29. JohnMung 2013年6月12日 14:20:58
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”日銀、供給延長見送り 長期金利抑制にジレンマ 株式など資金移動妨げ警戒” 産経新聞 6月12日(水)7時55分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130612-00000100-san-bus_all 市場の注目を集めながら日銀が11日の金融政策決定会合で見送ったのは、年0・1%で金融機関に資金を貸し出す「固定金利オペ」の期間を現行の最長1年から2年に延長する案だ。長期金利の急上昇を抑えるための対応策に位置付けられたが、金融緩和で目指す株式や貸し出しなどへの資金の移動を妨げかねないと判断した。日銀は過度に長期金利に働きかけることが、逆に金融市場に悪影響を与えかねないとのジレンマに陥っている。(大柳聡庸) 【死角はないのか】「アベノミクス」陰で練ってきたのは誰? 「現時点では不要だが、将来、必要になれば検討する」。日銀の黒田東彦総裁は記者会見でこう述べ、国定金利オペの期間延長の導入を否定した。市場ではこの制度が金融機関に国債を購入する資金を提供し、長期金利の上昇(債券価格は下落)を抑える効果があるとみられていた。 日銀の判断に影響したのは資金の流れの行方だ。日銀は固定金利オペとは別に、金融機関が融資を増やせば、その分だけ年0・1%の低金利で銀行などにお金を貸し出す制度を設けており、仮に国債購入を促す固定金利オペを拡充すれば、金融機関の融資への努力に水を差しかねないばかりか、株式市場への資金の流れを緩め、相場の下落を招く恐れがあった。また、日銀は現行の期間1年の固定金利オペの実施などで「(長期金利の)大きな変動は収まっている」(黒田総裁)とみていることも判断材料になった。 ただ、11日の国債市場は長期金利の終値が前日比0・035%高の0・870%に上昇。長期金利の上昇は住宅ローン金利の引き上げなどを通じ、景気の鈍化に響きやすい。黒田総裁は長期金利の安定に向け、「変動を縮小させる努力を継続する」と述べたが、日銀が考える次の一手は何なのか。市場は見極められていない。 ”日銀は長期金利上昇を止められるのか?” 岩崎 博充(経済ジャーナリスト) 2013年6月12日 11時37分 http://bylines.news.yahoo.co.jp/iwasakihiromitsu/20130612-00025621/
■米国は無傷で「出口戦略」を実施しできるのか? 日本銀行の金融政策決定会合で、期待した成果が得られなかったとして、株価が再び下落し、円も買われて円高が進み、長期国債も一時0.88%まで上昇した。国内では総じて黒田日銀総裁に対する評価は高かったのだが、海外の投資家は違ったようだ。長期金利上昇を防ぐために「固定金利オペ」を拡充するのではないかと期待していた投資家が多かったが、その予測は裏切られた。政策を小出しにはしない、という前言を2ヶ月でひっくり返すわけにはいかなかった、あるいは最後の切り札として残しておきたかった、というのが日銀の本音だろう。ただし、これで依然として長期金利上昇のリスクは残ったままとなった。 どの国の経済危機もそのスタートは長期金利の急騰から始まる。考えてみれば、円安、株高を演出することでデフレからの脱却を目指すアベノミクスが、最初に躓いたのも長期金利の急上昇だった。長期金利の急騰は、まさにその国の経済を崩壊させかねない。現在の世界は、どの国も景気が悪いために金融緩和政策を採っている。金利を引き下げて通貨を大量に供給している。そのために、債券が大量に発行されて、それをまた中央銀行が買い取っているという図式だ。 実際に、FRBは現在毎月580億ドル、日本円で5兆8000億円もの債券を購入し続けている。MBS(モーゲージ証券)を400億ドル、米国債を450億ドル購入し続けることで、不安定だった住宅市場を安定化させ、雇用の状況も改善させようとした。そして、実際にこのところの経済指標はどれも好転しつつある。そんな背景の中で、バーナンキFRB議長が議会証言で語った「量的緩和に関する早期縮小の可能性」が世界のマーケットを一変させた感がある。 現在の世界経済は、米国の非伝統的量的緩和政策によって、支えられてきたといっても過言ではない。債券購入の額を調整しつつ市場と会話しながら、徐々に非伝統的金融緩和策を終了させていきたいというのが、バーナンキ議長が描く「出口戦略」になるわけだが、問題はこの出口戦略には大きなリスクがあることだ。 1930年代の世界恐慌時に、当時のルーズベルト米大統領はインフレになるのが怖くて、金利をあげて増税までしてしまった。その政策ミスが原因で1929年に次ぐ景気後退を強いられた。1937年秋のことだ。恐慌が始まって8年後に再び大きな景気後退を引き起こしてしまったわけだ。現在の米国は、当面金利も上げないだろうし、増税もしないだろうが、それで安心できるかといえばノーだろう。 そういう意味では、FRBの出口戦略は実に難しい。短期間で大量の資金を市中に放出してしまったために、米国も常に長期金利上昇のリスクにさらされる。加えて、米国の金融政策と同時にECB(欧州中央銀行)も非伝統的な金融緩和で大量の資金を市中に放出した。それらの資金は、ヘッジファンドなどのリスクマネーに流れて、通貨や商品、債券、そして株式市場に大量に流れ込んだ。金融マーケットはあちこちですぐにバブルを形成する状況に陥っている。そんなときに米国が出口戦略を実施したらどうなるのか。世界中のマーケットは再び大混乱に陥る可能性もある。出口戦略がわずかに現実味を帯びてきたという状況だけで、日本株がピークから15%も下落し、為替も1ドル=103円から、一気に95円にまでドルが売られて円が買われた。連動して、世界の株式市場や為替市場も混乱した。 ■世界は「バブル」に満ちている しかも、世界経済は米国が出口戦略を迎えつつあるときに、またひとつ大きな荷物を背負ってしまったのかもしれない。日本が異次元の金融緩和策を実施してしまったために、大量の資金が世界中にシフトして大量の資金が債券に向かうことになった。債券価格は下落し、金利が上昇しやすい環境になってしまった。 世界がいかに「金余り」なのかは、ヘッジファンドなどの活動を見ればよくわかる。英国の大手ヘッジファンドの「マン・グループ」が、日本株などへの投資の失敗で6月3日までの1週間で、主力ファンドの運用資産が6.1%減少したと発表して注目を集めたが、マン・グループといえば株式や債券、商品市場など世界の先物を対象にコンピュータプログラムで運用する「CTA(商品投資顧問)」として有名だが、CTAが大幅損失を出すのはマーケットが不安定なときにはしばしば見られる現象だ。プログラム売買といえば市場の流れに沿って投資するトレンドフォローだが、アルゴリズムさえもついていけないほど大きなボラティリティだったことを示している。こうしたヘッジファンドの大幅損失が、やがては巨額損失へと変わり、再び経済危機が訪れるかわからない。 そもそも、現在の世界経済はバブルに満ちている。資源国への投資、商品市場への巨額投資、通貨先物市場や株式先物市場などなど、ヘッジファンドや金融機関の自己運用部門などが、莫大な資金を使って運用している。日本株も、日経平均株価を動かすために値動きへの寄与度が高いファーストリテーリングを売買して調整するといった技まで駆使しているといわれる。 1980年代後半の日本の株式市場、リーマン・ショック以前の米国株式市場などで、同様のことが行われたと記憶しているが、こうした投資手法が出てくること事態、すでにバブルといって良いだろう。ジョージ・ソロス氏が再び「円売り、日本買い」をスタートさせたという報道があったが、米国などの非伝統的金融緩和政策に加えて、バズーカー砲を炸裂させてしまった日本銀行も加えて、世界経済はとんでもない難しい局面を迎えつつあるのかもしれない。 ■アベノミスク最大のリスクは長期金利の上昇 今回の日銀の金融政策決定会合の直後、10年もの長期国債の金利も急上昇したわけだが、問題は日本の長期金利の上昇懸念が依然として強いということだ。そもそもアベノミクスは、インフレ率を2年後には2%にするという金融政策だ。ということは、当然ながら長期金利も2%を超える水準になることは容易に想像できる。 国債に投資している銀行などにとっては、2年後にはほぼ確実に損失がでるとわかっている国債を保有したままにしているとは考えにくい。日本銀行自身が、長期金利の1%上昇で国内銀行の利益が6兆円超失われる、という試算を出しているが、国内銀行が国債を売れば売るほど国債価格は下落し、金利も上昇する。 黒田総裁の描くシナリオは、はやくも2ヶ月で狂いを生じて、市場が追加策を求める状況になっている。日銀は、国債の7割を買い上げると宣言しているが、では残りの3割は誰が買うのか。そして、2年後に2%のインフレ率が達成できたとして、出口戦略はどうするのか。米国が直面している出口戦略の難しさよりさらに高いハードルを越える必要がある。米国も、まだバーナンキが正しかったことを証明できているわけではない。出口戦略が成功してはじめて、大量の量的緩和の正しさが証明される。 ”NY円急伸、一時95円台=日銀の政策維持受け” 時事通信 6月12日(水)7時0分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130612-00000016-jij-n_ame
【ニューヨーク時事】11日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、日銀が金融政策の現状維持を決定したのを受けて買われ急伸、一時1ドル=95円59銭まで上げた。午後5時現在は95円99銭〜96円09銭と、前日同時刻比2円72銭の大幅な円高・ドル安。 日銀は同日行われた金融政策決定会合で、現行の金融緩和策の継続を決定。市場の予想に反して長期金利安定に向けた資金供給オペレーション(公開市場操作)の期間延長を見送った。このため市場に失望が広がり、日経平均株価をはじめとする各国の株式相場が下落。投資家のリスク回避姿勢が強まる中、相対的に安全な資産とされる円に買いが集まった
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