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日銀券の量は横ばいだ!
異次元緩和策はキャッシュを増やさない政策だった!
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ogasawaraseiji/20130601-00025380/
2013年6月1日 11時36分 小笠原 誠治 | 経済コラムニスト
アベノミクスは最高!なのか、それとも再考した方がいいのか? どう思います?
ご承知のように、アベノミクスに関しては絶賛する声もあれば、とんでもない政策だと批判する声もあるのです。
なかには、アホノミクスだなんて言う人もいる!
いずれにしても経済学に疎い人は、否、経済学を一通り学んだ人でも、どう判断したらいいのか分からないかもしれません。
何故ならば、ノーベル経済学賞を受賞した学者の中にも、アベノミクスを支持する人がいる一方で、アベノミクスを批判する学者も多い。それに、そもそもインフレを起こしたら何故経済が復活するのか、そのメカニズムがよく分からない。確かに物価が低下するような状況よりはいいかもしれないが、インフレが起きただけで全てが解決するのか、と。それは甘いのではないのか、と。
さらに、アベノミクスを支持する人々のなかにも、インフレを起こすことに成功すれば、景気が回復するという人もいれば、そうではなく、景気が回復するとともにインフレが起きるという人もいる。或いは、景気がよくなるから賃金が上り、インフレになるという人もいれば、賃金が上らないとインフレは起きないという人もいる。
つまり、アベノミクスを支持する人の意見といっても、千差万別!
で、結局、何故今までのところアベノミクスを支持する人が多かったかと言えば‥株価が上がっていたから、というだけの話ではないでしょうか?
しかし、その株価が、ご承知のように調整局面を迎えているので、改めてアベノミクスの効能が問われているのです。
再び問います、アベノミクスは最高なのか?
仮に5月23日以降の株価の乱高下が起きていなかったとするならば、今でもアベノミクス最高というムードが続いていたかもしれません。
しかし、現実には株価が暴落した。だから、アベノミクスを再考しなければいけない、というムードも出てきている。
例えば、アベノミクスはマイルドなインフレを起こして景気を良くするものであるというのが、そもそものリフレ派の主張だったと思うのですが、今のところ、前年同月比で見る限り物価はマイナスを続けており、その意味で効果は出ているとはまだ言えないのです。
その一方で、アベノミクスが急ピッチで円安をもたらしたのは事実。そして、そのお蔭で株価の上昇をもたらしたのも事実。
しかし、冷静になってみれば、幾ら円安が起きても輸出数量はまだ減少を続けているという恐ろしい現実がある。
結局、麻生財務相などがよく言うとおり、「景気は気から」ということで、気分を変えることに成功し、その結果、実際に景気がよくなっている、或いはそのように感じられる、というだけの話ではないのでしょうか?
しかし、そうやって主に気分によって支えられている景気だからこそ、逆にもろさもある。何かのきっかけで株価が低下すれば、今までの株価の上がり方が急ピッチすぎたから、と言い訳を言いたくなる。
結局、この5か月間ほどの景気回復の真相はそんなものでしかないのです。
これが、例えば、出生率が再び急速に上向いてきているとか、日本の企業の、海外を驚かせるような新商品の開発が続いているとか、というのであれば、話は全然違います。
現実は、黒田総裁が、マネタリーベースを2年で2倍にするという異次元の緩和策を採用しただけのことなのですから。
それだけのことで、実体経済をかくも急速に変えることができるのか、と。
それに、その異次元の緩和策についてなのですが‥マネタリーベースを2年間で2倍に増やすと日銀の黒田総裁は断言している訳ですが‥
だったら、今世の中に出回るお札が着実に増えているのでしょうか?
その辺のことをアベノミクスを支持する人々はどのように考えているのでしょうか?
マネタリーベースは着実に増えているが、お札の量が増える訳ではない、と思っている人がどれだけいるのでしょうか?
黒田氏のデビューはあれほど華々しかったのですが‥いずれにしてもこの2〜3カ月間ほどにどれほど世の中に出回っているお札の量が増えていると思いますか?
次のグラフをご覧ください。
http://img.asyura2.com/us/bigdata/up1/source/14121.jpg
日銀券の量は横ばいだ!
さあ、如何でしょう?日銀券は増えていると言うのか?
はっきり言って、横ばいでしょう!
確かに、日銀が大量に国債の保有量を増やしているために、日銀当座預金は着実に増えています。しかし、日銀券は、横ばいなのです。
これでどうやってインフレが実現できると言うのか?
もちろん、景気は気からと言うことで、そのような事実に人々が無頓着であれば、ひょっとしてインフレが起きるかもしれない。しかし、多くの人々が、日銀券は全然増えていないぞ、という認識を持ち始めたら、それこそ人々の気持ちはまた元の状態に戻ってしまうのではないでしょうか?
以上
小笠原 誠治
経済コラムニスト
1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。以降、経済コラムニストとして活躍。
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