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http://www.nikkei.com/markets/column/globaloutlook.aspx?g=DGXNASDF2100R_21062013000000
2013/6/23 7:00 編集委員・滝田洋一 :日経新聞
米金融緩和の出口論議をめぐり、世界の株価が乱調となっている。流動性の宴(うたげ)に幕が引かれるとき、それまで蓄積していた矛盾が噴き出す。 アジアの焦点は中国の金融バブルの行方であり、その中国への傾斜を深める韓国だ。これら隣国からの混乱波及を最小限に食い止めることが、直近の優先課題として浮上してきた。
先週末22日の株式市場は正直だ。日経平均株価が反発したのを尻目に、上海総合指数は年初来安値を連日更新し、2000ポイント割れが視野に入ってきた。韓国総合株価指数も仲良く年初来安値となった。
株式が大きく売り込まれるにはそれだけの理由がある。
中国については、シャドーバンキング(影の銀行)と呼ばれるノンバンクを通じた信用膨張が、大問題になっている。採算を度外視した地方政府の開発投資などに資金が流れ、潜在的な不良債権の山をこしらえている。
米格付け会社のフィッチ・レーティングスが中国国債を格下げした際にも、この点を問題視している。中国の総貸出残高の国内総生産(GDP)比は直近の5年間で、75%から200%に膨れ上がった。
1980年代の日本のバブル期や2000年代の米 国の住宅バブル期を、はるかにしのぐ信用の膨張ぶりだ。相手国・地域とつじつまの合わない貿易収支をはじめ、統計の水増しがはげ落ち、景気減速が明らかになっている。それとともに、金融の時限爆弾が時を刻み始めているのだ。
シャドーバンキングの膨張をけん制するため、中国人民銀行(中央銀行)は資金供給を絞った。いきおい、短期金利がハネ上がっている。人民銀の意図は分かるが、時すでに遅し。
1990年に かけバブルつぶしの金融引き締めに出て、急速なバブル崩壊と景気後退を招いた日銀の轍を踏むことになるだろう。銀行危機の到来は避けれまい。
不動産投機を抑制しつつ、値崩れする株価を下支えするなど、当局の対応もちぐはぐだ。6月半ばにかけて中国商工銀行など4大銀行の株式を、政府系ファンドを通じて買い支えている。
もっとも、こうした株価維持策(PKO)は、純粋な市場対策とばかり言い切れない。UBSによると、経営幹部や保有比 率が5%以上の個人株主による中国株の売越額が、5月には247億元に膨らんだ。円換算で約4000億円と、09年6月以来最大になった。
息切れする中国の電力消費と貨物輸送量
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党幹部や経営陣 が我先に逃げ出すなか、公的資金で株を買え支えているのだ。これでは株式に対する一般投資家の信認が回復すべくもない。
市場参加者が次に織り込むのは、中国からの資本流出だろう。案の定、為替市場では5月半ば以降、人民元の対ドル相場の上昇が止まり、足踏み状態となっている。 よりによって、韓国経済はその中国への依存度を強めている。外交面で中国への傾斜を深めているのと好一対である。
李明博前大統領の竹島訪問で日韓関係が冷え込んだのを機に、韓国の外貨繰りにも決定的な変化が起きた。当局が外貨融通を受ける先を中国へと移した結果、外貨の手綱は中国に握られることになった。
アベノミクスの下で超円高が終わり、それまでの著しいウォン安が是正されたことは、韓国の輸出に打撃となった。アベノミクス批判の急先鋒である韓国が、中国に同調を求めているのも見逃せない。
だが中国経済が変調を来したことで、韓国の中国接近策は裏目に出ている。海外投資家の韓国に対するまなざしが厳しさを増しているのだ。中韓の株価が連鎖安を演じるのはその意味で自然である。
日本への波及は極力避けたいところ。不幸中の幸いというべきか、昨年秋の尖閣摩擦以降、日本の対米輸出は対中を上回りだした。アベノミクスによる経済立て直しを地道に進めることが、これまで以上に重要性を増している。
対中を上回り出した日本の対米輸出
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