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「円安」から「ドル高」に、ドル円は105円へ (東洋経済オンライン) 
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/851.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 5 月 22 日 08:14:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130522-00014042-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 5月22日(水)8時0分配信


 筆者は日米金利差との関係などから「95円までのドル高円安は過去に歪められた価格水準の正常化であり、ファンダメンタルズへの回帰。100円まではその上振れの範囲内」と指摘してきた。ただ、先週、ドル円はその100円を突破して上昇。テクニカル面からの分析では1ドル=105円前後を視野に収めた。「価格正常化」の範疇を超えるドル高円安が進み始めた。これをどのように解釈すべきであろうか。


 昨年10月以降のドル高円安を振り返ると、今年2月に1ドル=95円に迫るまでは、押し目もなく、ほぼ一本調子にドルが対円で上昇した。アベノミクスと政治圧力による日銀緩和観測を材料とした、有無を言わさぬ円安相場だった。筆者はこれを「過度な円高の是正」、「価格正常化」、「ファンダメンタルズへの回帰」ととらえてきた。

■ 1ドル=100円を超える円安は「ドル高」の側面が強い

 2月下旬以降は4〜5円ほどの調整反落を繰り返しながらドルは対円で上昇基調を継続。日銀総裁人事が確定し、日本で材料難に陥る中、欧州でキプロス問題やECB(欧州中央銀行)の利下げ観測が浮上し、ユーロが下落するなど、調達通貨が円以外にも多様化、分散化した。「価格正常化」に伴う有無を言わさぬ「円安」は終わり、ドル円は再びグローバルな相場環境に左右され始めた。

 さて、この間、日本株はほぼ一直線に上昇してきた。円安が明確になった昨年11月頃から日本株はドル円との相関を一気に高め、円安に牽引された株高が進んだ。この時から、従来は強い相関を保っていた日本株と米株の相関は急速に低下した。ところが、ドル円が1ドル=95円に到達し、価格正常化が終わった今年2月以降は、日本株とドル円の相関の上昇が頭打ちとなり、その一方で日本株は再び米株との相関を回復させてきた。
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 興味深いのは、その2月以降、ドル円は米ドルの通貨インデックスとの相関を急速に回復させたことだ。円安が始まった昨年10月以降、為替市場は円主導の「円安」相場の様相を呈し、ドル円と米ドル通貨インデックスの相関は低下していたが、2月以降は、ドル円は米ドル通貨インデックスが高い時には上昇、米ドル通貨インデックスが安い時は下落するようになってきたのである。

 つまり、ここ2週間で100円を超えるドル高円安が進んできたのは、「円安」と言うよりは「ドル高」の側面が濃くなってきている。

 このように、日本株やドル円の相場はそれぞれ米株、米ドルとの相関を再び強め、米国依存度を高めてきている。100円を超えるドル高円安は「価格正常化」の範疇を超え、従来の筆者の想定を上回るものである。ここで問われるのは、根本的に米ドルについて強気に見るのか、弱気に見るのかである。

■ 2011年に長期で米ドルは底入れした可能性が高い

 米ドルの通貨インデックスの長期的な推移をみると、2010年代のそれが1990年代のそれと多くの類似点を持つことに気づく。1990年代の動きを見ると、85年のピークから7年ほどが経過した92年に米ドルインデックスは底入れした。

 米国でS&L(貯蓄組合)や3L(不動産、企業買収、中南米向け融資の不良債権問題)に係る金融不安が台頭。FRB(米連銀)が大胆な金融緩和に踏み切り、米ドルが下落すると思いきや、欧州で通貨危機が発生。米ドルは長期的な下げ止まりに転じた。

 今回は2001年以降の長期的な米ドル安トレンドが、7年経過した2008年にリーマン危機という米国発の金融危機を発端に下げ止まりに転じた。欧州では90年代と同じく、通貨危機(ソブリン危機)が発生した。

 さて、90年代は92年の底入れの後、95年まで3年ほど長期的に底這った後、米ドルインデックスは長期的な上昇局面に入った。その長期米ドル高トレンドは01年の今次局面のピークまで6年ほど続いた。?IT革命、?金融革命、?グローバル化によるニューエコノミーブームがその間の米ドル高の牽引役となった。


 今回もこれと同じサイクルを継続するのであれば、米ドルインデックスは2011年の安値(2008年の安値から3年)を起点に、実は既に長期米ドル高局面に入っているということになる。ニューエコノミーに相当する投資テーマは、言うまでもなくシェール革命など北米エネルギー革命となるだろう。

 さて、こうした長期的視点を持ちつつも、現実的に今回の米ドル高の目途をどこまで見れば良いのか。過去5年ほど、米ドルの通貨インデックスは156週(3年)移動平均線を中心にプラスマイナス2σ(シグマ)のバンドの範疇で推移してきた。プラスマイナス2σ(シグマ)のバンドは統計学的にみて、バンド上限を超えるようなドル高やバンド下限を下回るドル安の可能性が極めて少ないことを意味する。

■ 当面のドル円の上値メドは105円前後が妥当

 上記のような長期ドル高期待はともかく、中短期的な観点では、そのバンド上限が今回のドル高の限界になると考えられるが、現在、そのバンド上限まで残すところ1.7%強となってきた。(1)米ドル通貨インデックスで1.7%の上昇は、ドル円で言えば104円台後半に相当する。

 (2)一方、ユーロなど他通貨に対する米ドル高が進まない場合、1.7%の米ドル通貨インデックスの上昇を円の下落だけで達成することになる。インデックスに占める円のシェアが13.6%であることを考慮すれば、この場合、ドル円は12%ほどのドル高円安になるはずで、115円台が上値メドとなる。

 現実的には、(1)の104円台と(2)の115円台の間のどこかを想定するのが妥当だろうが、ドル円が米ドル通貨インデックスとの相関を回復し始めた3月以降、米ドル通貨インデックスが1%変化する時、ドル円は1.8%ほど変化する傾向がある。従って、(3)米ドル通貨インデックスがさらに1.7%上昇するなら、ドル円は3.0%ほど上昇するはずだ。そうするとドル円の上値メドは106円台との計算になる。当面については、105円前後を上値メドとして想定するのが妥当だと思われる。

高島 修


 

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