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「日本株の急落に備えよ」 米ファンドが出した指令
http://www.asahi.com/business/update/0615/TKY201306150006.html
2013年6月15日11時33分 朝日新聞
【ニューヨーク=畑中徹】日経平均株価の終値が13、14の両日に1万2千円台になり、日本銀行が4月に大規模緩和を始める前の水準に戻った。一時は1万5600円を超えたが、5月23日に1143円暴落し、下落に転じた。背後にいたのは、米国のヘッジファンドだった。
米西海岸に拠点を置くヘッジファンドの首脳は実は、23日の1週間も前から大規模売りの準備に入っていた。
「日本株は急激に上がりすぎだ。逆回転があってもおかしくない」
社内のチームを呼び集め「日本株の急落に備えろ。勝負は数日以内」と指示。割安だった時期から買ってきた大量の日本企業株式を売る計画をたてた。下落の兆しを察知したら、売り始める権限を現場に与えた。
ファンドの重要顧客には「もう、日本株の投資はタイミングが遅い。あとは下落するだけ」と連絡した。周到な根回しだった。
日本時間5月23日(西海岸時間の前日夕)。日本の株式市場が大きな下落に転じた。準備が整っていた社内には驚きはなかったという。日経平均が映し出されたモニターをみながら、事前に打ち合わせた通り持ち株を粛々と売っていった。
東京市場は大荒れになり、日経平均株価の下落幅は1千円を超えた。しかし、このヘッジファンドの西海岸オフィスは平穏そのものだったという。首脳が混乱を避けるため、「電話は緊急時のみ。それ以外はメールなどで済ませろ」と指示していたからだ。最後まで社内では電話が鳴らなかった。首脳はこう語る。「すべて想定通りだった。いまの日本は投資には最高の場所。ヘッジファンドの主戦場だ」
■「政策が変わるとき、市場の振れ幅大きい」
5月23日、日本株に周到な売りを仕掛けた米西海岸のヘッジファンド。
首脳は、日本株投資を10年以上続けていた。日本でのマグロの消費量から、百貨店・三越の高級腕時計の売れ行きまで、日頃から細かくチェックしているという。そのなかで、上げ幅を拡大していた東京株式市場は、実体経済との隔たりが限界にきている、とみた。
いくら儲(もう)けたのか、具体的にどの日本企業の株を、どんな手口で売ったのか――は明かさなかった。ただ、日本株の上下で今後も儲けるつもりだという。
「数カ月たてば、日経平均は再び1万6、7000円をつけるだろう。それを見越して、割安な株式は買っている。また利益が得られると思う」
他のヘッジファンドも日本に注目している。別の米ヘッジファンド幹部のアダム・グロスマン氏は「国の政治や経済の政策が変わるとき、株式や債券の市場は、振れ幅が大きくなりやすい。まさに、日本はそれが起きた」。
米調査会社によると、米国を中心に世界のヘッジファンド業界の運用資産は、3月末時点で約2兆3700億ドル(約240兆円)。1年前より1割以上増え、過去最高を更新した。この巨額のお金はいま、日本の株式市場に流れこみ、海外投資家の買い越し額は約10兆円にふくらんだ。そのお金がいま売りに転じて、相場を下落させている。
ただ複数のヘッジファンドは、だからといって日本投資を手じまいするわけではないと明かす。
米投資ファンドを運営するニール・ヘネシー氏は「足もとの乱高下は、急上昇の一時的な調整だろう。多くのファンドにとって、欧州や新興国に投資するのも簡単ではなく、長い目でみれば、日本株は上昇の余地が十分ある。私たちも、日本への投資の方針は変わらない」。
一方で、あるヘッジファンド幹部は「かなり著名なヘッジファンドが、日本株をさらに大量に売ろうとしていると聞いた。動きが気になる」。ヘッジファンドどうしの綱引きは、日本株の乱高下を継続させるおそれもある。
◇
〈ヘッジファンド〉 富裕層や大口投資家からお金を集め、投機的な売買を繰り返して高収益を狙う私的な投資組合。株式、為替、債券などさまざまな金融商品に、複雑な方法を駆使して投資する。
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