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暴徒化した反日デモの参加者に襲われた日系スーパー「平和堂」=昨年9月、中国湖南省長沙(共同)
【経済裏読み】関西経済のアベノミクス無縁“生き地獄” なぜこれほど中国依存
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130521/ecn1305211818012-n1.htm
2013.05.21 夕刊フジ
安倍晋三政権による「アベノミクス」がさまざまなビジネスに波及効果をもたらす中、関西は「不況」から脱しきれないようだ。百貨店では高額商品が売れ、JR大阪駅前の複合ビル群「グランフロント大阪」は好調な滑り出しを見せる。だが、パナソニックの平成25年3月期決算は大赤字。その背景には、関西企業の“中国依存症”も見え隠れする。
■25年で輸出額は2倍に
大阪税関がまとめた3月の近畿2府4県の貿易概況(速報)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は938億円の黒字で、3カ月ぶりの黒字となった。しかし、最大の貿易相手国である中国向けは13カ月連続で赤字となっており、近畿では円安効果が表れにくくなっている。
同税関がこのほど作成した、四半世紀に及ぶデータ集「近畿圏の貿易25年」をひもとくと、近畿の貿易実態がよく分かる。
昭和63年に7兆円余りだった関西圏の輸出額は、電機産業の発展とともに増え続け、平成19年には2倍強の16兆円を突破した。リーマンショックで落ち込み、22、23年は改善されつつあったが、24年は世界経済の減速などで前年比6.8%減の13兆5千億円余りにとどまった。
■中国依存率は2割超す
輸出額を輸出国別で見ると、昭和63年は1位の米国が24.2%とほぼ4分の1を占めており、アパレル(衣料)製品の輸出が多かったようだ。
しかし、63年に5.7%に過ぎなかった中国が年々増加。平成15年には米国を抜いて輸出相手国の1位となり、24年には23.5%を占めた。首都圏の17.5%、中部圏の13.6%を大きく引き離し、関西の対中貿易の大きさがうかがえる。逆に米国向けは11.6%に低下した。
この間、輸出品目の1位は半導体等電子部品となり、24年には輸出額の1割を占めた。
■古くからの結びつき
実は、関西と中国のビジネス面の結びつきはほぼ四半世紀前にさかのぼる。天安門事件で日米欧の企業が一斉に中国投資を手控える中、松下電器産業(現パナソニック)を創業した松下幸之助氏は、中国の副首相だった●(=登におおざと)(とう)小(しょう)平(へい)氏から「中国の近代化を手伝ってくれませんか」と頼まれ、日本企業として戦後初めて中国に工場を建てた。
現在、パナソニックの売上高の13%は中国で稼ぐほどだ。
■中国の発展とともに成長
平成13年に中国がWTO(世界貿易機関)に加盟し、市場開放を進めて以降、関西の対中貿易額は拡大の一途をたどる。中国経済は北京五輪、上海万博を弾みに急成長。プラズマテレビや液晶テレビなどデジタル家電ブームに沸く関西の電機大手は中国の好景気に支えられ、輸出額を増やした。
関西経済連合会など財界も対中国・対アジア貿易の強化を打ち出し、毎年のように訪問団を派遣した。
「東京シフトで関西の地盤沈下が叫ばれる中、中国の急成長は関西復権のチャンスと考えられた」。関西の証券アナリストはこう分析する。
■反日デモが冷や水に
だが、関西企業と中国との“蜜月関係”に冷や水を浴びせたのが、昨年の反日デモだった。
パナソニックの青島や蘇州などの工場にも暴徒が押し寄せ、中国の雇用や輸出に貢献してきた歴史が踏みにじられたからだ。同社の25年3月期の中国売上高は、現地通貨ベースで前期比14%も落ち込んだ。
滋賀県を地盤とする平和堂も、湖南省の百貨店3店舗の建物が破壊され、商品が盗まれた。
中国政府はこれまで、「井戸を掘った人を忘れない」と、自国の発展に貢献した外資企業を重視してきたが、両社の苦境は、中国に進出した関西企業の成功方程式が崩れた現実を物語る。
「若干のマイナス影響は出ているが、改善するだろう」。10日の決算会見でチャイナリスク対策を問われたパナソニック首脳はこう回答した。中国ビジネスを縮小する考えはないようだ。
しかし、りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「関西は景気の良い米国向け輸出が少なく、円安の恩恵を受けにくくなっている」と分析する。
中国経済減速による影響も懸念される中、関西企業の中国戦略は曲がり角を迎えている。(藤原章裕)
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