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4月4日、黒田東彦日銀新総裁が初めての金融政策決定会合で「異次元の金融緩和」を決定した。今後2年間で長期国債の保有額を2倍に拡大し、資金供給も2倍に増やすとしたのだ。
これまで多くのエコノミストがこうした大胆な金融緩和に反対してきた。しかし、今回の黒田金融緩和は、彼らの主張を根底から覆してしまった。
エコノミストたちの反対理由は主に五つあった。
第一は、金融緩和には何の効果もないというものだ。それは明確に否定された。野田前総理が解散総選挙を決めた昨年11月の日経平均株価は8600円台だった。それが、黒田緩和の直後に1万3200円台をつけた。5カ月で5割も株価が上がったのだ。これで効果がないとは言えないだろう。
第二は、大胆な金融緩和などしたら、ハイパーインフレになってしまうという主張だ。3月の東京都区部消費者物価は前月比で0.4%の上昇だが、前年同月比は0.5%の下落と、ハイパーインフレの懸念などまったく出ていない。
第三は、円の信任が揺らいで、為替が暴落するということだった。確かに対ドルレートは円安が進んで1ドル=99円台に突入した。だが、リーマンショック前が110円だったことを思えば、元に戻る動きで暴落しているとは言い難い。
第四は、長期国債を日銀が大量に買ったら、国債の信任が失われ、大暴落するというものだ。現実には、黒田緩和が発表されると、長期国債金利は0.3%台へと下落し、国債価格が史上最高値を記録した。暴落の気配すらなかったのだ。
第五は、いくら金融緩和をしても、銀行に流れた資金は日銀の当座預金に滞留し、貸し出しには向かわないから、実体経済にプラスの影響はないというものだ。金融緩和から貸し出し増に向かうまでにはタイムラグがあるから、すぐに貸し出しは増えない。しかし、全国銀行協会の統計をみると、昨年までほとんど増加がみられなかった銀行の貸し出しが、今年に入って確実に増え始めている。実体経済もよくなってきているのだ。
実は、こうなることは目に見えていた。資金供給を2倍にするという日銀の決断は、けっして異常なものではなく、世界からみればごく普通のことだからだ。リーマンショック以降、イギリスは5倍、アメリカは3倍、ユーロ圏は2倍に資金供給を増やしてきた。その中で日本だけが資金供給を増やさなかったから、希少な円が値上がりし、円高不況が訪れた。円を増やして通貨供給量のバランスを取り始めたら、為替が元に戻り始めたというのが今回の変化なのだ。
それなのに、これまで多くのエコノミストたちが経済理論に反する主張をしてきた。それが根本から間違っていたことがわかったにもかかわらず、誰もその過ちについて反省も謝罪もしていない。
それは日銀の審議委員たちも同じだ。これまで白川前総裁の下で、金融引き締め政策を推進してきたのに、4月4日の資金供給倍増戦略は全員一致で可決されている。トップが変わったら全員がなびいてしまう。理論もなければ信念もない。
民主党の最大の失敗は、白川前総裁も含めて、こうした審議委員を選んだということだろう。いずれにせよ日本の金融政策は、ようやく普通に戻ったのだ。
◆円安を阻む当座預金残高ターゲット
http://ameblo.jp/eiichiro44/entry-11521094093.html
ユーロは、2日の理事会が俄然注目を集めているが、上げ下げ2つの要因に、常に挟まれている印象で、イタリア新政権における政策の行方なども注目になる。
ドル円レートは、世間的に105円、110円と言われていた時期において、当レポートでは「100円遠し」をテクニカルな理由を根拠に主張していた。米財務省の為替報告書が材料視され、その後のワシントンG20にてそれが帳消しとされた格好になったが、そのまま(円安)トレンドを築くには薄すぎた。米国容認は円安トレンドの前提にはなれども、米国が容認しようがそうでなかろうが、米国の事情自体が問題だ。
米国のディスインフレ を1人主張し続け長らく経つが、先日、米商務省から発表された米3月PCEデフレーターは1%を割り込んだ。(1.0%と報道されているが、正確には0.97%)
昨年から継続するインフレ離れだが、10年債利回りは1.6%台まで落ち込んでおり、その兆候は消費者物価の構成品目に(昨年から)よく出ている。現在もそうだ。
★黒田日銀は、実質的な意図である円安推進について、当座預金残高をターゲットとしているようだが、一層の円安にしたいのであれば(世間一般の認識とは違い)、逆に当座預金を減らさなくてはならない。(ここでは、マネーサプライを増やすという意味合いでは無い)
経済評論家の中には、未だに「量を増やして希薄化」などといった事を吹聴している人がいるが、日銀がベースマネーに具体的数値目標を置く事それ自体が、彼らの目論みを阻む事になる。過去数年間、日銀はベースマネーを拡大してきたが、それを根拠とした円安はトレンドを築く事はできなかった。
★言いたいのは、過去と同じ「器」の中にマネーを拡大しても通貨安になるとは限らない、という事。「器の形」自体を変えなくてはいくら印刷しても徒労に終わる、といった兆候が出ている。
無制限緩和でのマネタリーベース目標政策には、円安を阻む側面がある事を、日銀高官自身が知る必要がある。 知っているのかも知れないが、言わないだけの委員もいるかも知れない。政治家は当然知らない。
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