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中国の日本車販売、逆境ながら成長 背景に両国の「先行き好感」
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/381.html
投稿者 あっしら 日時 2013 年 6 月 09 日 14:02:16: Mo7ApAlflbQ6s
 


 「現在、日本車の中国での生産台数は400万台を超えている。この数字は年間数百億元の税収と数十万人の雇用を意味する。もし事態が収拾不可能な状況に陥り、日本企業が中国から撤退したとすれば、それは両国にとって致命的な痛手となる。」

「ソニーやパナソニック、シャープなど家電大手も軒並み巨額の赤字を計上し、空前の苦境に立たされている。こうした中、中国市場で利益を挙げることができなければ、これら日本企業は倒産の危機に直面する可能性がある。」

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中国の日本車販売、逆境ながら成長 背景に両国の「先行き好感」

 中国でこのほど撤退が噂されている日本車は、依然として先行きは不透明なものの、決して足踏み状態ではなく、むしろ逆境の中で成長を続けている。中国商報が伝えた。

 中国では今年に入り、日本車に関する記事がたびたび新聞各紙の第1面を飾った。日本の自動車大手は主力製品をこぞって発表すると同時に、マーケティング戦略やサービス内容を強化し、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題の影響をもろともしない存在感をアピールしている。また業界内でも、高級ブランドの国産化や工場新設などを進めており、巻き返しを狙う日本車の覚悟がうかがえる。

 中国の自動車市場には依然として大きな伸び代があることは紛れもない事実だ。しかし拡大を続ける背景にある最も重要な要因はやはり、中日関係が長期的には上向くとする両国自動車企業の経営層の一致した見方だ。これは一切の協力と発展の基盤となるもので、両国の自動車企業の経営層がこうした基盤に対し自信を抱いているのは明らかだ。

 ■中日関係の見通しを「慎重に楽観視」

 日産自動車の高級ブランド「インフィニティ」に続き、ホンダの高級ブランド「アキュラ」も国産計画を発表した。新ブランドの導入以外に、ホンダは6月にも説明会を開き、中国向けに設計したエンジンやトランスミッションなどパワートレーン(伝動機構)3型を発表する見通しだ。ホンダの中国合弁会社「広州本田」の第3工場も近く着工され、今後の生産台数は72万台に達する見込み。

 このほか、日産の中国合弁会社「東風日産」の大連新工場の建設が急ピッチで進められている。トヨタ自動車は5月末、中国の民営電池メーカー「湖南省科力遠新能源」(本社・湖南省)と、ハイブリッド車(HV)向け車載電池を生産する合弁会社を設立する。日本の自動車企業は中日関係悪化のあおりを受けながらも、中国市場での発展戦略を断固として推し進めていることが、こうした活発な動きから見て取れる。

 市場競争よりも、政治の変数の方が日本車の発展に明らかに影響を与えている。しかし日本の某自動車企業の幹部はこのほど記者の取材に対し、「日中間の摩擦の解消は短期的には難しいが、長期的に見れば両国関係がさらに悪化する可能性は低い」と楽観的な見方を示した。日本の自動車企業が依然として協力関係の継続に自信を抱いている背景には、長期的な先行きに対するこうした楽観的な見方がある。
過去数年間、政治的な要因が両国の経済協力を妨げる障害となったことはない。数年前は、中国は日本最大の貿易相手国で、貿易額は年々過去最高を更新していた。こうした複雑で深い経済関係のもと、「釣魚島海域で軍事衝突が起こることはあっても、戦争に発展することは絶対にない」との推測も説得力を帯びてくる。

 現在、日本車の中国での生産台数は400万台を超えている。この数字は年間数百億元の税収と数十万人の雇用を意味する。もし事態が収拾不可能な状況に陥り、日本企業が中国から撤退したとすれば、それは両国にとって致命的な痛手となる。

 ■中国市場は手放せない

 中国の日系企業で政治問題のあおりを受けるのは、自動車業界だけではない。近年、日本経済の「稼ぎ頭」となっているソニーやパナソニック、シャープなど家電大手も軒並み巨額の赤字を計上し、空前の苦境に立たされている。こうした中、中国市場で利益を挙げることができなければ、これら日本企業は倒産の危機に直面する可能性がある。

 自動車業界の状況はなお楽観視できるが、「中国市場を取れば天下を取れる」という傾向はすでに火を見るより明らかだ。これまで国産化をしぶってきた日系高級ブランドも今はドイツ車に大きく水をあけられ、爆発的成長を見せる中国高級車市場の好機を逸している。現在、インフィニティ、アキュラの国産化発表には、日本車が問題の深刻さを意識しつつあることを物語っている。

 まもなく行われるホンダの説明会では、中国市場向けに設計したパワートレーンが3型発表されるとして注目を集めている。日本の自動車企業が中国市場向けにパワートレーンを開発したのは初めて。さらにホンダが中国向けに開発した新車種「凌派(クライダー)」もほぼ同時期に発売される。こうした動きはいずれも中国市場を重視する日本企業の姿勢を示している。

 中国ではすでに、日本車は耐久性に優れサービスが良いというイメージが出来上がっている。北京・上海・広州などの大都市では初めての自動車購入から2台目、3台目の購入へと成熟した理性的な段階に入りつつある中、こうしたイメージは今後の販売に大きな追い風となる。あるディーラーグループの幹部は「この2年間は傘下の日系ディーラーは業績が低迷していたが、今後は成長の見込みが十分にある」と話す。

 釣魚島問題が市場に与えた影響は尾を引くことなく、日本の自動車大手は今年に入り販売台数をすでに回復しつつある。(編集YT)

 「人民網日本語版」2013年6月9日


http://j.people.com.cn/94476/8279519.html

 

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コメント
 
01. 2013年6月09日 17:59:05 : 0MxxUg9noA
なんだかんだで、売る側も買う側も物欲は抑えられないな。

02. 2013年6月09日 19:45:41 : HX9lOYfaLo
 
指原莉乃さん、AKB総選挙1位  おめでとうございます。 中国のヲタの方が9108票をぶっこみ pic.twitter.com/wbWMmQjF4A

 
値段としては概算で「さよならクロール」が1,600円なので、×9108で14,572,800円という家が建つほどのレベル 

 


指原莉乃「チャイナマネー」でセンターに? AKB総選挙開票前日に「怪情報」流れる
2013/6/ 8 12:36
絶対、俺は老眼鏡をかけたくないwww.wakasa.jp
【動画解説】最近遠くの物や文字が見えにくい。早めの対処法は…
インタレストマッチ
コメント(28)


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「中国のヲタの方が9108票をぶっこみ」
「指原莉乃さん、AKB総選挙1位当確です。おめでとうございます」
――「AKB48 32ndシングル 選抜総選挙」の投票が締め切られた直後の2013年6月7日午後3時すぎ、こんなつぶやきがツイッターを駆けめぐった。
つぶやきには大量の紙が束になった様子の写真が添えられていて、一番上の紙には「AKB48 32ndシングル 選抜総選挙 投票シリアルナンバーカード」の文字が読み取れる。また束の横にHKT48の指原莉乃さん(20)の写真が添えられていることから、大量のシリアルナンバーすべてを指原さんに投票した、という意味なのだろう。このつぶやきは8日昼までに6500回以上もリツイートされた。
もはや総選挙は「神々のお遊び」?

うずたかく積みあがる「カード」の束
画像は7日昼すぎに中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」や、検索サイト「百度(バイドゥ)」の掲示板など中国国内のSNSで拡散し始め、その後日本にも広がったとみられる。それらの情報をまとめると、どうやら9108票を1人が投じたのではなく、複数ファンの票を集めたものらしい。また中国のファンからはAKB48の渡辺麻友さん(19)に5566票、SKE48/AKB48兼任の松井珠理奈さん(16)に5211票投じられたなどの情報もあるが、いずれも真偽は不明だ。
これらの怪情報に対して「2ちゃんねる」では、
「チャイナマネーの底力を見たわ。。。」
「選挙権が富裕層にのみある旧世代みたいだなw」
「これのどこが人気投票だよ。ただの金持ち自慢総選挙じゃんwwwwwwwwwww」
「前は一般人のヲタがどれだけぶっ込めるかの勝負だったのに、今は神々のお遊びになってるな。AKBヲタはこれでいいの?」
など、「金権選挙」で順位が決まるシステムに疑問を抱く反応が多くみられる。
「当確」とは言い切れない
指原さんは投票開始翌日の5月22日に発表された「総選挙」速報で1位(2万8516票)。この「怪情報」が事実で、9108票が速報前に投じられたのなら、速報1位の原動力になったと考えられる。しかしその場合、6月8日の開票にはさほど影響がない。
速報後の投票だったとしたら、センター「当確」とは言い切れない。前回の総選挙(12年6月)では、1位の大島優子さん(10万8837票)と、2位の渡辺さん(7万2574票)は3万票以上も開いていた。ただ渡辺さんから6位の高橋みなみさん(6万5480票)までが約7100票差の「だんご状態」だったと考えると、順位には大きな影響が見られそうだ。


03. 2013年6月10日 09:41:25 : niiL5nr8dQ
中国経済は悪い。が、崩壊するほどでもない

企業業績から読み解く景気の実像

2013年6月10日(月)  張 勇祥

 中国企業といえども、香港での決算発表にはCEO(最高経営責任者)が出席する。少なくともCFO(最高財務責任者)かCOO(最高執行責任者)あたりは出てくる。

 メディアにとって、これは貴重な機会だ。中国政府が直轄する「中央企業」と呼ばれる百十社あまりの企業ともなると、トップの肉声を聞けるのは全人代(全国人民代表大会、国会に相当)か、5年に1度の党大会、そして決算発表ぐらいだからだ。

 何十社かの決算発表に居合わせただけの感想に過ぎないが、やはり人は人で、会見であからさまな嘘を吐くケースは少ない。鷹揚に構えたいとの心理が働く人物もいて、「ぶら下がり」取材に応じたりもする。粉飾は相変わらず多いけれど、外国人持ち株比率の高い大企業は随分とマシになった。

 と、ここまでが前振りである。

 中国の統計は、とかく信頼性が低い。あれだけ広い国土で正確な数字を掴むのは至難の業だし、地方政府の水増しが横行している。各省が公表しているGDP(国内総生産)を足し合わせると、国家統計局が発表する国全体の数字を1〜2割くらい上回る。中国本土と香港の間をぐるぐると在庫が行き来し、税の還付を受けようとする動きもあるとされる。

 では、何を信じたら良いのか。「何もない」が恐らく最も正解に近い。それでも手がかりを探すとすれば、最初に述べたような理由で、企業の業績か開示情報を拾っていくことになる。かつてより企業数は増え、まがりなりにも会計基準の整備も進んだ。中国経済のアキレス腱は地方政府の債務であることを差し引いても、ある程度は景気を読む指標として役立つようになってきたはずだ。

李克強が重視する電力・荷動き・融資ははっきり減速

 企業業績から景気の現状を読み取ることを最大の目的に、いくつかの企業の決算を拾ってみる。まずは電力会社と、高速道路の運営会社、そして銀行だ。

 李克強首相はかつて、中国経済を掴むために発電量と鉄道貨物、そして銀行融資を重視していると語ったとされる。鉄道は、鉄道省という利権の塊のような省庁が解体されたばかりで、現時点で有力な上場企業はない。そこで、高速道路の交通量で代用する。

 電力大手の華能国際電力。1〜3月期の発電量は前年同期比で2.4%減少した。「全国ベースの発電量は0.87%の伸びにとどまり、とくに沿岸部はマイナスだった」という。同社は首都・北京周辺や上海のある華東、広州のある華南地域に多くの発電設備を構える。やはり数字は良くない。

 続いては「江蘇寧滬高速公路」という高速道路を保有、運営する企業だ。その名の通り、江蘇省・南京と上海を結ぶ路線など中国経済の大動脈をいくつか抱える。この1〜3月期の通行料収入は1.6%減り、営業利益と純利益はともに横ばい圏だった。会社側は「春節(旧正月)中、小型車の運賃を無料にしたため」と説明するが、2ケタ増が当たり前だった時期は過ぎた、という印象だ。

 最後に銀行。その名の通り建設、インフラ関連の融資が多い、中国建設銀行は今年に入り、3月末までの3カ月間で融資額を4.6%増やした。これを「それなりに持ちこたえている」と見るか「かなり減速した」と見るかは判断が分かれるが、中国の固定資産投資が20%台の伸びを保っているのに比べると控えめには映る。中国国家統計局の馬建堂局長は固定資産投資の算出方法を見直す必要があると述べた、と中国メディアは報じている。

 頭を抱えるほどではないが、李首相が重視する3指標の代表銘柄は、なべて往年の勢いはない。もう少し踏み込んで言えば、マクロ指標よりも控えめな数字だ。

素材は土砂降り

 次に素材メーカーを見る。電力、荷動き、融資の3指標に続いて景気との関係が深そうだからだ。

 中国の鉄鋼最大手と言えば宝山鋼鉄。その粗鋼生産は1〜3月期に8.9%減少した。2013年の生産計画も前年割れで組んでいる。IR資料には、やや恨みがましいコメントまである。「(中国の)粗鋼生産能力は、過度に大きい」

 同じIR資料によると、インフラ向けも、自動車向けも、住宅向けも鋼材需要は増加している。それなのに、なぜ宝山鋼鉄が苦しい予算を立てているのか。宝山鋼鉄はこう見ている。地方政府が主導する地元企業の増産計画が、利益なき消耗戦を強いているのだ、と。

 需要そのものはあるが、増産合戦が収益の足を引っ張っている。宝山鋼鉄はこう弁明する。これは一面の真実を含んでいる。インフラ整備や企業の増産投資は手っ取り早くGDPを押し上げ、かつ経済が右肩上がりなら問題点も表面化しづらい。国家版の「売り上げはすべてを癒す」。事実、リーマンショック前まではすべて癒されてきた。

 しかし、中国アルミの業績は、この見立てに疑義を呈す。

 中国アルミの1〜3月期は10億元(160億円)近い赤字になった。中国アルミはアルミナ最大手。国際市況の落ち込みが赤字の最大の原因だが、そもそも市況に大きな影響を及ぼしているのは中国の需要動向だ。先ほども挙げた20%台の固定資産投資が正しければ、中国アルミの業績もここまで落ち込んでいないのではないか。中国の需要がどこまで「鉄板」かは、世界経済にとっても重要な意味を持つ。

 続いて、耐久財を含めた消費関連の企業を見てみる。

 まずはビール会社。アサヒビールが出資し、日本人にもそれなりの知名度がある青島ビールは1〜3月期に183万キロリットルのビールを売った。これは前年同期比で11.7%増になる。ちなみに、この数字は日本1国の消費量(2011年通年で560万キロリットル)を優に上回る水準だ。

 ヘルスケアでは、ティッシュペーパーや紙おむつ大手の恒安国際集団をベンチマークとしたい。この会社の製品はライバル企業に比べると少し高め(とは言っても外資系企業よりは安い)だが、売り上げの5割を占めるティッシュ関連は2012年通年で14%の増収だった。青島ビールも含め、未だに2ケタの増収を果たせているということは、個人消費はそれなりに持ちこたえていることを示唆するのだろう。

 ただ、気になることもある。恒安国際の紙おむつは小幅ながら減収だった。「安価な地場メーカーにシェアを取られた」と説明するが、少子化の影響を感じずにはおれない。紙おむつ市場は、これまでも少子化と、所得増加に伴う中小都市や農村部への普及という2つの流れの綱引きだった。断定するには早いが、もしかすると中国のフロンティア、すなわち内陸への都市化の進展がピークを越えつつあることを示唆するのかもしれない。

 消費関連でもう1社、ターニングポイントを迎えているように見えるのが、インスタントラーメンで首位の康師傅(カンシーフ)。インスタントラーメンの売り上げの伸びが7%に留まり、中でもカップ麺や高価格帯の袋麺は伸び率が低かった。中国の個人消費を示す、「社会消費品小売総額」は今年4月、前年同月比で12.8%の伸びだった。減速が続いていると言っても2ケタ増を保っているので悪くはない。そもそも母数がかなり大きくなっている。しかし、下げ止まりの兆候が現時点では見えないことには注意が必要だろう。

自動車は意外に健闘

 一方、自動車は意外にも健闘している。独フォルクスワーゲン(VW)や米ゼネラルモーターズ(GM)と合弁を組む上海汽車の1〜3月期の販売台数は133万台。前年同期比で17.0%増えた。回復を模索する日系メーカーのシェアを取り込んだ面もあるだろうし、合弁が柱なので決して上海汽車の実力ではない。ただ、それでもホンダを上回る規模だ。中国の自動車市場は年2000万台を目前に足踏みしてきたが、今年は突破が確実だろう。自動車市場の回復力は強い。

 不動産市場が抜けているし、繰り返しになるが地方政府の公的債務も考察の対象に入っていない。インスタントメッセンジャー(チャットソフトの一種)QQを展開するテンセントや検索エンジンの百度(バイドゥ)、オンラインゲームの巨人網絡(ジャイアント・インタラクティブ)といったネット企業は経営もスマートで、業績も伸びている。これまで見てきた企業だけで中国経済のすべてが分かるわけではない。

 しかし、一部企業の業績から中国経済の断面は見えてくる。インフラや素材関連はやはり足取りが鈍く、低所得層の底上げも今一つという実態である。一方、中・高所得層の消費は底堅さがありそうだ。中国の経済成長率は、何もしなければ6〜7%台で推移するステージに移行したのだろう。これを悪いと見るならば、中国経済は悪い。しかし、恐らくは崩壊するほどではない。日本企業にとっては、さらに目線を下げつつも、辛抱強くこの市場に立ち向かっていくしかないだろう。


04. 2013年6月10日 09:58:23 : niiL5nr8dQ
「農民国家」中国の限界
格差はもはや是正不可能、政治の不安定化は必至
2013年06月10日(Mon) 川島 博之
 中国経済の減速が報道され始めた。その原因としてヨーロッパ経済の不振に伴う輸出の減退や地方政府が抱える不良債権問題などが挙げられているが、よりマクロな視点から見たとき、景気減速は大きな変化の始まりと考えられる。

 筆者は、中国は「農民国家」の限界に突き当たったと考えている。それは短期的な調節ではない。乗り越えるには大きな努力が必要であり、政策のちょっとした変更程度では成長軌道に戻ることなどできない。

中国の農民はなぜ貧しいのか

 中国の戸籍は都市戸籍と農村戸籍に分かれている。現在、その制度は形骸化している部分も多いが、原則として農民戸籍を持つものは都市に移住できない。中国の人口は13億人だが農民戸籍を持つ人が9億人、都市戸籍が4億人である。農民戸籍が圧倒的に多い。そして農民は圧倒的に貧しい。農民は格差社会の底辺にいる。中国の奇跡の成長の恩恵を受けたのは13億人中の4億人でしかないのだ。

 多くの日本人は中国の農民がなぜ貧しいか、その理由を理解していない。また理解しようともしない。戸籍制度があるから貧しいなどと言っているようでは問題の本質を見失う。その根本原因は経済発展にある。

 開発途上国において経済が発展するということは、農業主体の社会から工業やサービスが主体の社会に変わることを意味する。それ以外のなにものでもない。だから、経済発展に伴い農業部門が発展するなどということはありえない。確かに農業も少しは成長する。だが、その速度は非農業部門に比べたとき圧倒的に遅い。だから、経済発展が始まると農業部門と非農業部門の格差が急速に広がる。

 このことは日本でも生じた。経済発展に伴い農民が貧困化した。ただ、日本は都市で稼いだお金を地方交付税として農村に回し、また農業に対して多額の補助金を支払い、かつ無駄な公共事業を地方でたくさん行うことによって農村部にお金を落とし続けてきた。その結果、格差が許容できないほどにまで広がることはなかった。しかし、それほど多額のお金を回しても、農村が豊かになることはなかった。それが地方の疲弊の根本原因である。

農民保護の欠如がもたらした格差社会

 中国の人口は日本の10倍、国土は25倍である。そして、つい30年ほど前まで農民国家であった。その中国が1978年に「改革開放」路線に転じると、急に成長を始めた。しかし、その過程で日本のように都市が稼いだお金を農民に配ることはなかった。だから効率良く発展できたとも言える。奇跡の成長は、国民の大多数を占める農民を切り捨てることによって成り立っていた。

 その結果、農業では食べていけなくなった。だから、戸籍制度があるにもかかわらず、農村の若者が職を求めて都市に流入している。現在、中国の都市人口は6億7000万人とされるが、その中の2億人以上はいまでも農民戸籍のままである。

 農民の流入により都市は急速に膨張し、それに伴い都市の地価が急騰している。住宅は買うにしても借りるにしても、とても高くなってしまった。北京や上海では東京よりも高い。そのために戸籍制度がなくとも、農民が一家を挙げて都市に移動することなどできない。

 発展があまりにも急であったために、都市と農村の教育水準の平準化が進まなかったことも、格差の是正を一層難しくしている。最近は農民の子供が大学に進むケースも増えているが、それでも進学率は都市より圧倒的に低い。多くの農民は高卒以下の学歴であり、都市に出てきても農民工などの単純労働に従事するしかない。

 ただ、中国政府も手をこまねいていたわけではない。農民工の給料引き上げなどといった対策を講じている。ここ何年かは、農民工の賃上げ要求を容認してきた。それによって農民工の賃金は大きく上昇したのだが、皮肉なことに、そのことが中国経済の減速の一因になってしまった。

 農民工の月給は数年前まで日本円にして1万円程度であったが、現在は3万円程度である。そして、この賃金の上昇が外資系の企業が中国から東南アジアやバングラデシュへ移動する原因になっている。

 幹部の汚職や腐敗は格差社会を作り出す要因の1つだが、それが格差の根本原因ではない。膨大な農民人口を抱える国が急速に経済発展し、日本のように手厚い農民保護を行ってこなかったことが、格差社会を作り出した最大の原因である。

 そのため、いくら汚職撲滅キャンペーンを張っても、それによって格差が解消されることはない。共産党の一党独裁から民主主義に移行すれば、問題が解決されると考えている人がいるが、たとえ民主主義を採用しても、ここまで広がった格差を是正するには長い時間がかかる。

だから中国は日本を挑発する

 これまで驚異の経済成長を続けた中国は、成長をアピールすることによって農民の不満を抑えつけてきた。農民でもうまく立ち回れば豊かになれるチャンスがあったからだ。実際に農民から成り上がった人もいる。ただ、その数は限られる。そして経済が成長しなくなれば、当然のこととして、そのようなチャンスはなくなる。

 アルゼンチン、メキシコ、ブラジルは貧農を豊かにすることに失敗して、格差社会を作り上げてしまった。それが政治の不安定化を招き、中進国の罠につながった。中国はそれらの国より膨大な農民を抱えている。罠から抜け出すことは、中南米諸国よりもさらに難しい。

 中国は過去30年にわたり輝かしい成長を遂げたが、次の30年は過去とは大きく異なったものになる。あまりにも成長を急ぎ過ぎたことが、中国の成長を阻害し始めた。そのために、いったん減速し始めると容易なことでは浮上しない。

 中国政府はその不満や不安を日本との対決でそらそうとしている。そう考えれば、中国が尖閣列島の領有に関する問題で挑発を止めることはないだろう。


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