http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/715.html
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■ル・モンドの記事が興味深い
日米のマスコミは、「シェールガス革命」がアメリカ経済の復活のカギと宣伝しています。
一方、仏ルモンドの日本版は、シェールガスは「開発バブル」に過ぎないと警鐘を鳴らします。
・「大いなるペテン、シェールガス」
(ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版2013年3月号)
http://www.diplo.jp/articles13/1303gazdeschiste.htm
1) シェールガスの井戸は1〜2年で涸れる
2) 開発資金を回収する為には次々と井戸を掘る必要がある
3) シェールガスの産出量が一時的に増えるのでガス価格が下落
4) 開発バブルを支える為に2008年の金融界の投資合計額に匹敵する資金が必要
5) エクソンモービルの社長は外交評議会(CRF)で「経営は赤字だ」と発言
(6)«Exxon : “Losing our shirts” on natural gas», The Wall Street Journal, New York, 27 juin 2012
6) 埋蔵量を水増しする為に、頁岩鉱床の量を多く見積もっている
■自転車操業に陥っているシェールガス業界
ルモンドの記事は、ヨーロッパ勢力のアメリカ攻撃の色合いも強いので、
多少のバイアスが掛かっているのもとして読むべきです。
記事の後半は、石油の埋蔵量も水増しされているとして、
ピークオイルが確実に訪れると誘導しています。
ここら辺は、「石油利権 VS 原子力利権」の複雑な対立があるので、
この記事を鵜呑みにするのは危険かも知れません。
しかし、常識的に考えて、採掘コストが高く、環境破壊を伴うシェールガス開発が、
近い将来、暗礁に乗り上げるであろう事は想像に難くありません。
興味深いのは、シェールガス業界が「企業秘密」として公表していない
シェールガスの水圧破砕の水に含まれる化学物質を「洗剤」と書いている点です。
頁岩層にはガスと一緒に原油(シェールオイル)が含まれています。
シェールガス井戸からは最初、原油が破砕水と一緒に噴出してきます。
この原油が出切った後、ガスが産出されます。
「洗剤」とはある種の界面活性剤で、
頁岩層に浸み込んだ原油を引き剥がす効果があるのでしょう。
そうしないと、目詰まりしてガスが産出出来ない。
水と洗剤と原油の混合物が井戸から噴出する訳ですが、
これを分離する事で、原油を得る事が出来ます。
いずれにしても、シェールガスにしてもシェールオイルにしても
在来資源に比べて大変なコストを掛けて生産される訳です。
ガス価格が下落した状況では、事業自体は既に赤字になっています。
それでも、事業が継続しているのは、外部からの資金が大量に流入しているからです。
シェールガス井戸は開発後1〜2年はそれなりの量のガスが得られます。
ですから、新しいガス井を開発し続ける初期の投資効率は低くありません。
ところが時間の経ったガス井は産出量が激減するので、
投資に見合った生産が得られません。
ですから、新規開発の速度が鈍った瞬間に、シェールガスの開発バブルが弾けます。
■問題は投資金額が膨大に膨れ上がっている事
シェールガス開発が、試掘程度の規模であれば問題は少なかったはずです。
ところが、大統領自らが広告塔になってシェールガスの開発バブルを煽ってしまいました。
結果的に大量の資金が投入されました。
ところがバブルが弾けた瞬間に、こららの資金は莫大な不良債権となります。
これは、第二のサブプライムショックに成りかねません。
■開発バブルの崩壊はいつか?
シェールガス開発バブルの崩壊はいつ起きるのでしょうか?
それは、シェールガス開発に流入する資金が減少した時です。
アメリカは80年代に風力発電の大ブームが起こります。
大量の資金が流入し、砂漠の真ん中に大規模な風車が立ち並びました。
しかし、発電コストが石炭火力よりも高い風力発電は採算が取れません。
一時の投資ブームが去った後、メンテナンスもままならない状態になります。
同様に近年は太陽光発電ブームが勃興し、そして終焉しています。
この様に元々採算性に乏しい資源開発は、数年の内には崩壊します。
既に目先の効く投資家は既にこの分野から手を引いているでしょう。
現状は、海外の年金ファンドや、インチキファンドが支えているのかも知れません。
シェールガス開発バブルが弾けるとすれば、その引き金は資金の逆転です。
ですから、次の金融危機が意識され始めた途端に、
追い討ちを掛ける様に、シェールガスの開発会社が経営危機に陥るでしょう。
■アメリカンドリームが醒める時
マスコミは「シェールガス革命でアメリカは大復活」と宣伝します。
しかし、現実は「シェールガス開発バブルの崩壊でアメリカ経済も崩壊」というのが正しい。
だいたい、新聞の一面を飾り、派手にに宣伝される事は疑わしい・・・。
世界の多くの人々が「シェールガス詐欺」に騙されて
アメリカの将来性に期待を寄せています。
これが「単なるバブル」だと分かった時の失望は大きいでしょう。
当然、米国債やドルの信認も大きく揺らぎます。
■唯一の解決方法は中東戦争
シェールガスが復活する唯一の望みは「ガス(原油)価格の高騰」。
中東で戦争が発生すればガス価格も高騰し、
シェールガスも採算が取れる様になります。
ですから、アメリカでシェールガス開発が拡大すればする程、
エクソンなどの石油資本は中東戦争を欲する様になります。
安倍氏はゴールデンウィークにトルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦を歴訪しています。
原発の売り込みをして来た様ですが、これには非常に意味深です。
これは将来的に原油が高騰する事を意味しているのでは無いか?
例えば、油田地帯に核ミサイルが打ち込まれ、
暫く、放射線汚染を理由に、石油の産出が滞る事態が起きるのでは無いか?
(中略)
「事実は小説より奇なり」とも申します・・・・・。
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