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会社を動かしているのは、経営者か、労働者か。もちろん、多くの人が経営者だと答えるだろう。では、会社が傾いてリストラされるのは、経営者か、労働者か。
もちろん、それは労働者だ。
日本では、かつての終身雇用はすにで崩壊した。求人も減り、国民の貧困率も上昇している。日本もまた大きな失業社会になった。そして、企業も「生き残り型」に変化した。
つまり、企業は社員というコストのかかる人件費を切り捨てるように変化していったのだ。
会社は、大きく分けると3つの階層に、明確に分かれる。
・オーナー(株主)
・マネージャー(経営者)
・労働者(派遣社員)
社員という概念が捨てられて、労働者という概念に入れ替えられた。もちろん、年功序列もなければ、終身雇用もない。逆に、いらなくなったら捨てられる。
■グローバル化によって会社は「無国籍」に
今サラリーマンと言われている多くの人たちは単なる労働者になるのだから、その賃金は新興国なみの低賃金になるまで落とされていく。
逆に、利益を上げるマネージメントの職業はべら棒な高給で雇われるようになる。
社会が二極分化する。
能力があからさまに賃金の格差を生み出すので、社会そのものは格差社会が当たり前になっていく。
しかし、どんなに能力があっても、他に低賃金で同じ能力を提供する国や人が現れれば、すぐにでも解雇されて低賃金・高能力の人間が雇われる。
会社にとって、仕事ができるのであれば、日本人でも外国人であっても関係ない。同じ能力なのであれば、安く雇える方を選ぶに決まっている。
グローバル化によって会社は「無国籍」になっているので、その時その時でもっとも賃金の安い国へ労働場所がシフトする。
別に日本で生まれた会社だからと言って、日本人がメインでなければならないという法律はないからだ。
ソニーもニッサンもトップは外国人になったし、トヨタもホンダも工場労働者は日本人ではない。
日本人の賃金が高いのであれば、それは日本人の大きな欠点となる。さしずめ、日本人にとってはアジア圏の人々がライバルになるだろう。
アジア圏の人間のほうが能力が高いのであれば、日本人は解雇されるか、もしくはアジア圏の人間と同じ賃金に収斂していく。
日本人の給料が、猛烈な勢いで下げられていく
■日本の物価がどうであろうと関係ない。
たとえば、タイ人が日本人よりも優れており、彼らの月給が月3万円であれば、企業は彼らを雇うようになるだろう。
日本人がどうしても、そこで働きたいのであれば、日本人の賃金も月給3万円に引き下げられる。
中国人が月給1万円で同じ仕事をするのであれば、日本人の月給もまた1万円に引き下げられる。
あなたはこの文章を他人事のように読んでいるかもしれない。しかし、あなたが人に雇われて生きているのであれば、それがあなたの行く末になる可能性が高い。
ユニクロの柳井正氏は「世界同一賃金」を提唱し、仕事のできない人間は「年収100万円も仕方ない」と言った。そんな時代が来ているのである。
国や企業は一度頂点から転がり落ちると、加速度がついて悪化する。だから、給料の減少、年金の減少は、ある日突然、驚愕するほどの低額になる。
繰り返すが、サラリーマンがグローバル化によって一番、大きな被害に遭う。もっとも被害を受けるリスクの高い職業だと断言してもいい。
会社に勤めていて、それほど飛び抜けた能力のない人間(つまり普通の人)は、みんなまとめて給料減少の憂き目に遭う。
アジア(中国、東南アジア、南アジア)は低賃金であえぐ国だったが、グローバル化の流れに乗って俄然、その低賃金が他国の企業にとって魅力的なものになった。
そして、今やアジアから「低賃金が輸出」されるようになっている。日本人の給料が、猛烈な勢いで下げられていく時代になったのである。
■日本人の低賃金化の対応策は「自殺」だった?
日本人は、この低賃金や貧困化に対して、どのような「対策」を取っているのか。もちろん、多くの人たちは、まったく何の対策も取っていなかった。
だから、追い詰められていくと多くの人が「自殺」を余儀なくされていった。
客観的に見ると、「自殺が対応策である」とも言えるような悲惨な状況になってしまっているのである。
日本でグローバル化が本格化したのは1990年頃からだ。そして、その頃から自殺者が膨れ上がっていった。最近は自殺者が減ってきているのだが、それでも3万人前後もいる。
自殺者の70パーセントは男性だ。50歳〜59歳の男が一番自殺者の多い年代となっている。
この年代は不景気をもろにかぶって住宅ローンや子供の教育ローンで追い詰められ、リストラされたら家族もろとも破綻する運命にある。
だから、家族を守るために死にものぐるいで働き、借金し、最後にどうしようもなくなって、追い詰められ、逃げ場を失い、自殺していくのである。
しかし、追い詰められているのは、もちろんこの年代だけではない。
何十社、何百社から就職を断られ続けている若年層や女性もまた追い詰められている。
失業率が高まって、ギリシャやスペインやアメリカでは若者による暴動やデモが起きているが、日本では暴動やデモが起きない代わりに「自殺」が起きている。
■自殺者が減っているのはどういうことなのか?
日本人は怒りを抱くと、外ではなく内へと向かう傾向があるとはよく言われる。だから、社会的に追い詰められても、デモや暴動で暴れるのではなく、自分を責める方向に向かっていく。
「就職できないのは自分が劣っているからだ」
「就職できないのは自分が望まれていないからだ」
「自分は役に立たず、経験も足らず、優秀ではない」
「リストラされたのは自分が至らないせいだ」
「給料が下げられたのは自分が至らないせいだ」
日本人は心の中で自己批判し、自分に起きた不幸を社会のせいにするというよりも、自分のせいにする。そして、それによって自分を追い込んでいく。
すべてが個人の責任ではないにもかかわらず、日本人は個人で他人の失敗まで引き受けて追い込まれて行く。真面目な人ほどそうだ。
ところで、昨今は自殺率が下がっている。世の中が良くなったのだろうか。いや、世の中は何も変わっていない。しかし、自殺率は下がった。なぜだろうか。
それは、こういうことかもしれない。
自殺というのは、良い状況から悪い状況に落ちたときの喪失感や絶望感によって生まれる。日本は1990年以来、20年に渡ってそのような状況だった。
しかし、最近は最初から貧困、最初から低賃金の人たちで溢れるようになった。つまり、「良い状況」を知らないまま、悪い状況が当たり前として暮らす。
そうなると、「良い状況から悪い状況に落ちたときの喪失感や絶望感」というものがない。
生活環境を落としたくないという焦燥感もなければ、無理や住宅ローンや借金も最初からない。
貧困が固定化し、しかも仲間が多いと、それが当たり前だから逆に何も感じなくなってしまうのだ。
自殺者が減っていくというのは、要するに「悪い状況」が日常になった人が増えたということを意味するのではないだろうか。
日本が衰退して20年。すでに、衰退する日本の姿しか知らない人間も増えた。衰退と貧困化が当たり前になった。 そうなると、それが自殺する要因にならなくなってしまう。
貧困に落ちたくないという焦燥感が自殺を誘発する。
最初から低賃金で貧困層も増えていれば自殺が減る。
自殺者が減ったというのは、すなわち、日本もいよいよ貧困層の固定化が始まったと考えれば、納得できるかもしれない。
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