02. 2013年6月25日 00:35:18
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2013年6月25日 正社員がアルバイトになりたがるブラック企業 [橘玲の日々刻々] 1 2 ワタミの渡邉美樹会長が、夏の参院選で自民党から出馬するにあたって、「ブラック企業」との批判に反論しています。 「賃金や離職率、時間外労働時間などいずれの基準でも飲食サービス業の平均を上回っており、ブラック呼ばわりされるいわれはない」という渡辺氏の説明に納得するかどうかは別にして、ありもしない理想の会社を基準にして「反社会的」のレッテルを貼るのがフェアでないのはそのとおりでしょう。徒手空拳から一代で会社を興すのが“普通”のひとではないのは当たり前で、「365日24時間死ぬまで働け」と社員を叱咤する中小企業のオーナー社長はいくらでもいます。ブラックかどうかは、あくまでも法に則って判断するべきです。 ところが困ったことに、この「正論」が問題をさらにややこしくしています。 ブラック企業は、終身雇用の代償として慣習化していたサービス残業などを利用して、社員を最低賃金以下で働かせています。サービス残業が違法なのは明らかですが、この悪習は日本の社会全体に広まっているので、これを基準にすると大企業ばかりか官公庁まですべて“ブラック”になってしまいます。その実態を論じるには、ブラック企業のなかから「ほんもののブラック」を見つけ出さなくてはなりません。 リトマス試験紙のひとつとして考えられるのが、正社員のアルバイト化です。 飲食業界のブラック企業は、残業代をいっさい払わずに正社員を使い倒すことで人件費を抑えようとしています。当然、こんな労働環境では働く気はしませんから、新卒で入社した社員の大半は半年もたたずに辞めていきます。 スタッフが次々といなくなれば店を回していけません。ハローワークに求人を出したとしても、正社員になりたい若者が押し寄せてくるわけではないからです。 こんな時、困り果てた店長はどうするのでしょうか。実は、辞表を出した社員に「アルバイトで残ってくれないか」と懇願しているのです。 次のページ>> 店長よりも給料が高い? アルバイトは時間給ですからサービス残業はありません。そのうえ深夜勤は応募が少なく、アルバイト代は時給1200円程度まで上がっています。正社員と同じ仕事をアルバイトでやれば月収が1.5倍になり、場合によっては店長の年収を超えてしまいます。こうして、「正社員がアルバイトになりたがる」という不思議な現象が起きるようになったのです。 ブラック企業問題の本質は、「正社員は過剰に保護されているのだから会社の無理難題を受忍すべし」という日本的な雇用慣行にあります。“世界標準”の労働制度は同一労働同一賃金で、正社員と非正規社員の「身分格差」は差別であり、サービス残業は「奴隷労働」と見なされます。 しかしそうなると、会社は社員の雇用を保証する理由がなくなりますから、金銭による整理解雇を認めるしかありません。労働市場改革があらゆる改革のなかでもっとも困難なのは、日本社会の中心にいるサラリーマンや公務員の既得権を直撃するからです。 もちろん、正しい解決法が実現不可能だからといって目の前にある問題を見過ごしたりはできません。だからこそひとびとは、バッシングの標的を探すのです。 『週刊プレイボーイ』2013年6月17日発売号に掲載
「出世はイヤ!スキルアップもしない?」 若者が望むキャリアアップの“謎” 環境が変わるだけで別人になれるなんてことはない 2013年6月25日(火) 河合 薫 「キャリアアップしたいって言うくせに、出世はしたくないってどういうことなんだ? 訳が分からないんだよなぁ」 「うちの部下は、キャリアアップしたいとか言って、転職していったぞ」 「つまり、会社にいたんじゃ、キャリアアップできないってことか?」 「そ、そうなんですか? 私、実は高卒だったんで、かなり頑張って管理職になったんですけど。これはキャリアアップと言わないってことですか?」 「出世っていうと、すっかりネガティブにとらえられるようになったけど、キャリアアップと何が違うんだ?」 「やっぱり、キャリアアップ=転職ってことか?」 「(全員)う〜む……。分からん」 しょっぱなから、飲み屋でのやり取りのような始まり方だが、これは先日に開かれた企業の部長クラスの方たちとの会合での一コマだ。 部下との関わり方や育て方についての話になった際に、「キャリアアップ」という、今では誰もが知っている言葉が「???」ってことになったのである。 いまひとつよく分からないキャリアアップの真意 キャリアアップ──。数年前からよく耳にするようになった言葉だが、実は和製英語である。 巷には「キャリアアップのための転職の勧め」とか、「キャリアアップできる資格100選」といった本やら雑誌やらがあふれ、転職の理由にキャリアアップを挙げる人たちも少なくない。 1〜2年ほど前からだろうか。30代の方たちをインタビューすると、「キャリアアップしたいので、転職を考えている」とか、「キャリアアップするには、人脈が必要なんで、今は人脈づくりにいそしんでいます」なんて話を聞くことが多くなった。 今まで「キャリアアップね〜」などと突っかかりながらも、何となくスルーしていたけれど、確かに冒頭の部長さんたちが首を傾げたように、キャリアアップが何を意味するのかいまひとつ釈然としない。 将来が不確実で、これまで安泰と信じられてきたものの賞味期限が切れ、いつ「もう、い〜らない!」とポイされてしまうか分からない世の中だ。 自分でキャリアを磨いていくことは大切かつ必要なこと。だが、だからといって、転職が必要なんてことはないだろうし、そもそも「キャリアアップ」を願う人たちは、何をもってキャリアアップと考えているのだろうか? キャリアアップという言葉の意味さえ、いまひとつ分からなかったりもする。そこで、今回は、「キャリアアップの謎」について、考えてみようと思う。 「いやぁ、ホント分からないんですよ。部下が、『キャリアアップしたいんです』と言うんで、自分たちも若い時に取った資格の取得を勧めました。この資格を取るために勉強することは、知識も広がるので仕事のスキルは確実に上がる。なので、これまでも入社5年目くらいになると、意欲のある社員は必ずと言っていいほど取得してきました。私もそうです。資格を取ったらすぐに給料が上がるとか、昇進することはありません。でも、将来、管理職になる時に必要な知識なので、彼にも勧めたんです」 「その時は本人も、納得した感じでした。ところが、半年たってもちっとも勉強している様子がない。で、課長が、『なぜやらないのか?』と聞いたら、本人いわく、『僕は出世には興味はない』。さらに『これって業務命令なんでしょうか?』と聞いてきたと言うじゃないですか。彼の、『キャリアアップしたい』という言葉を、彼自身が仕事力を上げて、成長したいと思っていると私は理解したんですけど……」 「それに何か出世という言葉が悪いのかもしれませんが、出世することは決して悪いことではないと思うんですよ。そのポジションで評価されれば、昇進します。昇進すれば、求められる仕事も、成果も当然高くなる。だから責任も重たくなる。それってキャリアアップすることと何が違うのでしょうか。私には、ホントに訳が分からない。キャリアアップしたいと口にする部下は、何をしたがっているんでしょうか?」 なぜか少ない「社内でキャリアアップ」という発想 これは冒頭の、「キャリアアップしたいと言って、出世したがらない。訳が分からない」とこぼした男性が語った話である。 彼の部下がキャリアアップという言葉を、どういう意味で使ったのかは定かではない。 だが、もし純粋に自分の仕事力を上げたいと望んでいるのなら、上司の進言を受け入れてもよかったと思う。 もっと高いスキルが求められる仕事をしたい。もっと責任を伴う仕事をしたい。もっと仕事で成長したい。こう願うのであれば、ただ日常の業務をこなすだけではなく、プラスアルファの知識を増やしたり、スキルを高めたりするための努力が当然ながら必要だ。 頑張った結果、その力を認められて出世することは、何ら悪いことではないし、これも立派なキャリアアップだと思うのだが、違うのだろうか? 奇しくも、キャリアアップの話題になった時に、「私、実は高卒だったんで、かなり頑張って管理職になったんですけど」と困惑していた男性がいたが、彼はまさしく社内でキャリアアップしたくて、通信制の大学に通ったそうだ。 高卒では管理職になれないことを入社してから知り、「一生ヒラでは終わりたくない!」と一念発起。2年で4年分の単位を取得し、日常の仕事でも、「自分にできることはないか?」「もっと知っておくことはないか?」と常にプラスアルファを求め続けた。 その結果、ラインではないものの、部長まで上り詰めたのである。 まぁ、「出世」という言葉が、昇進を表す言葉として使われてしまうから、ネガティブなイメージがつきまとうのかもしれないけれども、この方のように自分で切磋琢磨して、今の地位を手に入れたことは、まさにキャリアアップだ。 それなりに仕事力を磨き、それなりの結果を残さないことには、「昇進」にはつながらないわけで。「キャリアアップ=出世(昇進)」ではないけれども、その1つの方法として、出世を目指したって何ら卑下することでもなければ、他人から非難されることでもない。 だが、私がインタビューさせていただいた方たちの中にも、出世はおろか、「社内でキャリアアップする」という発想を持ち合わせている人は、極めて少なかった。 「うちの業界は、将来性がないと思うし。キャリアアップのためには、転職しなきゃと思うんです」 「キャリアアップのために転職を考えています。今の会社って、何やかんや言って年功序列なんです。自分が何をしても、『若い』ってだけで無視されるし、取り合ってももらえないんです」 こういった具合なのである。 「キャリアアップしたい」という言葉は建前? 「将来性がないように思えるのであれば、あなたが将来性のあるような会社に変えてやるとか、業界を活性化してやるとか。自分から変革を起こそうとは思わないのですか?」 こう尋ねると、「それは……難しいですよね。僕にはそんな力はないし」と口をつぐむ。 「確かに、若いってだけで軽んじられることってあるかもしれないけれども、『若いからこそ、できるんだぞ!』と若さを強みに変えるやり方もあるのでは?」 こう助言をすると、「……どうなんでしょ。完全な年功序列ですから…」と口を濁す。 「あれ? それって、キャリアアップしたいなんて言うのは建前で、今の仕事がイヤなだけなんじゃないの?」 正直なことを言うと、そんなふうに彼らの話を聞きながら思ったこともある(もちろんその場では、言わなかったけれども)。突っ込めば突っ込むほど、彼らの答えはちぐはぐだった。 2007年に、大手転職サイトのリクナビNEXTが、「退職理由の『ホンネ』と『タテマエ』」というアンケート調査を、転職経験者に対して行ったことがあった。 その結果、「タテマエ」のダントツトップは「キャリアアップしたい」で38%。次いで「仕事が面白くない、変化がない」「会社の経営方針・経営状況の変化」が11%で続いた。 一方、本当の退職理由、「ホンネ」の1位は「上司の人間関係」、2位は「労働時間・環境」、3位は「同僚・先輩・後輩との人間関係」。これらの3つの不満が「ホンネ」の6割を占め、「キャリアアップしたかった」と答えたのは、わずか6%しかいなかったのである この調査結果が現実を正確に反映しているとは限らない。だが、当たらずしも遠からずという気がする。前述の部長さんの部下も、「自分を取り巻く環境」に不満を持っていて、「そこから脱出したい」「転職したい」という気持ちを抱いていた可能性がある。 そして、そんな自分の逃避衝動を正当化するために、キャリアアップなどという、聞こえの良い言葉を使っただけだったのかもしれないと思ったりもする。 いわば、キャリアアップという前向きな言葉で包み隠した、後ろ向きの転職願望だ。 「転職さえすれば」と考えるのはお門違い いずれにしても、転職しても、いい上司に恵まれ、いい同僚に恵まれるとは限らないし、転職すれば、納得のいく仕事ができるとも限らない。もちろんひどい上司、ひどい職場環境から脱出する手段として、転職を否定する気は毛頭ないけれども、「転職さえすれば、夢のような世界がある」わけじゃない。転職さえすればキャリアアップにつながると考えるのは、お門違いだ。 ここである調査結果を紹介しよう。米ハーバードビジネススクールのボリス・グロイスバーグ准教授らが行った「転職に失敗する人たちの過ち」の調査である。 ・転職先の下調べがおろそか ・おカネにつられて転職した ・「現状から逃れるため」に転職した ・自分を過大評価した ・目先のことしか考えない これらの要因が、転職失敗に関連していることが確かめられたそうだ。 特に、「現状から逃避して、心理的な安心感を得たい」という欲求が高まると、「転職さえすればバラ色の世界が待っている」という錯覚に陥ったり、「ホントの自分の力が発揮できて今とは別人になれる」と都合よく考えたりする傾向が高まり、未来に対して過剰な期待感を持つようになることが分かった。 人間が持つ、「自分を守りたい」という自己防衛本能が、自分に都合のいい面だけを強調させてしまうのである。 環境で人は変わるけれども、環境が変わっただけで別人になることはない。 環境だけじゃなく、自分も変わる。自分の中に潜むスモール「b」を、ラージ「B」にする努力をしない限り、何も変わりはしないし、仕事力が高まるなんてこともない。 内面を磨いて進化させてこそ、初めて転職もキャリアアップになる。 それは言い方を変えれば、自分が成長する努力さえすれば、転職なんかしなくとも十分に仕事力を高めることができるし、いわゆるキャリアアップというのが可能になるということではあるまいか。 かくいう私も、「河合さんって、スッチー、気象予報士、学者と、次々に転職して、確実にキャリアアップしてますよね?」と言われたことが、これまでにも何度もあった。 つい先日もそうだった。 「次々と転職をして、キャリアアップしている河合さんの意見を聞かせてほしい」と、取材を受けた。 何でも、米労働局の労働統計によれば、1954〜64年に生まれたベビーブーム世代は、18〜44歳までに平均11の職場を経験。1983年以降、25歳以上のアメリカ人の平均勤続年数は5年後前後となっていている。だからアメリカのように日本でも、近い将来、1つの会社で勤め上げるのではなく、「転職をしながらキャリアアップしていく」という時代が来るのだと。そこで、転職のメリットとリスクを聞かせてほしいと言われたのだ。 私には「キャリアアップ」という意識はなかったが… まぁ、アメリカと日本とでは転職の事情も、転職に対する考え方も、少々異なるし、アメリカがそうだから、日本もそうなる、とは到底思えないのだけれど。 いずれにしても、「転職=キャリアアップ」という視点の質問を受けるたびに、私は戸惑う。 だって、“キャリアアップ”ということを意識したことはこれまでなかったし、傍からは転職をしているように見えても、私の中では一本道。いろいろやってるつもりは、これっぽちもない。こんな言い方をすると、「何を言ってるんだ!」と思われてしまうかもしれないけれども、困ったことにそうなのだから仕方がない。 ただただ、自分の言葉を持つために、「やってみたい」と自分で感じたこと、「知りたい」と思ったことを続けてきただけのこと。ただ、それだけなのだ。 「スッチー、お天気お姉さんから、ずいぶんキャリアアップしましたね。頑張りましたね」などと言われることがいまだにあるけれども、CA(客室乗務員)も、お天気お姉さんも、健康社会学者も、どれが上でどれが下ってことはないし、そもそも何をもってキャリアがアップしたというのか、どうなったらダウンしたというのかよく分からない。 もちろん自分がやってきたことを、いい意味で「キャリアアップしてきましたね」と言われることは、とてもありがたいことだと思う。でも、振り返ってみると、収入がギリギリになったこともあるし、ホントに自分の進んでいる方向でいいのかと、不安な気持ちに押しつぶされそうになったことは何度もある。 民間の気象会社で毎日、天気図とにらめっこをして、ピンポイントの予報を買ってくださる工事現場の方たちに天気を予報していた時、テレビでお天気キャスターをやっていた時、朝の情報番組のMCをやっていた時、大学院で必死に論文を書いていた時、博士課程を修了した時……。 自分の進んでいる方向に確信が持てなくて、不安と背中合わせだったし、「これで食べていけるのだろうか?」と、生活の不安を感じたことだってある。 そんな時にいつも自分に言い聞かせていたのは、「誰に頼まれてやっているわけじゃない。やりたいと自分で決めたんだから、とことん納得がいくまでやり通そう」ということだった。 未熟な私を、応援してくれる人たち、傘を差し出してくれる人たちに恩返しするには、「最後までやり通す以外にない」と自分をたしなめ、「もうちょっとだけ」と踏ん張った。 「価値がある」と自分で思う方向に進むしかない 時には、「そんなことやるより、スッチーやっていた方がいいじゃない?」と言われたこともあったし、テレビに出なくなると、「仕事ないんだね」と思われたこともあったし、博士課程まで修了して大学の教員にならないことに、「なんで? それじゃフリーターと同じじゃん」などと冷笑されたこともある。 周りの人たちのそんな言動に、自分は何をやっているのか? 間違っているんじゃないのか? 混乱することもあった。 でも、最後は、「価値がある」と自分が思って進んでいる方向を信じ、とことんできることを、目の前にあることを必死にやり、自分が生み出すものの価値を高めるしかないという結論にたどり着く。 今を必死に生きるからこそ、明日があるし、今やっている仕事が評価されて明日の仕事が生まれるわけで。今と明日をつなげ続けていくことでしか、生み出すものの価値を高めていくことなどできないと思うのだ。 そして恐らく、「自分が生み出すものの価値を高められた」時に、世間の人たちは「キャリアアップしてきましたね」と言ってくれるんじゃないだろうか。 河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学
【第131回】 2013年6月25日 小川 たまか [編集・ライター/プレスラボ取締役] 「就職難 国民の義務 果たせない」 就活川柳に見る内定ゼロ学生の悲哀 「『夢めざせ』父の本音は正社員」(文系女子)――。4月の選考解禁から早2ヵ月。季節が夏に移り変わる中、慣れないスーツを着て活動を続ける就活生には思わず「頑張れ」と声をかけたくなる。そんな中、内定状況などのアンケートを実施するとともに、就活生の悲哀とユーモアがつまった就活川柳を募集したのは株式会社ディスコのキャリアリサーチだ。早速、集まったアンケート内容と川柳を見てみよう。 調査対象は2014年3月卒業予定の全国の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生含む)。回答数は1287人(文系男子435人、女子356人、理系男子351人、女子145人)。調査方法はインターネット。調査期間は2013年6月1日〜5日。 エントリー数は一番多いのに 内定率は一番低い「文系女子」 アンケートによると、6月1日の時点で内定が出ていると答えた学生は全体の67.1%。昨年同時期の62.3%、一昨年の53.4%と比べてだいぶ上がっていることがわかる。内訳を見ると、現時点でもっとも内定率が高いのは理系男子(70.7%)で、最も低いのは文系女子(63.5%)。反対に、エントリー数の平均は文系女子が108.8社で最も多く、理系男子(65.5社)が最も少なかった。 拡大画像表示 次に未内定者の志望業界について尋ねたアンケート結果を見てみよう。最も多かったのが官公庁・団体(17.3%)で、次に情報処理・ソフトウエア(12.5%)、水産・食品(12.1%)が続く。志望業界調査は3月(全モニターを対象)、5月・6月(未内定者を対象)に行っているが、3月時点での志望業界トップは銀行(27.1%)。6月調査で銀行は10位(8.3%)に落ちており、ディスコでは「多くの銀行で採用のピークを越え、内定を得られる可能性が狭まったため」と分析している。
運輸・倉庫(3月=3位、6月=14位)、商社(総合)(3月=5位、6月=13位)なども恐らく同様の理由から順位が下がっており、逆に順位を上げたのは官公庁・団体(3月=13位、6月=1位)や情報処理・ソフトウエア(3月=10位、6月=2位)だった。 勤労・納税の義務、果たしたいけれど… 川柳に見る就活生の悲哀 内定が出てしまえば一安心だが、それまでがつらい就職活動。同アンケートでは、活動を通しての心情を詠んだ川柳も募集し、686作品が集った。公開されている作品は次のようなもの。 「就職難 国民の義務 果たせない」(文系男子) 勤労・納税したいけれど…。 「みんな言う 貴重なお話 ありがとう」(文系男子) 質疑応答の際、最後の締めはみんなこれ。 「好きだけじゃ ダメだと知った 仕事と恋」(文系女子) 就職前に気づいて良かった…と思いたい? 「自社の魅力 皆口そろえ 『人』という」(文系男子) 会社側も観察されています。 「研究室 スーツで実験 したくない」(理系男子) 早く脱ぎたい就活スーツ。 「身の丈に あうもの選べ 服と職」(理系男子) 身の丈を知るのもなかなか難しいもの。 「パンプスの 底を減らして 駒増やす」(文系女子) その努力はいつか報われるはず。 つらさをユーモラスに詠んだ句が多いが、中には「内定が 出たら出たで また悩む」(理系女子)といったうれしい悲鳴も。「就活生、いずれは日本を、担う人」だ。温かい目を持って見守りたい。 (プレスラボ 小川たまか)
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