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[東京 7日 ロイター] - 政府・日銀は、急激な株安・円高に対して有効な政策手段が少ないことでいらだちを深めている。5日の成長戦略第3弾公表後も、市場の流れが反転することはなく、日経平均.N225は日銀による異次元緩和導入直後の水準に戻った。
政権幹部からは法人税減税をめぐる発言が相次ぐが、財務省は慎重姿勢なため実現性や株式市場へのインパクトは未知数だ。
<国内勢の損益分ける1万3000円割り込む>
ある日銀幹部は5月下旬以降の株価下落について、日経平均で1万3000円を割ってくれば雰囲気が違ってくる、と今週初めにも心配していたが、株価はすでに1万3000円を割り込んで推移している。
1万3000円は、甘利明経済財政・再生相が目指すべき水準として一度言及した経緯があるため「甘利ライン」と呼ばれ、政府が目安とする株価水準として意識されてきた。株価の1万3000円割れは政府の防衛線がひとつ突破されたとも推察される。
また、 海外勢主導で上がってきた株価をみて、国内の機関投資家や金融機関、個人などが本格的に日本株買いの勢いを強めたのが、日経平均が1万3000円台に乗せたころとみられている。このため1万3000円を割り込むと国内勢の収益環境が急速に悪化する可能性が大きくなり、政府・日銀も注視してきたようだ。
<戦力を大量投入した日銀、残る手段限定との印象>
ただ、政府・日銀に即効性のある対応手段は限られている。日銀は2年で2%の物価上昇率を実現するため、すべての政策手段を講じてしまったとの建前。黒田東彦総裁は、これまで投入してきた政策の効果を見守り、基本的なスタンスは維持する考えを変えていない。日銀内では、少なくとも来春まで政策変更はないとの見方が多い。戦力の逐次投入を回避したことで、予想外の円高・株安に機動的に対応する手段が限定されているとの印象を市場に与えている面がある。
為替介入も現実的でない。欧州各国などアベノミクスによる急激な円安に対して内心懐疑的な国が多い中で、一定程度の円高方向への揺れに対する介入は理解を得られる可能性が低いためだ。麻生太郎財務相も7日の定例会見で、今すぐ介入などを考えてはいないと述べた。
<官房長官は法人税減税に前向き発言、麻生財務相は慎重>
一方、閣僚からは法人税減税をめぐる発言が相次いでいる。官邸周辺では「市場を意識したものでは決してない」と否定するが、株式市場関係者の間では、株価を意識したものとの受け止めが多い。菅義偉官房長官は6日の定例会見で法人税引き下げについて「国際競争に勝てる環境整備が必要。(法人税減税なども含めて)検討対象になっていく」と述べた。
甘利経済財政・再生相は7日の会見で、法人税減税に関して「必要性が出てきた場合、年度をまたがずに直ちに実行する」と述べ、今秋の臨時国会に提出予定の産業競争力強化法に税制改正を盛り込むことができるか、検討する考えを示した。
一方、麻生太郎副総理・財務相は、法人税減税について「今すぐ効果があるものだとは思えない」と慎重姿勢を示した。赤字のため法人税を納めていない国内企業が約7割に上る現状を指摘し、「払っている会社には意味あるかもしれないが、払っていない会社には何のメリットもない」とも述べ、財務省内の慎重姿勢を反映した発言内容となっている。
政府内では、今春ごろから政府の成長戦略が市場の失望を招き株価が急落するリスクを懸念する声が出ていた。株価急落は政府の想定よりも早く到来しており「実体経済は大きく改善していないのだから仕方がない」と、静観の姿勢をみせる政府高官も出てきた。
(竹本能文)
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