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「中国から借金することの怖さ知れ」(EJ第3562号)
2013年06月06日 Electronic Journal
第1期のオバマ政権は、2009年1月〜2013年1月まで
の4年間です。オバマ大統領は、最初の2009年の予算で3兆
2700億ドルの財政赤字を出しています。
以来、2013年まで毎年3兆ドル以上の財政赤字を積み上げ
て、合計16兆ドル(約1600兆円)の赤字に達しているので
す。この16兆ドルの借金は、赤ん坊も含めて、3億人の米国民
一人当たり5万3000ドルの借金になるのです。5万ドルとい
えば、米国の中流家庭の年収に該当します。
この借金を米国は、中国から約2兆ドル弱、日本から約1兆ド
ル、その他ヨーロッパや企業からも合計で4兆ドル以上の借金を
しているのです。この莫大な借金の利子はすべて外国人に支払わ
れることになります。
このようにいうと、「日本だってGDPの4年分の借金がある
じゃないか」と指摘されるかもしれません。その通りですが、米
国と根本的に違うことは、日本の場合は日本国民が国債を買うこ
とによって国のほとんどの借金が埋められていることです。つま
り、日本の場合は利子は日本国民が受け取れるのです。
2012年の米大統領選において、オバマ大統領の対抗候補に
なった共和党のミット・ロムニー氏は、中国からお金を借り過ぎ
るのは危険であることを強調し、選挙戦で国民に訴えていたので
す。しかし、選挙には惜しくも敗れています。
ブルームバーグのコラムニストに、ウィリアム・ペセック氏と
いう人がいます。ペセック氏は、2012年10月、すなわち大
統領選の前に、このロムニー候補の主張に関連して、面白いコラ
ムを書いています。以下、このコラムについて、解説を交えなが
らご紹介することにします。コラムは次のような興味ある書き出
しから始まります。
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米国民は近く、金を借りる相手を中国から日本に戻すかもしれ
ない。日本は長い間、米国に対する最大の貸し手だった。20
08年9月に中国が日本に代わって外国勢として最大の米国債
保有国になった。ワシントンでは、野心満々の共産主義大国よ
りは友好的な民主国家の方が債権者としてまだましだと考える
大勢の人々が懸念を抱いた。その一人である共和党大統領候補
のミット・ロムニー氏は、米国が中国に借りをつくり過ぎてい
ると主張している。
―――――――――――――――――――――――――――――
ペセック氏は、国債のほとんどを国民が買っている日本を見習
うべきであるという主張を展開します。
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誰が米国債を保有しているかは実は問題ではない。本当の問題
は米国のような経済大国が借り入れの半分以上を海外に頼って
いていいのかということだ。米国債を国内で保有してくれる投
資家ベースを開拓するべきではないか。つまり、もっと日本の
ようになるべきではないか。
―――――――――――――――――――――――――――――
欧米人は反射的に日本を批判するところがあるとペセック氏は
指摘します。確かに、日本はバブル崩壊後に未だにデフレから脱
却していないし、日本の経済運営に問題があることは認めながら
も、欧米諸国が日本のようになれたら幸せであると説くのです。
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しかし、欧米諸国の多くが日本になれたら、日本のようなやり
方ができたら、どんなに幸運かという点にはほとんど目が向け
られていない。確かに、20年にわたる低成長とデフレは何兆
ドルもの富を消失させたし、多くの銀行を支払い不能のゾンビ
銀行にした。日経平均株価は最高を記録した1989年の4分
の1である。
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ペセック氏は、日本はデフレに苦しみながらも、一度もたりと
も国が崩壊の危機に瀕することがない点を指摘し、他の先進国よ
りもはるかに安定していることを強調しています。
2011年には未曽有の災害に遭遇しながらも、大震災後の信
じられないほどの国民の落ち着いた対応を讃え、米アップルなど
へのサプライチェーンの乱れも短期間で解決している点を称賛し
ています。
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しかし、その間日本は一度も崩壊の危機のようなものに直面し
たことはない。犯罪が急増することもなく、ホームレスの数が
爆発的に増えることもない。米国のリセッション(景気後退)
ほど大量に雇用が失われることもなかった。パートタイムの雇
用が増えたり、女性の就労機会が減ったり、新卒者が厳しい就
職戦線に直面したりという調整はあったにしてもだ。
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ペセック氏は、日本を1つにまとめている「接着剤」は、国内
勢による国債の保有であり、そうであるからこそ、世界最大の公
的債務を抱えながらも、10年債利回りが低い長期金利で済んで
いるとし、次のように結んでいます。
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この自己完結型のシステムが、日本にいざとなった場合の逃げ
道を与えている。デフォルト(債務不履行)の縁に追い詰めら
れたら、国民と国内企業から債務減免を受ければよいのだ。も
ちろん、そんなことは日本政府にとって考えられない話だが、
これが他の国にはないオプションであることは明白だ。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCCQ2N6KLVS501.html#
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しかし、オバマ大統領は一段と中国への傾斜を強めようとして
います。明日、7日に行われる中国の習近平国家主席との会談で
は、安倍首相や朴韓国大統領のときよりも、一層のその親密ぶり
を世界に見せつける演出をすることが予想されています。かつて
のブッシュ・小泉会談のようにです。米国の対中国宥和戦略につ
いては明日のEJで述べます。 ── [新中国論/60]
≪画像および関連情報≫
●米国の借金と日本の借金/2008年11月
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インターネットを覗いていたら、米国政府の借金は1067
兆円で日本の公的債務は1066兆円とありました。両者ほ
ぼ同額の借金を抱えている。人口はそれぞれ2億9000万
人と1億2000万人であることを考えると米国は一人当た
り368万円で日本は一人当たり888万円になる。日本は
世界最大の借金国というわけです。しかしどこで借金をした
か。日本人はあまり贅沢はしていません。米国の野球選手の
トップは日本の野球選手のトップの年俸5億円の3、4倍の
年俸をもらっている。自家用飛行機もざらである。年収2、
3百万の低所得者も大きなうちに住んでいます。米国人は大
きな車に乗り、たくさん食べています。毎年50兆円の国防
費を使っています。アフガニスタンやイラクで膨大な戦費を
費やしています。これに比べて日本は殆ど散財しませんし、
皆質素な暮らしをしています。100円ショップがはやり、
ユニクロで慎重に選んで買っています。防衛費は米国の十分
の一です。米国は節約すべきと思いますが質素な暮らしをし
ている日本人が緊縮政策をしなければいけないというのは納
得がいきません。米国の借金は75%が外国人からのもので
す。これに対して日本の公的債務の97%は日本人からの借
金です。しかも27%は政府自身からの借金です。
http://blog.goo.ne.jp/murashima_s/e/31ca6d046940061a30688c6fc970c178
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