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アベノミクス相場は終わらない 市場に乱高下はつきもの 経済評論家・山崎元 
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/159.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 5 月 30 日 11:27:00: igsppGRN/E9PQ
 

            1143円安の暴落を記録した23日の相場


アベノミクス相場は終わらない 市場に乱高下はつきもの
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130530/ecn1305300710001-n1.htm
2013.05.30 夕刊フジ


 5月23日、これまで調整らしい調整がなかったアベノミクス相場に、前日比1143円安の急落が訪れた。「株価は上がるのが当たり前」との証券界の意識を反映してか、この業界では株価が下がることを「調整」という。また上がって欲しいとの願いが透けて見える。

 加えて、この日は、高値と安値の差が1458円もある派手な「乱高下(らんこうげ)」が演じられた。

 このムードは翌24日にも持ち越され、日経平均は、終値こそ前日比128円高にとどまったが、1日の値幅は1025円あった。不安定な動きは、もうしばらく続くかもしれない。

 今回の大幅下落の原因は、23日の取引時間中に発表された、中国の景気指数の悪化が挙げられているが、端的にいって、「利食い売り」の集中だろう。ここまでの上昇プロセスはあまりにも一本調子で利食いのタイミングがなかった。まとまった利食い売りが出たときに、売り注文の連鎖が起こって株価が急落するのは、大きな上昇相場にあってはよくあることだ。

 利食い売りによって、想定外の大きさで値下がりすると、次には、買い方が念のために入れておいたストップ・ロス・オーダー(損失回避のための逆指し値注文)を巻き込んで売りに勢いがつく。

 短期間の株価急落でよく研究されているのは、1987年10月19日に米国で起こったブラックマンデーだ。当時は、多くの機関投資家が「ポートフォリオ・インシュランス」と呼ばれる損失回避プログラムを使っていて、これが連鎖的に作動してNYダウで508ドル、前日比22・6%の大暴落が起こった。

 今回の東京市場の乱高下でもHFT(高頻度取引)と呼ばれる1秒間に何度も取引を行う売買プログラムが値動きの幅を拡大したともいわれる。

 相場の乱高下にどう対処するかは古くから論じられてきた問題だ。

 短期間に大きな値動きは異常だ、大きな値動きがあると、投資家が冷静でなくなることがある、といった理由から、一時的に取引を止めるサーキット・ブレーカーと呼ばれる仕組みを取り入れている取引所が多い。今回も大幅下落局面では、大阪証券取引所の日経平均先物取引でこの仕組みが働いた。パニックに対する心理や脳の研究などでも、ある程度意義が認められている考え方だ。

 他方、取引の自由と、必要な売買がいつでもできる「流動性」の確保が大事だとする伝統的な考え方もある。こちらも一貫した考えだ。

 この先がどうなるのか。確かなことはいえないが、大きな上げ相場にあって、このくらいのショック的な調整は「十分あり得る」と申し上げておく。個人的には、アベノミクス相場がこれで終わりだとは思っていない。 (経済評論家・山崎元)


 

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コメント
 
01. 2013年5月30日 12:13:17 : k4VgzXDZ12
ま、いくら強気相場でも、日経13000円ちょい割れ、ドル円100円ちょい割れぐらいはありそう。

値ごろ買いは禁物。


02. 2013年5月30日 12:28:22 : OLDMc05uOE
山崎は以前から1000兆円以上の国債も問題ないとも
   国債大増発であっても金利上昇の心配もない
   と言っている 超能天気な評論家 笑

03. 2013年5月30日 15:29:25 : EbrYOY8LOw
1990年のバブル時、日本中が大損し、外資ハゲタカに大儲けされにも関わらず株屋や、チンドン屋達は、またもや、金や、太鼓を鳴らす。反省する、サルより、おちる。

04. 2013年5月30日 15:56:57 : KO4C9oEhYU
この人最後の一行を言いたいために投稿したのか。上げ相場だから少しの変動に一喜一憂するなと言いたいのでしょうね。山崎さんあなたがそうすればいい事で他の人に言う事ではない。あんたが結果に責任を取れるわけではないのだから。

05. 2013年5月30日 17:29:55 : cvgu2lCcKk
02 さん 私も賛同
たまには、悲観的なことを言っているとこ
聞いてみたい

06. 2013年5月30日 18:17:55 : niiL5nr8dQ
日経平均が大幅反落:識者はこうみる
2013年 05月 30日 14:30 JST
[東京 30日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅反落、1万4000円の節目を割り込んだ。前日の欧米株安や円上昇の流れを受けて主力輸出株が売られたほか、不動産、保険などの内需系も安く、ほぼ全面安の展開となっている。

株式市場に関する識者の見方は以下の通り。

●フェアバリューの範囲内、長期金利の落ち着き待ち

<東京海上アセットマネジメント投信 シニアファンドマネージャー 久保健一氏>

為替水準を1ドル101円とする単回帰モデルで算出すると、TOPIXのフェアバリューは1090―1170ポイントになる。現状はフェアバリューの範囲内であり問題のない水準だ。大型連休明けの行き過ぎた上昇を修正している局面といえる。日経平均ベースでは、いったん1万3500円を割れる可能性もあるとみているが、例年みられるような夏から秋まで調整が長引くということはないだろう。

マクロ景気は回復期に入ったところであり、今後のアベノミクスによる政策的な後押しもある。株価は高値波乱の様相だが、長期金利が落ち着けば再度上値を試す展開となりそうだ。

●短期筋の先物売りで一段の下振れも

<岡三証券 投資戦略部シニアストラテジスト 大場 敬史氏>

前週の急落以降、日経平均で1万4000円付近が支持ラインとなりつつあるが、下値リスクはまだ残っている。不安定な相場で投資家が様子見となっており、短期筋の仕掛け的な先物売りに振らされやすくなっているためだ。1万3500円程度までの下落はありうる。ただ、1万3500円程度まで下げれば、そこが底値となり、上昇基調に戻りやすくなるかもしれない。日本株の下落ほどドル/円は下がっておらず、ドル高・円安基調に戻れば、日本株高再開が期待できる。

一方、1万4000円程度で下げ渋れば、到達感が出ないまま、参議院選挙までは1万4000円─1万5000円のレンジ相場となりそうだ。

●テクニカル的に月足注目、5月も陽線なら好イメージ継続

<立花証券 顧問 平野憲一氏>

4月までは順当にアベノミクスを評価した相場だったが、5月の急上昇は投機筋によって作り上げられたものだった。先週後半に長期金利が1%をつけたことをきっかけに、一気に株先売り・債券買い戻しの動きが強まり、まだ調整が続いている。今回、テクニカル的に注目しているのは月足での動き。これまで9カ月連続で連続陽線で来ており、あす31日の引け値で陽線を引くようならば、今回の相場はスケールが大きいとのイメージが継続する。陽線となるか、陰線となるか、その動きを大変注目している。

 

 

ボラティリティ上昇に警戒、円キャリートレードの巻き戻しも
2013年 05月 30日 16:37 JST
[東京 30日 ロイター] - 歴史的な急落後に相場のボラティリティが上昇するのは致し方ないが、高いボラは投資家を手控えさせ、ポジションの巻き戻しも加速させかねないため、警戒が必要だ。市場は、米緩和縮小観測に揺れており、ドル/円のボラが上昇すれば円のキャリートレードも難しくなる。

長期投資家はボラが高まった日本株への投資を一服させており、円高は短期筋の売り材料とされやすい。円債市場も「異次元緩和」以降、不安定化しており、米債以上に利回りが上昇するおそれがある。

<円ショートの巻き戻し進む>

キャリートレードにとってボラティリティの低さは絶対条件だ。調達金利が低い通貨を借りて、高金利通貨などに投資するキャリートレードは、投資先の収益が安定していたとしても、為替のボラが上昇すれば為替差損が発生し、パフォーマンスが低下する可能性を高める。さらに投資家にとっては、リターンそのものだけでなく、リターンのバラつきもパフォーマンスを左右するため、ボラの上昇はキャリートレードを解消し、リスクオン・ポジションを巻き戻す要因となる。

ドル/円オプションのボラティリティ1カ月物は13ポイント台と22日の11ポイント台から徐々に上昇。今年2月以降の11─14ポイント程度のレンジ内に収まっているものの、市場では米緩和縮小観測で市場が揺れるなか、ドル/円のボラが上昇、キャリートレードが解消され、円高が進むのではないかとの懸念が出ている。

昨年11月半ば以降、ドル/円のボラティリティは上昇傾向にあり、ボラ上昇を嫌う円キャリートレードが大きく積み上がったとは限らないが、「リスクオン・ポジションの巻き戻し局面が続くなか、円キャリートレード解消の思惑も円高材料とされた」(外資系証券)という。日銀の緩和観測が強まるなか、投機筋の円ショートポジションは積み上がっており、5月21日までのIMM通貨先物の取組では9万5186枚と「安倍相場」で最大となっていた。ポジションの巻き戻しが継続するなか、30日の東京市場でドル/円は一時100.58円まで下落。5月10日以来、3週間ぶりの安値を付けた。

東海東京調査センターのシニアストラテジスト、柴田秀樹氏は「米景気回復に伴う米金利上昇とドル高シナリオが崩れたわけではないものの、株価の急落で為替もボラが徐々に高まっており、リスクオンポジションの調整フェーズに入っている。100円までは過度な円高の修正局面であったが、100円より上はリスクを取って円をショートする水準だ。ボラティリティの上昇はリスク許容度を低下させ、円ショートポジションを巻き戻す要因になる」と述べる。

<日本株も再び急落>

円高に拍車をかけたのが、日本株の急落だ。日経平均.N225の下げ幅は700円を超え、4月23日以来となる1万3500円台まで下落。日本株と連動性を高めているドル/円の売り要因となった。TOPIX.TOPXも1134ポイントまで下落している。

日経平均ボラティリティ指数.JNIVは23日の48ポイントからは低下したものの、36ポイント台と高止まり。「恐怖指数」と呼ばれ、投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ・インデックス(VIX指数).VIXもまだ14ポイント台と水準的には低いが、17日の12ポイント台から徐々に下値を切り上げている。

日本株のボラティリティ上昇はパフォーマンスを低下させるため、内外の長期投資家は手を引いており、市場の商いが薄くなる中で、短期筋の先物売買が相場を大きく変動させやすくなっている。「ボラが高く、上下ともに振れやすい中で自己売買部門を含め、オーダーを上値や下値に置いておくことができなくなっている。特に先物の板がぜい弱になっており、値が飛びやすい」(国内証券)という。

市場には「為替水準を1ドル101円とする単回帰モデルで算出すると、TOPIXのフェアバリューは1090―1170ポイントになる。現状はフェアバリューの範囲内であり問題のない水準だ」(東京海上アセットマネジメント投信のシニアファンドマネージャー、久保健一氏)との冷静な声も多いが、相場は不安定化しており、押し目買いも入りにくくなっている。東証1部売買代金は3.3兆円と急落前と比べ細り気味だ。

<金利上昇にぜい弱な日本>

ボラが高いのは円債市場も同じだ。4月4日の日銀の「異次元緩和」導入以降、2カ月近くたつが、投資家はいまだに落ち着きどころを見いだせていない。米債や日本株など外部環境に振らされるなか、乱高下を繰り返している。前日6ベーシスポイント(bp)上昇した10年長期金利は30日、5bp低下した。米緩和縮小観測の強まりで米金利が上昇傾向を強めているが、不安定な円債市場では、一度「火」が付けば、米金利の上昇以上に利回りが急上昇するおそれがある。

ニッセイ基礎研究所のチーフエコノミスト、矢嶋康次氏は、米国に比べ日本は金利上昇に対してぜい弱だと指摘する。「米国はシェールガス革命で経常黒字が定着すれば、国内で米国債を消化できるようになる。軍事費も削減でき、財政赤字の縮小も進むだろう。一方、日本は緩やかな金利上昇であれば吸収できても、急激な金利上昇であれば、地銀などが耐えられなくなる」という。消費税増税だけでなく社会保障改革などを進め、財政再建への道筋を示すことが金利上昇を抑えるために極めて重要だと話している。

(伊賀 大記)


 
 

 

コラム:「行き過ぎた円安」は本当か、自然為替レートの教訓=高島修氏
2013年 05月 30日 17:55 JST
高島修 シティグループ証券 チーフFXストラテジスト(2013年5月30日)

過去半年強で急激に進んだ「円安」と「ドル高」を受けて、円の名目実効相場は史上最高値圏から急落。実質実効相場に至っては、足元で1980年代以降の最低水準近くまで低下してきた。

昨年8月に国際通貨基金(IMF)が日本経済に対する年次報告書(4条協議による経済報告書)を発表した際、実質実効円相場は1割前後の過大評価と指摘されていた。その時点からすでに2割以上下落している。果たして円の割高感の修正はすでに終わり、むしろ割安化してきたのだろうか。

<円相場「割安化」の確証はない>

実質為替相場を過去の平均との対比で語るのなら、答えは「イエス」だろう。だが、これは2―3年前に幅を利かせた「実質円相場は過去の平均水準。大した円高ではなく、したがって、さらなる円高が進む」との見解と同じである。筆者には深みのない、短絡的な議論に聞こえる。

一方、昨年8月の報告書を発表した際のIMFの指摘は興味深い。IMFは過去の平均との対比で実質円相場が1割前後の過大評価と指摘する傍ら、「現在の円相場を過去と比較すること自体が誤解を招くかもしれない。なぜなら、日本経済の現在のファンダメンタルズが過去の平均ほど強くないことは明白だからだ。高齢化、政府債務の著しい増大などの要因が影響している」と喝破していた。

これは、実質為替相場を経済ファンダメンタルズとの対比の上で考えなければ、為替相場が割高か割安かは判断できないことを意味している。実は、従来はIMF自身が実質為替相場の過去の平均からの上振れ・下振れで、円を含む各国通貨の割高・割安を評価していた。こうした単純な過去との比較をIMFは放棄し、実体経済との対比を加味する評価モデルに変更したのだ。これは為替評価モデルの世界においては、コペルニクス的転回と言っても良い。

このように為替評価をめぐる環境が複雑化する中、筆者が提唱したいのは「自然為替レート」という概念の導入である。これは、金利の世界における「自然利子率」に相当する概念だ。

名目金利から期待インフレ率を差し引いたものを実質金利と言うが、自然利子率(均衡実質金利)とは一国の経済において「貯蓄=投資」という均衡を達成させる利子率を意味する。具体的には、実質金利が自然利子率を上回っている時には、その経済には金融引締め効果が働き、実質金利が自然利子率を下回ってくると、金融緩和効果が出てくると考える。

日本においては、名目的には長らくゼロ金利政策が続いているが、デフレ期待が根強いため、実質金利はプラスで、それが自然利子率を上回っていたため、景気低迷とさらなるデフレ圧力という悪循環に陥っていた。現在、アベノミクスが取り組んでいるのは、大胆な金融財政政策でデフレ期待を払拭。期待インフレ率を上昇させ、実質金利を引き下げると共に、成長戦略(海外投資家はこれを構造改革と呼ぶ)で自然利子率を引き上げ、日銀の金融緩和効果を顕在化させることである。

これと同じ観点で、自然為替レートと実質為替相場の関係をまとめると、実質円相場が自然為替レートを上回っている間は、日本経済には引締め圧力が働き、実質円相場が自然為替レートを下回ってきて初めて、緩和効果が表面化してくる。実質円相場が自然為替レート、つまり、今の日本経済がファンダメンタルズ的に受け入れ可能な実質為替相場の水準を下回ってきているのであれば、貿易収支など国際収支面での目立った改善などを伴いながら、景気が回復し、デフレ均衡が緩やかなインフレ均衡へシフトするはずである。

逆に言うなら、そうしたファンダメンタルズ面での変化が顕在化していない間は、実質円相場が自然為替レートを下回ってきた、すなわち円相場が割安化したとの確証は得られない。実質実効円相場が過去平均から2割近く下落したので、円の割高感の修正が終わったとか、円相場は割安化したとか、そういった単純な話ではないのである。

<米国も安易な円安批判はできない>

実質為替レートを上昇(割高化)させるものは、名目為替レートの上昇か、海外を上回るインフレである。逆に実質為替レートを低下(割安化)させるのは、名目為替レートの下落か、海外に対するディスインフレである。

もちろん、実質円相場を低下させる方法には、名目円相場の下落だけでなく、デフレ均衡を継続させるという手もある。だが、上述の通り、現在、アベノミクスと黒田日銀が取り組んでいるのは、インフレ期待の醸成に伴う実質金利の引き下げである。これと整合的なのは、名目円相場の下落に伴う実質円相場の低下と考えるのが自然だろう。円相場はまだ下落しやすい政策環境にある。長期的には、日本のインフレ率が海外諸国に近づくまで、そうした政策環境は変わらないかもしれない。

ここで一つ気になるのは、米国をはじめとした海外諸国の円安に対する反応である。特に米財務省は4月に発表した為替報告書(半年ごとに米財務省が米議会に提出するもの)で、人民元や韓国ウォンと並んで、円について多くの紙面を割き、「米財務省は日本政府が競争的な為替切り下げや為替レートを政策ターゲットとしないように圧力をかける」と言明。「日本の政策がどれほど内需の成長を支えるか緊密に監視する」ともつけ加え、その後、この文言は2月に新たに就任したルー財務長官もことあるごとに繰り返し述べている。

ドル100円が具体化し始めたころから、米国の円安黙認姿勢に何らかの変化が生じたのは明らかだ。だが、足元では、史上最高値の更新を続けるなど、米株価が力強い上昇を続ける中で、ドル高が進んでいる。しかも、2月以降のドル円の上昇は、米ドル通貨インデックスの上昇に沿ったものとなっている。つまり、ドル100円超のドル高円安の牽引役は、「円安」と言うよりも「ドル高」の側面が強いのである。米国政府としても、安易に円安を牽制するわけにはいくまい。

日本政府にしてみれば、円安傾向はあくまでも日銀の金融緩和に伴う副産物であり、為替操作を行っているわけではないとの抗弁が可能だろう。また、前述した「自然為替レート」の概念を用いれば、円相場はまだ割高感を完全払拭したり、ましてやすでに割安化したわけではないことを、論理的かつ容易に海外当局に説明することもできる。

*高島修氏は、シティグループ証券のチーフFXストラテジスト。1992年に三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行し、2004年以降はチーフアナリスト。2010年シティバンク銀行入行、チーフFXストラテジストに。2013年5月より現職。


 

 


コラム:米出口政策の本格化で日本金利に上昇圧力、株は分かれ道に
2013年 05月 29日 15:44 JST
田巻一彦

[東京 29日 ロイター] 米超緩和策の出口戦略発動が意識される中、米長期金利が2.1%台に上昇している。この動きは、世界的なリスクオン心理の広がりに伴うマネーシフトを誘発するとともに、米国債下落で生じる損失を保有日本国債の利益で穴埋めしようとする国内銀行勢の取引を発生させる可能性がある。

米量的緩和第3弾(QE3)の出口がはっきりするにしたがって、日本の長期金利の水準が次第に上昇すると予想する。

<出口戦略意識され、米長期金利が2.1%台に上昇>

28日のNY市場で、10年米国債利回りは2012年4月以来の2.172%まで一時上昇した。

28日に発表された3月米20都市住宅価格指数が前年比で約7年ぶりの上昇率となり、5月米CB消費者信頼感指数が2008年2月以来の高水準となったことで、ダウ.DJIが最高値を更新。米連邦準備理事会(FRB)によるQE3の出口戦略発動への思惑が強まったことが背景にある。

言い換えれば、市場に広がり出したリスクオン心理が、かなり鮮明になりつつあるということだろう。

<リスクオン進展なら、米独日国債からマネー流出へ>

NY市場でリスクオン心理が台頭してくると、その影響は世界のマーケットに波及する。リスクオフの波が大きかった時に、米国債とともに安全資産として買われてきた独国債や日本国債は、リスクオンへの動きが広がるとともに、調整売りの対象になるだろう。

米独日の国債市場から流出したマネーは、米株式市場やその他の主要国の株式市場に流入する可能性が高い。中国経済との連動性を強めてきたコモディティ市場が、中国経済の調整色の強まりで上値が重く、マネーの受け皿として米株式市場など主要国の株式市場が、より意識されていることも影響しているようだ。

<意識される米長期金利2.4%、邦銀が損失穴埋めのため日本国債売りも>

米長期金利が2.1%台に乗せたことで、次の水準として2.4%が市場関係者に意識されているという。米経済指標がこのまま堅調さを取り戻していく軌道に乗れば、米長期金利の上昇スピードが速まり、予想外に短時間で2.4%台まで上昇するシナリオの実現性が高まる。

そのケースでは、米国債運用の比率を高めてきた一部の国内銀行勢にとって、やっかいな展開になる。「黒田緩和」の推進で、2年後に2%の物価上昇が実現すれば、日本の長期金利も1%以下の水準ではいられない。

それを見越して、日本国債の一部を売却し、米国債投資を増やす戦術を採用してきた国内銀行が複数ある。そうした銀行勢は、米国債が短期間で下落(利回りは上昇)すると、含み損を抱え込むことになる。

その規模が、ある一定以上の大きさになった時、リスク管理上の必要性から、利益の出ている日本国債を売却し、一定の利益を確保するという行動に出る可能性が高まる。

<米出口戦略の本格化、日本の長期金利に2つのルートから上昇圧力>

アベノミクスの効果で、円安と株高が進行し、景気回復へのマインドが高まることで、日本の長期金利も水準訂正の動きを始める──というこれまでの東京市場の値動きに、新たにQE3の出口を探る動きが、足元で加わった。

日本の長期金利には、これまで指摘したように新たに2つのルートから、上昇圧力が加わりやすくなったと指摘したい。

市場では、日経平均.N225が1万5000円台の時に長期金利が1%になっていても、特に違和感はない、という声が多くなっている。ただ、そこにはQE3の出口をFRBが本格的に模索する動きは、ほとんど盛り込まれていない。

米長期金利が2.4%を目指して上昇し始めれば、日本の長期金利も1.2%台まで上昇する可能性が、かなりあるのではないか。

<東京株式市場を待ち受ける大きな分かれ道、成長戦略が左右>

足元の東京市場では、日経平均の上値追いが一服している。今後、長期金利が上がり始め、それが株価の上値を抑えるのか、それとも米国発のリスクオン心理の台頭を背景に、再び上昇トレンドを取り戻すのか、大きな分かれ道が待っている。

私は、どちらの道に行くかを決める大きな要因として、6月に政府がまとめる成長戦略に対する海外勢の反応に注目したい。米マクロ系ヘッジファンドを筆頭に、東京株式市場に占める欧米投資家の存在感は、相当に大きい。

もし、彼らが失望するなら、米国発のリスクオン相場に日本株が乗り切れなくなる危険性がありそうだ。


07. 2013年5月30日 18:22:06 : niiL5nr8dQ
海外勢の日本株売買額最高、信託銀売りも最高−暴落5月4週

  5月30日(ブルームバーグ):5月4週(20−24日)の日本株市場で、海外投資家による日本株の取引金額が売り買いともに、東京証券取引所が統計を取り始めた1982年7月以降で史上最高に膨らんだことが明らかになった。
東証が30日に発表した投資部門別売買動向によると、東京、大阪、名古屋3市場の1・2部合計で、海外投資家は売りが11兆6955億円、買いは11兆6911億円となった。差し引き では44億円の売り越し。これまでの最高は売りが2007年8月2週の10兆4824億円、買いが13年4月2週の10兆7342億円だった。また海外勢は、大阪証券取引所での日経225型先物では869億円売り越した。
みずほ証券エクイティ調査部の三浦豊シニアテクニカルアナリストは、海外勢の取引額拡大は「週前半の日経平均が1万6000円に向け駆け上がる過程で、短期運用のヘッジファンドから中長期の海外年金基金などを含め大量に買い、後半は一気に売りに回ったため」と言う。
第4週の日経平均株価 は、週間で525円(3.5%)下落し、下げ幅は1年9カ月ぶりの大きさを記録。それまでの急ピッチの上げで過熱感が強まっていた中、日米金利の上昇傾向や中国経済統計の低調などをきっかけに、23日に1143円安と暴落、約13年ぶりの下げ幅を記録した。
また、年金基金などの動向を反映する信託銀行 が4659億円の売り越しで、売越額は08年6月2週(3858億円)を上回り、過去最大に膨らんだ。売り越しは3週連続。みずほ証の三浦氏は、リバランスの観点などを背景に「前半の上昇局面で売りを強め、荒れた後半は様子見姿勢になった」と見ている。
一方、個人投資家 は3週ぶりに買い越しに転じ、買越額は4080億円。これも09年6月3週(4928億円)以来、記録的な多さだった。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 河野敏 skawano1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Nick Gentle ngentle2@bloomberg.net
更新日時: 2013/05/30 17:27 JST


 


 

ロンドン外為:円上昇、株急落や日本の投資家の外債売りで

  5月30日(ブルームバーグ):30日の外国為替取引で円は上昇。日本株の急落や、日本の投資家が2週連続で外債を売り越したことで、記録的な金融緩和で円相場を押し下げてきた日本銀行の政策効果の持続を疑問視する空気が生じた。
日本銀行の黒田東彦総裁は、国債相場のボラティリティー(変動率)をできるだけ回避していきたいと語っていた。日本の10年国債利回りは4月3日の0.55%から先週一時1%まで上昇した。この日は0.89%。
みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、黒田総裁の手腕は外為市場で高く評価されており、総裁が国債利回りの上昇を抑えられない場合は失望につながり円先安観が弱まると説明した。
ロンドン時間午前7時7分現在、円は対ドルで0.3%高の1ドル=100円88銭。対ユーロは0.1%高の1ユーロ=130円84銭。米当局の金融緩和縮小をめぐる観測を背景にドルは対ユーロで0.3%安い1ユーロ=1.2975ドル。
原題:Yen Advances Amid Foreign Bond Sales, Stocks; VolatilityRises(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Masaki Kondo mkondo3@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rocky Swift rswift5@bloomberg.net
更新日時: 2013/05/30 16:17 JST


 

 
コラム:シェールガス革命は日米経常収支を改善するか=佐々木融氏
2013年 05月 29日 18:22 JST
佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長(2013年5月29日)

新たなエネルギー源として期待されるシェールガスの生産拡大を受けて、米国の天然ガス輸出は今後増大することが予想されている。それに伴い同国の経常赤字が劇的に縮小しドルを押し上げるのではないかとの見方がある。一方で、安価な天然ガス輸入は日本にとっても貿易赤字縮小を通じて恒常的な経常赤字への転落を遅らせる効果があるとの見方もある。実際はどうなのだろうか。

目下、米国は世界第3位の産油国で最大の天然ガス生産国であるが、消費量も多く、エネルギーの貿易赤字は年間2870億ドル、対国内総生産(GDP)比2%の規模にも上っている。念のために整理をしておくと、エネルギーを含む同国の財の貿易赤字は全体で7350億ドル、経常赤字は4750億ドルだ。経常赤字が貿易赤字より大幅に少ないのは、サービス収支(1958億ドル)と所得収支(1986億ドル)の大幅な黒字のおかげである。

では、シェールガスの生産がどの程度増えると、米国の経常赤字を相殺できるのだろうか。同国の天然ガス生産量は現在、日量630億立方フィートだ。価格が100万Btu(英国熱量単位)当たり8ドルの前提で、10億立方フィート生産量が増えるごとに米国の貿易収支は年間30億ドル改善することになる。

したがって、エネルギーの貿易赤字をゼロにするためには、日量960億立方フィートの増産が必要になる(合計生産量1590億立方フィート)。生産量が現在の倍以上になって、やっとエネルギーの貿易赤字(2870億ドル)がゼロとなる計算だ。さらに経常赤字をゼロにするためには、追加的に1690億立方フィートの生産(合計生産量2320億立方フィート)が必要となる。

ちなみに、米エネルギー省によれば、米国は2020年頃に液化天然ガス(LNG)の純輸出国となることが見込まれているが、天然ガスの収支の黒字額は40年でも約450億ドル程度の見通しだ。つまり、シェールガスの生産増だけでは、30年後になっても経常収支の黒字化は無理そうである。

<結局は原油価格次第か>

次に、日本の貿易収支に対する影響はどうだろうか。周知の通り、11年3月の東日本大震災後に原発が一時すべて停止したことなどを受けて、火力発電に使うLNGの輸入は急増した。今後も原発が次々と再稼動するような状況が見込めない中で、米国からの安価な天然ガス輸入が増加した場合、日本の貿易収支改善にどの程度つながるのだろうか。

すでに報じられているが、米エネルギー省は17日、中部電力(9502.T)と大阪ガス(9532.T)と契約しているフリーポート社(テキサス州)に1日当たり最大14億立方フィートのLNGを20年間にわたり輸出することを認めた。米国でLNGの対日輸出が認可されたのは初めてのことだ。

輸出開始の目途は17年と4年も先のことだが、今後もコーブポイント(住友商事、東京ガスが参画)、キャメロン(三菱商事、三井物産などが参画)のプロジェクトが認可されれば、合計で年間1470万トンと、日本のLNG輸入量の約2割を米国からの安価な天然ガスに頼ることができるようになる。また、この結果、他国から輸入するLNGの価格も現在の原油価格連動から米国産天然ガス価格連動への切り替えが可能となるかもしれない。

3月時点で日本のLNG輸入価格は16.5ドル/100万Btuだが、米国の天然ガス価格は3.8ドル/100万Btu(3月平均)程度である。これに液化、輸送にかかるコスト約6ドル程度を加えても、10ドル/100万Btu前後と、現在の価格に比べてかなり割安に輸入できる。

しかし、日本政策投資銀行の試算によると、米国からの輸入分だけでなく、20年までに新規に締結する契約の全量を米国ガス価格連動で調達できたとしても、LNG調達価格の低減効果は現状比15.2%程度であるようだ。昨年の輸入額を基準にすればLNG輸入額は9100億円程度減少するが、これだけでは日本の貿易収支が劇的に改善するような効果は期待できそうにない。

その理由をもう少し詳しく見よう。日本の貿易収支(通関ベース)は11年に赤字に転じ、12年は過去最大の赤字(6.9兆円)を記録した。2年間の貿易収支の悪化幅は13.6兆円にも上る。そのうち輸出金額の減少は3.7兆円、輸入金額の増加は9.9兆円だ。つまり、貿易収支の急激な悪化は4分の1が輸出減、4分の3は輸入増で説明できる。

輸入金額増分9.9兆円のうち6.7兆円は鉱物性燃料の増加だ。その中で原油・粗油の輸入額は2.8兆円増加しているが、輸入量はむしろ減少しており、価格上昇が輸入額増加の主因であることがわかる。一方、LNGの輸入額は2.5兆円(72.8%)増加しているが、輸入量は24.7%しか増加していない。LNGの価格上昇がなかったとすると、原発停止に伴うLNGの輸入増加額は9000億円程度だった計算となる(2010年のLNG輸入額3.5兆円×数量の増加率24.7%)。つまり、日本の貿易収支悪化分13.6兆円のうち原発停止を受けたLNG輸入増加(量の増加のみ)の影響は僅か9000億円(収支悪化の6%程度)でしかないということである。

LNG輸入額の増加分2.5兆円のうち、9000億円が数量の増加分、1.6兆円が価格の上昇分ということになる。日本が輸入するLNGの価格は原油価格に連動していることから、実質的には原油価格の上昇がLNG輸入額を1.6兆円押し上げたと考えられる。つまり、鉱物性燃料の輸入増加額6.7兆円のうち、少なくとも4.4兆円(原油の輸入額増加分2.8兆円+LNG輸入額増加分のうち価格要因1.6兆円)は原油価格の上昇によるものなのである。

まとめると、シェールガス革命だけでは、日米の経常収支が劇的に改善することは望めそうにない。むしろ、過去2年間と同様、今後もしばらく原油価格の動向が貿易収支に対してより大きな影響を与えると言えそうである。

*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の債券為替調査部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。

 


 


 コラム:世界に新たな対立軸、中国とブラジルが水面下で激突
2013年 05月 30日 15:11 JST
国際政治学者イアン・ブレマー

国際政治の常識を信じる人なら、今月20日に行われた李克強・中国首相とインドのシン首相の会談は波乱含みと考えたことだろう。ヒマラヤ・カシミール地方の領有権問題をめぐって、世界最大の人口を抱える両国はわずか1カ月ほど前まで軍同士がにらみ合いを続けていた。当然、会談は厳しい結果に終わった――そう思っているのではないだろうか。

答えはノーだ。李首相はどうすれば2015年までに中印間の貿易額を1000億ドルまで拡大できるかに集中し、「ヒマラヤ山脈を越えた握手」をインドに求めた。実は中国とインドは、巷間で伝えられるほどには敵対してはいないのだ。

10億人以上の人口を抱えていること以外、中国とインドに共通点はほとんどない。経済的には概して相互補完的だが、両国には違いが見受けられる。インドは2000年代半ばの劇的な成長を再び実現させようと躍起になっているのに対して、中国は高い成長を維持することに傾注している。汚職と規制のためインドではインフラの整備があまり進んでいないが、中国は建設ラッシュが止まらない。低迷する国内市場に見切りをつけて中国で起業を目指すインド人が増えている一方、中国は、国内の人件費高騰を受け、安い労働力を求めて小規模製造拠点をインドへ移し始めた。

「国際政治通」と呼ばれる人たちは過去20年、膨張する中印両国の対決は避けられないと心配してきた。その根拠となっているのは、安全保障上の懸念や資源の確保といった問題だ。例えば、両国は世界人口のおよそ37%を抱えているにもかかわらず、淡水資源は世界の10.8%を有するに過ぎない。両国が敵対するのは、当然の帰結であるかのように思われてきたが、こうした心配は杞憂に過ぎない。

その一方で、一般にはあまり注目されていないのだが、緊張がふつふつと湧きあがっている2国間関係がある。それは中国とブラジルだ。両国とも堅調な経済成長を遂げており、国有企業が活発で、政府の力が極めて強い。

両国はこの先数十年にわたり、世界で同じような立ち位置にいることだろう。そして両国はともに、より多極的で公平な世界秩序の実現を主張している。つまり、より米国の関与が少ない世界であり、BRICSにとって望ましい世界だ。ところが両国の視点を比較してみると、通貨や気候変動から人権問題まで、ほとんどのテーマで共通点が少ないという実態が浮かび上がってくる。

表面的には、両国が協力し、経済で補完し合う理由は十二分にある。ブラジルは資源の一大輸出国であり、中国は一大消費国である。両国は国境を接しておらず、領有権問題もない。互いの国に投資もしている。中国政府や国有企業はブラジルで土地を購入し、現地企業に投資している。一方、ブラジルにとって中国は最大の貿易相手国であり、ブルームバーグによると昨年の両国間の貿易総額は755億ドルに上った。

しかし、こうした両国の「シナジー効果」に騙されてはいけない。両国とも表立っては認めないが、水面下では緊張が高まりつつある。ブラジルは中国を名指しで批判することは避けているが、それは必ずしも両国が良好な関係にあることを示すものではない。むしろブラジルが中国批判を避けていることこそ、両国関係が複雑になりつつある実態を現している。

では、経済的「シナジー効果」を見せる両国にどんな問題があるというのか。ブラジルの航空機大手、エンブラエル(EMBR3.SA)の例を見てみよう。10年ほど前、中国は自国への投資を増やせば、同社の生産は拡大し、売り上げも伸びると約束した。エンブラエルは中国でビジネスは続けてはいるが、事業拡大計画は依然として「離陸」していない。中国政府は当初、エンブラエル製の航空機を導入する国内の航空会社にインセンティブを支払うとしていたが、そうした約束も遅々として進んでいない。

さらに中国国営企業とエンブラエルの合弁事業が手掛けた短距離輸送機は、エンブラエルの機体に驚くほどそっくりなのだ。エンブラエルは、中国ではいとも簡単に知的財産が吸い上げられ、投資上の協定は破られるということを目の当たりにすることとなった。

両国間の対立で最も根深い問題は、ブラジルの製造業が中国の安価な輸入品に押されていることだ。その結果、ブラジルの製造業は国内のみならず国際市場でも競争力がそがれている。ブラジルのルセフ大統領は、特定の工業製品に関税をかけることで対応した。中国を名指しこそしなかったが、中国を念頭に置いた措置であることは明らかだ。ルセフ政権はさらに自動車工場など中国に打撃が最も大きい分野を保護する法律を施行した。中国の成長が続くにつれ、両国の製造業がスキルを持った労働力を呼び込もうと競り合う可能性が高まっている。

こうした両国のせめぎあいは、アフリカ大陸でも見受けられる。このところメディアは、中国がアフリカで投資を拡大していることに注目しがちだ。一方で、ブラジルがアンゴラやギニアビサウなど、ルゾフォニアと呼ばれるポルトガル語を話す国々との関係を強化していることは、あまり伝えられていない。

ブラジルの急速な経済成長と、国有企業の積極的な進出により、これらの国々との関係は一段と深まっている。石油大手ペトロブラス(PETR4.SA)はアンゴラの石油市場で主要な位置を占め、資源開発大手のヴァーレ(VALE5.SA)はモザンビークで世界有数の炭鉱開発に携わっている。アフリカの主要な投資家という中国の立場をブラジルが脅かしつつあることも、両国の競争に拍車をかけている。中国が資金力で勝ることから、ブラジルの企業や政府関係者は中国の「小切手外交」を、同国の権益に対する潜在的脅威とみなしている。

ルセフ大統領は経済問題に焦点をあてるように、外交政策のスタンスをわずかながら変更した。こうした政策変更は、すでに述べた問題で両国の対立を激しくすることは必至だ。ルラ前大統領は「南々協力」を推進したが、現大統領はむしろ中国からの輸入品にあえぐ国内産業の救済に力を入れており、結果として中国に対する姿勢は冷ややかだ。

BRICSは自前の開発銀行を設立するなど協力関係を見せているが、実際はそれほど仲のいい家族というわけではない。国際社会でリーダーのいない「Gゼロ」の世界では、各国間の競争は激しく、利益や優先順位は大きく異なる。共有するイデオロギーもなければ、政策もゴールもバラバラだ。

BRICSというグループ名は、ブラジルに名声をもたらした。だが、それは国際社会で華々しいデビューを飾るための踏み石に過ぎない。ブラジルは主力選手にのし上がりたい。インドは他国に追い付きたい。ロシアは他国に威張り散らしたい。中国は世界のボスとして君臨したい。言い換えれば対立は避けられないということだ。だが、誰もが注目していなかった中国とブラジル間の対立がもっとも激しくなったら、世界はきっと驚くだろう。

(28日 ロイター)

*筆者は国際政治リスク分析を専門とするコンサルティング会社、ユーラシア・グループの社長。スタンフォード大学で博士号(政治学)取得後、フーバー研究所の研究員に最年少で就任。その後、コロンビア大学、東西研究所、ローレンス・リバモア国立研究所などを経て、現在に至る。全米でベストセラーとなった「The End of the Free Market」(邦訳は『自由市場の終焉 国家資本主義とどう闘うか』など著書多数。


08. 2013年5月30日 18:49:57 : c1vrNotlcs
日経平均1万3589円 今年2番の下げ幅


 30日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日比737円43銭安の1万3589円03銭で、今年2番目の下げ幅となった。

 前日、主な欧米株式市場で株価が軒並み下落したことを受け、東京株式市場では朝方、リスクを避けようとする動きが強まり、取引開始から売り注文が広がった。東京外国為替市場で、円相場がドルに対して1ドル=100円台と円高が進んだことも株価下落に拍車をかけた。

 主なアジアの株式市場で株価が下落していることなども相場の重しとなり、日経平均株価は午後、下げ幅を拡大。4月23日以来、約1か月ぶりの安値で30日の取引を終えた。

 東証1部の売買代金は概算で3兆3708億円。売買高は概算で44億7963万株。

http://news24.jp/articles/2013/05/30/06229563.html


09. 2013年5月30日 19:04:06 : BDDFeQHT6I
ヘッジファンドが暴落で買い玉を処分しきれない状況なので、こんな記事が出るんだと言うことは良く分かった上で買いでも売りでもやって下さい、きっと思惑とは逆の結果が出るでしょう。

10. 13代目 2013年5月30日 21:36:43 : JcIccxd7mtA.Q : hS54WvPCJY
相場を張っていないのが兎や角言うのは止めて貰いたいものですねー
 経験が浅い市場参加者が多ければ多いほど相場操縦はやりやすいんですよ!
ナンピ?・・・無配の株をナンピシテどーするの?
 ”先物を使って売り崩す”25年ぐらい前に同じ光景見た記憶が・・・。
もうそんな事も忘れてんだろーなー・・・”ノーガードで信用買い”
”全額一銘柄”・・・さーて何人生き残ることやら(^_^;)

11. 佐助 2013年5月30日 21:54:14 : YZ1JBFFO77mpI : TUhrPgEJIU
理屈はいらない

アベノミクス株式バブルは逃走パニックが発生し、バブルは噴出するのである
売手だけとなると大暴落することをモルガンとライブドアで体験している


株式バブルの膨張係数は「上昇するから買う」の繰り返しさえ妨害されなければ,宇宙よりも大きく膨らませることができる。そしてネズミ講と同じく、無限に拡大できる。だが信頼感などが永遠につづいたためしはない。バブルは、信頼感を崩壊させる事件を連続させる。そのため、世界で膨張する巨大なドルのマグマは、地震や火山の爆発のように、出口を求めて徘徊する。

需要が供給の倍以上になると、どんな商品でもバブルが発生する。そして、需要が供給の半分以下になると弾ける。株式は買手が売手の四倍以上になれば、バブルは急激に膨張し、必ず弾ける。アベノミクスバブルの正体は見えない,バブルは時差と姿を変えるためにその正体は見えない。弾けて初めてバブルだとわかる。すなわちバブルの発生は予知できない。

紙幣を土台とした金融商品は、自然に信用を膨張させバブルを発生させる。人間はバブルから教訓を学び、二度と繰り返さないように、制御コントロールしようと努力する、だが、バブルは姿を変えるために、その破裂を予知できない。またバブルの繰返しが見えないのでバブルは避けられない。

そして株式自身が、額面50円株が5000円でも売買されるので、最も信用膨張係数の高い金融商品となっている。そして、株券を持たなくても、カラ売りカラ買いができる。上場株価の平均指数にすぎないダウやニッケイとよぶ平均株価指数でさえ売買可能である。

株式バブルの膨張係数は、一時的に足踏みしても「上昇するから買う」の繰り返しさえ妨害されなければ、宇宙よりも大きく膨らませることができる。

アベノミクスによる株価操作は、バブルの底から、米国は4倍に上昇し、日本は倍となり、四分の一になっていた平均株価は二分の一戻して。アベノミクス株式バブルは弾ける。1996年からの下降トレンド線の頂点でアベノミクス株式バブルはお辞儀をする。

マスコミとエコノミストや政治家は世界金融大恐慌や世界経済全体に波及するバブルの発生なんて、まさかと想像することができない! 前回のバブルの体験から、賢くなっているハズだ。万が一破裂しても、その影響は限定され、景気は軟着陸できるに違いない。そう、世界のエコノミストたちがそう考える。

だがアベノミクス株式バブルは世界金融大恐慌バブルに巻き込まれ財産を失う不幸から逃れられない。バブルに巻き込まれると上昇すれば永遠に上がり、下降すれば永遠に下がるという脅迫心理とペアになり、投機の底無し沼から脱出できない。そのため、破産が避けられなくなる。

相場の操作は取引額の75%を占めれば、相場は思いのまま操作できる。だが、ライブドアショックのように、買手が不在となって売手ばかりになれば、暴落を阻止することができない。つまり、75%でも暴落は阻止できないのである。

1929年、バブルの匂いに気がついていた人は多い。だが、経済のどの指標も好調であり、あのモルガン商会が株を暴落させるハズが無い、と誰もが信頼し切っていた。だが、10月25日、暗黒の木曜日を迎えた。相場からは中々脱出できない。売買高の記録は更新される。だが、その重みに耐えきれず、突然暴落すると、逃走パニックが発生し、バブルは噴出する。自分が破産することを避けるために、買い支えを諦めざるをえなくなる。そして株式市場は、一挙に売手だけとなり大暴落


すべての経済現象は、その結果を、需要と供給の均衡/不均衡で必ず説明することができる。だが、金融取引の実態は、プライバシーで保護されているため、需要と供給の均衡/不均衡を決定する要因は、翌日以降にならないと、知ることができない。

結論
信用膨張商品は、名目の一割を流通させて運営されているため、一斉に取付けるなら、バブルは必ず弾ける。


12. 2013年5月31日 22:18:37 : 2LnVviyNuA
株価は、何時でも誰でもその時の株価を正当化できる。

どんな屁理屈もつけられるのが株価というもの。


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