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アベノミクスという名のデフレ政策
アベクロミクスの終戦
この馬鹿げた政策が早々に潰れたことは、日本にとって幸いであった。これが来年まで続いておれば、バブルの崩壊が一挙に日本の破綻に至ったであろう。
アベクロミクスは今までのデフレ政策を強力に推し進めるもので、自律的な拡大再生産を伴わず、その資金が切れると同時にしぼんでしまうアザ花のようなものである。
特に悪いのは、既に多くの方が感じていると思うが、生産刺激の効果が上がり、経済の生産に関する指標が伸びることだ。そのためどうしても初期の段階でこの政策が良いもののように見られる。
しかし実際は、市場を不経済に拡大し、市場全体の利益を上げることができず、借金を増やしてしまう結果となる。これがアベノミクスと言われるものの正体であり、今まで何度もやってきた失敗した政策の集大成なのである。
これに釣られて消費税を上げるようなことになれば、惨憺たる状態が待ち受けていよう。
このような莫大な借金を作るだけの政策を早く潰さなければ、ここ2、3年の間に日本は大きな不幸を経験することになろう。
株価が6月中に暴落したことは、幸いであった。速く政策転換すべきであるからだ。
しかしなお黒田日銀は悪あがきをしようとしている。これをどこまで続けるかによって日本の命運が決まるかもしれない。いわゆる出口の時期を見誤まってはいけないのだ。
自民党の阿部政権は第3の矢として成長戦略なる物をもったいぶってようやく出して来たが、内容は陳腐で今までの失敗策ばかりだ。もはや出尽くしの感がある。
この成長戦略を出したとたんに株が大暴落したのは、自律回復しない経済成長策をまたやるのかと投資家を落胆させたことによる。何度同じことをやって来たであろうか。
現在の阿部黒ミクスは、今までの政策を、倍加させ、金融政策、財政出動、成長戦略の3本の矢の組み合わせで莫大な予算を伴っている。それ故この資金が投入されている間は、経済はある程度の規模で増加するが、それが枯渇した時、自律回復しなければ、莫大な借金が残ることになる。
その時、空前絶後の大借金となり、もはや日本国民は返すことができない量になっているかもしれない。
阿部黒ミクスは、奇跡が起こらない限り確実に借金だけが残り、より深いデフレになっていよう。
もう何もしないでくれ。
今までバブル崩壊後この二十年間、政府が繰り出した政策は、どれもこれもデフレをさらに推進するデフレ政策であった。この事実にまだ気付いていない。
このような政策をするくらいなら何もしない方がデフレの速度が落ちるのでまだましだ。
第一の矢:金融緩和:私はこれまでどれだけ日銀の金融過剰緩和を非難してきただろうか。デフレ下では、生産者側への金融緩和は無意味である。
(http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/日本の病気金融緩和2千12年11月14日、もう止めろ日銀の金融緩和2千12年10月26日等)
第二の矢:財政出動:公共投資や、企業への補助金政策はなんら効果がない。乗数のない公共投資は、借金を増やすだけであり、波及効果はない。それどころか、借金乗数は、経済を波及的に縮小させている。
第三の矢:成長戦略:骨太、上げ潮、日本強靭
など、十年後150万の所得の増加、など掛け声だけ。やっていることは自律回復しない、使ったお金分だけ続く経済の拡大に過ぎず、借金が確実に増えるだけで所得は増えない。借金も全く返せない。
この3本の矢は、既に失敗が立証されているものばかりだ。理論的にだけでなく、実際の統計によっても立証されている。
この20年間名目GDPはどれだけ下がったであろうか。その間ずっと実質GDPは成長していたのである。この3本の矢の政策は、実質GDPは成長させるが、名目GDPは縮小させるものである。
物は作って増加しているが、お金はどんどん減少している、デフレ政策なのである。
日本の政治家や、官僚、経済専門家連中は、これにまだ気付かないのだろうか。新聞やメディヤ関係者も同じだ。どころかあおる始末だ。
デフレは消費の過小の問題であり、生産過剰の問題ではない。供給に問題がある訳ではない。消費者が物を買えない状態にあることが問題なのである。
市場全体で作った生産物を、全部消費できず、不良在庫が常に残ってしまう循環がデフレの縮小循環なのである。それ故生産物を増やしたり、供給側を強くしても意味がないのである。
その解決策は当然消費を増やすことに尽きるのである。生産量をいくら増やしても、無意味であり、デフレを促進することになる。
設備投資減税や、法人税の減税などやっても、生産能力や生産量が増えるだけであり、消費が直接増える政策ではない。消費が増えない中での生産量の増加は、低価格化を推進しているようなものであり、当然低所得化に拍車を掛けているのである。
政策的に低所得化を目指しながら、賃金アップを企業に要請するというちぐはぐな方策を取っている。
阿部首相やその周辺は、投資減税や法人税減税をして、デフレが解消するように思っている。その反対だ。デフレが進むのである。またTPPなどの自由化をすればするほど、市場の摩擦が少なくなりより滑らかに生産要素が流れるため、より早く経済が縮小する。
デフレ市場の規制緩和は、縮小循環をよりスムースにするため、より早く低所得化していくのである。より早く発展途上国並の賃金に貶められるのである。これがまともな国の政策であろうか。
また解雇規制の緩和や、移民政策などもデフレの促進に寄与するものであり、なんらデフレを解消するものではない。
特に低開発国からの移民は、デフレを促進するものであり、全体の所得が伸びるものではない。
それ故、消費の増大に貢献する政策を一切取らず、生産の増強を促す政策は、民間企業の激烈な資金争奪戦が行われ、企業が疲弊する。そしてそれに伴って、労働者はより厳しい労働強度と、より長い労働時間を強いられながら、賃金が下落していく。
多くの人々が、燃え尽き症候群から、精神を患い易くなり、自殺者が増えるのは当然のことである。
消費を直接増やす政策を全く取らず、生産刺激策を取ることは、市場の資金から生産に回す分量を増やし、消費に回る分量を減少させることである。
アベノミクスの政策すべてが、資金を生産の方へ恣意的に促す政策のため、消費に回る資金が減少する。そのため不良在庫が増えるか、又は、単位辺りの付加価値を低下させることになる。
このような政策は、生産コストを引き上げ、利益額が少なくするため、生産性がどんどん悪くなっていく。
企業の損益分岐点がどんどん上がり、経営状態が悪くなっていくのである。
世に多くの経済専門家が日本は生産性の高い製品を作らねばならないなどというが、デフレ下の生産増こそ生産性が悪くなる典型であり、これは製品の品質や、機能に問題がある訳ではなく、また企業の創意工夫に問題がある訳ではない。デフレ下のごく普通の構造的な問題に過ぎないのである。
デフレの構造的な問題:それは生産性の悪い製品が多く作られる。
そのため無理に政策的に民間企業に生産増をさせることは、生産性をより悪くさせることを意味する。
デフレの時はあくまでも消費を増やすことが重要であり、生産を増加させることではない。
利益額の減少は、所得の低下を招き、個人の負担額が変わらないため、市場から資金が流出し、消費額がさらに下がっていく。
このようなデフレ循環をどんどん前倒しで繰り返させているのが、日本の経済政策であり、新しい技術や、研究成果が、十分に利益を得られないまま陳腐化していく。
多くの日本の家電業界が、今まで研究していた成果を矢継ぎ早に投入し、壊滅状態に陥っているのはその典型である。(CDからDVD、ハードディスクへ、液晶から、地デジ。)
現在の生産刺激策である、上げ潮、骨太の成長戦略が、日本の将来の稼ぎ分を今、前倒しで食い散らかしているのである。
このような政策を取るほど、日本は早く破綻して行く。
第二の日本強靭化計画、などの公共投資は、今までどれだけ借金をこしらえたであろうか。公共投資の束の間の繁栄が、資金が尽きるととも終了し、終わると同時に借金という大きな空白が構築されているのである。
貯蓄より借金が大きい経済は、乗数理論は効かない。乗数のない公共投資は、市場への波及効果がほとんど無いことを意味し、公共投資の成果はほとんど上がらない。
波及効果のない公共投資などは、経済政策ではない。単にインフラを作っているだけである。100億円の建物を、100億円出して作っただけである。その100億は借金になるだけだ。
ケインズの赤字政策は、正常な経済の乗数が存在する場合に適合するが、デフレでは経済政策とは言えず、逆効果である。
現在のデフレ下の日本は、逆に借金乗数が支配している。借金乗数が存在する経済市場では、公共投資分の借金が醸成されるまで、経済の無駄な浪費的拡大がもたらされ、経済がさらに縮小する。
この浪費的拡大というのは、確かに仕事が増え忙しくなり、労力を増やし、資金をその仕事のために使い、時間も使うが、その成果がマイナスをもたらす物である。マイナスは、借金や、不良在庫の増大、となって現れる。
これが統計的に、GDPの成長率に現れ、常に実質GDPの成長率に比べ名目GDPの成長率が下回っている。これは経済の浪費的拡大がなされていることの証左である。
現在の多くの経済指標もこの浪費的拡大による成長により、伸長しているので、良いように見えるのでる。
これを経済の成長と捕らえてはいけない。不毛な経済成長に過ぎず、資金が増えない、利益のでない借金増を招くものである。
縮小循環に陥った経済は、公共投資がなされるほど、早く縮んでいく。
乗数の効かない公共投資などなぜなされるのか。一つは昔からの習慣的反射的なものであろう。今までそれで良かったから今回も行けるだろう。といういい加減な反省のない考えである。
(http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/デフレ下の公共投資の結末2千11年6月20日)
もう一つは投資している間は、仕事が回っている。だから景気が見かけは忙しく、拡大しているように見えるが、資金が減少し続けているのである。
その投資資金がなくなれば、経済の浪費的拡大もなくなり、経済活動がしぼみ、そして借金の山が大きくなって終わる。自分が首相の時だけ良ければ良いという無責任体質である。
阿部黒ミクス、いつ止めるんだろう。アメリカのQE出口の時期が問題になっている。公共投資もいつ止めるかと同じ問題だ。どちらもデフレを停める効果はない。
経済が死ぬまでやるのか。阿部黒自民党はその可能性がある。理性を働かせよ。アメリカも同じだ。いつまで金融緩和するのか。
また第一の矢の、低金利過剰金融緩和は、どれだけ日本経済を蝕んでいっただろうか。
デフレは過小消費が問題であり、生産過剰ではない。
物を作れば作るほど、資金が生産に回り、消費額が減少する。銀行が低金利で、企業への貸し出しを増やし
、消費者の個人預金を犠牲にするほど、デフレは加速して行く。低金利過剰金融緩和は、このように理論的にも破綻している。
このように阿部黒ミクスの3本の矢はデフレ促進策であり、愚挙である。一刻も早く潰し転換させなければならない。
正常な経済であれば有効な3本の矢も、デフレという、経済の諸条件が全く違った環境では、疫病神に過ぎないのである。
ここにバブル崩壊後の、日本の経済政策、経済学者の無能振り、メディヤの体たらくの20年間の集大成として阿部黒ミクスが行われたのである。この愚挙が半年間で潰れたことは不幸中のわずかな幸いであった。
これが後1年も続いていたら確実に日本は潰れていたであろう。
阿部、黒田は、失敗を速く認め、政策転換を早急にやるべきだ。
いまだこりない面々は、投資減税を言い、設備減税を言う。法人税減税などをいう。こんなの無駄。デフレに対して何の役も立たないのだ。(企業の経営者にとっては、黒字の会社は得なので賛成するのは当たり前。)
もう少しは賢くなってほしいものだ。今日本は潰れるかという時だ。破綻すれば、中国は、尖閣を占領するだろう。北方領土も勝手に線引きされるであろう。
デフレ解消は単に資金を生産者側から消費者側に回すだけでよいのだ。お金もほとんどかからない。
今までの企業に注力している補助金を消費者側に回せば良いだけだ。
これは政治家の力量の問題だけだろう。
対案を書いて置きます。というのは、今アベクロミクスを激しく凶弾している人達も、いざ対案を求めるとアベノミクスとほとんど変わらないものを出してくるからです。
デフレを解消するには根本的な違いがあるのです。
デフレ解消の船中八策
(すべてが個人負担を減少させ、消費を増やす政策です。)
1、金利を引き上げよ。特に個人預金の金利は引き上げるべきだ。
2、高速代金を3割負担で全線実施せよ。
3、ガソリン税を低減し、100円/リッターに誘導せよ。
4、雇用保険を満額給付し、期間をデフレ解消するまで継続しろ。
5、ローン破綻懸者のローンを国が肩代わりせよ。
6、物納を広く認めよ。固定資産税の物納を広く認めよ。
7、最低賃金を引き上げよ。その分を企業に負担させるのではなく国が負担せよ。
8、消費税を下げよ。
一言主。
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
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