。
(私のコメント)
中国でいよいよ信用バブルが崩壊しようとしています。今までも中国のバブル崩壊は何度も危機が指摘されてきましたが、バブル崩壊はいくらでも先送りする事ができます。この点では中国もアメリカもやっている事は同じであり、銀行が抱えた不良債権を政府や中央銀行が買い取ってしまえばバブル崩壊は避ける事ができます。
しかし、公的資金で救済された銀行は、今度は安心して同じ事を繰り返すようになります。それが規模が小さければ繰り返すことも可能でしょうが、公的資金でも救済できないほどの規模になるとそれが限界と言う事になります。だから債務超過に陥った銀行は潰さなければガン細胞のように他に広がっていきます。
日本のバブル崩壊は20年も前におきましたが、公的資金で不良債権を買い取ってしまえばバブル崩壊は先送りする事が出来た。しかし日本は公的資金注入による救済よりも、超低金利を長期間続けることで銀行救済する手段を選んだ。ゼロ金利で日銀から金を借りて1%の国債を買えばリスクゼロで金利を稼ぐ事が出来ます。国債1000兆円の裏にはこのような事情があるのです。
日本の不良債権の規模は100兆円程度だったからこのような方法がとれましたが、アメリカや中国の不良債権規模はアメリカも中国も巨大すぎて規模が分からない。アメリカの場合はデリパティブなどで当事者でないと分からない面があり、中国の場合は統計数字が信用が出来ない。日本の場合は債権者と債務者の関係がはっきりしていましたが、アメリカは証券化されて転売されて不良債権の規模は不明だ。
中国の場合は、銀行自身がどの程度不良債権を抱えているのか投資信託のような形で資金調達されて融資を膨らませて、公的資金では救済出来ないほどに膨らんでいるらしい。バブルの崩壊は信用が膨らみきった後に信用不安が起きて崩壊が始まります。中国のインターバンクでの短期金利が二桁の金利にまで急騰したという事ですが、明らかに異常な事が起きている。
これは中国の中央銀行が、これ以上の信用が膨らむ事を規制したためですが、中国のGDPの二倍の規模にまで膨らんでいるらしい。日本のように政府の国債なら返済の目処はつきますが、銀行の投資信託が破綻した場合は銀行は潰すしかない。何処がどれだけ不良債権を抱えているかは分からないからインターバンクの短期金利が急騰した。
「中国のシャドー・バンキングとは(1)既存銀行の貸借対照表に記載されない商業手形や信託融資(2)銀行以外の高利貸金融(3)ノンバンク等を意味する。」と言う事ですが、アメリカのサブプライムローンに相当するものだろう。シャドー・バンキングだから政府も実態がつかめず公的資金で買い取るわけにも行かない。このように中国の実態が分からないから予測も付きませんが、海外からの投機資金も一斉に引き揚げが始まっている。
中国の銀行がいつ何処で潰れるかわからなければ、取り付け騒ぎが起きるかもしれませんが、閉鎖的な体質で国家の管理下にあるために実態がつかめない。 利払い程度なら国の救済で何とかなるのでしょうが元本の救済となると、不良債権化した手形や投資信託やノンバンキングの規模がつかめない。こうなると銀行のデフォルトがいつ発生するか分からず、政府も中央銀行の手のうちようがない。
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