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3メガバンクの前2013年3月期の決算は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、三井住友FG、みずほFG合計の純利益が2.2兆円に上り、前期に比べ約11%伸びた。海外で融資が拡大したことに加え、株式減損の縮小、そして低金利環境をとらえた高水準の国債売買益などが牽引した。
3メガバンクの前期業績は当初から好決算が予想されており、決算発表当日の5月15日に行われた記者会見では、決算内容そのものはあまり焦点にならなかった。その中で質問が集中したのが、長期金利上昇への対応だ。
■利回り急上昇で、保有国債が含み損抱えるリスクも
債券市場では先週末から、長期金利の基準となる10年物新発国債の利回りが急上昇している。3メガバンクの決算発表当日の5月15日には、一時0.92%と昨年4月下旬以来の水準をつけた。
メガバンクは日本国債を大量保有している。金利が上昇すると債券価格が下落するため、メガバンクにとって大量保有する国債が含み損を抱えるリスクがある。
決算会見の場では、みずほFGの佐藤康博社長が「急な上昇は困るが、現状の水準ならば十分にコントロールできる」、三菱UFJFGの平野信行社長も「国債を安定保有するという姿勢に変化はない」などと、冷静な対応を強調した。
だが、ややトーンが異なったのが、三井住友FGだ。
■政権交代にらみ株式などリスク資産運用に方針転換
同社の宮田孝一社長は「当社の運用方針はすでに方向転換している」と話す。昨秋から国債の保有残高を減らし、株式などのリスク資産にシフトしているという。
実際に、三井住友FGにおける3月末の債券の保有残高は約24.5兆円となり、昨年9月末と比べて約6%減った。三菱UFJFG(3月末の国債の保有残高は約48兆円)、みずほFG(同・約30兆円)が、わずかながら増やしたのとは対照的だ。
一方で三井住友FGの株式の保有残高は同33.5%増えている。
「政権交代が予想されたころから運用スタンスを変えた。一言で言えばデフレからインフレ・ポートフォリオへの切り替え」と同社幹部は説明する。国債運用に代わって増やしているのは、株式のインデックス投資や為替デリバティブ、外債などという。「もはや国債投資だけに安住することはできない」(同)。
■貸し出しは増えるか、銀行の“本分”問われる
アベノミクスの影響が強まる中で、今後は三井住友FGだけでなく、残りの2メガでも「国債離れ」が加速しそうだ。収益面からみて、金利上昇局面が続けば、国債の売却で利益を上げることが難しくなる。3メガは今2014年3月期については、そろって減益を予想する。その主な理由は、国債売却益の大幅な縮小だ。
次の焦点は、余ったお金をリスク資産の運用だけでなく、企業への貸し出し増加につなげられるかどうかだろう。特にポイントは国内融資の拡大だ。
三井住友FGの宮田社長は「設備投資など国内の資金需要ははかばかしくない」と話す。その中でいかに企業ニーズを掘り起こせるか。銀行の本分が問われる局面でもある。
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