01. 2013年6月17日 20:30:54
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委縮するリスクマネー、バーナンキ議長は安心感もたらすか 2013年 06月 17日 16:34 JST [東京 17日 ロイター] - 日本株は大幅続伸となったが、商いは依然として薄く安定感は取り戻せていない。18─19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、多くの投資家は様子見。ドル/円も上値が重く、米金融緩和の早期縮小観測におびえるリスクマネーは委縮したままだ。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で投資家に安心感をもたらすことができるか、今週の最大の焦点となっている。 <マネーフローの変調示した4月対米証券投資> 米財務省が14日に発表した4月の対米証券投資(国際資本統計)が注目を集めている。2カ月前のデータだが、それまでリスクオンに大きく傾いていたマネーフローの変調を示しているとみられているためだ。 海外投資家による対米証券投資は127億ドルの買い越しと、3月の21億ドルから買い越し額が増加したが、振れの大きい短期証券などを除いた中長期証券経由では、373億ドルの流出と前月の134億ドルから流出幅が拡大した。 内訳をみると、海外民間投資家による米国の中長期債投資が3月の97億ドルのプラスから178億ドルのマイナスに転換、海外の公的部門も56億ドルのプラスから69億ドルのマイナスに転じている。一方で米国投資家の海外への中期債投資が286億ドルのマイナスから126億ドルのマイナスに減少した。 米国市場は「ターンテーブル」と称されることがある。リスクオン時には、海外投資家が米国資産を購入し、その資金が一転して海外資産に向かうためだ。米国から資金が流出すること自体は、米国投資家が日本や新興国に投資することを示しており、大きな問題ではない。 だが、4月のデータは海外投資家による米国債投資が少なくなる一方、米国投資家も海外中長期期債への投資を控えたことを示した。4月の海外投資家の米株投資は112億ドルと3月の68億ドルから増加したものの、マネーフロー全体としては「委縮」しており、市場では警戒感が強まっている。 東海東京証券・チーフエコノミストの斎藤満氏は「米国はドル高容認によって、海外から資金を取り込み、長期金利上昇を抑制する方向で動いてきたが、米財務省の対内対外証券投資データを見る限りは、物事は米国の思惑通りに運んでおらず、想定外の事態が起きていると言えるだろう。証券投資経由で4月まで3カ月連続で米国から資金流出が起きたのは、海外投資家が米国が予想する以上に米債券市場に対してネガティブになっていることの証しだ」と指摘する。 4月は米ダウ.DJIが1.8%上昇するなどトータルでみれば大きな変化はなかったが、中旬には金先物価格が急落し、リスクオン一辺倒だったマーケットにショックが走った。 5月には日本株が急落し、6月に入っては新興国からの資金流出が加速している。「安全資産」として米国債に資金が逃避すればいいが、投資家がポジションを縮小させるなかで金利が上昇する懸念もある。米金利の上昇は、金利上昇自体が経済に与えるダメージだけでなく、損失をこうむった投資家が穴埋めのため米株を売却しかねないという影響ももたらす。外為市場で、米金利上昇による日米金利差拡大よりも株安によるリスクオフの動きを重視すれば、日本株にも米株安と円高のダブルパンチとなる。 <利上げへの距離感を示せるか> 週明けの日経平均.N225は大幅続伸。米株安と円高を嫌気して主力輸出株に売りが先行したが、売り一巡後は切り返し、後場には300円高まで上昇、1万3000円を2営業日ぶりに回復した。ただ、特段の材料は見当たらず、円安のサポートもないなかで、短期筋とみられる先物買いが上昇を主導しており、現物株のボリュームは引き続き薄くマーケットは依然不安定だ。 東証1部売買代金は1兆9838億円と2兆円割れ。大台を割り込むのは3月29日以来で、黒田日銀が「異次元緩和」導入を決定した4月4日以降では初めてとなった。「日経平均1万3000円以下で買いのバスケット注文を入れてくる海外の長期投資家もいるが、FOMCを前にボリュームは少ない。引き続き短期筋の売買に振り回されている」(外資系証券トレーダー)という。 マーケットを「委縮」させているのは米金融緩和の早期縮小に対する警戒感だ。このまま米経済が回復していけば、量的緩和第3弾(QE3)の縮小はいずれ到来する。QE3を縮小しても利上げはさらにその先であり、緩和環境はしばらく続く見通しだが、超金融緩和の「宴」に酔いしれていたマーケットは過敏に反応しており、ポジションの巻き戻しを急いでいる。 みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「市場の過剰な反応を落ち着かせるには、やはり次回FOMCでのバーナンキFRB議長の発言にかかっている。経済が回復すれば、いずれQE3は縮小されるのは仕方がないが、利上げはまだ2つも先のステップだ。QE3縮小と利上げにはまだ距離があるということをうまく説明できれば、市場の警戒感は徐々に薄らぐだろう」と話している。
コラム:無用な株悲観論、BRICs後の主役は日米=武者陵司氏 2013年 06月 17日 15:55 JST 武者陵司 武者リサーチ代表(2013年6月17日) 株や債券の乱高下を受けて、「アベノミクスは失敗」と決めつけるような批判が一部で広がっている。その最たるものは、第1の矢である黒田日銀の異次元緩和に対する「錬金術」との批判であり、「マネーの力では結局、何も変わらない」とする断定的論調だろう。 しかし筆者は、そうした見方こそがマネーの過大評価であると思う。また、相場についても過度の悲観は無用であり、中長期では強気なスタンスを維持すべきだと考えている。 そもそも5月23日以来の日本株の乱高下(特に急落場面)は、テクニカルな調整にすぎない。半年で7割も上昇した局面で利益確定の時期を探っていた国内外の投資家たちが、何かを口実に売却に走ったと見るのが妥当だ。特にヘッジファンドなど海外短期筋が積み上げてきた日本株ロングと円ショートのポジション解消が、6月の四半期決算を前に進んだものと考えられる。 ポジション調整とはいえ、その口実としては、2つのファンダメンタルズ要因が指摘されている。1つは中国経済に対する失望。もう1つは米連邦準備理事会(FRB)による量的金融緩和の出口が見えてきたという論評だ。前者は、何年も前から語られてきた「nothing new」な話だろう。むろん、中長期では懸念材料ではあるが、そのようなリスクが顕現化するとすれば、なおのこと、世界的な金融緩和の潮流は長期化する可能性があると受け止めるのが合理的だ。 一方、後者の出口論はさらに「ためにする」議論と言える。5月下旬のバーナンキFRB議長の議会証言を「緩和縮小の合図」と見なす論調が日本には多かったが、筆者が知る海外の金融政策専門家たちの論評はむしろ「(出口に関するバーナンキ議長のメッセ―ジは)何も変わっていない」というものだった。つまり、雇用情勢をにらみつつ、判断するというニュートラルな姿勢である。 仮に量的緩和が出口に向かうとしても、それ自体は全く悪材料ではない。量的緩和が終わるのは、失業率が低下し、実体経済が自律的回復基調に戻ったことを中央銀行が確信した時だからだ。したがって、その局面において、金融相場から業績相場への調整こそあれ、日米の株価が長期下落局面に入るとは考えにくい。 逆に失業率が十分に低下せず、自律的回復が見えてこない局面は、量的緩和政策が継続することを意味する。唯一心配すべきことは、雇用情勢と景気が回復しないにもかかわらず、量的緩和が維持できなくなることであるが、その可能性は全くと言っていいほどない。 考えられる3大障害要因(ドル信認の低下、インフレの加速、財政信認の急低下)は、どれもむしろ顕著に改善している。 要するに、米金融政策の出口議論を材料とする売りは、後付けの口実にすぎない。現実に米国の株価は大きく反応していないし、長期金利も日米で上がったとはいえ、ここ半年の異常な低水準から戻っただけであり、金利急上昇と大騒ぎするほどの水準ではない。 想起されるのは、1994年のFRB(当時の議長はグリーンスパン氏)利上げ後に、長期金利が急騰し部分的に市場がパニックに陥ったことだ。しかし、後から振り返れば5%台から8%弱まで急騰した長期金利は1年後には元の水準まで低下しており、景気拡大も持続していたことから、あの事態は市場と当局のコミュニケ―ション欠如による混乱であったと総括できる。今回はそうしたミスを繰り返さないための情報発信の準備がなされていると考えられる。 他方、日本ではこれから真性の量的緩和が本番を迎える。日銀のバランスシートが2014年末までに12年末比で2倍になるという未曽有のマネー供給のプロセスで、市場価格が実際どのように動くかは未知の領域だ。これほどの量的緩和の下での適切な相場レベル観は誰も持っていないだろう。ただ、だからこそ、最近の乱高下は相場レベル観を模索する当然の動きと言える。リスクオフによる株の長期下落やアベノミクスの失敗を示唆するような性格のものでは全くないと認識すべきだ。 <マネーは触媒、緩和批判は過大評価の裏返し> すでにアベノミクスは、輸出セクターを中心に企業収益に明らかに好影響を与え始めている。上場企業の今年度の業績は、過去最高益を更新する可能性が高い。企業は今後、著しく潤沢になった資金の余剰を様々な形で活用しようとするだろう。つまり、アベノミクスの「第3の矢=成長戦略」の効果をあれこれ議論するのもよいが、「第1の矢」の連鎖的な好影響はこれから本格的に顕現化してくるということだ。 これはサービス価格デフレにあえいできた日本について特に言えることだが、現在の先進国経済の課題は、製造業や情報産業など一部セクターで生産性が著しく向上している一方で、余剰労働力と余剰資本の解消が進まないことだ。逆に言えば、この課題を乗り越えられれば、大きな成長余地が見込めることになる。 鍵は、先進国においては高生産性の「グローバルデマンド」よりも、むしろ低生産性の「ドメスティックデマンド(内需)」にある。生産性の高いグローバルデマンドが増えても(たとえばアップルやグーグルがいくら儲かっても彼らの雇用意欲、投資意欲には限界があり)、国内に余っている労働力や資本の吸収にはなかなか結びつかない。自社株買いなどで資産効果のチャネルを通じて一国の経済に若干還元される余地はあるが、その効果は限定的である。 それではいかにして、ハイテクなど高生産性セクターからサービスなど内需型低生産性セクターへの富の再配分を通じて、消費する力を国民に広く行き渡らせることが可能になるのであろうか。 そのために最も効果的なのは、可処分所得の増加、名目所得の上昇であり、インフレが必須である。ハイテク部門や製造業製品の販売価格が下落する一方、潜在需要が潤沢なサービス部門では販売価格が上昇し所得移転が進展する必要がある。 日本ではこれまで、円高による輸入デフレのおかげで、名目所得が増えずとも、総じて生活水準の維持が可能だった。企業は富の余剰分を労働賃金として還元せずとも許された。しかし今後、円安と景気回復(それに伴う労働市場のひっ迫)を背景に、インフレ期待が高まっていけば、政府が呼びかけずとも、企業は必然的に賃金上昇を容認せざるをえなくなるだろう。 さて、量的緩和を錬金術であるとする一見もっともらしい批判に対して、筆者は昨今の量的緩和は、新規需要創造(=遊休労働力と遊休資本の活用による化学反応)を起こすための「触媒」であると捉えている。前述した「マネーの力では何も変わらない」という批判は、裏を返せば、マネーへの無いものねだりである。筆者はそこまでマネーを過大評価していない。 繰り返すが、問題はあくまで遊休労働力と遊休資本の存在であり、マネーの役割はそれらをうまく化合させて新しい需要を作るための「触媒」に徹することである。バーナンキFRBも黒田日銀も、そのことをしっかりと認識しているから、これだけの規模の緩和を続けているのだろう。乱暴な言い方をすれば、結果が出るまで(つまり実体経済が自律的成長軌道に戻ると確信できるまで)、緩和策を続ければよいだけのことだ。 <限界に近づく新興国の物量成長、けん引役は先進国へ> 最後により大きな視点から述べておくと、世界経済のけん引役は新興国の物量成長から先進国の生活のクオリティの成長へと転じるタイミングを迎えつつあると考えている。 新興国の物量成長は早晩、限界を迎える可能性が高い。特にBRICsの中核国である中国は、成長持続性の難しさが鮮明になってきた。不動産投資、企業設備投資、公共投資の3分野はいずれも経済合理性ではなく共産党の事情によって推進されており、「不良投資化」している公算が大きい。 その一方で富は企業・政府に集まるばかりで、労働分配率は異常に低く、都市部を除き消費力も高まっていない。中国経済はいよいよ構造的な袋小路に入り込んでしまったと見られる。ロシアやブラジル(あるいはBRICsではないがオーストラリア)の隆盛も中国の「爆食経済」に支えられている面が強かった。その成長鈍化とともに起こるであろう資源価格の下落により、経済的プレゼンスの低下は避けられないだろう。 BRICsの物量成長が限界を迎えるとすれば、その代わりは中小新興国、そして何より先進国が果たしていくしかない。特に期待されるのは、リーマンショック後の調整を終え本格的な経済拡大が始まりつつある米国だ。住宅価格はピークから3割下落後、回復に転じ、再び住宅投資ブームが起きようとしている。また、教育、医療、娯楽などサービス分野での需要拡大、雇用拡大も続いている。バーナンキFRBの量的緩和は、余っている人とカネを活用して新たな需要を創造し、長期繁栄軌道の敷設に成功しつつあると言えよう。 アベノミクスや黒田日銀の異次元緩和も、この延長線上にある。その成功は日本人の生活クオリティの成長を支える内需産業の拡大をもたらし、米国に続きBRICs後の世界経済をけん引する力を与えてくれるはずだ。
4月ユーロ圏貿易収支は149億ユーロの黒字、輸出増で黒字幅拡大 2013年 06月 17日 19:28 JST [ブリュッセル 17日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が発表した4月のユーロ圏貿易収支は、季節調整前で149億ユーロの黒字となった。前年同月は33億ユーロの黒字だった。 輸出の増加で黒字幅が拡大した。 ドイツ経済は夏季に成長減速の見込み、4−6月の改善後-連銀 6月17日(ブルームバーグ):ドイツ経済は4−6月(第2四半期)の改善後、ペースが鈍化する可能性があるとの見方をドイツ連邦銀行(中央銀行)が示した。 独連銀は17日公表の月報で、「年初の弱い滑り出し後、国内総生産(GDP)は第2四半期に顕著に改善すると見込まれる」とした上で、「しかしながら、夏季については成長減速の兆候が表れつつある」との認識を示した。 1−3月(第1四半期)のドイツ成長率 は0.1%だった。連銀は今月、2013年の成長率予想を0.3%とし、昨年12月時点の0.4%から下方修正した。14年の予想も1.5%(従来1.9%)に引き下げた。 連銀はこの日の月報で、成長見通しは「世界経済が勢いを増すこと」と、リセッション(景気後退)にあるユーロ圏諸国が「徐々にプラス成長軌道に戻ること」が前提だと説明した。 原題:Bundesbank Says German Economic Growth to Slow Down inSummer(抜粋) 更新日時: 2013/06/17 19:01 JST インド中銀、金利据え置き−5月の貿易赤字は200億ドル超える
6月17日(ブルームバーグ):インド準備銀行(中央銀行)は17日の会合で政策金利の据え置きを決めた。同国では通貨ルピーが対ドルで過去最安値に急落し、インフレ高進のリスクが高まっている。 インド中銀は政策金利のレポ金利 を7.25%に据え置いた。ブルームバーグ・ニュースがまとめた調査では市場関係者25人のうち15人が現状維持を予想、10人は4会合連続での0.25ポイント利下げを見込んでいた。 ルピーは4−6月期これまでに対ドルで約6%下落。インドのインフレ率は20カ国・地域(G20)で2番目に高く、ルピー安が輸入コストを押し上げるとの懸念が広がっている。 DBSグループ・ホールディングスのエコノミスト、ラディカ・ラオ氏(シンガポール在勤)は「ルピー下落はインフレ沈静化への道筋を損ない、経常赤字縮小に関する懸念を高める恐れがある」と指摘。「インド中銀は現時点で経済的安定を維持することに明らかに気を配った」と述べた。 プジャリ外国貿易局長が17日公表した5月の貿易統計によれば、輸出額は前年同月比1.1%減の245億1000万ドル(約2兆3260億円)、輸入額は同7%増の446億5000万ドル。この結果、同月の貿易収支は201億ドルの赤字となった。4月の金価格下落を受け、5月の金・銀輸入が前年同月に比べほぼ90%増え83億9000万ドルに達したことを反映した。 更新日時: 2013/06/17 18:31 JST LIBORは氷山の一角、指標操作調査が世界の市場で拡大
6月17日(ブルームバーグ):ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作をめぐる調査は氷山の一角となりつつある。デリバティブ(金融派生商品)や為替レートなどに対する調査では、世界の市場で指標を操作するチャンスがあれば、大抵の場合はやってみようと試みる人がいることが示されている。 シンガポール金融当局は先週、シンガポール銀行間取引金利(SIBOR)の操作を図ったとして銀行20行を処分したほか、最大96億ドル(約9100億円)の準備金を積むよう命じた。また、複数のトレーダーが10年以上も外国為替レートの指標を操作していたとブルームバーグ・ニュースがディーラー5人の証言を基に報じたことを受け、英市場監督当局が為替市場の調査を進めている。 調査対象となっている指標は一般の人にはほとんど知られていないが、その影響は巨額の証券やデリバティブに及ぶ。バークレイズやUBS、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)は、300兆ドル相当の証券の指標として利用されているLIBORを操作したとして、この1年で25億ドルの制裁金を科された。監督当局は370兆ドル規模の金利スワップ市場で用いられる指標であるISDAFIXや、石油製品価格の設定をめぐっても調査を行っている。 ボストン大学のマーク・ウィリアムズ教授(金融学)は、「多くのバンカーは金融危機前と同じように振る舞い続けている」と指摘。「銀行とその監督当局は大きな変革を実施する前にリスクテークを抑制する必要がある。これは世界的な問題であり、一部の大手銀行に限られた問題ではない」と述べた。 原題:Rigged Benchmark Probes Proliferating From Singapore toLondon(抜粋) 更新日時: 2013/06/17 11:32 JST |