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日本のリニア中央新幹線が抱える懸念材料
日本のJR東海がリニア車両「L0系」の試験運行に成功したことで、「リニア中央新幹線」に再び世界の注目が集まっている。時速500キロ以上に達し、現代世界の最高技術を集めたこの新幹線は、日本各界から「新時代を切り開く」大きな期待を寄せられている。
だが卓越した技術を持つ一方で、巨額を費やしたリニア中央新幹線の営業運行は多くの懸念材料を抱えているようだ。今後の建設と運行は具体的にどのような課題を抱えるのだろうか。中日の高速鉄道産業に精通する拓殖大学の王曙光教授が人民網の取材に応じ、詳しく解説してくれた。
----リニア中央新幹線は高速鉄道大国・日本の最高技術の結晶だ。技術的優位性はどのような点に見られるか?
日本のリニア技術研究は1970年代に始まり、1990年代に実験線路を建設した。緻密に、入念に進められてきたと言える。
技術的優位性はまず、リニア技術そのものに見られる。世界のリニア技術には主にドイツ、中国、日本の3方式がある。ドイツは常電導技術、中国は永久磁石リニア技術だ。日本は超伝導リニアで、強力な動力と大幅な省エネという利点を備え、運行もより安全だ。中国がドイツから導入したリニア車体は軌道から8ミリしか浮いていないが、日本の超伝導リニアは10センチ浮いている。これは地震発生時に軌道と車体の衝突を防ぐための、「地震大国」特有の安全措置だ。
次に関連技術だ。リニア中央新幹線は電気式制御、制動の自動化レベル、軌道、信号、安全検査などの面で世界で最も優れている。特に日本の新幹線の卓越した安全性は東日本大震災で十分に実証された。地震波を感知すると、中央制御室と各地のモニタリングステーションは共同で情報を伝え、車両を誘導して安全に停車させる。
----このように優れた技術は、リニア中央新幹線の実際の運行で十分に発揮されるのだろうか?
超伝導リニア技術自体はほぼ非の打ち所がない。だが山、地震、トンネルが多い日本の地理環境の制約を受け、500キロという超高速の強みを発揮するのは難しそうだ。具体的に言うと、名古屋?品川間は約290キロで、リニアで両駅間を直行すれば40分しかかからない。これは1時間半を要する在来型新幹線に明らかに勝る。だが問題は、JR東海が沿線に6駅の設置を計画していることだ。停車、出発にかかる時間を考えると、もし各駅全てに停車した場合、最終的に1時間以上かかってしまう。リニアの運賃は当然、現行の新幹線より高くなる。30分足らずしか違わないのなら、より多くの乗客を呼び込むのは難しいだろう。このためJR東海は各停は1時間に1便しか運行せず、残りは全て直行にして速さを際立たせる計画だ。だがこれは停車しないの駅の客を失うことにもなる。こうした「距離と高速」の矛盾をどう解消するかが、運行上の課題の1つだ。
さらに大きな懸念は、リニア中央新幹線には産業計画上、「生来的な」欠陥が存在することだ。余りにも莫大な投資と非常に長い回収周期が収益性に影響を与える。
比較してみるといい。中国の寧杭高鉄の南京?広州間は全長249キロ、投資額237億元、工期4年半だった。一方、似た距離のリニア中央新幹線(東京?名古屋間)は中国の約16倍の約3800億元が費やされる。ましてや工期は12年以上にもおよぶ。中国の高速鉄道の主要幹線は今後10年間で徐々に時速400キロに達するはずだ。日本の計画するリニアにはそれでも100キロ劣るが、投入産出の経済性の観点から見れば、リニア中央新幹線がいささか引き合わないのは明らかだ。
電力も問題だ。超電導技術の電力消費量は軽視できない。乗客1人当たりの電力消費量は現行新幹線の約3倍であり、周辺施設の電力消費量はさらに莫大となる。東日本大震災後、日本は相次いで原発を停止し、毎年電力不足に陥っている。リニアの莫大な電力をどう確保するかは懸念材料だ。
----リニア中央新幹線にはなお多くの「欠陥」があるのに、日本が積極的に推し進めているのはなぜか?
明確にすべき点がある。リニア中央新幹線は決して日本政府の投資事業ではなく、民間企業であるJR東海の事業だ。JR東海がリニアを積極的に推進するのは、第一に利益を考えてのことだ。開発段階ですでに数百億円が飛んだため、JR東海は営業運行を実現して、国内のライバルに対する競争優位を維持し、できるだけ早くコストを回収することを強く望んでいる。
だが国家規模の総合判断の欠如が、リニア中央新幹線に欠陥をもたらしている。朝日新聞の最新の報道によると、JR東海はハード面の投資を圧縮するため、リニア中央新幹線の中間駅に待合室や商業施設を建設しないことを決定した。これは後続資金が不足し、計画に欠陥が存在することの現れだ。もちろん、経営側は沿線地区の自治体や民間企業を刺激して関連施設の建設に投資させる考えなのかもしれない。今後の建設過程でJR東海は計画内容を徐々に調整する可能性がある。日本の政府と自治体もリニア中央新幹線の建設に対する支持を強化するかもしれない。だが多くのマイナス要素を克服できるのかどうか、われわれは刮目して待っている。
最後に指摘しておくべきなのは、リニア中央新幹線建設事業には複雑な政治的背景もあるということだ。自民党にはインフラ事業を地方に引き込むことで支持を得る「土建族議員」が多数いる。安倍政権発足後、息を吹き返したこれら土建族政治家たちは新たなインフラブームを巻き起こそうとし始めた。この中には、リニア中央新幹線の推進を通じて政治的・経済的資本をさらに得ようとする勢力がいくらでもいる。一方、民主党政権期にはリニア中央新幹線事業は議論の的だった。JR東海は自民党の支持率が高いうちに既成事実を積み上げことを切望してもいる。日本国内のこうした政治、世論環境がリニアの実現に最良のタイミングを提供した。
この他、注目されるリニア中央新幹線事業は自民党にとって原発再稼働の新たなカードともなるだろう。日本の最高技術を代表するリニアはひとたび営業運行が始まれば、莫大な電力を必要とする。そしてこの新たな電力需要を支える望みは原発再稼働に託すほかない。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年6月14日
http://j.people.com.cn/94476/8284506.html
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中国、最高時速1000キロの真空リニア開発へ
四川省の西南交通大学は現在、真空状態のパイプの中を走行する高速リニアモーターカーの開発に取り組んでいる。2、3年後に時速600-1000キロの「真空リニア」の模型を公開、10年後には実用化される見通し。中国のラジオ番組・中国之声(VOC)「新聞縦横」が30日伝えた。
理論的にはこの列車の最高時速は2000キロに達することも可能だ。エネルギーや騒音などの要素により、実際の運転時速は400キロ以上は難しいと考えられていたが、さらにスピードを出すため、研究者らは真空状態のパイプを走行するという新技術を考案。その原理は、外の空気と隔絶したパイプを建設してパイプ内を真空にし、リニアモーターカーを運転するというもの。
真空リニアであれば運転中にレールシステムの摩擦がなく、空気抵抗も少ないことから、驚くべきスピードが出るのだという。この技術は2030年にも実用化される見通しで、北京と広州の2300キロメートルをわずか2時間半、さらには1時間で結ぶことになる。(編集KA)
「人民網日本語版」2011年1月31日
http://j.people.com.cn/95952/7277912.html
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