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岩田日銀副総裁、金融政策「実質金利下げを最重視」:実質金利の手掛かりがなくインフレ予測の理論値も出ない日本
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/590.html
投稿者 あっしら 日時 2013 年 6 月 25 日 04:31:57: Mo7ApAlflbQ6s
 


 岩田日銀副総裁にインタビューを行った日経新聞は、「金融政策の運営で最も重視している点について「予想インフレ率が中長期的に上がり、実質金利が下がっていくかどうかをみている」と強調。現状では「実質金利が下がる傾向は続いている」と語った」と冒頭で書いている。が、実質金利と見なされる物価連動債の利回りに“実質金利”としての妥当性があるのかという根源的な問題が横たわっている。

 物価連動債に実質金利を示すだけの商品性がないとなれば、日本円については、予測インフレ率も理論値がないことになる。
 言ってしまえば、貸し借りのあとの実際のインフレ率の推移に基づく事後的な実質金利しかわからないことになってしまう。

※ ブレーク・イーブン・インフレ率:BEI(10年債利回り−10年物価連動債利回り)を期待インフレ率とする。

 BEIは、黒田日銀の「異次元の金融緩和」政策実施後1.9%ほどまで高まったが、10年物価連動債の市場性には問題があり、それをベースにした期待インフレ率云々は疑問視せざるを得ない。

 白川前日銀総裁も、総裁当時、衆議院予算委員会で、「日本の物価連動債の市場は非常に小さく、流動性が低いため、日本ではインフレ予想を弾き出すことはなかなかできない」と説明した。

 2004 年3月から発行が始まった物価連動国債は、リーマン・ショックをきっかけに大きく売り込まれ、買い手不在のなか価格下落(利回りは上昇)が起き、買入消却でようやく沈静化するという経緯を有している。

 流動性が低い物価連動債は、換金性の悪さの代償として高い金利を要求する「流動性プレミアム」が大きく上昇した。

 そうでありながら、今回の「異次元の金融緩和」政策を受け、残高も5兆円未満で平均残存期間も7年ほどしかない物価連動債の価格が上昇(利回り低下:マイナス1%超)したからといって、期待インフレ率が高まったということはできないであろう。
 言えるとしたら、「異次元の金融緩和」政策で醸成されたストーリーに乗っかった投資家もいるというレベルである。


 財務省は、5年ぶりに今年10月、物価連動債を3000億円発行すると発表した。

 新しい物価連動債の商品性格で微笑むのは、以前はデフレでも元本を保証しなかったのに、元本を保証するかたちに変更したことである。

 物価連動債を再び発行する理由は、インフレで目減りすることを嫌う投資家向けということになっている。
 しかし、投資家の要望を容れ、デフレでも元本を保証するかたちに変更した財務省は、自分たちはどうだかわからないが(笑)、「異次元の金融緩和」政策によりデフレから脱却してインフレに転換するという見通しが投資家に信じられていないことを認めたことになるだろう。

 今なおデフレ状況にある日本で、デフレでも元本を保証する“歪んだ”物価連動債の利回りを実質金利とすることにはムリがあると言っておく。


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岩田日銀副総裁、金融政策「実質金利下げを最重視」
初の単独インタビュー
2013/6/24 21:45

 日銀の岩田規久男副総裁は24日、日本経済新聞のインタビューに応じ、金融政策の運営で最も重視している点について「予想インフレ率が中長期的に上がり、実質金利が下がっていくかどうかをみている」と強調。現状では「実質金利が下がる傾向は続いている」と語った。岩田副総裁のメディアとの単独インタビューは3月20日の就任後初めて。一問一答は以下の通り。

 ――副総裁の就任から約3カ月たつ。4月4日に導入した量的・質的緩和をどう位置付けるか。

 「今回の政策の柱は2%のインフレ目標を設定し、できるだけ早く、メドとしては2年程度で達成するとコミットメント(約束)したことだ。それを実際に裏付けるために量的・質的に緩和をしている」
 「狙いの一つは予想インフレ率の引き上げだ。予想インフレ率が上がると、実質金利が下がり、設備投資や住宅投資を後押し、実体経済にも働き掛ける」

 ――金融緩和から2カ月半たつが、成果はどうか。

 「金融政策はまず株式や為替、債券など金融市場に影響を与える。金融資産は予想が変わったときに入れ替えが比較的容易なためである。株高や円安は、株式と外貨資産の資産効果を通じて消費を押し上げる。今回、こうしたルートを通じて消費は比較的早めに反応した」
 「今は金融市場の好影響が実体経済にもだんだん波及し始めている段階だ。実体経済が反応するには少し時間がかかる。実体経済は金融市場に起こったことが安定的に続くのかを見ながら判断するからだ。さらに輸出などは海外の経済状況にも依存する」
 「ただ、いずれにしても時間がたつにつれて民間需要が増えると期待できる。そうなればモノの需要も増え、物価も次第にプラスへ変化する。雇用も増え、賃金も少しずつ上がっていく」
 「そうなれば予想インフレ率がさらに上がって、実質金利が下がり、設備投資や輸出や消費に影響を与えるという好循環が生まれる。そうした好循環は今、起こりつつある」

 ――黒田緩和後に進んだ円安・株高も足元はやや陰りが見えているのではないか。

 「日本経済のファンダメンタルズは良くなっている。一時的に金利が上がり、ボラティリティー(変動率)も上がったが、日銀は鎮めてきた。名目金利の上がり方も、予想インフレ率の上がり方に比べて小さいので、実質金利は下がっている。市場も次第に落ち着くだろう」

 ――緩和後の長期金利の乱高下など市場の変調をどうみているか。

 「市場で調整が起こっているのは、いくつか理由あると思う。ひとつはアメリカの資産買い入れの圧縮観測を市場が十分に消化できずに揺れ動いているためだ。もうひとつは株高・円安のスピードがかなり速かったので、スピード調整に動いた面がある」
 「金融政策は市場の予想に働き掛けているが、黒田東彦総裁の下での異次元緩和で予想が大きく変わった。2%のインフレ率達成が近いと思う人と、遠いという人との間で予想に幅ができてしまい、相場が振れやすくなった面もある」
 「今回の金融政策はたくさん国債を買うため、名目金利を下げる力がある。一方で予想インフレ率を上げることにコミットメントしているという点では、金利を上げる要因になる」
「私は当初、日本は長い間、デフレ心理が浸透していたため、相当な金融政策をやってもすぐに予想は変わらないとみていた。名目金利を上げる力より、下げる力のほうが強いと考えていた」
「金融政策の意図を理解してもらうのには時間がかかると思うが、だんだん浸透してくるだろう」
 「しかし実際には市場の予想インフレ率は想像以上にすばやく反応した。それが株の急騰と円安の上昇スピードを上げた。市場はわれわれが思った以上に金融政策に反応したり、しなかったりする」
 「市場とのコミュニケーションを通じて、金融政策の意図を理解してもらうのには時間がかかると思うが、だんだん浸透してくるだろう」

 ――予想インフレ率は上がっているのか。

 「物価連動債の利回りから予想インフレ率を算出するブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は緩和後のピーク時に比べてやや低下しているものの、次第に再び上昇してくるだろう」
 「消費者やエコノミストのアンケートなどもインフレ率は上がるという予想が多い。実質金利が下がるという傾向は続いている」

 ――今後の政策運営のポイントは。

 「金融政策の運営で何を一番大事にしているかというと、予想インフレ率が中長期的に上がり、実質金利が下がっていくかどうかをみている」
 「日本経済は、需給ギャップが解消し、貯蓄と投資が均衡する金利水準を指す『自然利子率』がマイナス圏にある。自然利子率は成長戦略で上がってくるが、時間がかかる。今はデフレを早期に脱却するため、自然利子率に合わせて実質金利をマイナスに下げていく局面にある」
 「日銀は予想インフレ率を中長期に2%で安定させるというアンカーをつくっている段階だ。アンカーが安定すれば、物価も安定していく」

 ――実際に物価が上がっていくには、今は大量の手元資金を抱える民間企業がマネーを活用していく必要もある。

 「これから実質金利が下がれば、お金を抱えていると損をする世界になる。今まさに企業は動きつつある。経済がよくなって需要が増えてくると、今あるお金だけでは足りなくなり、貸し出しも増えてくる」
 「量的・質的金融緩和に先立つ昨年秋以降のアベノミクスの効果もあって、すでに貸し出しは増えている。金融機関が国債から貸し出しなどにマネーを振り向けるポートフォリオ・リバランスの効果はすでに出始めている」

 ――日銀は「逐次投入」しないという姿勢を打ち出している。

 「これまでは市場や政府が要求するたびに日銀が動いていた。それが逐次投入だ。しかし上下方向のリスクが生じた際に動くのは逐次ではない」
 「本当にリスクがあって、この金融政策では不十分、または十分すぎるとなったときに動くのは逐次ではなく『適正』な金融政策だ。必要があれば、上下両方向の政策の調整はありうるだろう」

 ――日銀が4月下旬に展望リポートで示した物価・経済の見通しに変化は生じているか。

 「展望リポートで示した物価上昇へのパス(道筋)はあまり変わらない。計算方法はいろいろあるが、今の緩和ペースを続けていけば、2年程度で2%の物価上昇率を達成できる」
 「たとえば、ある名目成長率を達成するのに必要な資金供給量(マネタリーベース)を算出する『マッカラム・ルール』でも、2%の消費者物価上昇率の達成に必要なマネタリーベースはだいたい今の日銀の緩和策と同程度になる」


http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC2401W_U3A620C1000000/?dg=1


 

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コメント
 
01. 2013年6月25日 08:02:40 : nJF6kGWndY

長期的には、日本はマイナス要因ばかりで、すでに基本インフラはできているから
財政政策は変動相場では財政赤字を増やすだけで、民間設備投資への刺激も小さい

政治的な抵抗が強いから、成長戦略も期待できないし、効果がでるには時間がかかる

結局、QE頼みだが、デフレ下のQEだけでは、インフレ期待を通した通貨安経路(一般国民の所得と資産を犠牲にしたヒトとモノの安売り)効果がメインとなる

まあ、それでもやらないで円高デフレを放置するよりは、どれもマシという程度だろうな

>投資家の要望を容れ、デフレでも元本を保証するかたちに変更した財務省は、自分たちはどうだかわからないが(笑)、「異次元の金融緩和」政策によりデフレから脱却してインフレに転換するという見通しが投資家に信じられていないことを認めた

まだデフレだから純粋に資金調達の視点から言えば必要はないが

流動性プレミアムを何とかしないと話にならないということだろう



02. 2013年6月25日 08:18:24 : KO4C9oEhYU
日銀は常識さえ持ち合わせていない人が理事になっているのでしょうか。投稿内容を読まずに見出しだけでコメントしてすみません。

03. 2013年6月25日 08:44:47 : nJF6kGWndY

岩田Kの金融リテラシの問題というより

問題はBEIの信頼性や先見性が妥当かだろう

つまり金融市場と実体経済(企業投資)の世界では乖離が生じている可能性が高いということ

企業経営者は、金融理論ではなく、過去の経験則(期待収益率の低い国内ではリスク回避重視)に従って限定合理性の中で判断しているのだから、それも自然なこと



04. 2013年6月25日 14:53:54 : e9xeV93vFQ
岩田日銀副総裁インタビューの一問一答

2013年 06月 24日 23:09 JST  
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[東京 24日 ロイター] - 日銀の岩田規久男副総裁は24日、ロイターとのインタビューに応じ、日銀が4月に導入した異次元緩和に伴う予想インフレ率の上昇と実質金利の低下などを受け、効果が実体経済にも波及し始めているとの認識を示した。

日銀が掲げる2%の物価安定目標の達成に「全力で取り組む」と強調するとともに、名目成長率目標を達成するために必要なマネタリーベースの伸びを推計するマッカラム・ルールなどに基づけば、2%達成は「2015年4─6月期になる計算だ」と試算した。

──「量的・質的金融緩和」(異次元緩和)導入後の効果の波及度合いをどのようにみているか。

「2%の物価安定目標をできるだけ早く達成することに日銀がコミットしている、という重要な柱がある。これを大前提にして量的・質的金融緩和でマネタリーベースを増加させていくことで、予想インフレ率が高まっていく」

「(予想インフレ率の上昇で)実質金利が下がれば、ある程度の時間はかかるが、設備投資や住宅投資が増える。株価と円相場にも影響を与え、株と外貨資産の価値が上がる2つの資産効果が消費を押し上げる。円高修正によって、輸出も増えてくる。このように設備投資、住宅投資、個人消費、輸出という民間需要が拡大し、需給バランスが改善していく。需給バランスが改善すれば生産が増えるので、雇用も増えてくる。その結果、少しずつ賃金や物価が上昇する。そうなれば予想インフレ率が一段と上がり、実質金利が下がって設備投資などを刺激するという効果を繰り返す好循環の過程に入っていく」

──緩和効果に対する現状の評価は。

「予想インフレ率の上昇によって、マインドが改善する効果はすでに出ている。消費が先行して動き、生産もすでに増加している。有効求人倍率が上昇し、雇用も改善するとの見通しの中、いろいろなところで緩和効果があらわれ、前向きな行動がでてきている。現状は実体経済に影響を及ぼす芽が出始めている段階といえる」

──市場や経済主体の期待は変わりつつあるか。

「デフレが15年も続き、当初は政策を実施してもすぐに予想インフレ率は上がらないと思っていた。ところがフタを開けてみると予想インフレ率は非常に早く反応した。ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は株や為替との相関が非常に高い。今後、財務省が物価連動国債の発行を再開することで市場が厚くなり、信頼性が増す」

「金融政策で予想に働きかけることを不安視する声もあるが、金融政策は基本的に予想に働きかけるもの。予想を否定する金融政策はありえない。黒田総裁就任前の日銀は、意図せずにデフレ予想に働きかけていたといえる」

──物価安定目標達成のカギを握る予想インフレ率の動向をどうみるか。

「BEIは調整過程にあるが、次第に戻ってくると思う。インフレ率は、民間アンケートなどでは以前は下がるという見通しだったものが、上がるという予想に変わってきている。効果は次第に浸透してくる」

──2年程度で2%の物価安定目標を達成できる見通しと時期は。

「2%を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に達成することが最も重要であり、全力をあげて取り組む。物価が足元で上がり始めるとフィリップス曲線が上方にシフトし、もう少し物価が上がり、賃金も上がるとの予想が出てくる。そうなれば、2年程度で達成する可能性は高まっていく」

「2%の見通しについて、四半期ベースでいつ頃に達成するかを特定することは難しい。マッカラム・ルールなどに基づくと、(2%到達には)今の緩和ペースで2年程度、2015年4─6月期になる計算だ。しかし、マッカラム・ルールも過去のデータに基づいており、今後の世界経済の動向など不確実性は伴う」

──実体経済や物価の見通しが下振れた場合の政策対応の必要性は。

「リスクは上下両方にあり、下振れも上振れもある。いつでも監視し、対応する用意はできている。具体的には、政策委員会で討議して決める事だが、われわれは手段を持っている。経済・物価が下振れたかどうかは中長期的な判断で、特に予想インフレ率が長期的に低下し、安定した2%に中長期的に到達しないような場合を考えている。短期的に下振れることはいつでもあり得るため、中長期的なトラック(経路)に乗っているかどうか、それによって実質金利が下がるかどうかだ」

──中長期的な予想インフレ率が低下した場合の政策手段は。

「資産買入れの対象としては、国債市場が一番大きいため、買う余地があるし、経済主体に対して中立的だ。個別株式などの買い入れは、特定の経済主体に直接的な影響を与えてしまうという面がある。もっとも、いろいろな政策手段をその時の経済状況をみながら選択すべきで、今から何を買った方がいいということはない。ただ、一般的には、まずは国債を買うことが基本だと考えている」

──リーマンショックなど危機が発生した場合の政策発動余地は。

「危機対応手段はもちろんある。リーマンショックのような大きな金融のショックで流動性危機が発生すれば資金需要が急増するため、信用秩序の維持の観点から、短期的な流動性対策を危機が収まるまで行うことはあり得る。危機対応はいつでも準備しており、監視・モニタリングもしている。信用秩序の維持と物価の安定は日銀の2つの目的なので、信用秩序が崩れるときは通常の金融政策とは別途対応するということだ」

──日本の株式・為替市場の動きが激しい。金融政策の影響の有無をどう考えるか。

「基本的には海外発の面が強い。金融政策は市場に理解されるのに時間がかかり、日銀の金融緩和もいわゆる異次元ということで市場は消化にとまどっている。だんだん市場も理解が深まってくる。大きな政策を実施する場合、市場とのコミュニケーションを行っていかなければならない。金融政策当局がブレることはあってはならない」

「日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)は変わらず、足元だんだん良くなる傾向にある。このため、短期的な市場動向への対応を目的とする政策は必要ないと思う。もっとも、金融政策に対する中長期的な反応ということであれば、適切な対応を考える必要がある」

──異次元緩和後の金利動向をどうみているか。

「金利に対しては2つの違う働きの効果が働いている。国債を大量に買い入れたため、名目金利やリスクプレミアムは下がる。一方、予想インフレ率が上がることで名目金利が上昇する要素もある。金融政策の結果、予想インフレ率が上昇し、実質金利が下がっているかどうかが一番大事だ。そうでなければ株や為替、実体経済に対する影響が出てこない。(現在の実質金利は)BEIでみるとマイナスだ」

──債券市場安定に向け、6月の金融政策決定会合で見送った固定金利オペの長期化の必要性は。

「長期金利のボラティリティ(変動率)が上昇したが、国債買い入れオペでさまざまな工夫をしており、大分変動率も収まってきている。市場もだんだん落ち着いて来ていると思う。いつまでも変動率が大きい状態が続くならば(オペの工夫や)他の政策手段も考えるかもしれないが、現時点では必要ない」

──世界経済の動向をどのようにみているか。「一時より安定している。わが国の実体経済は改善している。今後は実体経済を反映して株・為替・金利は動いていくと思う」

──前例のない大規模な金融緩和政策の出口戦略。

「まだ初めて2−3カ月しか経っていない。まず入り口をうまく誘導するのが大切。出口は米国の方が先でFRBも苦労しており参考になる。ただ現時点で出口戦略について言う必要はない」

──副総裁就任前に2年程度で2%の物価目標が未達の場合の辞任を示唆したが。

「まずは説明責任を取るということだし、より大切なのは、説明責任を果たせるような政策を実施するということだ」

──日銀法改正議論を現時点でどのように捉えているか。

「それは政府・国会で適切な議論が行われるべき問題であり、わたしが現在の立場で外部に発言することは適切でない」

──副総裁として実務を担ってみての感想。

「日銀内のさまざまな部局を時間の余裕があるときに見て回っている。外部にいたときは金融政策の観点でしか日銀をみていなかったが、信用秩序の維持がなければ物価の安定もできない。そのためにはさまざまな人々の仕事、下支えがある。例えばオペについても、外部にいたときは簡単だと思っていたが、実務はそのような簡単なものではないとわかった。日本銀行の実務に対する理解を深めつつある状況だ」

(伊藤純夫 木原麗花 竹本能文 編集 宮崎大) 

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