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川崎重工の解任クーデターで13日夜に会見した村山新社長(中央)。川重に限らず、独断専行などで反対派が結束すればせっかくの社長のイスを手放すことになる
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130614/ecn1306141811009-n1.htm
2013.06.14 ZAKZAK
造船重機大手の川崎重工業で電撃的な社長解任劇が勃発した。社長が三井造船との経営統合交渉を独断で進めたことが理由だが、背景にはドロドロの社内抗争があった。大企業の経営トップにのぼりつめた社長といえども足元は意外にもろく、川重以外にも取締役会で反対票を固められてあっさりクビを斬られてしまうケースが頻発している。あなたの会社でいつクーデターが起きても不思議ではない。
13日に解任されたのは長谷川聡社長(65)、高尾光俊副社長(63)、広畑昌彦常務(61)の3人。後任社長には村山滋常務(63)が同日付で昇格した。
26日に株主総会を控える中、13日午後3時から東京本社で開かれた川重の臨時取締役会には取締役13人全員が出席。解任された3人を除く10人が解任動議と交渉の白紙化に賛成し、わずか35分で終了した。長谷川氏は事前に予想していたのか「淡々とした様子」(村山氏)だったという。
同社は創業こそ造船会社として出発したものの、現在は航空機や二輪車など経営の多角化が進み、売上高全体に占める造船部門の比率は1割にすぎない。
統合交渉は長谷川氏ら社長派が水面下で進めた。解任された3人ともガスタービン・機械畑で「造船部門を強化し、社内での社長派体制を強化するねらいもあったのでは」(関係者)とも囁かれている。
一方、反対したのは主力事業の航空機、車両などを出身部門とする大橋忠晴会長ら10人の取締役。社長派vs会長派のガチンコの構図だった。
関係者によると、社長派が会長派に統合交渉を説明したのは、統合の観測報道が出る4月22日の1週間ほど前。会長派は難色を示し、6月下旬の株主総会前の5月23日の取締役会で是非を決めるべきだとの意見が出た。
だが、社長派は5月23日の取締役会では議題にせずに終了後の検討会議で協議。会長派が反対を表明したにもかかわらず、広畑氏(社長派)は内容を議事録に記載せず、社長派は決定を株主総会後まで凍結した。
村山氏は6月13日の会見で「凍結するとしながら、資産査定は継続するメールを関係者に出していた。不信感をおぼえた」と強く批判。不信感とともに危機感を強めた大橋氏が「解任シナリオを書き、緊急動議へと流れていった」(同)という。
混乱に巻き込まれた格好の三井造船は川重の発表を受けて「当社は経営統合の可能性を検討していた段階であり、統合に関する機関決定を行った事実はない」(広報室)とのコメントを出すにとどめている。
川重のクーデターについて、帝国データバンク名古屋支店情報部の中森貴和部長は「重厚長大のオールドエコノミーはグローバル化のなかで規模を拡大して生き残りを図るしかない。特に造船はそうで、統合することで無駄な部分をリストラし、体力をつけてシェアを取っていくことが至上命題といえる。ただ、川崎重工のような大きなところが、三井造船と統合するメリットがそもそもあったのか。統合を描いた経営陣が前のめりに突っ走ってしまったのではないか」とみる。
川重以外にもクーデターで社長が解任されたケースは少なくない。有名なのが老舗百貨店の三越で1982年に起こった岡田茂氏の社長解任劇。岡田氏の女性問題と不正な利益供与への疑惑が引き金となった。取締役会で解任された岡田氏が発した「なぜだ…」との言葉が有名になった。
オリンパスでは2011年、英国人のマイケル・ウッドフォード氏が就任から半年で社長を解任された。当初は「経営方針の違い」が理由とされたが、その後、同社の大規模な不正会計が発覚した。また、セイコーホールディングスでは10年に、創業家出身の大株主の影響力が強い経営トップが解任されるお家騒動があった。
創業家出身のトップも油断はできない。08年には、外食大手のすかいらーくで、創業家の横川竟(きわむ)氏が業績不振を理由に大口出資者から退任に追い込まれ、サインペン大手のぺんてるや家電大手のコジマでも創業家出身のトップが解任されている。
会社法では、代表取締役の解任は取締役会に過半数の取締役が出席し、その過半数によって決議される。決議案は株主総会に付議され正式な可否が決まる。
トップが解任される企業にはある共通点があるという。前出の中森氏は「会社を私物化したり、経営陣同士がぶつかる火種を抱えていたりするところは危ない。また、巨大化して大きな会社になればなるほど、役員それぞれの出身分野が違い派閥などが生まれる。そうなると経営陣は一枚岩になりづらくもなる。重厚長大のオールドエコノミーは官僚的でそういった傾向に陥りやすく、それをどうやってまとめていくかがトップの力量」と話している。
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