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焦点:成長戦略は主軸の政策抜け落ち、所得・投資増加目標に具体策欠く  ロイター
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/290.html
投稿者 ダイナモ 日時 2013 年 6 月 05 日 17:04:30: mY9T/8MdR98ug
 

[東京 5日 ロイター] - 安倍晋三首相が5日に成長戦略第3弾を発表し、14日に正式決定する成長戦略の主要項目が出そろった。

日本経済が本当に競争力を回復できるか内外投資家の注目を集めていたが、一律の法人減税や、雇用流動化策が盛り込まれなかったため、主軸となる政策が抜け落ちているとの指摘を専門家から受けている。このため投資の自由度確保や、不採算事業からの撤退と新事業シフトへの足かせが残り、産業構造の変革や国民所得押し上げの力が不十分で、具体的な支援策に乏しい内容と評価されている。

<法人減税触れず、投資促進とちぐはぐに>

安倍首相は今回の成長戦略で、10年後に1人あたり国民総所得(GNI)を現在の水準から150万円増加させるという所得目標を掲げ、リーマンショック前の水準と並ぶ年間70兆円規模の設備投資回復を目指した。

しかし、達成するための具体策は示されなかった。「税制支援なき成長戦略」(第一生命経済研究所・主席エコノミスト・熊野英生氏)では、所得増加や投資増強への推進力に欠けると見られている。

中でも成長戦略で企業が最も期待していた法人減税について、安倍首相は今回の成長戦略に盛り込むことができなかった。経済界では「次の成長につながる投資を実施するかどうかは、一律の法人減税が大きなファクターになる」(経団連)とみているだけに、肝心の法人減税に触れずじまいだったことに「減税議論が打ち止めになることは心配だ」として懸念を隠せない。

5月ロイター企業調査でも、成長戦略への期待項目として法人減税が最も多かった。多数の企業が法人税減税について「内部留保に直接寄与し、グローバル競争力確保の投資や賃金増加に使える」と回答している。内需型企業からも「新規事業分野へのトライを促すための余裕を生み出せる」として期待されていた。

政府も、投資対象を限定した政策減税については検討課題として念頭においている。甘利明・経済再生担当相は5月28日の諮問会議後の会見で「日本の競争力強化に資するような研究開発や設備投資については、大いに検討していい」と政策減税について前向きな発言をしている。

しかし、企業サイドからみると「目的や需要に縛られて新たな事業への投資への自由度が奪われる政策は、効果が一部の業界や投資項目に偏る」(経団連)として、さほど歓迎されていない。

ただ、 財政状況の厳しい中で法人税を一律下げることについては、甘利担当相も「財政余力との相談になる」と指摘しており、財政再建とのバランスに政府も苦慮する面があるのは事実だ。

もっとも企業にとって、部分的には評価されるべき政策も盛り込まれている。ベンチャー企業支援策として、中小企業事業者の借り入れの際に「個人保証」を求める慣行からの脱却を目指すことが盛り込まれた。商工中金では「アジアへの進出という海外展開支援策と、個人保証の見直しにより、中小企業は新事業の展開がやりやすくなる」として、歓迎している。

<産業構造改革に不可欠な雇用流動化、明記されず>

日本再生のもう一つの切り札として成長戦略に期待されていたのが、雇用の流動化策だ。日本が海外企業から遅れをとった原因の一つが、不採算事業からの撤退の遅れと新規事業への円滑な雇用資源のシフトが進まないことにあると、専門家は指摘している。

今回の成長戦略では、厳しい条件の下で実施されている人員整理解雇を、条件を緩和して好況時にも、企業が大胆な事業再編が行いやすよう雇用シフトを進め、一方で再雇用などセーフティネットを拡充することが求められていた。

例えば、電機業界では不採算事業からの撤退が遅れ、競争力低下を招いたが、企業からは「解雇条件が厳しく、国際競争力低下の要因となっている」(5月ロイター企業調査)との声が寄せられていた。

こうした状況について、日本総研・調査部長の山田久氏は「欧米企業と比べて競争上、不利になっている。日本では不況期に事業再編のための整理解雇が認められているが、本来は景気のいいときに、新事業が出てきて、人とカネをシフトさせるべきで、それをルール化して背中を押すことが必要」だと指摘している。

なぜ、議論が進まなかったのか──。山田氏はそもそものメンバー選びに失敗したとみている。本来は政労使で議論するはずのこの問題について、産業競争力会議の会合では経営者と学者と政治家だけが議論をし、労働者側のメンバーを参加させていない。このため、労働者側に後ろ向きの解雇との印象を与えかねないとの懸念を生み、「小粒の政策ばかり」(山田氏)に終わってしまったとも言えそうだ。

<喫緊の課題・賃金引上げ策、明確な目標なし>

安倍首相が掲げた国民所得の増加は、円安コスト転嫁や期待インフレ率の芽生えなどで物価が上がり始め今、賃金上昇が喫緊の課題となるなか、重要なテーマに浮上している。

しかし、「どうやって賃金を上げるかについては、首相は微妙に避けている」(熊野氏)と指摘される。目標数字を掲げるにしても、「国民所得の増加というわかりにくい概念をもちだすよりも、賃金増加目標を掲げる方がはるかにわかりやすい」(同氏)というわけだ。

このほか、安倍首相は国家戦略特区での国際ビジネス環境を盛り込んだ。外国人医師の受け入れや、容積率規制の緩和などを挙げている。もっとも特区による試みがどの程度波及していくのか未知数だ。

安倍首相は、アベノミクスが異次元緩和と大規模な財政出動による一時的効果に終わらないと力説してきた。

そして、今回の成長戦略でも「目標を達成するまで政策を打ち続ける」と力説した。踏み込み不足となった主軸の政策についても、今後も議論を継続し見直しが入る可能性はあるだろう。経団連では「今後、防災対策や企業に優しい成長戦略に信頼が持てれば、企業も、震災後に海外シフトした中長期事業計画を再考することになるかもしれない」とみている。

(ロイターニュース:中川 泉 編集:田巻 一彦)


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE95404V20130605?sp=true  

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01. 2013年6月05日 20:12:02 : e9xeV93vFQ
名目3%、実質2%の成長率目指す−10年間平均で、成長戦略素案 (1)

  6月5日(ブルームバーグ):政府は5日夕、成長戦略の素案を公表した。安倍晋三首相が同日の講演でも表明した国家戦略特区の創設や規制緩和などを盛り込んだ上で、国内総生産(GDP )成長率について今後10年間の平均で名目3%、実質2%程度を目指す方針を示した。
国際的なビジネス環境整備を推進するという特区については、制度設計に応じた税制措置を検討の上、必要な措置を講じると表明。
公的年金運用の在り方に関しては、有識者会議が検討を進め、秋までに提言を得るとの方針を明らかにした。10年後に一人当たりの名目国民総所得を150万円以上拡大することが期待されるとし、中長期的には2%以上の労働生産性の向上を実現するとの目標も示した。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 広川高史 thirokawa@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2013/06/05 19:17 JST


 

 

成長戦略に失望し株安・円高、参院選後の抜本策期待も
2013年 06月 5日 17:23 JST
[東京 5日 ロイター] - 安倍晋三首相の「成長戦略」第3弾に対し、市場には失望感が広がったが、期待が消えたわけではない。参院選で自民党が勝利して安定政権を確保すれば、今度こそ潜在成長力を高めるような抜本策を打ち出すことができると期待する見方が多い。

ただ、既得権に切り込むような構造改革には反対圧力が強まるのは必至で、「真の成長戦略」を策定できるかは依然不透明だ。海外の長期投資家が様子見姿勢を続けるなか、短期筋のポジション巻き戻しによる株安・円高が進んでいる。

<短期筋が円買い・株先売り・債先買い>

安倍首相が5日の講演で示した「成長戦略」第3弾は「国家戦略特区」の創設や対日投資の加速策、一般医薬品のネット販売解禁などほぼ事前報道通りの内容だった。しかし、一部の海外勢などは期待の「ハードル」を高めていたとみられ、円買い・株先売り・債先買いが加速。ドルは再び100円を割り込み、日経平均.N225は518円安と今年3番目の下落を記録、1万3000円の節目に接近した。

「海外勢の一部には、法人税の引き下げや年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用方針見直しについて言及されるとの期待感があったほか、日本株の最近の急落で、リップサービス的なサプライズがあるかもしれないとの予想も出ていたことで、高い期待感に対しての失望が強まった」(外資系証券)という。

ただ、短期筋の売買に振らされた面も大きい。安倍首相の講演が始まった直後、日本株はいったん買われたが、サプライズがないとわかると一転売りが膨らんだ。「ボラティリティが高過ぎて、長期投資家などは手が出せない。薄商いの中を短期筋の売買がわが物顔で相場を動かしている。成長戦略への評価というよりも、短期売買の材料に使われただけ」と証券ジャパン・調査情報部次長の野坂晃一氏は指摘する。

売り方の「武器」は高水準の裁定買い残だ。東証のデータでは、裁定買い残は5月17日にピークを付けた29億株から、5月30日には26億株まで減少したが、「ここ数日の急落を経てもまだ売り方の武器としては十分な大きさだろう」(国内証券)とみられている。日経平均のオプションのプット建玉も1万3000円に集中しており、割ればヘッジ売りが加速するため、大台下抜けを狙いに来ている可能性もある。

<長期投資家の日本株評価は変わらず>

海外の長期投資家は日本株への見方を変えたわけではないという。立花証券・顧問の平野憲一氏は「海外のミューチュアル・ファンドや年金ファンドなどは、依然として押し目でのバイアンドホールド戦略を続けている。日本株に対しての見方が何か変わったわけではない」と話す。

5月22日には17.3倍だった日経平均の予想株価収益率(PER)は14.5倍まで低下してきた。ドル/円は100円を再び切ってきたが、企業の想定為替レートである90─95円にはまだ余裕があり、上方修正要因には変わりない。金融緩和の「出口」が視界に入る米国に対し、デフレ脱却を目指す日本の金融緩和はしばらく続く可能性が大きく、この点からの円安圧力は継続する。

市場では、参院選で自民党が大勝すれば、経済政策を放り出し、改憲などにいそしむのではないかとの懸念もあるが、「大事業」に取り組むには、国民の高い支持率が不可欠。そのためには経済対策をしっかり行うことが重要になる。参院選で自民、公明両党が過半数を回復し、安定政権を確保すれば今度こそ潜在成長力を高めるような抜本策を打ち出すとの期待もある。

<市場の期待はサプライサイド戦略>

市場が期待するのは、サプライサイドの成長戦略だ。「日本経済がインフレなき持続的な経済成長、いわゆるゴルディロックス・エコノミーに中期的に移行することを予感させる抜本的なサプライサイド政策が必要だ」とシティグループ証券・エコノミストの飯塚尚己氏と話す。

サプライサイドの政策とは、財政拡大などで需要拡大を促すディマンドサイド政策に対し、減税や規制緩和による新規産業の立ち上げで、供給側の競争力を高めて経済浮揚をねらう考えだ。設備投資の活性化による資本ストックの若返りや、潜在的な労働供給力の拡充、研究開発に対するインセンティブ供与、産業や企業の「新陳代謝」を活発化させることなどで生産性の向上を図る。

ただ、政府が資金を供給するディマンドサイド政策に反対は少ないが、時には既得権に切り込まねばならないサプライサイド政策には反対も強くなる。市場では「成長戦略を並べたとしても実行できるかは極めて不透明だ。これまでの政権はみなそうだった。抵抗勢力の反対を押し切る強い意志が安倍首相にあるかはまだわからない」(国内投信エコノミスト)との懸念は根強い。

BNPパリバ証券・日本株チーフストラテジストの丸山俊氏は「成長戦略」について「向こう1─2年の国内総生産(GDP)増大に寄与しやすい財政政策や金融政策と異なり、今回の成長戦略は消費者や企業の行動自体を変えていくことで長期的な経済成長を促すものであり、長期投資家の資金をいかに日本に引きつけられるかが重要だ」と述べている。

(伊賀 大記 編集:田巻一彦)

 

成長戦略:今後10年で30兆円規模の電力関連投資−高効率火力

  6月5日(ブルームバーグ): 安倍晋三首相は5日、都内で成長戦略の第3弾について講演し、今後10年間に電力関連投資を過去10年間の実績の1.5倍程度となる30兆円規模に拡大できるとの考えを明らかにした。
安倍首相は、コストの安い石炭火力の需要が世界で高まっており、国内の発電所で既に利用されている最高水準の技術を米国、中国、インドの石炭火力に適用すれば、日本の総排出量を超える二酸化炭素を削減できると指摘。石炭火力発電の技術の高効率化をさらに進め、海外に輸出する方針を示した。
電気事業連合会のデータによると、2012年度の発電電力量全体に占める石炭火力の割合は28%。資源が特定の地域に偏っていないことや価格が安いために、震災以前から石炭火力は安定的に活用されている。
現在国内の最新型石炭火力発電所で用いられる「超々臨界圧」方式では発電効率が40%を超えている。この方式を採用した磯子火力発電所(横浜市)を保有するJパワー(電源開発)のウェブサイト上の資料によると、中国やインドの発電効率は平均30%台前半と、日本の水準を下回っている。
東京電力や東北電力などが出資する常陸共同火力勿来発電所10号機(福島県)では、石炭をガスに変えてから燃焼させることで燃焼効率を高める「石炭ガス化複合発電(IGCC)」の技術を用いており、4月1日に実証段階を終えて商用に移行した。国内で唯一商用化されたIGCC方式で、発電効率46%を誇っている。
安倍首相は、風力発電や地熱発電なども含めた「あらゆるエネルギー技術」を国内で投資することで育て、世界に向けて輸出することが「資源小国・日本の唯一の生きる道」と訴えた。
電力システム改革
さらに国内産業の競争力を高めるために、小売りの全面自由化や発送電の分離など電力システム改革が必要だと強調。改革に向けた法案の成立に意欲を見せた。
一方で、原発の再稼動や今後の利用に関する言及はなかった。安倍首相の講演後、収益の黒字化計画が柏崎刈羽原発の再稼動動向に大きく影響を受ける東京電力の株がストップ安 を付けるなど、電力株は大きく売られた。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 岡田雄至 yokada6@bloomberg.net;東証 Tsuyoshi Inajima tinajima@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Alexander Kwiatkowski akwiatkowsk2@bloomberg.net
更新日時: 2013/06/05 16:27 JST

 


債券上昇、日銀買いオペや株急落で買い優勢−入札控え超長期債は安い

期国債の買い入れオペや株価が大幅下落したことが買い手掛かりとなった。半面、あすに30年債入札を控えた売りで超長期債は安い。
東京先物市場で中心限月の6月物は、前日比7銭高の142円57銭で開始。しばらく横ばい圏でもみ合ったが、午後の取引開始後に水準を切り上げた。日本株 が下げ幅を拡大すると、一時は143円02銭と2営業日ぶりに143円台に乗せた。結局は28銭高の142円78銭で引けた。
現物債市場できょうから長期金利 の指標となる新発10年物国債の329回債利回りは前日比1.5ベーシスポイント(bp)低い0.875%で開始すると、徐々に水準を切り下げ、一時0.84%まで低下した。午後3時ごろにはいったん0.86%を付けたが、その後は0.855%で推移した。新発5年物の111回債利回りは2.5bp低い0.29%に下げた。
DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャーは、「前日午後には超長期ゾーンが売られ、債券先物にヘッジ売りが優勢だったため、株安・円高などを通じて買い戻しが膨らんだ」とし、先物の買い戻しが午後の相場上昇の引き金になったと説明。あすの30年債入札については「やや不安。利回り1.8%台は悪くない水準だが、週末に米雇用統計発表を控えて強い需要集まるとは考えにくい」と述べた。
日銀はこの日、今月2回目の長期国債の買い入れオペ(総額1.2兆円)を実施した。オペ結果によると、残存期間「1年超3年以下」の応札倍率は4.90倍と前回から上昇。「3年超5年以下」は3.94倍と前回から低下。「5年超10年以下」は3.40倍と前回から上昇した。落札金利は実勢をやや下回ったとみられ、債券市場で買い材料となった。
三井住友アセットマネジメント債券運用グループの永見哲シニアファンドマネジャーは、「オペが比較的しっかりした結果だったのでそれを受けて買いが入っている。日本株が再びマイナスになってきているので買われ始めている」と話した。
30年債入札を警戒
あす6日に30年利付国債の入札が実施される。表面利率(クーポン)は前回債と同水準の1.8%が見込まれている。発行予定額は6000億円程度。4日の10年債入札が低調となったことから、市場では30年債入札に対して警戒感が出ている。
みずほ証券の早乙女輝美シニア債券ストラテジストは、30年債入札について、10年債より金利水準重視の投資家が多く、金利水準が上がれば上がるほど安心できると指摘。このため、「きょうの段階で金利を押し下げる方向でポジションを取りに行くということには手控えムードが強まってしまう」と話した。
新発20年物の143回債利回りは1bp高い1.68%と5月30日以来の高水準まで上昇。新発30年物の38回債利りは2.5bp高い1.83%と5月29日以来の高水準を付けた。
5日の東京株式相場は大幅反落し、TOPIX は前日比3.1%安の1090.03、日経平均株価 は3.8%安の1万3014円87銭で終えた。東京外国為替市場では株安を受けて午後に円買いが再燃。ドル・円は1ドル=100円を割り込み、99円台前半まで円高が進んだ。
DIAMの山崎氏は、株価が午後に急落したことについて、安倍晋三首相の講演後のタイミングを考えると、成長戦略が期待に沿わなかった可能性があると指摘。株安や円高などが債券買いの勢いを加速させたと説明した。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net
更新日時: 2013/06/05 16:11 JST


 

成長戦略第3弾、国家戦略特区創設や対日投資加速:識者はこうみる
2013年 06月 5日 14:05 J

[東京 5日 ロイター] - 安倍晋三首相は5日昼、内外情勢調査会で講演し、「国家戦略特区」の創設や対日投資の加速策などを盛り込んだ成長戦略の第3弾を発表した。成長戦略を実現することで「10年後には1人あたりの国民総所得(GNI)を現在の水準から150万円増やすことができる」という。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●既得権益見直しの意思示す

<SMBC日興証券 チーフ債券ストラテジスト 末澤豪謙氏>

発表された成長戦略の第3弾は、「国家戦略特区」の新設、一般医薬品のネット販売解禁などが柱となっているが、ある面、事前の報道通りとの印象を受ける。安倍晋三首相は「規制改革」が成長戦略の1丁目1番地と発言している通り、規制改革について、どのような岩盤にでも立ち向かう姿勢を打ち出した感じだ。

既得権益について今後、大幅な見直しを行うという意思表明をした点では株式市場にはプラス要因だ。ただ、現実に具体策が進むのは、7月の参院選後と思われるので、足元で金融市場に与える影響は限定的になるだろう。ただ、公的年金運用の見直しに関しては中長期的に運用スタイルが大きく変わる可能性があるため、夕方の産業競争力会議で出てくる成長戦略の素案の内容を見守りたい。

●ミクロでは評価も株価全体の上昇には力不足

<BNPパリバ証券 日本株チーフストラテジスト 丸山俊氏>

成長戦略第3弾の内容はおおむね事前報道通りで、市場全体のセンチメントに影響を与えるようなサプライズはない。マーケットの反応は発表のタイミングに合わせた短期筋の仕掛け的な動きだろう。株式市場にとっては、一般医薬品のインターネット販売解禁や、街の中心部での居住促進に向けた容積率規制の変更などミクロのビジネスチャンスを評価して、個別株で物色される可能性はありそうだが、全般相場を押し上げるだけの力はないとみている。

向こう1─2年の国内総生産(GDP)増大に寄与しやすい財政政策や金融政策と異なり、今回の成長戦略は消費者や企業の行動自体を変えていくことで長期的な経済成長を促すものであり、長期投資家の資金をいかに日本に引きつけられるかが重要だ。

●全体的に小粒の印象

<三井住友信託銀行 マーケット・ストラテジスト 瀬良良子氏>

医薬品のインターネット販売解禁や容積率の規制変更などが盛り込まれているが、全体的に小粒の印象を受ける。サプライズではなかったし、期待を先取りするという意味では厳しい内容になっている。これをみて期待を高めていくようなことはできない。盛り上げるというよりは、お手並み拝見といったところにとどまるだろう。海外勢は失望する可能性がある。
 


 


 


都市部の出生率低く…「晩産化」くっきり 人口動態統計
2013.6.5 19:49
 合計特殊出生率が1・41と16年ぶりに1・40を超えた平成24年の人口動態統計(概数)。しかし、都市部の出生率は低いままで、初産年齢が遅い「晩産化」の傾向もくっきり。厚生労働省は、「全体の出生率は上がったが、20代女性では下がっており、今後も少子化は続く」と分析する。

 統計によると、女性の初産の平均年齢は、昭和50年には25・7歳だったが、徐々に上昇。平成23年に初めて30歳を超え、今年は30・3歳になった。

 年齢別にみると、30〜49歳の出生率は前年より上昇したが、15〜29歳の若い世代では低下。初婚年齢も上がっており、晩婚化が晩産化につながっているといえる。厚労省は「20代での出産率が低かった団塊ジュニア世代(調査時点で38〜41歳)が、35歳以上になって子供を産んでいる」とみているが、団塊ジュニア世代以降は女性の人数が減ることから、今後も少子化は進むとみられる。

 さらに、出生率を都道府県別でみると、九州・沖縄地方で高く、東京、京都、埼玉、神奈川、大阪など都市部では低い。

 国は、15年に少子化社会対策基本法を制定。これに基づく大綱「子ども・子育てビジョン」で、妊婦検診の公費負担や不妊治療の援助などの経済的支援策を打ち出している。都市部で特に問題になっている待機児童の解消など「子育てしやすい環境づくり」も目指すが、少子化を食い止める“特効薬”にはなってはいないのが現状だ。

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02. 2013年6月05日 20:26:25 : KO4C9oEhYU
成長戦略と言いながら内容はデフレ政策だった。結局、市場原理主義者どもの政策だから目的達成どころか逆に益々デフレになる。アホノミクスであることは間違いない。それにしてもバカ政策をそのまま無批判に報道するNHKは何なんだろう。国民の敵である事は間違いない。

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