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2013年4月26日 日刊ゲンダイ
年金資産を流用したAIJ事件を彷彿とさせる顧客資産消失事件が明るみになった。資産消失額は1300億円に上る見通しで、金融庁は26日にも業務停止命令などの行政処分を科す方針。
問題の資産運用会社は米ネバダ州に本社がある「MRIインターナショナル」。日本では、東京・千代田区に事務所を置いている。
同社は、診療報酬をベースにした金融商品を扱い、年利6〜8.5%で運用益が得られるとして日本で販売。昨年末時点で約8700人の顧客から約1365億円を集めていた。ところが、資産運用をした実態が確認できず、事実と異なる事業報告書を関東財務局に提出し続けている疑いがある。証券取引等監視委員会が立ち入り検査などを通じて調べていた。
MRIは経済誌や全国紙に広告を掲載して、会員集めをしていたようだが、案の定というか、芸能人も利用されていた。同社の「VIMO」という会報誌の表紙を飾ったのは元宇宙飛行士の毛利衛、アルピニストの野口健、雅楽奏者の東儀秀樹、バレリーナの草刈民代、歌舞伎役者の市川染五郎の各氏など。有名かつ好感度の高い顔ぶれを見てMRIを信用した会員もいたのではないか。それぞれに会報誌に出た経緯を聞くと……。
「頂いた見本誌の初回インタビューに毛利衛さんが出ていたので信用してしまった。取材内容も投資ではなく医療について聞きたいとのことでした」(東儀秀樹氏の事務所)。野口健氏も「著名な方が出ていたので、普通の雑誌と思って取材を受けました」(所属事務所)と回答。また、市川染五郎氏側は「現時点で経緯は把握していない」(松竹広報室)と説明した。
会報誌の初回を飾った毛利衛氏は13年前から「日本科学未来館」の館長を務めている。同館は「当館で受けた取材ではありません」(広報室)とコメントした。
MRIは、98年の設立直後は顧客に配当や償還金を払っていたが、資産の大半が消えているとされている。
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