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潰してはならない会社
自社株が上がり、自己資本が充実したかのように錯覚する会社が増え、為替効
果により経常利益が増える会社も出てきた。
このアベノミクス効果で経済界は一息ついている。
しかし、売り上げと営業利益が増えなければ、いつか株高、円安は終わり、会
社経理は元の黙阿弥に戻ることは明らかだ。
今のうち、打てるだけの手を打ち、会社の成長戦略を進めなければ、アベノミ
クスは仇花である。
国が「進める」といっている「成長戦略」を、只管待っているだけでは、会社
が生き残ることは難しいだろう。
このような非常時、タイムリーで有効な経営戦略を打ち出せるかどうかが生き
残りの絶対条件だ。ただし、その決断は経営トップの即断即決に依らざるを得
ないのではないか。
「ユニクロ」を展開するファーストリテーリングが、店長候補として採用した、
全世界で働く正社員すべてと役員の賃金体系を統一する、「世界同一賃金」を
導入する考えを明らかにしたという。
これも、具体的な人事規定はこれから実態に即して決めていく、としているよ
うだから、今はまだ「大方針」が決まった段階であり、即断即決に近い。
多分、有能な人材が側近にいて、かねてグローバル戦略を練っていたからこそ、
選択できた基本方針であろう。
わが国の会社では、このように、トップの決断によって、経営戦略が大きく変
わるケースは、これからも大きく増えよう。
一部マスメディアは、この「同一賃金による社員選別は、両刃の剣」として疑
問を呈しているが、グローバリズムがもたらしている経営環境の変化を正しく
認識しないと、グローバリズムに押し潰される経営が続出する可能性がある。
1970年代からのわが国経済の成長段階では、「みんなでわたれば怖くない」と
いった「横並び経営」がはびこっていたことを反省しなければ、グローバリズ
ムを生き残ることはできないといってもいいだろう。
現今のグローバリズムは、アパレル産業だけでなく、IT電子部品、家電、精
密機器、医療器械などでも、すさまじい勢いで進んでいる。
それゆえ国と経済界は、自治体、個別業界、学会などと連携し、國際戦略総合
特区を設定するなどして、グローバリズム対応を推進しているが、これには、
「スピード感」の乏しさを感じる面もある。
国に頼らず、自らグローバル化を選択して、成長につなげようとする個別戦略
を取る経営もある。経営環境のマーケティングの結果であろう。
それは、ドメスティック産業として生き残り戦略を模索する経営よりも、一歩
進んだ積極経営とみることができよう。
ファーストリテーリングが、「グローバル化は“Grow or Die” (成長か、さ
もなければ死か)という時代、正社員でいる以上、効率を上げ、がんばっても
らわないと生き残っていけない」と考えている以上、道は一本しかない。
「ブラック企業」というレッテルを貼られる会社が、若者の間で浸透している
ようだが、「ユニクロ」もそうした会社のカテゴリーに入るらしい。
たしかに、入社1、2年で早期退社をした若者の声を聞くと、「残業をしないで、
一定の業績を上げろ」というのは「きつい」ようだ。
しかし一方で、そういう会社に働き甲斐を感じ、目標もって働く、やる気のあ
る社員が育っていることも事実。外国人社員に多いようだ。
グローバリズムのなかで成長を模索する会社であれば、どのような社員を集め
ていくべきかは自明である。
残念ながら、早期退社を選択した若者からは、就活時点から会社選択のミスマ
ッチと指摘せざるを得ない、性格と能力を感じる意見を聞くことが多い。
アベノミクスの関連では、就活開始時期を遅らせる政策がとられようとしてい
るが、むしろ、グローバリズムのなかで、どのような社会人が輩出すべきか、
深く配慮したカリキュラムを構築することが先決課題ではないか。
教育界と経済界が連携して、グローバリズムに適応し得る人材育成、教育のあ
り方を抜本的に見直すべきだろう。
明治維新、わが国教育界と経済界が、欧米先進国に比肩し得る国家と社会を育
成するために、いかに人材育成に注力したことか、今更ながら思い知る必要が
ある。
そのポテンシャルが残ったからこそ、太平洋戦後の急速な復興が実現できたと
知るべきではないか。
ただし、急激なグローバリズムの進展のなかで、基礎教育と職場研修を開始し
たとしても、成果を享受するには時間が必要だ。
今は、会社の経営戦略として、ドラスティックな雇用・人事戦略を採用するこ
とが必要だろう。
併せて、思い切った経営戦略を採用した会社のてこ入れが必要だ。それが、今
の政府と金融機関の国家的役割ではないか。
ファーストリテーリングのように、グローバリズムに対処するポテンシャルを
持つ経営は、ある程度の一人歩きも可能である。
しかし、IT部品、家電、精密機器、医療器械、製薬など、現に人材と技術を
有する会社を、みすみす潰してしまうのは国家的損失である。
バブル経済の崩壊以後、人材と技術を有する会社が経営破綻をし、あるいは、
欧米系資本のM&Aにより、そのポテンシャルを吸収されてしまったケースが
どれほどあったかも、反省する必要がある。
ことに、マスメディアの論評が、潰さなくても良かった会社の足を引っ張った
ケースが悔しい。
とにもかくにも、いまは、掛け声だけのアベノミクスに終わらぬよう、国を挙
げての経済戦略の立て直しが必要だ。
>>
(私のコメント)
確かに伝統に拘っていたのでは生き残れない。島国に閉じこもっていたのでは外資に負ける。ここまで来てしまったからにはTPPを亡国と取るかチャンスと取るかによって潰れる会社、乗っ取られる会社が決まって来るのだろう。それにしても政府、官僚のレベルが落ちている今、日本企業は苦戦は必至だ。マスコミ、東電のざまを見ればいい。
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