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[東京 11日 ロイター] - 出光興産(5019.T: 株価, ニュース, レポート)の社長に今月就任する月岡隆副社長は、ロイターのインタビューで、「出光は、日本のエネルギー・セキュリティー(安全保障)をどうするかに大きな基軸を持っている。石油、石炭、ウランなどに海外投資をしてきたが、LNG(液化天然ガス)だけなかった」などと述べ、天然ガス事業に注力する考えを強調した。
月岡氏は今月27日の株主総会後の取締役会で社長に就任する予定。3月に発表した第4次中期経営計画(2013年─15年度)では、石油・石炭など資源開発分野を含む3400億円の戦略投資を掲げるとともに、上流から下流までのガス分野のバリューチェーン構築の検討を進めるとした。
インタビューで月岡氏は「エネルギーは固体(石炭)から液体(石油)、液体から気体(ガス)に(主役が)代わると言われていて、ガスをエネルギー会社として持っていないのは存在意義が薄れるから、やろうということだ。シェールガスが出てきたのでチャンスだ」と話した。
<カナダ産LNGに電力・都市ガスが興味>
天然ガス強化の端緒となりそうなのが、カナダのアルタガス(ALA.TO: 株価, 企業情報, レポート)と共同で検討を進める同国西海岸での天然ガス液化事業だ。月岡氏は、同プロジェクトから出るLNGに対する日本の関心について「電力・ガス会社も興味を持っている。(彼らの)既存契約が2017年─18年で切れる(案件が多い)」などと話した。
月岡氏は、アルタガスとのプロジェクトについて「安定的にガスが出る」とした上で、カナダ西海岸は「(米北東部・南部に比べ)日本からの距離が短い。競争力があるという判断だ」と説明。「(サプラインチェーンの)真ん中を押さえたら、あとから権益の井戸を持ってもよい」とした。
アルタガス子会社がカナダ西海岸に通じる延長距離500─600キロメートルのパイプラインを敷設済みで、カナダ西部ではメジャー(国際石油資本)などによるシェールガス開発案件が多く、パイプラインによる輸送インフラを持つアルタガスとの合弁事業に対しては「カナダで権益を持っている企業の反応も良い」という。
<シェールガス権益、カナダ西部に狙い>
出光は、シェールガスの井戸元の権益はまだ確保していない。「アメリカとカナダでさんざん探した。ただ、ガス価格が2─3ドル(100万BTU=英国熱量単位当たり)と安くなっていたが、(権益を)買おうとするとすごく高い」という。
3400億円の戦略投資は、シェールガス田の権益確保は想定に入っていないというが、石炭など他の分野での探鉱や開発などの状況によっては、「シェールガスにシフトすることはあり得る」という。今後のシェールガス権益確保の可能性について月岡氏は、「(カナダ西部の)アルバータ州から(同西海岸の)ブリティッシュコロンビア州にまたがっているエリア」が狙いだとしている。
<石炭も権益保持の意向>
第4次計画では、オーストラリアで手掛ける石炭鉱山4カ所での生産量を15年度に12年度比約3割引き上げる。月岡氏は「石炭資源はコスト削減をしないと利幅が薄いが、(権益を)売る気はない。(資源価格には)波があるので、安くなった時にどう耐えるかだと思う。石炭、石油、ガス、ウランなど幅広く(権益を)持ち、国内の燃料事業で安定的な収益を上げながら、資源ビジネスを持つことで日本のエネルギー・セキュリティーに貢献できる」などと話した。
<第5次中計で収穫期待>
日本国内の燃料油需要は漸減が続き、11年度にはピークだった1999年度の8割の水準に落ち込んだ。主力の石油製品事業は海外に活路を見い出さざるを得ず、同社はベトナムでの合弁製油所事業に踏み出す。総投資額90億米ドル(約9000億円)のうち出光の負担分は約14億ドル(出資・貸付)。16年完工、17年商業運転開始を目指す。月岡氏は、「ベトナムの期間が始まる第5次中計(16年─18年度)の時に(戦略投資の)リターンが来る。4次中計は飛躍のための土台作り」と説明した。
(インタビュアー:浜田健太郎、月森修、インタビューは5月31日)
(浜田健太郎;編集 山川薫)
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