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http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/3071378/2013/05/08 18:26
アメリカも日本も株高。その理由は日米の量的緩和にあるというが、なぜそうなるのか。その限界は?一転、急落はあるのか?
■お札を刷れば株価は上がる?
これもアベノミクス効果と言うべきか。今年のゴールデンウイークでは最近になく華やいだ表情の家族連れが街でも郊外でも目立った。よくよく考えてみると、アベノミクスとはいっても本格的に始動したのは一本目の矢である「異次元の金融緩和」だけであり、日銀がお金を大量に刷るという量的緩和(QE)のメッセージ効果が株価に顕著に表れたにすぎない。株価が回復軌道に乗ったとしても、実際に消費者が財布のヒモを緩め、企業が設備投資に踏み切るとは限らないのが難題なのだが、ともかく株価上昇効果で景気の「気」が明るくなることは脱デフレの第一歩に違いない。
そこで、質問。中央銀行がお金を刷れば、株価は必ず上がるのか。上がるとしたら、なぜなのか。
■マネタリーベースと連動
そこで作成したのがこのグラフである。米連邦準備制度理事会(FRB)は2008年9月のリーマン・ショック以降、猛烈な勢いでドル資金を新規に発行しては住宅ローン担保証券や国債を買い上げ、ドルを金融市場に流し込んできた。QE1、2、3と3度の量的緩和政策に踏み切り、資金供給残高(マネタリーベース)はリーマン前に比べて3.2倍に膨らんでいる。そこで、マネタリーベースと米株価(ダウジョーンズ総合平均指数)の推移を重ね合わせてみると、その連動ぶりには目を見張る。米国ではお金を刷れば株価が上がるという「法則」が存在すると思わせる。
それでも、株価はその間に突如落ち込んだ局面が数回ある。直接的な原因はギリシャなどユーロ加盟国の債務危機であり、いわば外部要因である。もう一つ、目をこらしてみると、FRBがマネタリーベースの伸び率を抑えて横ばい気味に操作しているときに株価は下に振れている。横ばいから一転してドル資金供給量を上積みしたら、株価は確実に上昇する。
米株価はこれまでのところ、FRBのドル増量政策によって支えられてきたのである。人の身体で言えば、大量の輸血で元気になるが、輸血がないと、足下がふらつきかねない。
今年に入ってから、米国の住宅市場は底入れするなどの実体景気の好転をうかがわせる好材料が出始め、それが株式市場に影響したのは確かだが、万全ではない。FRBのバーナンキ議長は昨年9月中旬に打ち出したQE3の目標として雇用情勢の好転を挙げている。しかし、失業率は一進一退で、市場の期待値ほど改善しない場合は株価が下がりやすい。そこでFRBはドルを追加発行して、市場に投入するしかない。
ドルを刷れば、なぜ株価が上がるのか。住宅ローン担保証券や国債をFRBに売って余剰資金を手にした金融機関が株式のインデックス投資信託に投資し、平均株価を押し上げるからだと、ウォール街関係者から聞いたことがある。特に、10年秋からはFRB幹部がウォール街の民間大手金融機関と株価上昇策で一致したといわれる。
しかし、FRB内部では、QE3を年末までに打ち切るべきだとする意見が根強い。お金の大量発行に伴うインフレを警戒しているためだが、今のところ、インフレ率は2%前後と適正な水準を保っており、グラフの通り、ドルを刷り続けている。実体景気が力強い回復を見せないと、株式市場はFRB依存から抜け切れないのだ。
■米と異なるプロセス
さて、問題は日本である。日本の場合も01年3月から06年3月までの日銀による量的緩和期に株価が上昇した。今回も、日銀による大胆な金融緩和を求める安倍晋三政権の誕生に続く、黒田東彦(はるひこ)日銀総裁による異次元緩和策を受けて株価は急速に回復している。しかし、日米間では株価と量的緩和の結び付きのプロセスがかなり違う。日本の場合は、量的緩和が円安に導き、株価は円安に反応して上昇している。ドルを刷ればただちに株価が上がる米国に比べ、日本の株式市場は外国為替市場が媒介するのである。
言い換えると、日本は円安が止まり、円高に振れると、株価は確実に下落する。円安基調の継続が株価上昇の決め手になるが、黒田日銀の異次元緩和だけでどこまで円安に持っていけるかは、米欧、特に米国の量的緩和次第である。米国は今年に入って、毎月平均800億ドル余りのドル資金を追加発行しているが、黒田日銀はこれから年末にかけて月平均7兆2500億円の円資金を刷り増す方針を決めている。7兆2500億円を800億ドルで割ると1ドル当たり90円強となり、お金の増刷速度からみると、円安が急速に進むとは考えにくい。
そうすると、円安の決め手は、米国がQE政策を打ち切るかどうかにかかってくる。日本の株価はその円相場動向にかかってくる。 (田村秀男)
◆Xデーは9月か10月、マーケットに大波乱?
http://toyokeizai.net/articles/-/13897?page=3
「上に政策」あれば、すぐ動く米国人、動かない日本人
@ 今回の、日本のレベルは前例がないでしょ。金融緩和の規模や方法のいずれにしても、今まで主要国の中央銀行がやったことのない、前人未到の世界に入ったと思います。それと、米国の場合、こんなバズーカ砲を打たれたら、速攻で人々は次のアクションを取るのだけれども、日本人はなかなか動かない。だから、とにかく能動的に動かないとね。
@ どこか他人事なんだよね。草食投資隊として3年間、いろいろなところを回って話をしてきたけれども、「もう日本はダメだから」という人がたくさんいましたよね。日本は沈没するといったことが書かれている本を山のように読んで、もうどうにもならないとあきらめている人が大勢いる。
麻生太郎財務相が言うように、まさに「日本の芯が腐ってきた」わけです。だから、自分たちで何とかするという気持ちを持つことが大事。
中野アベノミクス効果があるのは夏の参院選まで、などと言っている人が大勢いる。このように、皆が他人事だと、せっかくの黒田バズーカも息切れしてしまいますから、僕らも含めて日本国民が自らアクションを起こすという気持ちを持つことが大事だと思います。
@ ナローパスをインターセプトするのは、結局のところ国民自身かもしれませんよ。
渋澤 結論を急ぐつもりはないけれども、黒田バズーカって時間稼ぎなんだよ。だから、その効果が切れる前に、何とか実体のある成長軌道に乗せていかなければならない。
藤野カンフル剤を打つ必要があったのは事実だけれども、本来1本も打てば十分なところを10本打ったというのが黒田バズーカだから、下手をすれば心臓が潰れるかもしれない。
@ でも、ポジティブに考えれば、デフレスパイラルの根本要因だった円高を除去できたわけですから、環境は改善しつつあるわけです。もちろん、円安がどんどん加速すると弊害も生じてくるので、政策サイドもきちっとメッセージを出していかなければなりません。つまり、環境は整えたので、ここから先は皆さんが、景気の自律的な回復を実現するために必要なことを考え、実行に移して下さい、ということです。
@ 気になるのは債券市場の動きですね。長期金利は黒田バズーカの発表後、一時的には0.315%まで低下しましたが、そこから今度は0.6%台まで一気に上昇しています。一時的に取引が中断されるサーキットブレーカーも発動されるなど、不安定な状況が続いていますよね。
■国債市場は、事実上壊れている
@ 国民の99%は気づいていないと思うけど、日本の国債市場は事実上、壊れているといってもよい。これから物価は2%の上昇を目指すというときに、債券市場で長期金利が0.5%台で推移しているというのは、どう考えても理屈に合わない。
でも、日銀がどんどん買うと言っているわけですから、売る側も売れない。
@ 問題は4月以降の新年度の動きだよ。だってこれまで国債をがんがん買っていた金融機関は、今回の3月末の時価会計の評価では国債のキャピタルゲインをかなり計上したことになる。となると、これから先、異常なまでに下がった金利からは収益を期待できない。人為的に長期金利の上昇を抑えるオペレーションを行っているわけだから、その抑えが効かなくなったとき、長期金利は一気に跳ね上がるリスクが潜んでいると思うよ。
@ ★根拠が特にあるわけではないけど、9、10月が怖いな。
@ 暴落しやすい月ですよね。
@ そう。1929年の大恐慌(10月)しかり。他にも、1987年のブラックマンデー(同)、2008年のリーマンショック(9月)など、いずれも秋に起こっています。アノマリーかもしれないけれども、参議院選挙など政治的なイベントの終了、金利動向などを考えていくと、その時期に何かあってもおかしくない。
株価の上昇スピードも速いので、どこかで必ず調整は行われるでしょう。これから投資する人は、こうしたリスクシナリオを織り込んで、マーケットと対峙する必要があります。
中野 とにかく、黒田バズーカの効力があるうちに、経済を自律的な成長軌道に乗せていくことが肝心ですね。
@ ROEを上昇させ、給料も上げていく。地道だけれども、こうした努力が大切です。政府は黒田バズーカを打ち出すことでリスクを取り、環境整備をしたわけですから、それを民間がしっかり引き継いで、経済の活性化に努めていく必要があります。(抜粋)
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