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http://biz-journal.jp/2013/04/post_1976.html
TPP(環太平洋経済連携協定)など華々しい通商交渉の余波が、業界のタブーとされてきた軽自動車の優遇問題に及び始めた。軽自動車大手は「TPPと軽は関係ない。こじつけだ」(スズキの鈴木修会長兼社長)と反論するが、軽の優遇を問題視しかけた米政府やトヨタ自動車などの影もちらつき、軽自動車の税金を上げたい総務省も関心を示す。維持費が安く、生活の足として欠かせない軽自動車への包囲網が、再び狭まり始めたのか。
TPP交渉参加をめぐる日米協議で、たびたび報じられた「米国側は軽自動車の規格や税制を問題視している」との報道。業界や自動車メーカの渉外担当者は確認に追われ、経済産業省はそのたびに「公式にそんな話はない」(自動車課)と否定した。結局、日本側がアメリカの関税撤廃に猶予を与え、簡素な手続きで輸入できる枠を年間3000台から5000台に増やすことで日米は大筋合意。「あっけない幕切れ」(メーカーの渉外担当者)となった。
運輸省令(当時)で規格が誕生してから60年以上がたつ軽自動車。以前は安い代わり性能の劣る「我慢の車」だったが、走行性能や快適性も向上し、車種も多様化。地方在住者だけでなく、都会の需要も取り込んで市場が拡大している。今や新車の3台に1台以上が軽だ。
●軽優遇を疑問視するトヨタら大手自動車
こうなると面白くないのが、排気量1リットル級の車を主力とするトヨタや日産、マツダなどのメーカーだ。OEM(相手先ブランドによる生産)で軽を扱ってはいるが、利益はほとんど見込めない。02年には日本自動車工業会の奥田碩会長(当時)が「(軽自動車を)優遇する時代じゃない」と発言するなど、これまでも何度か“軽優遇廃止論”が浮上した。ただ、自動車業界として仲間割れにはなんとか至らず、軽問題は業界のタブーとされてきた。
しかし今回、TPPで軽の優遇問題がメディアで報じられるにつれ、「どこかで入れ知恵している日系メーカーがいるのではないか」(軽自動車業界関係者)との疑念が出始めた。真っ先に疑われたのは国内外で屈指のロビー活動を展開するトヨタだ。公式には認めるはずもないが、同社の関係者は「日本は今も外圧に弱いから……」と、なんらかの関与をほのめかす。
国内にも意外な“伏兵”がいた。地方税を所管する総務省だ。
「軽自動車税率は20年以上変わっていない」と言い続けてきた総務省は、自動車税や自動車重量税を統合する「環境自動車税」構想の中で、10年に「軽自動車の税負担の引き上げ」を打ち出した。年間税収ベースで自動車税は1兆6000億円余りなのに対し、軽自動車税はわずか1810億円と10分の1。軽自動車市場の拡大は税収減に直結する。環境自動車税構想は業界やメディアの反発を浴びて頓挫したが、総務省はまだあきらめていない。水面下で制度案を手直ししつつ、通商交渉の行方や世論を注視している。
TPPに続き、日欧EPA(経済連携協定)の交渉も始まった。早くも「EUは軽規格を問題視している」との報道がチラホラ始まり、業界や軽メーカーは神経を尖らせている。「スズキと裁判沙汰になっているVW(フォルクスワーゲン)は格好の材料として揺さぶりに使うだろう。軽優遇が薄れれば、小型車が主力のVWにメリットもある」(業界関係者)。熾烈な駆け引きが繰り広げられる国際交渉の場に引きずり出されれば、さすがの軽も無傷ではいられないかもしれない。
◆アメリカに足元見られる日本 TPPいよいよ不利に!? TPP推進派の日経のみ楽観視
http://biz-journal.jp/2013/04/post_1917_2.html
日本の環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加に向けて進めてきた、日米両政府の事前協定の合意書が、12日に発表された。以前から、後発の日本にとって不利な条件が重なることが懸念されてきたが、それが現実のものになるかもしれない。
日本政府が発表した合意文書では、「日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品といったセンシティビティー(重要項目)が両国にあることを認識する」と明記されたが、米国政府が発表した合意文書では農産品について明確な言及はされてなかった。これが今後、日米間で火種となりかねないーーそう指摘するのは、12日付の朝日新聞朝刊だ。
コメなどの農産物の完全撤廃を目指していた日本側だが、今回の事前協議では具体的な約束は取り付けられず、TPPの本交渉へと持ち越しになった。一方、日米協議の焦点となった自動車分野では、日本車にかかる関税が維持されることになり、その期間も「TPPで認められる最長期間」で、10年を超える可能性もあるという。極めて米国に有利な条件だ。
今回、このように日本側が譲歩せざるを得なかったのは、7月に開催されるTPP交渉会合に向けて、妥結を優先した結果だった。経済産業省幹部曰く、米国に「足元を見られて高い入場料を払わされた」(朝日新聞)という今回の日米協議。自動車以外にも、製造業や農業、保険、食の安全などで、日本は課題を残す結果となった。
東京新聞は13日の朝刊で、日本画TPP交渉に参加した場合に想定される課題と影響について言及している。米側は、日本政府が全額出資する日本郵政グループのかんぽ生命保険と民間企業の競争条件を対等にするように要求。麻生太郎金融担当相は12日、かんぽ生命保険の業務拡大を数年間凍結する意向を表明した。
また、農薬や遺伝子組み換え作物などの食品安全に関する基準についても、米側は緩和するべきだと主張している。もし譲歩せざるを得なくなれば、日本がこれまで築き上げてきた食の安全が失われる恐れがあるとも考えられる。
さらに、知的財産の分野では米側が著作権法の「非親告罪化」を提案しているが、実現した場合の「最悪のシナリオ」をマンガ家の赤松健氏が自身のブログで紹介。現在は黙認されている二次創作やパロディ作品が訴えられる可能性もあり、「文化の発展に逆行する」と書いている。
そのほかのメディアでも、見通しの暗い論調が主流だ。そんな中、TPP推進派の日本経済新聞は13日付の朝刊で「米国が自動車関税の撤廃を先送りにしても、日本の自動車業界にそれほど大きな影響を与えない」との見方を示している。乗用車の関税率はすでに低く、トラックは日本メーカーの米国内での現地生産が進んでいるため、TPP交渉に参加するメリットに比べれば、必ずしも高い入場料ではないとの考え方もできる。
それよりも、農業に配慮して、日本が「聖域」の議論を持ち込んだことで、米国内の保護主義を刺激してしまったことの方が問題だという。「交渉に例外項目をつくらないというTPPの趣旨に照らせば、交渉でコメの除外を求めるのはよくない。自動車などの工業品で参加国に例外を作らせる要因となる」(日本経済新聞)と、本間正義・東大教授が指摘するように、オーストラリアも自動車関税の撤廃を先送りするように主張を始めている。参加国にこの動きが広がれば、日本のTPP参加のメリットはますます小さくなってしまう。
現在、11カ国が加わる交渉は既にかなり進行していると見られるが、その内容は非公開だ。そのなかで、最後発という不利な立場にある日本は、TPPで追求すべき国益をしっかりと見極める必要があるだろう。
安倍首相は12日のTPP関係閣僚会議で、「我が国の国益を実現するための本当の勝負はこれから」だと気を引き締めた。しかし、10月の大枠合意の目標期限まで、日本に残された時間はわずかだ。安倍政権が参院選前に目に見える成果を求めた、拙速な交渉参加だったという指摘もある。TPP反対派が主張する“最悪のシナリオ”が実現するとすれば、日本経済の行く手に再び暗雲が立ち込めることになりそうだ。
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