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2013年4月24日 日刊ゲンダイ
<平均年収2700万円がフイに…>
またの名を“税理士殺し”と呼ぶそうだ。
普通のサラリーマンには馴染みが薄いが、元グーグル社員の佐々木大輔氏が開発した会計ソフト「freee」が話題になっている。青色申告の個人事業主向けサービスが月額980円。会社法に対応する法人向けも月額1980円と、破格のお値段。税理士を雇えば、個人で月1万〜3万円、法人で月3万〜5万円が相場だから、この会計ソフトがサービスを始めた3月の最初の2週間で1600の事業所が申し込んだのも当然だ。
これに顔が“青色”になっているのが、全国7万3700人の税理士たち。「勘定奉行」(OBC)のような会計ソフトが出た時も、「おまんまの食い上げ」といわれたものだが、今度のソフトは、これまでとは中身も内容もまるで違う。
東京郊外で個人事務所を営む税理士が言う。
「これまでの会計ソフトは、勘定をいちいち“手打ち”していましたが、freeeは“全自動”。ウェブ口座の明細が自動的に会計帳簿に振り分けられるのです。従業員数人規模の会社の会計なら、ものの1分で終了ですね」
月1分で明細処理が出来るのだ。現在、国内企業は180万社。うち約107万社が従業員0〜4人の零細だ。
実際、税理士はどうなるのか?
「壊滅的被害を受けるのは間違いありません。現状でも税理士は、同じくすっかり食えなくなった公認会計士からの転身組に仕事を取られ、顧問契約料もダンピング傾向だし、さらに法人数の減少という3重苦。これまでの会計ソフトには『素人には扱えませんよ』の一言で対抗してきましたが、もうそうも言えない。アメリカでは、すでに会計ソフトの台頭で公認会計士(CPA)が大量に失業したと聞いています。日本も同じことになるでしょうね」(前出の税理士)
税理士泣かせなのは、会計ソフトの進化だけではない。TPP導入をキッカケに、外国の税理士が日本に進出する可能性もあり、それも悩みの種になっている。
日本で税理士といえば、弁護士や医師に次ぐ特権階級。税務署に23年以上勤めた役人の“天下り資格”でもある。
日本税理士会連合会が04年に行った調査によると、税理士の28.3%は年収1000万円以上。開業税理士となると、平均2700万円なのだ。
ITの発達で割を食うのは、何もホワイトカラーの事務系サラリーマンだけではない。
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