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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130511-00013933-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 5月11日(土)8時0分配信
為替が1ドル=100円をついに突破した。なぜ、3日雇用統計の夜ではなく、9日の晩だったのか? しかも、日本時間の10日午前3時という、時間だったのか、疑問が残る。
■ 決め手に欠けた100円突破の材料
後付け的に、大台突破となった材料を整理してみよう。
1、新規失業保険申請件数が32.3万件と、予想の33.5万件を下回った
2、ファンド筋から大口の買いが入った
3、米30年債の入札で間接入札比率(海外中央銀行を含む海外投資家分)が38.8%と前回の31.4%から上昇、海外投資家の需要が強かった
4、最近の強い米国経済を受け、FRBで出口戦略の意見が増えるのではないか(とあるFEDウォッチャーがコメントしていたとの話がある)
5、中国が外貨準備のドルの比率を増やすという噂
いずれも、パンチにかける。新規失業保険申請件数や30年債の入札で100円が突破されるのであれば、先週の雇用統計で仕掛けられていたはずだ。
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■ 市場が油断しているところを狙われた?
やはり市場が油断していたところを狙って、というか、だからこそ上昇したのではないか。99円台前半が重くなり、100円トライを2〜3回やっても厚い壁に阻まれて、「これは97〜100円でしばらくやるのかな〜」とあきらめムードが漂っていたところで、ひっくり返された。筆者もまさにそのように予想していたのだが、見事に裏切られた。
前回も書いたが、100円にあったオプションバリアーがかなりエクスパイアー(期日到来)して、上の売りが薄くなってきたところで、期日が残っていたバリアーを執行する動きが出た、というところだろう。また、比較的流動性が落ちるニューヨーク市場の後場が狙われたのも偶然ではなさそうだ。
ともかく、終わったことをあれこれ詮索しても仕方がない。これからの戦略を立ててみよう。
一連の100円突破の動きをみると、円売り主導ではあるが、ドル高の流れが鮮明に出た。この傾向が続くのであれば、ドルを買うほうが良いので、クロス円よりドル円の買いが良さそうだ。やはり米国の経済が比較的良いことに注目するべきだ。
中期の予想をするなら、好調な米国経済、株高の中で、やはりFRBの出口戦略が話題になってくるかもしれない。筆者は、すぐに出口戦略に向かうとは思わないが、そのことが話題になること自体が、ドルを支える材料になる。世界各国が金融緩和を加速させる中で、米国が真っ先に景気回復を成し遂げて出口に向かうかどうかが、今年の中期的なテーマになる。
もう少し長い目で見れば、財政赤字と貿易赤字の双子の赤字がドル売りの長いテーマだったわけだが、この双子の赤字がやや縮小傾向にある。3月の貿易赤字は388.29億ドルでまだまだ高水準だが、2月の436.29億ドル、前年同月の517.26億ドルからは15%以上減少している。
また3月の米財政収支は1070億ドルの赤字で、前年同月の1980億ドルから縮小、2012年10月から2013年4月の財政赤字は4890億ドルとなった。これは前年同期の7200億ドルから30%以上も減少している。
この双子の赤字の縮小がこれからも継続するかどうかはわからない。だが、長期的にはこのテーマが解消できれば、ドル高の強力な材料になる。
とはいえ、短期的には節目の100円を超えたことで、これからは100円付近が中期的なサポート(下値支持)になるだろう。
■ 95年時は100円突破後、わずか10日で約5円円安に
この先ターゲットになるレベルは、まずは09年4月の戻り高値である101円40銭〜50銭を突破したため、次は07年6月高値である124円10銭付近〜11年10月の安値79円31銭のレンジの38.2%戻しの103円付近、61.8%戻しの105円50銭〜60銭付近になりそうだ。つまり、次は103円付近、105円台中盤が目指すべきターゲットだ。
ここで過去の円高から円安局面へのトレンド転換で、どんな動きが起きたかを検証してみよう。1995年4月19日の、当時のドル円のドルの最安値79円.75銭からの戻り局面での100円突破の場面はどうだったのだろうか。
このときは95年の8月16日に99円台に到達し、その後95円80銭〜99円45銭とまさに今回と同じようなレンジを9月初めまで繰り返しながら9月8日に100円を突破した。その後は大きな押し目もなく、9月19日に104円80銭付近の高値を示現した。100円突破から、わずか約10日間の出来事だった。
その後9月21日に97円20銭付近まで急落するが、そのレベルを底値に100円を挟んだレンジ相場をこなした。結局、前回の高値104円80銭をブレークしたのは翌年1月であり、約4か月ほどかかった。
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■ もう一段ドルの上値を試した後、調整のパターンも
前回と同じ動きを踏襲するかどうかはわからない。だが、前回は押し目を作らずに105円付近まで上昇したことを考えると、今回も先に上値を試しに行ってから、その後調整になるパターンではないかと思われる。
ドル円の傾向としては、ひとたびレンジをブレークすると弾みがついてトレンドが長続きするという傾向がある。
こうなってくると100円に近いところは買いたいというオーダーが手前に出てくるので、ドルが100円まで下落することはないだろう。今回のように、抜けるまで1か月ほどかかった100円という節目をあっさり抜けることはないと思うので、100円がサポートされ100〜105円のレンジにシフトしたものと思われる。
100円を付けずに上昇してしまう恐れの中、100円にできるだけ近いところで買いたいという市場心理があるので、せいぜい戻り(ドルの下値)は100円中盤までだろう。買いたいけど買えないという躊躇のうちに、再度上昇してしまうのだろうな、と考える。
(撮影:梅谷 秀司)
田代 岳
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