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日露首脳会談、エネルギー協力で主だった合意得られず 2013年 04月 30日 02:27 . [モスクワ 29日 ロイター] ロシアを公式訪問中の安倍晋三首相は29日、プーチン大統領と会談し、北方領土問題の解決に向けた努力を加速させることで合意したものの、エネルギー分野での協力については主だった合意は得られなかった。
今回の首脳会談で日本側は、シベリアのガス田からウラジオストクの液化天然ガス(LNG)施設にガスを輸送するパイプライン建設計画への日本企業の参加についてロシア側から提案があると予想していた。 ただこの日の首脳会談ではこうした提案はなく、プーチン大統領は、同パイプライン建設計画を進めている政府系天然ガス大手ガスプロム(GAZP.MM: 株価, 企業情報, レポート)は日本の天然ガス輸入施設の建設を支援する用意があると述べるにとどめた。 米ペンシルバニア州のコンサルタント会社、東欧ガス・アナリシスのエグゼクティブ・ディレクター、ミハイル・コルチェムキン氏は、「ウラジオストクのLNG施設までの輸送距離は長いため、ロシア産ガスの価格は日本の予想を上回る可能性がある」としている。 ただ安倍首相の訪問中、三井物産(8031.T: 株価, ニュース, レポート)とロシア国営石油大手のロスネフチ(ROSN.MM: 株価, 企業情報, レポート)が、ロスネフチの実施する石油化学プロジェクトで協力することで覚書(MOU)に調印。同プロジェクトの下、エチレン、プロプレンなどを生産する。 関連ニュース 日ロ首脳、北方領土問題解決への努力強化で一致 2013年4月30日 ロシア大統領が米国との安保協力拡大を強調、ボストン爆破事件受け 2013年4月26日 焦点:ボストン爆破事件の「思わぬ産物」、米ロ関係に改善の兆し 2013年4月22日 アングル:日ロ首脳会談へ加速するガス交渉、焦るロシア 2013年4月19日 トップニュース 3月鉱工業生産速報は前月比+0.2%、基調判断を上方修正 3月完全失業率は4.1%に改善、有効求人倍率は0.86倍に上昇 「グーグルナウ」がiPhoneでも、アップル独自機能と競合へ 日経平均は続落で始まる、円高進行で輸出株に売り先行
2013年 4月 30日 08:43 JST 日ロ首脳、領土交渉の再開で合意
By TAKASHI MOCHIZUKI 【モスクワ】日本の安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領は29日、モスクワで会談し、長年にわたる領土紛争を解決するための交渉を再開することで合意するとともに、経済協力拡大のための一連の協定に調印した。 共同声明で両首脳は「われわれは、第2次世界大戦後67年を経ても両国が平和条約を結んでいないことは異常だとの認識で一致した」とし、北方領土をめぐる対立によって両国が大戦中の敵対関係に公式に終止符を打つための平和条約を結べないでいることに言及した。両首脳は、「両国が受け入れ可能な条約提案を示すよう両国の外務省に指示」し、対話を再開することで意見が一致したとしている。 両国の首脳が共同声明を発表したのは過去10年間で初めてであり、しばしば冷えたものになっている両国間関係にとって前向きの一歩を意味する。両国は今、中国の台頭と影響力に警戒しており、安倍首相は日本が中国、韓国と激しく対立する中で、地域内での友好国を探している。日本とロシアは、日本が北方領土、ロシアでは南クリルと呼ばれる諸島の返還を求めているため、平和条約を結んでいない。 安倍首相は共同記者会見で、「経済パートナーシップをさらに強化するために、平和条約の締結は重要だ」と指摘した。プーチン大統領は、両国のより緊密な経済関係を強調して、「平和条約を模索する際にはこれが最も良い役割を果たすだろう」と述べた。 しかし、今回の動きはわずかなものであり、ソ連の崩壊後に北方領土の少なくとも一部の返還を実現しようとして失敗してきた何人もの日本の首相よりも成功するのかどうかは明らかでない。専門家らは、領土問題が今後すぐに解決することはほとんど期待できないとしている。 ロシア科学アカデミー極東支部のビクトル・パリャテンコ氏は「ロシアはもちろん、経済、文化面での接触拡大のための協力促進を望んでおり、加えて日本はエネルギー安保上の問題解決に関心がある」とし、「このため、交渉の基盤はできており、その課題は領土問題をわきにやって、現実的な問題に対処することだ」との見解を示した。 ロシアの首脳はこの20年間、日本が1945年8月に連合軍に降伏した数日後にソ連軍が占領した諸島の一部を返還する可能性をちらつかせて繰り返し日本の首脳をじらしてきた。両国間の協議はしばしば、ロシアへの投資を促進するよう求めるロシア側からの呼び掛けに連動している。 実際、安倍首相は今回の3日間のロシア訪問の期間中に、政府系の日本国際協力銀行がロシア国営開発銀行、ロシア直接投資基金(RDIF)と協力して、ロシアに投資する日本企業に融資するための日ロ投資プラットフォームを設けると発表した。 プーチン大統領は最初に大統領に就任して以来、一定の条件の下で北方領土四島のうち二つを返還するとしており、一方の日本の指導者は―両国が四島全てが日本に帰属することを確認する限り―諸島の返還時期については柔軟になれるとしてきた。ロシアが返還を検討するとしている二つの島は紛争領土の7%を占めているにすぎない。 安倍氏は2国間首脳会議のためにモスクワを訪問した首相としては過去10年間で最初の人物だ。前回首相を務めていた時―2007年9月までの1年間―安倍氏は国際会議の機会に3回、プーチン氏に会っている。しかし、日本の政治的不安定で複雑な国際交渉が進まなくなったことなどで、両国の話し合いはここ数年間、停止状態になっていた。前回の短期安倍政権から数えて、日本では過去6年に6人の首相が現れた。 日ロ関係は、メドベージェフ大統領(当時)が10年、四島のうちの一つを訪れて、改めてロシア支配を示したことで冷え込んだ。プーチン大統領は日本ではメドベージェフ氏よりも日本の主張に友好的だと思われている。 29日に発表された共同声明で両首脳はまた、首脳と外相が定期的に相互訪問することでも合意したと述べた。両首脳は、地域安保での協力強化のために、外相と国防相による協議会を設けるとしている。これは、地域安保での協力強化を目指した日本からの提案をこの数カ月間繰り返し退けている中国と韓国とは好対照だ。 wsj
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