http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/482.html
Tweet |
http://eagle-hit.com/a/post-4776.html
イーグルヒット管理者 (2013年6月16日 18:00)
大手邦銀、日本国債の保有リスクを削減
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323504304578546323051076366.html
日本の大手銀行の一角が、大量に保有する日本国債のリスクを削減している。日本銀行の異次元緩和による金融市場への影響の兆しが見え始めた。
みずほフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループはバランスシート上の「金利リスク」を減らしていることを明らかにした。債券利回りが上昇して国債の価値が下落するリスクを回避するためだ。両行とも数十兆円規模の国債を保有している。
みずほは5月に、10年物国債利回りが1%ポイント上昇すると、融資ポートフォリオで1000億―2000億円の含み損が発生すると述べていた。両行とも必ずしも国債を大量に売りに出しているというわけではない。そのような事態になれば、銀行のリスクは減っても既に変動の激しい国債市場がさらに混乱するだろう。少なくともみずほはウォール・ストリート・ジャーナルに対し、金利ヘッジを使って3分の1ほどの金利リスクを減らしていることを明らかにした。同社の債券保有高は30 兆円で変わりはないという。
だが、この動きは、この数年間、緩やかながらも価格が上昇し続けてきた(利回りは低下)中で、国債のトレーディングから容易に利益を上げてきた国内最大級の銀行の見解が根本的に変化していることを示すものだ。
国債市場は日銀が今年4月に国債買い入れ額を倍増することを発表してから劇的に変化してきた。日銀の狙いの一部には、銀行が国債を手放して資金を融資や投資に振り向け、国内の景気を刺激することもある。その後、債券市場は大きく変動し巨額の国債ポートフォリオを抱える各銀行が自主的に設けているボラティリティー規則に抵触した。一方で、今後は金利上昇が予想されることで債券価格は頭打ちとなった可能性が高く、国債のトレーディングから容易に利益を得る時代は終わった。日銀のデータによれば、国内の4大銀行は4月に10兆円程度の国債を売却し、4行を合わせた4月末の国債保有高は約96兆円となっている。
三井住友フィナンシャルグループの中核行、三井住友銀行は、大手銀の中でも他行に先駆けて債券市場環境の変化を考慮し、投資ポートフォリオを変更し始めた。昨年11月に安倍晋三氏率いる自民党が衆院選で勝利し政権を握るとの見通しが濃厚になってすぐにリスクを再評価し始めたという。
12月に政権を握った安倍首相は、デフレ脱却のためにもっと大胆な緩和策を実行するよう日銀に圧力をかけることを選挙前から明言していた。物価の上昇は金利の上昇と債券価格の下落をもたらす。三井住友銀行の宮田孝一社長は5月の決算会見で、同行は債券から外国為替商品や株式指数連動型の金融商品に運用方針を方向転換していると話した。
みずほでは、佐藤康博社長主導で金利リスクに対応するための特別委員会を毎月開いており、さまざまなシナリオを想定して対応策を練っているという。同行幹部がウォール・ストリート・ジャーナルに明らかにした。同行の日本国内外を合わせた債券からの利益は現在、市場部門利益の90%を占めるが、3分の2程度にまで下がるとみているという。
48兆円と最大の国債ポートフォリオを有する三菱UFJフィナンシャルグループは、債券戦略について最も寡黙な態度を取っている。5月の決算会見では、借り入れ需要が高まれば国債保有高の削減もあり得るが、現行の保有水準を維持すると述べた。だが、銀行筋によれば、借入需要が急増する可能性は当面低い。景気回復は緒についたばかりで、政府の景気刺激策もまだ本格的に始動していない。
銀行幹部らは、いったん融資需要が高まり始めれば、政府が重点産業としている農業や医療に加え、海外のインフラ案件を中心に融資する予定だが、それまではたとえ債券保有額を減らすとしてもその資金はおそらく日銀に預けることになるだろうと話す。また、みずほの幹部は、同行の融資が増えたとしても、それが数千億円程度になるとのと見通しを示した。【WSJ 15日】
"異次元緩和"は飽くなき金利上昇への扉を開いたわけだが、最後の段で示されているように市中に資金が回るのではなく、結局日銀の当座預金に積み上がるのであれば、景気回復は遠く望めないだろう。
むしろ日銀の政策は一時的な金融市場の流動性を与えているだけで、海外投資家らに利益を供与しているかのごとくである。
そして、それ以上にリスクが高まっているのが、大手行が吐き出した国債を海外勢が買いあさり、さらに売り飛ばすことである。
この金利上昇スパライルにはまりこもうとしているのが、動揺する国債市場の現状であろう。
それはまた株式市場とも連動し、資金が金融市場を右往左往しているという末期的症状を呈している。
その間にも海外の経済動向が国際情勢と絡み、資金が逆流し始めている。
金融緩和縮小の流れの中で、日本だけが緩和状態を持続させることは不可能であり、早々に資産バブルが破裂することを暗示している。
邦銀大手が抱える100兆円規模の保有国債が、紙くずとなれば目も当てられない状況になることは火を見るより明らかであり、原爆を落とされたかのごとき金融市場の"焼け野原"が広がることになろう・・・。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。