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2013/6/22 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
異次元のバズーカ砲をぶっ放し、根拠なき熱狂をつくり出しても、結局は米国次第なのである。
米FRBのバーナンキ議長が年内にも量的緩和を縮小すると表明し、NYダウは2日連続で急落、日本のマーケットも大揺れだ。20日の日経平均終値は前日から230円も下げ、21日は下げ幅が300円を超える場面もあった。終値は先物主導で反発したものの、円相場も乱高下が続いている。
円安株高で実体経済も回復させると触れ回ったアベノミクスは、たちまち破綻した格好だ。
「マーケットには、相場が冷え込んだり景気が弱含んだりすれば、FRBが助けてくれるという甘えがありました。損失を回避できるオプション“バーナンキ・プット”が付与されている、と。それが今回の発言で突き放されたのです」
こう言うのは、東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏だ。バーナンキは、量的緩和の縮小はアクセルを緩めるだけで、ブレーキではないと説明した。失業率が6・5%を下回るまでゼロ金利政策も継続される。それでも市場には衝撃的だった。
「不安になった投資家はリスク回避に走り、マネーを引き揚げ始めています。海外に出ていたドルは逆流し、資金に逃げられた新興国は株安、自国通貨安、債券安のトリプル安となった。通貨安を止めようと為替介入に乗り出せば、保有する米国債を売ってドルにする動きが活発になる。おかげで米国はドル高となり金利も上昇します。
最近は、景気が失速している中国も手持ちの米国債を売っているフシがある。6月は世界の中央銀行の米国債残高が130億ドルも減っていて、その多くが中国とみられています。米国にとっては歓迎できる動きではありません。金利が上がれば住宅市場は冷え込み、企業の借り入れコストも増える。景気には明らかにマイナスで、米国株がズドンと下がるのも当たり前です」(斎藤満氏=前出)
米国株が下がれば、日本株も引っ張られる。株式相場はガタガタだ。一方で新興市場に「円」で投資していたマネーも逆流を始める。為替は円高に振れてしまう。
バーナンキが世界的金融緩和状態から「イチ抜けた」と言っただけで、元の木阿弥。日本は株安円高に逆戻りなのである。
◆企業の3割も納めていない法人税を減税のナンセンス
それなのに安倍首相は、性懲りもなくアベノミクスの幻想を振りまく。G8で顔を合わせた各国首脳の社交辞令を真に受け、「日本がこれほど注目されたサミットはなかった」と自画自賛。都議選の応援演説でも「今進めている経済、金融政策は間違っていない」「日本を覆っていた重々しい空気は一掃された」と大威張りである。
参院選の公約も能天気なものだ。「さあ、経済を取り戻そう」と勇ましいスローガンを掲げている。だが、肝心のアベノミクスが行き詰まっているのだから、どうしようもない。
「自民党の公約はバラ色の未来を思わせますが、具体策はありません。10年後に農業・農村所得を倍増するとか、中堅・中小企業の輸出額を2020年までに2倍にするとか、いろんな目標が並べられています。でも、どうやってそれを実現するつもりなのかが見えてこない。経済再生に本腰を入れて取り組むとは思えないのです。適当に数字を並べて取り繕っているだけ。見栄えのいい公約で高い支持率を維持し、選挙に勝つ。それしか考えていないのでしょう。安倍首相にとっては、国民の生活よりも政権の維持が大事ということです」(政治評論家・山口朝雄氏)
公約では「法人税の大胆な引き下げ」や「投資減税」が盛り込まれた。だが、そもそも法人税を納めている企業が3割にも満たない中で、税率を下げたところでどうなるのか。投資減税も企業の投資意欲に火を付けるものではない。
今年3月末に企業の現金・預金残高は225兆円と過去最高水準に膨らんだ。資産から負債を引くと、26兆円の資金余剰になるという。カネは余っている。それでも投資には回さないのだ。
高橋乗宣氏は本紙コラムで〈投資に消極的なのは、採算性に期待できる分野が見えてこないからだ。成長戦略に中身がなく、経済を牽引するネタが見えないから、投資に二の足を踏んでいるのである〉と指摘していた。政府が、確実に成長が見込める分野を示さないから、企業も縮こまっているのである。
◆米国のためだったアベノミクスの正体
結局、安倍や黒田日銀総裁、ブレーンとして内閣官房参与を務める浜田宏一氏らの経済政策はデタラメばかり。同志社大教授の浜矩子氏(国際経済学)は、「アベノミクスはしぼんだ風船=デフレ経済を膨らませるわけではない。バブルという風船を膨らませて、デフレ経済にくっつけようというもの。バブルとデフレが同時進行する政策」と断じている。初めから、日本経済を再生させるものではなかったのだ。
「このタイミングでバーナンキ議長がスタンスを変えてきたところを見ると、アベノミクスは、米国を出口に導くための政策だった疑いも強い。どこかが資金をジャブジャブにしないと、FRBは積み上げた米国債を処分できない。日本が異次元の緩和を続けている間に、米国は量的緩和を抜け出すというわけです」(市場関係者)
もっともらしい言葉を並べる裏で米国のご機嫌を取って政権維持。その結果、日銀には大量の国債が積み上げられるのだ。これを処理し、量的緩和から抜け出すのは至難の業だ。下手に市場で売ろうとすれば、金利暴騰の事態も予想される。国民生活はボロボロだ。
そうなったときに、果たして安倍は、どうやって責任を取るつもりなのか。また病院に逃げ込めばいい、と考えているとしたら冗談ではない。
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