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アベノミクスは元の木阿弥に…(日本雑誌協会代表撮影)
株価乱高下の犯人はヘッジファンドじゃない ぐっちーさんが読む、ちょっと先のマーケット
http://toyokeizai.net/articles/-/14434
2013年06月21日 ぐっちーさん :投資銀行家 :東洋経済オンライン
■日本株に傾注しているヘッジファンドって?
当初から私はこの相場に懐疑的でアベノミクスは「アベノミス」、など茶化しているうちにあれよあれよと株価が下がり、完全に元の木阿弥になってしまいました。某大手経済新聞はあれだけ持ち上げといて、下がるとなると連日ヘッジファンドが・・・・と騒ぎ立てますが、日本株に傾注しているヘッジファンドなぞ、一体どこのだれなのか、逆に教えてほしいくらいです。
アメリカでは大手も含め、アメリカの銀行がリーマンショック以降CDOという証券化商品に消極的になってしまい、ヘッジファンドの資金調達の道が閉ざされてしまい、集めた資金にレバレッジをかけて効率的に運用することができないのです。確かに報道通り、多数のアメリカのヘッジファンドがここ2〜3か月のうちに来日していますが、その趣旨は日本株のチェックではなく、唯一潤沢な資金を持つ日本の金融機関に融資のお願いに来ているのが現実です。
さすがにおカネに困って日本に来ています、とは言えないので、「日本株はまだまだ買いだ」などとリップサービスしていますが、その実は融資が取れずに既存のファンドすら維持するのに四苦八苦しているのが彼らの実業です。
■「ヘッジファンドが相場を吊り上げた」という幻想
さらに性質が悪い報道が、日銀が「バズーカ砲」で打ち込んだ緩和資金を彼らが使ってマーケットを吊り上げ、利益を確定したという話ですが、もうばかもいい加減にせい、というレベルの話でこれは東京スポーツなみに冗談がきつい(笑)。
いいですか、ヘッジファンドがインターバンクから直接おカネが取れるんですか?彼らは日銀の供給対象ですか?違うでしょう。
彼らはおカネを得るためには、それらにアクセスのある日本の金融機関からおカネを借りなければなりません。だからこそ、今ならおカネが余っている日本の金融機関は俺たちにも貸してくれるかもしれん、と甘いことを考えて、雁首並べて日本に来てるわけです。
じゃあ、日本の金融機関がヘッジファンドにコーポレートファイナンスをだしますか? ローンを貸しますか? まして出資しますか?
有り得ません。ヘッジファンドへの貸し付けは無格付け会社に対する貸し付けとなりますので、プロの方はご存じのようにリスクウェートは300%は必要でしょう。つまり100億貸したら、一方で300億円の貸し倒れ引当金を積まねばなりません。こんな非効率な融資を日本の銀行がする訳ありませんよね。アメリカの銀行ですらリスクが高すぎるといって貸さない相手にどうして貸すんでしょうか。意味がわかりません。
大量にレバレッジをかけてマーケットを席巻してきたヘッジファンドの時代は完全に終了しているのです。ブラックロックが世界最大の運用資金370兆円を抱えるといいますが、彼らがその中で値動きの激しい株に投資できる金額などごくわずか。そのほとんどはより安定した商品に投資されており、日本株のこんな鉄火場に出てくる玉ではありません。ですから、ヘッジファンドなんて言葉に騙されてはいけませんよ。実際には日本株は全然違うプレーヤーが相場を動かしているんです。
■岩手県紫波町での試み
ご存じの方も多いと思いますが、ワタクシは4年ほど前から岩手県紫波(しわ)町という所で「オガール紫波プロジェクト」という地方開発プロジェクトにかかわっております。
おかげさまで、すでに1年がたちますが年間集客者数90万人をたたき出し、地方再生モデルの成功例としてあちこちで取り上げられるようになりました。
そして、つい先日、14日の財政諮問会議にて「PPI/PFIの抜本改革に向けたアクションプランについて」という資料にて、民間資金活用の成功例として取り上げられました。おかげさまで取材殺到なのですが、ちょうどマレーシアに出張していたので、私は大分助かりました(笑)。
そして笑ってしまったのは、そのあとに出てきたこの記事です。
PFI融資を強化へ=海外経験を活用−三大銀グループ
まあ、それぞれ豊富な経験を生かし、陣容を拡大、積極的にやっていきたい、という話のようなんですが、この人たち、多分誰も経験がありません。
PFIと言っても実態はCDO、つまり証券化商品なのでありまして、邦銀の皆様が組成したCDOなどアメリカでは聞いたことがないのです。一体「どんな豊富な経験」を教えて頂けるのでしょうかね(笑)。
さらに4年前に、このアイデアをお持ちした時にここに出ているどのメガバンクも、紫波町の案件は完全に門前払いでした。相手にもされない、というより仕組み自体が全く理解できていない、というしかなかった、というのが私が自分で話をしてみた感想ですがいかがですか。都銀にお勤めで反論のある方おられますか?
地元の東北銀行も全く経験がなかったのです。しかし、地元のために何とかしなければ・・・というチャレンジ精神を大いに発揮され、最後にすべての融資部分を単独でコミットして頂きました。
もちろんその他の岩手の金融機関には相手にもされませんでした。
こういう金融機関にお会いするのは日本では珍しいのでちょっとびっくりしましたが、チャレンジせずにひたすら資金を豚積みにしている金融機関は少し真面目に考えるべきです。
何度も言いますが、これ以上金融緩和を強化しても国債市場をぶっ壊すだけで(事実壊れた)、問題は日銀から銀行に流れた膨大な資金をどうやって必要な所に貸し付けなどで流し込めるかどうか。もちろん闇雲に使ってしまって不良債権の山、では話になりませんね。
しかしこうやって紫波町のように地元が真剣に取り組むなら、官(エクイティー)民(融資)が一体となって、有効な資金活用によってサポートすることが可能になって、豚積みする必要もだんだんなくなる筈です。
■まともに融資できない金融機関は消え去れ
元来はこんなことは諮問委員会に指摘されずとも、金融マンたるものリスクを取りにいく努力をしなければなりません。しかし、当事者ができないとなれば、その程度の圧力は日銀がかけても良いのではないでしょうか。まともに融資できない金融機関は消え去れ、ということです。
もちろん、疑問があるプロジェクトを却下するのはもちろんですが、日本の金融機関が信金から都銀まで雁首並べて新規案件に及び腰になり、国債ばかり買ってあとは豚積み、というのでは金融機関の挟持はどこにいったのかと聞きたくなる。真面目にやっている中小企業にすべてそのしわ寄せが来るのです。
その意味ではどうやったら銀行から金が引っ張り出せるか、という方向性を示した今回の諮問委員会はよくやった、と言えるかもしれません。
実は同じことがベンチャー企業に対する融資についても言えます。日本では本当にベンチャーが育たない。ほとんどが壊滅状態で、特に薬品などのベンチャーは倒産寸前にアメリカの企業に買いたたかれ、ノウハウごと持っていかれ、アメリカで新薬となってご丁寧に日本に輸入されているものがたくさんあるのですよ。これを国家的損失と言わずして何なのでしょうか。
この時もベンチャー企業に対して赤字だから、といって融資を断った「ばか金融機関」がたくさんいるのを私は知っています。
開発研究期間にベンチャーが赤字になるのは当たり前であって、それもわからずに金融に携わっているとしたら、もう全員退場です。これについては同じ会議にてお話をされたベンチャーキャピタリストの第一人者原丈二さんの報告がすばらしいと思います。
■市場を活性化する手段は法人税減税だけじゃない
実は、日本経済を変えるも変えないも、ここからは金融機関が命運を握っているといっても過言ではありません。おカネは唸っているのです。しかしそれが市場に回らないと言う点がネックなのであって、今さら日銀がさらに緩和したところで何も変わらない。過去10年もやってきたことが、わずか2か月で結果がでるなんて甘い話は世の中にありませんぜ。
政府としては例えば創業3年以内のベンチャーについては5年間はたとえ一、二回利払いが飛んでも不良債権扱いしない、など制度的に対応できることがたくさんあるように私には思えます。膨大な個人マネーもあるのですから、例えば株式を5年間程度の長期保有をした個人投資家についてはキャピタルゲイン税も源泉税も免除するくらいの、大胆な政策が待たれるところであります。
そうすれば今回のような妙な株式市場のボラティリティ―から逃れられるし、アメリカ人経営者の中にもそういう上場市場を望んでいる経営者がたくさんいるわけですから、有力な外国企業の上場を誘致できるかもしれません。
従って必ずしも法人税減税だけがすべてではなく、市場を活性化する手段はいろいろある、ということを認識していただきたいのであります。
■オルフェが回避!宝塚記念は、消去法で行くしかない
毎回難しいレースが私に回ってくるのはなぜでしょう。宝塚記念(G1、6月23日、阪神競馬場)元来そんなに難しくなかったレースなのですが、オルフェーブルが回避したためにに俄然難しくなってしまった。オルフェの単勝以外、頭になかったレースなので、さて困った!
3強対決とか言われてもね〜、一番強いのがいないわけですからね。
4冠馬ジェンティルドンナは何せ牝馬はあのウォッカ、ブエナビスタでも宝塚は勝てなかったことを考えると何とも気が重い。牝馬のハンディが55キロなら結果は違うと思うのですが、このハンディ差(ジェンティル56キロ、古馬58キロ)では元来難しいのではないか。
フェノーメノが勝ったのはG1といっても、淀の3200mのレース。この切れ味が求められる阪神での2200メートルはどうなのか。
となると消去法でゴールドシップになってしまいますが、致し方なし。右回りはスムースな馬なのでこの距離なら・・・・ということで本命ゴールドシップ。
先程の2頭を含め、武豊のトーセンラー、なんとなく怪しいナカヤマナイト、屋根がウィリアムズのローゼンケーニッヒまで、今回は手広くワイドで勝負します。いでよ、万馬券!!
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