01. 2013年5月25日 10:15:41
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ドルが一時100.68円まで下落、利益確定の売り優勢=NY市場 2013年 05月 25日 08:23 JST [ニューヨーク 24日 ロイター] 24日終盤のニューヨーク外為市場ではドルが対円で下落。ロイターのデータによると、一時100.68円と2週間ぶり安値をつけた。日経平均が振れの激しい展開となっていることや米金融政策見通しをめぐる不透明感を背景に、利益確定のドル売りが強まった。週間では1年ぶりの大幅な下げを記録した。 これまでの円の下落について、一部アナリストの間からは、急激かつ行き過ぎだったとの見方が出ていた。 BNYメロンのシニア為替ストラテジスト、マイケル・ウォルフォーク氏は「ドル/円は適正価格を大きく外れていたようにみえる。短期的には100円の水準に戻るだろう」と述べた。 22日のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受け、資産買い入れ縮小観測が高まる中、それまで売られていた円は23日に上昇を始めた。 24日のニューヨーク市場終盤は0.9%安の101.09円。 週間では2%下落し、2012年6月初旬以来の大幅な下げとなった。 前出のウォルフォーク氏は、来週27日のメモリアルデーの祝日を控えていることも、利益確定の動きを後押し、円上昇につながったとの見方を示した。 ただ、日銀による追加緩和期待を背景に円の上昇は一時的となり、FRBによる資産買い入れ縮小への期待がドル上昇への追い風になるとの見方は根強い。 モルガン・スタンレーの欧州為替戦略主任イアン・スタンナード氏は「円の下落基調は続くだろう。ただ、短期的には調整局面を迎え、大幅な調整が起きる可能性がある」と述べた。 ユーロ/円は1%安の130.72円。一時、130.10円まで下げる場面もあった。 ユーロ/ドルは0.1%安の1.2928ドル。 5月のIFO独業況指数が予想を上回ったことを受け、ユーロ/ドルは一時上昇。ただ、その後発表された4月の米耐久財受注が予想を上回り、米景気をめぐる懸念が後退したことで、ドルは上げに転じた。 週間では、ユーロ/ドルは0.7%上昇した。 ドルは対スイスフランで0.7%安の0.9615フラン。 ユーロも対スイスフランで0.8%安の1.2432フランとなった。 主要6通貨に対するICEフューチャーズUSドル指数.DXYは0.2%安の83.645。 ドル/円 終値 101.29/30 始値 101.43/44 前営業日終値 102.00/02 ユーロ/ドル 終値 1.2933/37 始値 1.2940/41 前営業日終値 1.2933/34 黒田日銀総裁、長期金利の上昇牽制 2013.5.25 06:00 日銀の黒田東彦総裁は24日、東京都内での講演や衆院財務金融委員会で、最近の長期金利の乱高下について「安定的に推移することが極めて望ましく、変動率の拡大は回避したい」と述べ、長期金利の急上昇を牽制(けんせい)する姿勢を改めて示した上で、市場との対話強化や弾力的な資金供給を通じ債券市場の安定を図るとした。 また、日銀が国債を大量に買うことで金融緩和の効果が強まるとして「(長期金利が)跳ね上がることは予想していない」と強調。「必要に応じて(国債の)買い入れの頻度やペース、対象を調整し、政策効果の浸透を促す」と述べた。
NY外為(24日):ドルが対ユーロでの下げ埋める−米指標で
5月24日(ブルームバーグ):ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロでの下げを埋める展開。米製造業耐久財受注 が予想を上回る伸びとなったことで、金融当局が年内に緩和ペースを減速させるとの観測が強まった。 この日は5月のドイツ企業景況感指数が上昇し、景気が改善しているとの楽観が強まったことから、ユーロが堅調に推移していた。円は対ドルで上昇。日本銀行の黒田東彦総裁の発言に反応した。 みずほフィナンシャル・グループの法人外国為替セールスバイスプレジデント、ファビアン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は耐久財受注のドルへの影響について、「どちらかと言えば若干モメンタム(勢い)を取り戻した感じかもしれないが、流れを大きく変えるほどではない」と指摘。また「円については、現在のところは一時的な戻りだ」と分析した。 ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで前日比ほぼ変わらずの1ユーロ=1.2932ドル。一時0.5%下げたほか、0.2%高となる場面もあった。週初からは0.7%下げている。 円はドルに対しこの日、0.7%高の1ドル=101円31銭。週間では1.9%高。対ユーロではこの日0.7%上昇し、1ユーロ=131円01銭。 円のネットショート 米商品先物取引委員会(CFTC)が示したデータによると、先物トレーダーの間では円が対ドルで下落するとの見方が強まった。ヘッジファンドや大口投資家による円のネットショート(売り越し)は21日時点で9万5186枚と、前週の8万8407枚から増加し、07年7月以来の高水準だった。 米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング(DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによると、外為オプションの店頭取引は合計290億ドル。前日は400億ドルだった。対円でのドルのオプションの出来高は100億ドルで、シェアは33%と最大。 主要7カ国(G7)通貨の3カ月物オプションを基に算出されるJPモルガン・チェースのG7ボラティリティ指数 は10%。前日は10.1%と、2月27日以来の高水準を付けた。過去1年間の平均は8.8%。 米商務省が発表した4月の製造業耐久財受注額は前月比で3.3%増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は1.5%増だった。前月は5.9%の減少だった。 RBSセキュリティーズの為替ストラテジスト、ブライアン・デンジャーフィールド氏は電話取材に対し、「耐久財受注の改善は、設備投資がなお底堅いことを示している」と指摘。米経済指標の改善は、金融当局の債券購入ペース減速が予想より早く始まる前兆の可能性があると続けた。 円が上昇 円は対ドルで続伸。日銀の黒田総裁は国債市場での長期金利の乱高下などを踏まえ、市場が「安定的に推移することが極めて望ましい」とした上で、日銀による市場オペの弾力的な運用を通じて「ボラティリティ(変動率)をできるだけ回避していきたい」との方針をあらためて示した。 BNPパリバの主任ディーラー、ピーター・ゴラ氏は円の上昇について、「株価の動きを受けた部分と、3連休を控えたポジション調整という面がある」とした上で、金融市場は「債券市場での短縮取引や連休の影響で、通常より商いは薄い」と続けた。 27日の米国と英国の金融市場は祝日のため休場となる。 原題:Dollar Erases Losses as Durable-Goods Orders Rise; RandWeakens(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク John Detrixhe jdetrixhe1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Dave Liedtka dliedtka@bloomberg.net 更新日時: 2013/05/25 06:50 JST 米国株:小幅安、金融政策の行方警戒ー景気動向を見極め 5月24日(ブルームバーグ): 24日の米株式相場 は総じて下落。米金融当局が緩和策を縮小するかどうかをめぐって懸念が強まる中、投資家は経済成長の方向性を見極めようとしている。 衣料品ギャップとアバクロンビー&フィッチ(アバクロ)はいずれも下落。百貨店のシアーズ・ホールディングスも安い。四半期決算が赤字だったことが嫌気された。一方、消費財で世界最大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は上昇した。 S&P500種 株価指数は0.1%下落の1649.60。ダウ工業株30種平均は8.60ドル(0.1%)高の15303.10ドルで終えた。米証券取引所全体の騰落比率は約9対10。 バンヤン・パートナーズのチーフ市場ストラテジスト、ロバート・パブリク氏は「時間の経過とともに米金融当局がどのような対応をするのか、市場参加者はまだ気にしている」と述べた。 世界の株式市場が売り一色となっている間も米国株が底堅さを示している理由を解明しようとする投資家は、上場企業の自社株買いのペースに着目するかもしれない。 自社株買い ゴールドマン・サックス・グループの法人取引デスクでの自社株買い注文のうち約79%が23日に実行された。これは今年最高の割合だ。ブルームバーグ・ニュースが顧客向けの文書を入手した。S&P500種が22日の取引時間中の高値から一時3%下げる中で、各社は自社株買いを活発化させた。 週間ベースではS&P500種は1.1%下落した。S&P500種は2009年につけた12年ぶり安値からは144%上昇している。 GAM USAのポートフォリオマネジャー、アービン・ソウ氏は、「ある時点で米金融当局はアクセルを緩めるということを市場参加者は織り込もうとしている」と述べ、「その理由は成長が加速しており、持続的だからだ。究極的にはそれは素晴らしいことだ。問題なのは誰もがロングポジションを建てているというリスクだ。一つのきっかけで自動的にポジションが解消される」と続けた。 S&P500種の下げに備えたオプションのコストを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は0.6%低下し13.99。VIXは約80%の確率でS&P500種と反対方向に動く。VIXは今週12%上昇した。 ギャップが安い、P&Gは上昇 S&P500種10指数のうち8指数が下げた。特に公益事業株やエネルギー株、通信サービス株が売られた。 ギャップ は1.7%安。同社は通期の1株利益が2.52−2.60ドルになるとの見通しを維持した。アナリスト予想平均は2.72ドル。 アバクロは8%下落。同社は通期利益予想を1株当たり3.15−3.25ドルと、従来予想の3.35−3.45ドルから引き下げた。 P&G は4%高。同社はボブ・マクドナルド会長兼最高経営責任者(CEO)を更迭し、2009年まで社長兼CEOを務めたアラン・ラフリー氏が後任となるトップ人事を発表した。 原題:U.S. Stocks Fall as Investors Weigh Durable Goods Data,Stimulus(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Lu Wang lwang8@bloomberg.net;ニューヨーク Inyoung Hwang ihwang7@bloomberg.net;北京 Ludi Wang lwang191@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Lynn Thomasson lthomasson@bloomberg.net 更新日時: 2013/05/25 07:07 JST
MARKETBEAT2013年 5月 24日 15:46 JST ニュースの当事者ではない日本市場が襲われた理由 By MICHAEL J. CASEY Reuters 東京証券取引所で働く人々(23日) 日本の投資家は、すでに大きく上げていた相場に飛び込むことのリスクをあらためて教えてくれた。
問題は、そうした市場が過大評価されているというわけではなく、そこが投資家が不安を募らせたときに利益を確定する場所になっているということである。 この24時間で、世界の投資家は市場を動かす2つの大きなイベントを伝えるニュースに対処しなければならなかった。1つ目は米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の予期せぬコメントだった。FRBが「今後数回の連邦公開市場委員会(FOMC))」の1つで量的緩和策を抑制し始める可能性を示唆したのである。その次に、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)の悪化が伝えられ、世界の経済成長をけん引するメーンエンジンの1つが減速しているという不安を再燃させた。 ところが、こうした新たな展開の影響を一番大きく受けたのは米国でも中国でもなく、日本だったのだ。 5月23日の東京株式市場の取引が終了したとき、日経平均株価は7.3%も暴落していた。これは1日の下落率としてはこの2年間で最大であり、日本国債の利回りも記録的な乱高下を示した。おまけに、トレーダーたちが円のショートポジションを巻き戻したため、失われていたかに思えた「安全資産」という地位を取り戻した円は対ドルで2.7%も上昇した。 これとは対照的に、バーナンキFRB議長が米議会の上下両院経済合同委員会で米東部夏時間22日午前10時に証言し始めてからのダウ工業株30種平均の下落はわずか1.0%ほどにとどまり、上海総合指数の下落も1.2%で済んだ。また、アジアでの取引で円が急騰していたころ、中国の経済データが弱含むと通常は対ドルで大きく価値を落とすオーストラリアドルの取引時間中高値から安値の下落幅はわずか0.8%で、その後は盛り返し、終値では上昇となった。 そうしたニュースの傍観者であるはずの日本の市場がこれほどの影響を受けたのはなぜか。中国の需要鈍化に対して日本の輸出業者が脆弱(ぜいじゃく)であることは、株式市場暴落の一因でしかなく、円の急騰の説明にはならない。日本銀行がより積極的に金融緩和に取り組んできたことで、日本の株式市場は昨年10月の初めから実に81%も上昇し、円の価値は対ドルで25%も下落した。つまり、そうした市場には確定すべき利益があったという説明の方が納得がいくだろう。 別の市場でポジションを失った多くの投資家がマージンコールを受け、ブローカーに対して追加証拠金を入れざるを得なかったという可能性も十分に考えられる。その場合、現金の入手先は長期間好調だった日本への投資ということになるのだ。 日本の金融政策の再調整が世界中の市場――例えばユーロ圏のソブリン債の高騰や新興国市場の通貨などに――に多大な影響を与えていたので、今回の急激な利益確定の動きにも世界的な波及効果があり、世界各地で相対的なバリュエーションが調整された。 ソシエテジェネラルの通貨ストラテジスト、キット・ジュークス氏によると、23日の市場の動揺は、FRBが国債購入を「いつ減らすのかという問題」ではなく、「ボートの片側のポジションが多くなり過ぎて、転覆しそうになったこと」が原因で起きたという。 現在のリスクは自己永続的な効果が定着することにある。ある市場で損失を出した投資家が別の市場で利食い売りをし、それが他の市場での売りのきっかけになる。そうなったときに利益を確定したい投資家の標的になるのは、それまで最も好調だった市場である。最高値を更新した米国株にリスクが生じるのはもちろんだが、長期的には、近年に通貨の価値が大幅に上昇した新興国市場に目を向ける人もいるだろう。 ドイツ銀行のアラン・ラスキン氏は、新興国市場について「複数年にわたって継続した投資の巻き戻しに特に脆弱だ」と指摘する。メキシコのペソ、トルコのリラ、フィリピンのペソ、南米、中央・東欧州、アジアにおけるその他の「最近の勝ち組」が23日の「大暴落に完全に加わっていても」おかしくはなかったと同氏は述べた。 大暴落が続くかどうかは、悪いニュースが続くかどうか、現金を調達するために投資家がさらなる利益確定売りをする必要があるかどうか、にかかっている。
2013年 5月 23日 14:22 JST 通貨安戦術に傾く各国、どこまで許されるのか By DAVID WESSEL 円相場は昨年9月以降、対ドルで25%下落した。日本の新政権と日本銀行の政策がその背景にある。 スイスフランは対ユーロで安定して推移していたが、それはスイスの中央銀行がその水準を維持してきたからにすぎない。そして、スイスフランは22日、2年ぶりの安値に下落した。スイス中銀総裁が通貨安に誘導するために一段の措置を取る可能性があると発言したからだ。 画像を拡大する Agence France-Presse/Getty Images 安倍晋三首相(左)とオバマ大統領 イスラエルの通貨シェケルは、同国の中央銀行が今月に入り、自国通貨を下落させるため、シェケルを売ると表明するまで上昇していた。 中国の人民元はこの1年間、対ドルで3%上昇したが、あくまでも政府の許容範囲の上昇ペースだ。 これに「通貨戦争」の見出しをあててみよう。 このフレーズは1930年代の「貿易戦争」のイメージを呼び起こす。各国による輸入減・輸出増の努力が報復措置を招き、世界情勢が悪化した。 カリフォルニア大学バークレー校の経済歴史学者、バリー・アイケングリーン氏は、それは誤解を招く恐れがあると指摘、「自国通貨が下落するよう取り計らっているというだけで、通貨戦争に突入していると言えるだろうか」と述べた。 端的に言えば、答えはノーだ。 しかし、世界経済があらゆる助けを必要としている局面では、何が受け入れられる為替戦術で、何がそうでないのかをめぐる、時に巧妙な判断はとりわけ重要だ。エコノミストや世界の財務相、中央銀行は共同声明の中で2つの状況を区別する。 1つは、成長を促進するために中央銀行が紙幣を印刷している(量的緩和)状況だ。これまでのところ、米国と日本がこれにあたる。通貨の供給を増やすことは、その価格である為替相場を押し下げる傾向がある。これはオーケーであると判断されている。 もう1つは、通貨を下落させ、輸出を支援し、他国からの需要を奪い取るために政府が積極的に為替市場に介入する状況だ。中国がその例だ。そしてこれはオーケーではないと判断されている。 ピーターソン国際経済研究所の所長を最近退任したフレッド・バーグステン氏は先週、ワシントンのシンクタンクでの講演で、「これらの結果を享受する側の国々は、当然ながらこの2つを融合している」と指摘した。 従ってブラジルや韓国、イスラエルからは抗議の声が上がっている。これらの国の通貨はいずれも上昇し、──つまり、輸出と経済成長が危険にさらされている──その原因は複数の経済大国による金融政策にあるとみている。これらの国はその理由についてはあまり気にかけていない。 しかし、理論的根拠は重要だ。世界は小さすぎる需要と、大きすぎる失業に苦しんでいる。日米欧は公的債務の負担に対する懸念から、さらなる減税と財政支出の増加に二の足を踏んでいる。それゆえに、金融政策への依存が大きくなっている。 この超拡大的かつ低金利の金融政策にリスクがないわけではない。投資家が高いリターンを求め、金融市場のわかりにくい取引に資金を投じているという話がいろいろと毎日、聞こえてくる。 しかし、為替相場に影響するからといって、日本や米国は積極的な金融政策を思いとどまるべきだという考えは近視眼的な見方だ。「デフレとリセッション(景気後退)の危険にさらされている先進国が非伝統的な(金融)政策を捨てれば、新興市場は本当により良くなるだろうか」とアイケングリーン氏は問う。 それでも、中には為替操作を行い、相場を押し下げている国もある。巨額のドルやユーロを売ることで、輸出による大きな黒字を維持するためだ。中国がその最たる例だが、何も中国だけがそうしているわけではない。バーグステン氏と同僚のジョセフ・ガニョン氏はデンマーク、香港、マレーシア、シンガポール、スイスなど20を超える国・地域のリストを持っている。 こういった国にとって、低い為替相場は国内経済の成長を強化するための経済政策の副産物ではなく、主要な道具だ。安い為替相場を、同じ結果をもたらす可能性のある他の政策に取って代えているのだ。そういった国は他国、特に米国に打撃を与えることによって、自分たちを守っている、とバーグステン氏は声高に主張する。 しかし、通貨の議論を解決するための、文書化され、かつ国際的に受け入れられた取り決めはない。世界貿易機関(WTO)の規則は貿易に関する戦術の正当性を規定するものだ。国際通貨基金(IMF)は為替相場に関する規定を定めてもいいようなものだが、そうしてこなかった。例えば、スイスが、安い通貨は不正行為ではなく、デフレを克服し、ユーロを巡る市場のパニックから自国を守るための方策だと弁明すれば、この主張を吟味するための合意された方法がない。このため、本当の為替操作国を見極めることが困難だ。 これにより2つの問題が浮上する。1つは、世界的な成長の回復は主要経済国による絶え間ない、首尾一貫した集合的な努力を要する。「通貨戦争」だと批判を飛ばすことは、これを妨害することになる。 2つ目は、何がオーケーなのかという明確な合意がなければ、日本や欧州が長年の景気低迷に不満を募らせ、直接、通貨安を誘導するというリスクがある。日本にはその習慣がある。 そうなれば、本当に通貨戦争になるだろう。 |