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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130523-00014074-toyo-bus_all&p=1
東洋経済オンライン 5月23日(木)20時40分配信
過熱、過熱とはいわれていたが、ここまで暴落するとは――。23日の日経平均株価は、前日の終値に対し1143円28銭安。率にして7.3%安の1万1483円98銭で引けた。
■ 下げ幅は大震災時を超える
約1143円という下げ幅は、ITバブル崩壊時の2000年4月17日の1426円安以来、13年1か月ぶりの大きさで、東日本大震災(2011年3月11日)の下げ幅である1015円も超えた。また、1日だけで見ても、22日の高値1万5942円から安値までの値幅である1458円は、大震災のそれ(1210円)を大きく上回った。
東洋経済の株式専門誌『株式ウイークリー』では先週の段階で「1万5000円を超えれば反落を警戒」という趣旨の相場見通しを書いた。23日には一時高値1万5942円をつけたので、見通しは外れたことになる。しかし、その後の下げはすさまじかった。
23日の暴落は、複数の要因が重なって起きた。日本の株式市場は、少なくともテクニカル面では歴史的な過熱局面にあった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の調べによると、日経平均株価と200日移動平均線の乖離率は、比較可能な1970年代以降、最大に拡がっていた。25日移動平均線との乖離率も、約11%に達していた。
前日の22日には日銀の金融政策決定会合や、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言という、重要イベントがあった。特に後者では株高を支えてきた量的緩和策の縮小観測が市場で浮上。これらを受け、23日は金利が上昇(米国の長期金利の一時2%乗せ、国内長期金利の一時1%乗せ)していた。
前引けにかけては、HSBCが発表した5月の中国のPMI(製造業購買担当者景気指数)が49.6と7カ月ぶりの50割れとなったことで、市場の心理が大きく悪化した。そこへ「おそらくヘッジファンドが、高値警戒感が極度に高まっていたところを売り崩しにかかった」(東野幸利・DZHフィナンシャルリサーチ日本株情報部マネージャー)。
では、今後の相場はどうなるのか。短期と中期では、見方や戦略がわかれよう。
まず短期的に見てみよう。当面の下値のメドは25日移動平均線である。23日時点で同線は1万4247円の水準にある。昨年11月16日以来、同線を終値ベースで下回ったのは4月2日の1日間のみで、強力な下値支持として機能してきた。
だが、23日の日経平均の暴落が「当面の世界的な株高の終了」の引き金になった可能性もある。24日の相場では、この「25日線割れから1万4000円割れとなることも否定できない」(東野氏)。ただいったんは自律反発も予想される局面。25日線付近への戻りがあるかどうか、注目したいところだ。
■ 当面の急所は、1万5111円前後か
問題は、25日線の前後まで回復したとして、そこから一段の反発があるかどうかだ。
東野氏によれば、ここからのポイントは、ひとことで言えば1万5111円を早期に抜いてくるかどうかだ。1万5111円とは、23日の始値と終値の「中値」の価格(長大陰線となったローソク足の実体部分の真ん中の価格)である。これは、買い勢力と売り勢力が、いわば綱引きをした真ん中の価格の記録。大きな陽線や陰線をひいたときには、この中値は、普段にもまして非常に重要な価格となるからだ。
もし、比較的早くこの1万5111円を突破してくれば、相場はここから一段の上昇へ。抜けなければ、相場は2段下げになる可能性がある。その場合は、つい最近まで大きな節目だった1万2650円(月足などから見た重要なフシ)を意識する展開ともなりそうだ。
23日の高値1万5942円は、少なくとも今年前半の高値となるのか。東証1部の売買高は23日に過去最高の74億2018万株を記録。22日は過去3番目、21日は過去4番目の大商いを演じており、これは1万5000円台の高値圏で大量のシコリが残ってしまったことを意味する。歴史的な過熱感があったところでの大暴落と、典型的な天井サインも出てしまった。
ただ、日経平均が前述の1万2650円に向けて下落し出したら、そこは大きな買い場となるかもしれない。長期で見れば、現在の日経平均は、ITバブル時の高値からの上値抵抗ゾーン(1万6000〜1万6300円)を意識した展開の中にあるとも見られるからだ。今回の下落波動が終了した時に「日経平均は1万7000円台に向けた波動が始まると、現段階では見ている」(同)。株式相場は、10年単位で見た相場観も必要な局面にさしかかったと言える。
柿沼 茂喜 藤尾 明彦 福井 純
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