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http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=275903
アベノミクス関連報道が連日マスコミを賑わせているが、いったいどういう思惑なのだろうか? マスコミ、学者、官僚のめくらましに惑わされず、現実世界を動かしている力の構造を見極めなければならない。
吉田繁治氏、「130510 ビジネス知識源:特別号:結局 憑かれた資産バブルか?(1)」リンク より抜粋して紹介。
■1.2008年9月の、リーマン・ショックから始まっている
**** リーマン・ショックは、金融機関の債務超過だった
発生からは5年近くも経っていますが、現在の世界経済は、08年9月15日のリーマン・ショックから始まっています。
90年代半ばからの米国の情報システム関連株への、期待バブル崩壊の後、2000年代に、2倍の価格に上がった米国の住宅価格は、07年から下がり始めていました。それが、08年9月には、住宅証券(AAA格)の40%の下落が明白になり、この下落のため、住宅証券をもつ金融機関の連鎖的な破産になったのです。
米国の住宅ローンは、日本(200兆円)の約5倍(1000兆円)と、巨大な証券市場を形成しています。このため過去は、米国の債券では、国債市場より、住宅証券市場のほうがはるかに大きかったのです。
住宅ローンの回収率で決まる価値(MBS等の市場価格)が40%下がると、金融機関が受ける損害は、400兆円です。他方、米国の金融機関の、総自己資本は200兆円レベルです。
【信用恐慌を起こさない対策】
08年9月には、米国の、大手の、ほぼ全部の金融機関が実質で、債務超過になっています。金融機関の債務超過は、経済の取引に必要な信用量(流通するマネー量)を、急減させます。株価も下がり、ドルも下落しました。
08年8月は、1929年に始まり1933年まで続いて、第二次世界大戦にまで至った米国経済の大収縮、つまり信用恐慌になるスケールのものでした。日本のバブル崩壊(1990年〜)に似ていたのです。
信用恐慌を招くことが必定だった、金融機関の連鎖的な倒産を避けるため、(1)米政府は銀行に出資し、(2)FRB(米国の発券銀行)は、銀行が保有する不良化した債券を買い取ってドルを供給しました。
■2.FRBによるドル増刷は$2.5兆(250兆円)
その総額は、リーマン・ブラザースの倒産直後に$1兆、その後も$1兆を追加し、12年9月からのQE3の量的緩和(MBSの買い)も加わって、FRBのバランスシートは、$3.3兆と08年9月以前の4倍に膨らんでいます。
金額で言えば、FRBは$2.5兆(250兆円)の米ドルを、金融機関に対し、増加供給したままです。買ったのは、米国債($1.8兆:180兆円)と、値下がりして不良化した住宅証券(MBS$1.1兆:110兆円)です。リンク
FRBによる国債の巨額購入は、米国の金利を下げ、国債の価格は高騰させます。13年4月現在、米国の長期金利(10年物のドル国債の利回り)は1.6%と、歴史的に言って資産バブルが起こるくらい低いレベルです。
【低金利と量的緩和の、目的】
この目的は、国債をもつ金融機関に利益を与え、住宅証券の下落で失った自己資本を、回復させることです。同じ目的で、もっと直接に、米国FRBは、40%は下落していたMBS(住宅ローンの回収を担保にした証券)を$1.1兆も、券面の額面で買っています。
【額面価格で買い、損は、FRBに移転されている】
FRBが下がっているMBSを、マーケットの時価で買えば、金融機関には$0.5(50兆円)くらいもの損失が確定します。
このため時価ではなく額面でFRBが買って、金融機関に利益を与えているのです。MBSの下落損である50兆円はMBSを買ったFRBに移転しています。
実は、資本が$660(6.7兆円)しかないFRB自体も、これらの保有資産を時価評価すれば、債務超過です。FRBが債務超過であると言えば、金融市場とドルをもつ海外はどう反応するでしょうか?
* 認識すべきことを言えば、米国経済は、FRBのマネー増発である$2.5兆(250兆円)の上に、乗ったものであるということです。
■3.FRBが模索している出口政策で、米国債の買い手が日本
FRBの増発マネー$2.5兆(250兆円)は、米国の金融機関の預かり資産になって、それがファンドに貸されて、国際的な投機資金になっています。2012年11月から日本円を売り(その結果が円安)、株を買ったのも(その結果が株価上昇)、この資金です。
**** FRBの、出口政策への転換の模索
この5年間、米ドルを増発し続けてきた米国FRBには、そろそろ「出口政策」に移行しようという考えがあります(仄聞(そくぶん)情報)。出口政策とは、FRBが量的緩和のために買ってきた米国債と住宅証券のMBSを、市場に売って、金融市場から米ドルを吸収することです。これを行えば、米国の金利は上がって、米ドルは不足するように変わります。
* 出口政策の理由は、FRBのバランスシートを$3.3兆(330兆円)に膨らませたままでは、いずれ、金融機関に代わってFRB自体が陥った、巨大な穴、つまり債務超過に気がつく人が増えるからです。それがドル価値の減価、つまり、ドルとドル債売りになるからです。
**** 対外純債務国の米国
将来のドル価値が下がると見て、海外がドル債を売り浴びせれば、対外債務が$22.7兆(2270兆円:GDPの1.5倍)と巨大な米国経済は、奈落に沈みます。
(注)米国の対外債務は$22.7兆、対外債権は20兆で、対外純債務は$2.5兆(250兆円)っです。(2010度:2012年米国経済白書 P388)
海外から毎年$5000億の国債を買ってもらい、その分を増加保有してもらう必要がある対外純債務国である米国にとって、ドル価値の減価を見越したドルとドル債売りが、実は、もっとも怖い。
これが起こると、(1)ドルの暴落、(2)米国の金利の高騰になるからです。これを防ぐため、FRBは、出口政策に転じる必要があると考えているようです。出口政策は、FRBが買ってきた米国債やMBSを、逆に売って、市場のドルを吸収して減らすことです。これを、FRBが行えば、米国債を増やして買ってくれるパートナーがないと、米国はドル安になって金利が上がり、経済は不況に沈みます。
【恰好の安倍政権】
従って、「FRBが売りたい米国債を買ってくれる、どこかの国がなければならない」。大口の候補は、世界に中国と日本しかいない。ドイツはユーロで忙しくドルを買う余裕はない。これが、民主党に替わった、安倍政権でした。
2012年の11月以降の、アベノミクスによる円安は、実は、米ドルとドル債買いであり、円と円債の売りです。安くなる通貨は、その通貨(円)の売り超があったことを示すものです。これは、上がった通貨(ドル)の買い超です。つまり、日本から、米国債の買いが大量にはいったから、円安に向かったのです。
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1ドル100円に円安加速、安倍政権は「良い傾向」と追認
第三の矢としての、経済成長戦略は実質上、無しに等しい
1989のプラザ合意は円安から円高への軌道修正、デフレ化への罠
今回の円高軌道修正は日本国内のハイパーインフレへの罠なのか
マルデックを崇拝する勢力は生け贄が必要だと考える
日本人の消失する2/3が、その生け贄なのだろう
(http://ytaka2011.blog105.fc2.com/blog-entry-272.html#comment12863/コメント)
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