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調整を超えた円高への巻き戻しの可能性も出てきた。写真は東京の為替ディーラー
Photo:Bloomberg via Getty Images
株価下落で円高の“特異現象” 投機勢も恐れなす相場乱高下
http://diamond.jp/articles/-/37153
2013年6月10日 週刊ダイヤモンド編集部
株式相場の乱高下に伴い、円高圧力が高まっている。対ドルの為替レートは、5月22日に1ドル103円まで円安が進んだが、23日の日経平均株価の暴落とともに反転した。
足元の為替相場で特徴的なのは、株価との相関が高まっていることだ。株価が下落すると、円高が進む。6月3日には、日経平均の513円の下落を受け、ニューヨーク市場で1ドル98円台にまで入った。その後いったん円安方向に戻したものの、5日にはまたもや日経平均が519円下落。ドル円レートも一時98円台となった。
だがこれは、一見すると奇妙な動きである。円高が株価の下落をもたらすということはしばしばあるが、逆はこれまであまり見られなかった現象だ。
株式相場に変調をもたらした最大の要因は、米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和(QE3)の縮小観測が高まったこととされる。投資家の懸念を反映して、5月22日には米10年債の利回りが2%を突破。28日以降は2.1%台で推移している。
しかし、米国の金利上昇は、通常ならばドル買いを促し、ドル高円安圧力となるはずだ。
一つの要因は、海外投資家の為替ヘッジだ。日本の株価高騰を主導した海外投資家の一部は、為替リスクの回避のために、日本株買いの際に、同時に円売りの為替ヘッジをかけていた。これが株価の上昇に並行して、円安の加速をもたらしていた一因だが、その流れが逆転した。
■100円を挟んだ攻防
市場関係者がそろって指摘するのは、株価ボラティリティ(変動率)の高まりによる、投資家のポジション縮小だ。要は、株式、為替を問わず、相場の乱高下に恐れをなした投資家が、資金を引き揚げているのだ。
またボラティリティの高まりを受けて、6月3日以降、株価先物の証拠金率が大幅に引き上げられており、「これが投資家のリスク許容度低下・ポジション縮小を招いているという技術的な要因も大きい」(高島修・シティグループ証券チーフFXストラテジスト)という。「ヘッジファンドが資産配分の調整を行うため、月末は円高に進む傾向がある。また6月はヘッジファンドの解約、日本の対外直接投資の利払いの時期でもあるため、円高に振れやすい」(星野昭・三菱東京UFJ銀行金融市場部副部長)という季節要因もある。
今のところは、ドル円相場は“調整”の範囲内であり、世界的にリスクオフに転じたわけではないとの見方が大勢だ。世界の経済指標は強弱がまだら模様となっているものの、ことさら悲観すべき状況でもない。5月31日以降、日本のみならず米国を筆頭に世界の株価が下落に転じたのが気がかりだが、年後半の世界景気回復と米国の金利上昇が確認されれば、縮小された円売りのポジションは、いずれ再構築されるとの観測が多い。
中長期的にはドル高円安というトレンドは、変わっていない。個人投資家の押し目買いもあり、100円を挟んだ攻防が続きそうだ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 河野拓郎)
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